朝日川を遡る

こんにちは。からあげです。

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昨日はとあるダム湖の公園で車中泊した。
国道から少し入ったところで、入口の標識もないので余所者には気づきにくい場所だ。
日が沈むと気温がぐっと下がって風が吹いてきたのでかなり過ごしやすくなった。
食事の用意をしていると一台の車が公園に入って来たのでドキッとした。
車から出てきたのは親子で、車のヘッドライトで木を照らして何かを探しているようだった。
子供が虫捕り網を持っていたので、クワガタかカブトムシを捕りにきたのだろう。
しばらくすると出て行った。

一夜明けると昨日の暑さは嘘みたいに涼しくて過ごしやすい朝だった。
最低気温は21度でそれほど低くはないが、温度差が激しくて肌寒く感じた。
しばらくすると対岸の方からけたたましいエンジン音がした。
始めは何だろう、ボートでも走っているのだろうかと思っていると、その音の正体がようやく分かった。
そう、刈払機のエンジン音だ。
昼間は暑すぎて作業するのが辛いので、早朝の時間帯に草刈りをしているのだ。

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食事を済ませると日が照らないうちに出発することにした。
ついでにダムを見学してゆくことにした。
特になんの変哲もない普通のダム。

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ダム湖には流木がたくさん浮いていた。

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ダムを出ると車を山の方に走らせた。
今日は涼しさを求めて朝日川を遡ることにした。
靴箱の下の方に押し込んでいた渓流シューズの存在をすっかり忘れていた。
こんなに暑いのだから沢登りをすればいい。
しかし、ほとんど歩いたことのない人間が奥の方の沢を歩くのは非常に危険だ。
脱出するのに時間が掛かるし、圏外なのでスマホを使うことも出来ない。
そこで考えて川沿いに道路が通っている場所にすればいいと思った。
途中でもう無理だと思ったら、直ぐに道路に上がって止めにすることが出来る。
今回、歩くことにした朝日川は朝日連峰の大朝日岳(おおあさひだけ)から流れ出る最上川水系の一級河川だ。
装備は渓流シューズのほかにヘルメットとグローブを着用する。
スマホはザックが濡れても大丈夫なようにチャック付きの袋に入れておいた。
私のスマホはもともと防水タイプなのだが、USBの差込口のキャップが駄目になっているので、防水ではなくなってしまっている。

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車は県道289号線立木集落のゲート手前、橋のところの駐車スペースに停めた。
ここから歩いてスタート。
ゲートは冬期や大雨が降った時に閉鎖される。

朝日川を遡っていって気が済むまで歩いたら道路を歩いて戻ってくる作戦だ。
始めはウォーキングシューズをザックに入れて帰りに履いて戻ってこようと思ったが、靴が嵩張って邪魔になった。
そこでクロックスもどきのサンダルをザックの両サイドにくくり付けることにした。

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川に降りたいのだが、なかなか降りられる場所が見つからない。
仕方ないので道路を歩いてゆく。
ガードレールが無くて道幅が狭い危険な道だ。

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300mほど歩くと降りられそうな場所を発見した。
土のう袋を積んだところが階段上になっている。
2段下りたところで、ザックを当ててバランスを崩して転けそうになる。

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入渓!

ただ言ってみたかっただけ。
さあ、前途多難な川歩きが始まったぞ。

いきなり急流に行く手を阻まれる。
どうしていいのか分からない。
取り敢えず川の中に足を踏み入れてみる。
おお、フェルト底のグリップはなかなかのもんだ。
おっさんは腰を引きつつビクビクしながら川を渡っていった。

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一難去ってまた一難。
またまた急流が現れた!

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直ぐに下のパンツまでずぶ濡れになった。
これで吹っ切れたような気がした。

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急流を越えると流れが穏やかになった。
これなら多少水深があっても流されることはない。
それにしてもさっきからまとわり付いてくるアブの大群が鬱陶しくて仕方ない。
いつの間にか30匹以上ものアブに囲まれてしまった。
常時手で払いのけていないと刺されてしまう。
写真を撮るのにも一苦労。
アブがなかなかチャンスを与えてくれない。

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人工の滝のような場所にやって来た。
ああ、また釣り人がいるな。
しかし、避けて通れないので仕方ない。
なるべく邪魔にならないように端の方を歩いてゆく。
釣り人からの冷たい視線がおっさんの心奥深くに突き刺さる。

