船上生活者との出会い

昔、実生活で船上生活をしている人物と出会ったことがあった。
今から6~7年前のことだと記憶している。
その人は、遠隔地から都会に流れ着いてそこで細々と生活するようになった。
町中の死角を突いて絶妙な場所に漁船タイプの小型船を係留し、その狭い船内で生活していた。
車道からは全く見えず、歩道を通行する歩行者からは見えるが、人通りは少ないため通報されることはないだろう。
小さな船は周りの景色に溶け込んだように公園付近の橋脚下に係留されていた。
車道を忙しく走り回るパトカーや白バイには発見されるおそれもないし、仮に見つかったとしても犯罪の匂いはしないので、そのままスルーしてくれるだろう。
当然不法係留だが、一々目くじらを立てて怒る近所の人はいない。

船内にはノートパソコン、照明、洗濯機が積まれており、バッテリーから電源を取っていた。
トイレは、小についてはそのまま海へ、大は隣の公園のトイレを使用していた。
水道は、隣の公園から貰っていた。
船には大型のタンクが積まれており、時々こっそりホースでタンクに補給していた。
食事は、カセットコンロを使用して料理したり、弁当を食べたりするほか外食もしていた。
普段、寝るときは狭いブリッジ内だが、夏場などは外にマットを敷いて寝ていた。
寝るときや外出するときは船を岸から離して係留し、普段船で生活しているときは乗り降りしやすいように近づけて係留していた。

2013-2-16

近所の造園屋でアルバイトをして生計を立てており、バイト先の社長の好意で郵便物は事務所宛にして受け取っていた。
日常の足は、ホンダのスーパーカブであった。
公園の片隅に駐めてフェンスと一緒にチェーンロックをしてあった。
住民登録をしてきちんと税金を収めていたかは定かではないが、会って話した感じでは税金を意識しないで済むくらいの収入しかなかったと思う。
面倒なことといえば台風が接近する時で、海が時化るような天気が悪い日はアルバイト先は休みとなるので、船を安全な場所に避難させるのだそうだ。

とにかく、楽天的で温和でのんびりとした人で、人の良さが全身から溢れていた。
当時、この自由気ままに生きる人に実際に会って凄い衝撃を受けた。
この日本にこのような人物がいるなんて思いもしなかった。
日々適度に働いて、夜は友人を船に招いて酒盛りをする生活。
仕事に人生を縛られない生活。
これぞ自分が求める人生の方向性だと分かった。

この後、からあげのおっさんの人生は大きく軌道を逸れていくことになる。。。w

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『船上生活者との出会い』へのコメント

  1. 名前:裏方 投稿日:2016/11/17(木) 17:58:44 ID:53324cdc6 返信

    船上生活者の方のような生き方を、日本社会は基本的に認めていませんよね。だから、それを支援する制度もない。あるのは、生活保護か、さもなくば、働け!!
    生活保護レベルのお金を消費できない人は、差別したり、選別して淘汰しようとするのが資本主義の日本ですね。
    いずれ「成長の限界」に到達するだろうし、AIとロボットで、皆、Bライファーにならざるを得ない時代は確実に来るだろうなあと思っています。
    それまで待てずに、死んじまうような人も入れば、この船上生活者のように、ひょうひょうと生きている方もいるのですね。羨ましい。

    • 名前:karaage 投稿日:2016/11/17(木) 18:29:47 ID:5b08ea815 返信

      はい、確実にBライフの時代が来ると思います。
      日本の栄光は、すでに過去のものです。
      無駄に消費せず、慎ましく暮らすのが近い将来スタンダードになるでしょう。

  2. 名前:裏方 投稿日:2016/11/17(木) 21:51:24 ID:53324cdc6 返信

    私の弟は、離婚時に物を捨て、私の下の息子は、大学中退し、北海道に、単身、酪農をしに出かけた時に物を捨てました。
    物を捨てるというのは、実は、心のしがらみや過去を捨てるということでもあるのでしょう。
    ダメな息子が・・・と、酪農経営者にご挨拶に言ったら「酪農家の子でさえ、仕事がきつくて夜逃げすることもある。大卒の子が1年続くことは稀、サラリーマンのお子さんが、4年も続くとは驚いた。本当に助かっている。」とお礼を言われた。
    親として目からウロコが落ちた思いでした。
    息子曰く「酪農は糞にはじまり糞に終わる」そうな。
    「最も強い者が生き残るのではなく最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一、生き残れるのは、変化できる者である。」(ダーウィン)と言うけど、重荷を持たない者は、変化に強いのですよね。
    物だけでなく、心の重荷を持たぬ者が、これからの激動の時代に生き残れるのでしょう。
    私も、息子に見習って、老病死・喪失に向かって、最後まで自立して生きるため、重荷を捨てたいものです。

  3. 名前:お銀 投稿日:2016/11/18(金) 17:21:34 ID:9fbb9dedf 返信

    「船上生活者との出会い」という最新のコメントを見て懐かしくなりました。と言っても私が船上生活者じゃなくて昔、家の近くに船上生活者が住んでいたのです。
    映画「泥の河」というのがあって大阪の川が舞台です。もちろんBライフというポリシーなどなく生活のためでしたがあの頃は子供のいる家族も住んでいました。現在自分の生き方として船上生活をしているのは自由でいいですね。岸から離れることができるということはどこでもいけるんですね。いいな。

    • 名前:karaage 投稿日:2016/11/20(日) 12:30:11 ID:a22730cd2 返信

      船上生活のメリット・デメリットを考えるとどうでしょう。
      過ごしやすい気候の国であれば、選択肢の1つとなると思います。
      日本では、係留場所の問題、船舶検査などが喧しいので、気軽にはできないと思います。