走行充電システムのための正弦波インバーター400Wの入手と入力ケーブルの選定

こんにちは。からあげです。

 

今日は走行充電をするための、充電器の電源となる正弦波インバーターとその入力ケーブルの話。

 

走行充電用のためのインバーター

今回、ソーラー充電システムに走行充電を組み込むために、新たに別のインバーターを購入した。
メインバッテリー系統から電源を取り、インバーターを通して、家庭用AC充電器でサブバッテリーを充電する。

本格的なキャンピングカーでよく使用されるDC12V走行充電器(アイソレーター)には重大な欠点が潜んでいる。
オルタネーター(車のエンジンについている発電機)から出力される電気の電圧が低くて、サブバッテリーをいっぱいまで充電することが出来ないのだ。電気機器に不具合が生じるため、電圧はあまり上げられないのだそう。

アイソレーターによる走行充電とソーラーパネルによる太陽光発電は併用できないという電気的な性質があり、一旦どちらかを切り離して充電する必要あり。キャンピングカーに乗っているような裕福な人間であれば、太陽光発電や走行充電が不十分でも、自宅やオートキャンプ場などで電源に繋いで充電することができるので問題は全くなし。

問題は節約しながら長期で車中泊の旅を続けている人。多くは道の駅や無料キャンプ場で泊まって宿泊費を節約する。車中泊向けに改造した一般車だと、車内の居住空間が限られるため、サブバッテリーを幾つも積んだり、大型のソーラーパネルを取り付けたりすることは厳しい。

太陽光発電は走行しなくても充電出来るのはいいが、天気に大きく左右されるのが欠点。そこで太陽光発電を補うために走行充電もすることにした。走行充電用の充電器は、サブバッテリーの系統とは切り離されたメインバッテリーの電気系統を使って充電する。

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今回、購入したインバーターは、BAL 3WAY 正弦波インバーター400Wだ。
矩形波タイプでは、AC充電器が壊れたり動作不良が起きたりするおそれがあるので、念のため正弦波タイプを選択した。
現在、サブバッテリーの電気系統に取り付けている矩形波900WインバーターにAC充電器を接続してメインバッテリーを充電してみたたとろ、ようすを見た限りでは問題なく充電出来た。

 

正弦波インバーター400W 製品仕様

入力電圧 DC12V
出力電圧 AC100V/DC5V/DC12V
定格出力 400W
最大出力 450W
瞬間最大出力 800W
出力周波数  50Hz/60Hz(切り替えスイッチ付)
出力波形   正弦波
電源入力方式 バッテリー接続
回路方式   P.W.M方式
保護回路
低電圧入力保護回路・高電圧入力保護回路・出力過負荷保護回路・出力短絡保護回路・高温保護回路・逆接保護回路
USB出力   DC5V 2.4A(2口合計)
USB端子形状 Aタイプ
アクセサリーソケット出力 10A未満
使用環境温度 0~40℃
ヒューズ   25A×2(本体に内蔵)
コード長   1.5m
本体サイズ  142(W)×180(D)×50(H)mm(端子部分を除く)
質量     725g(付属コード含まず)

 

 

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付属品は、インバーター本体、接続ケーブル(1.5m )、取扱説明書の3点だ。

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ケーブルの端は、ワニ口クリップと丸型の端子が取り付けられている。
インバーターは400Wと出力が大きいため、バッテリーに直に接続するようになっている。
長さ1.5mのケーブルでは全然足りない。

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インバーター本体おもて

電源スイッチあり。
バッテリーに繋いでスイッチを入れると、電源ランプ(緑)が点灯したのち、保護回路作動ランプ(赤)が一時点灯して、保護回路が正常であれば直ぐに赤ランプは消灯する。
インバーター使用中に保護回路が作動すると、赤ランプが点灯してアラームが鳴る。

ボディーは全てプラスチック製で若干安っぽい作りとなっている。

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本体うら

黄色のヒューズ交換カバーと周波数切替スイッチカバーがある。
蓋はそれぞれプラスビス1本で留まっている。

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本体側面(電源入力端子側)

冷却ファン、アクセサリーソケット(DC12V 10Aまで キャップ付き)、電源入力端子(+ー)あり。
電源入力端子はネジ式となっている。

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本体側面(AC出力コンセント側)

AC出力コンセント×2(100V)、USB端子×2(5V  2.4A 2個合計)、通風孔あり。

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ヒューズボックスの蓋を開けたところ。
中に25Aヒューズ2個が入っている。
ヒューズは並列接続で電流が50A流れると切れて機器を保護する。(メーカー確認済み)