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五枚田の滝

朝日川に流れ込んでいる。

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滝の近くに行って間近で見る。
うむ、自分の足で歩いて行って見るのは格別だな。

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玉石橋

自然石で組まれたアーチ状の橋。
あれ、また釣り人がいる。
釣り人の邪魔はしたくないんだが、結果的に凄く邪魔してしまっている。
本当に申し訳ない。
川の土手に上がれるところは上がってヤブの中を進み出来るだけ邪魔しないようにした。
ヤブの中だとアブの大群は付いて来れないらしい。
半分くらいに減ってくれた。
喜んだのも束の間、ヤブから出ると再び元の数に戻ってしまった。

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向こうの方に砂防堰堤が見えてきたぞ。
流れが急なので石積みの斜面を歩いて行って流れが緩やかな奥の方で向こう側に渡ることにした。
なんとか渡ると水深が深くてザックの下とウエストバッグが濡れてしまった。

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堰堤の間を抜ける。
流れはほとんどないが、水深が深くてザックが濡れてしまう。
今回、ザックは着替えと防寒着、スマホをビニール袋に入れたくらいで他のものは防水処置していない。
ザックにウエストバッグを括りつけて、ザックを頭の上に載せて深みに入ってゆく。
徐々に体が水の中に入ってゆく。
腰の高さを越えて更に沈んでゆく。
なんとか胸の高さまででザックを濡らさずに通過することが出来た。
完全防水のザックならそのまま泳いでいけるのにと思ってしまった。

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徐々に調子が出てきた。
釣り人の姿もなくなり余計な気を遣わずに歩けるようになった。
視界には人工物はないが、右上の方に道路が走っていて、微かに車の音が聞こえてくることがある。

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またもや深みにやって来た。
脇をヘツって行こうとするがのっぺりした岩で歩いて行くのは厳しくなった。
上の方をみると巻道らしき踏み跡があったので、行ってみることにした。

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そのまま踏み跡を辿ってゆくと大きな岩の上に出てしまった。
そこから川へ降りられそうにない。
引き返して斜面を更に登ることにした。
すると吊橋のところに出てしまった。
おや、何か書いてあるぞ。

関係者立ち入り禁止

左の錆びた看板には通りたければ自己責任で。ただし事故があっても責任は負わない。というような文言が書かれていた。
よし、自己責任で渡ることにしよう。
見た感じ傷んでいるようには見えない。

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吊橋を渡っているところ。
すると橋の上にクマの糞のようなものを発見した。
クマもこの橋を通っているらしい。
怖くて思わず脱糞してしまったのか。

いや、そんなはずはあるまい。
見晴らしの良い所でしたかっただけだ。
クマはこれくらいの高さでは怖がらない。

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橋の上から朝日川を見下ろす。

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吊橋を越えたところで急斜面を下って川に降り立つ。
かなり急だったが、木の根っ子を使って滑りやすい斜面を降りていった。

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あらまあ、こんなところに鉄骨が落ちている。

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川を歩いていて気がついたことは、結構大きな石でも変に力を加えるとゴロンと動き出すことがあるということだ。
角が丸まって楕円形になった石はバランスが悪くて転がりやすい。
岩の間に挟まっている流木も気をつけてよく見ないと、手で持つと簡単にスッポ抜けるものもある。
何度かトラップにハマって転けてしまった。
川の中を歩く場合は、いつもより慎重に石の上から体重を載せるようにして歩くとバランスを崩しにくいと分かった。

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アブの大群に囲まれ続けていい加減うんざりしていた頃にダムが現れた。
水深が深いので歩いて行けない。
両端をよく見てみると右側に踏み跡があった。

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踏み跡を辿ってダムに近づいているところ。
やれやれ一時はどうなることかと思った。

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ダムの放水路を間近で見る。
上の方に人が見える。
怒られてしまうのだろうか。

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ダムの直下からは階段を登って上に出た。
さっき下から見えた人は工事の作業員のよう。
普通に歩いて行っても特に怒られることはなかった。

ダムの上に出るとアブがかなり減った。
これでようやく休憩出来るようになった。
ザックを下ろして中からフランスパンを取り出して齧る。
うまい!

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ダムから先は水深があるので、再び道路を歩くことになった。
すると道路脇に慰霊碑があった。
ダムの建設工事で命を落とした人がいるのだろう。
合掌して頭を下げる。

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慰霊碑から川の方をみるとダムでせき止められたことによって砂が堆積してしまっている。
しばらくは殺風景な景色が広がっていることだろう。
時計をみると11時を過ぎ。
歩き始めて4時間を経過したところだ。
もうここらで引き返すことにしよう。
今日は初めて。無理することはないだろう。
アブが鬱陶しくて歩きに集中出来ない。
今後はアブ対策をしっかりとする必要がある。

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渓流シューズを脱いでサンダルで道路を歩いてゆく。
トボトボと歩いていると後からやって来た車が止まって中から声を掛けてきた。
なんと乗って行かないかと言われたのだ。
しかし、おっさんは川の中を歩いてズボンが濡れたままとなっている。
せっかくの好意だが、断らせて頂いた。
日焼けして麦わら帽子をかぶったおじさんだった。
ナンバーは東京方面。
多分、釣りにやって来た人だろう。
あまり東京に良いイメージを持っていない自分だが、いい人もいっぱいいるんだなあと思った。

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途中、斜面から沢水が出ていたので、Tシャツを脱いで洗濯して体を拭いた。
今日は腰上まで水に浸かったから水浴びはなしにしよう。
服も着替えない。
歩いているうちに自動で洗濯出来てしまった。
自分で書いていてそんな馬鹿なと思いつつズボンを見ると、こ汚なかったズボンが多少綺麗になっているではないか。
これにはおっさんはビックリ。

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車に戻ると濡れたものを乾かして寛いでいた。
するとどこからともなく一台のバイクがやって来た。
アルミシートで窓を塞いでいたので音しか聞こえなかった。
近所の人がふらふらと川の様子を見に来たのかと思っていると、不意に声を掛けられる。
なんと読者だった。
大型連休を利用して遠路はるばる登山しに来たそうだ。
あまりに軽装だったので、ビックリして聞いて見るとテントやマットなどの嵩張るものはシートの下に入れているそうだ。
それにしてもかなり荷物が少なかった。
厳選した必要最低限の荷物しか持って来なかったのだろう。

今日はアブの大群にやられた。
あとは藪漕ぎをして腕がカイカイになった。
やっぱり長袖を着たほうが良さそうだ。
釣り人は完全防備の服装をしていたなあ。
薄汚れてグレーになったTシャツ一枚で歩いていたおっさんは釣り人の目にはかなり奇異に写ったことだろう。
まあ、いい。
何事も経験が必要だ。

夕方から雨が降り始めたが今上がった様子。
明日はどうしようか迷う。
雨は大したことなかったので、川はそれほど増水してはいないだろう。
今日の続きを歩いてみるのもよし。
さらに奥地に行ってみるのもよし。
現地に行ってみて決めるとしようか。

おわり

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『朝日川を遡る』へのコメント

  1. 名前:一式陸攻 投稿日:2016/08/08(月) 19:19:12 ID:bd702098f 返信

    夏山、登山、車中泊、沢登りと隊長は、すごい!

    今日は、天皇退位もあり、隊長は、新しいリタイヤ者の生き方を実践しています。

    それにしても連日、猛暑ですね。
    お体、気をつけてください。

    • 名前:karaage 投稿日:2016/08/09(火) 18:58:47 ID:ed8214f7c 返信

      沢登りというか単なる川歩きです。

      とうとう暑くて参ってしまいました。
      しばらくは体力の回復に努めます。

  2. 名前:自然大好き 投稿日:2016/08/08(月) 22:13:14 ID:52b95d049 返信

    隊長、お疲れ様です。ハンディの144・430Mhz無線機を1台持ってたらいかがでしょうか?アンテナだけ利得の高い伸縮できるロッドアンテナを持っておくと、いざというときに非常通信出来ますし、標高が高い所でどこまで電波が飛ぶか実験をしてみていただきたいです。まだまだ、暑い日が続きますが、お身体には気をつけて頑張って下さい。
    応援しています。

    • 名前:karaage 投稿日:2016/08/09(火) 19:00:12 ID:ed8214f7c 返信

      無線機ですか。
      あまり気乗りはしません。
      誰か聴いている人がいないと意味がありませんし。

      本日バテてしまいました。