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周波数切り替えスイッチ

スイッチは奥の方にあるので切換しにくい。細いマイナスドライバーを使って操作するとよい。
初期設定は60Hzということだが、蓋を開けてみると50Hzに設定されていた。
最近の家電は50、60Hz両方対応しているものがほとんどなので、スイッチを弄る必要はないだろう。取り敢えず60Hzとしておいた。

 

インバーターの入力ケーブルの選定

付属の入力ケーブルは1.5mと短いので、インバーターを車に設置するにはケーブルを自前で用意する必要がある。
メーカーにインバーターの入力側の最大電流を電話で訪ねたところ、「最大40Aという回答を得た。
付属の入力ケーブルには何も表記されていないので、端子のカバーを外しノギスで中のより線の銅線の直径を測ってみると約3mmだった。
コードの規格がよく分からないので、ネットで調べてみた。

一般に電線サイズ(太さ)を表すとき、単線では直径(mm)より線では断面積(平方ミリメートル、略してsq(スクエア))で表される。

真空管SEPPOTLアンプのぺージ(電線、ケーブル、コードのサイズ表示とその種類)より引用

上記のサイトが簡単明瞭で一番分かりやすかった。
単線は固くて加工し難い。
ホームセンターで売っている電線はたいてい撚り線で、○SQとか○mm2(平方ミリ)で表記してあるのを見た記憶がある。
直径が判れば断面積は計算で出せる。

直径から断面積を求める計算式

円の面積=直径/2×直径/2×円周率(3.14)=1.5×1.5×3.14=7.065≒7

ケーブルの規格には7SQ(スクエア)のものはないので、これに近い8SQにする。
KIV(可とう性のある600V絶縁ビニル電線)の8SQの許容電流は61Aとなっている。
ケーブルの許容電流が大きいに越したことはないが、オーバースペックだとケーブルが高くなるし、それ用の圧着端子も高くなる。ほかには端子が大きくなると、インバーターの入力端子に合わなくなってしまう。

検討に検討を重ねた結果、8SQではオーバースペック、その下の5.5SQのコードをインバーターの入力ケーブルとして使用することにした。
5.5SQのケーブルの許容電流は49A。インバーター入力側の最大電流40Aより大きいので、ケーブルの容量も問題なし。これで決まりだ!

 

今回設置するインバーターは、天井付近にある既存の900Wインバーターのとなりに設置するので、メインバッリーから引っ張るとケーブルは約5mの長さが必要となる。

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5.5SQのKIVケーブルを赤黒各5m購入した。

痛い出費だが、お金をケチって容量の足りない手持ちのケーブルで工事を行うと、大容量の機器を接続した時に電気火災のおそれがあって非常に危険だ。

出力側の交流は、多くてもせいぜい10Aとそれほど大きな電流は流れないが、入力側の直流では、低いW数の機器でも大電流が流れることになるので注意が必要だ。

300Wの機器を接続した場合、出力側は300W/AC100V=3Aだが、入力側DC12Vの電流値は、300W/DC12V=25Aとなる。
入力側は許容電流値10A程度の家庭用の延長コードだと軽くオーバーしてしまう。

計算式 電力W=電圧V×電流I 電流I=電力W/電圧V
(力率は考慮せず単純計算。実際の電流値は計算の値より少し低い。)

以上のことから、既存の900Wインバーターの入力ケーブルは、極太100Aのブースターケーブルを使用している。

 

走行充電システムの取付プラン

メインバッテリー直付インバーターとして天井付近に固定して、AC充電器は使用する度にセットして走行充電することにする。
充電器を固定して取り付けてしまうと、汎用性が大きく失われてしまうので、敢えて固定しないことにした。
持ち運んで充電出来る方が使い勝手ははるかに良い。
車が軽自動車のジムニーで設置場所の問題もあった。

機械の中にゴミが入らないようしようとすると天井付近に設置したほうがよい。
だが、手持ちのAC充電器は筐体が大きく場所をとる。

ノートパソコンは、サブバッテリーからDC-DCコンバーターを介して電源をとって効率化を図る。
DC-DCコンバーターは車に固定して車内での利用に限定する。
配線ケーブルや圧着端子、シガーソケットを用意して取り付けるようにする。

今日も電気関係で頭が痛くなってきた。
完全な容量オーバーだ。これもある意味危険だな。

コメント

  1. やまめ より:

    隊長はエンジニアだったのがよくわかる記事でした。
    しかしネットは偉大ですね。
    ネットがない時代は図書館で専門書で調べていたのがネットで調べて結果が出るから仕事が早い。
    解らない事は調べる能力がある隊長はエンジニアとして、能力が有ります。バイトでなくエンジニアとして生きて行く事を希望します。

    • karaage より:

      エンジニアにはスピードと正確さが求められるので嫌いです。
      ハイテクとローテクのハイブリッドのような仕事がこれから伸びてゆくと思います。

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