激闘シエラの始まり

こんにちは。からあげです。

現在、INDEPENDENCEの町で休養中だ。
時間があるうちにTEHACHAPIを出てからの様子をアップすることにしよう。

もう何日前だったか、砂漠の町TEHACHAPIを出た日にちを覚えていない。
フリーウェイの入口でヒッチを成功しTrailに戻って歩き始めた。

TEHACHAPIからシエラの玄関口Kennedy Medowsまで約135mileの距離を5日で歩いた。
砂漠を抜けてホッとしていたが、水無し区間が長くて常に多くの水を持ち歩かねばならなかった。
途中で町に下りて補給することも出来るが、最寄りの町まで25mile、大きな町まで35mileと遠くてヒッチが難しかった。
そんなわけで一気にKennedy Meadowsを目指した。

夜明け前に起きて片付けをして歩き始め、日没後暗くなるまで延々と歩き続けた。
思いの外Hardで常に空腹状態だった。
ものを食べた瞬間からお腹が空く。

幸いなことにTrail Angelが食べ物や飲み物をご馳走してくれてなんとか歩ききることができた。
最後は食べ物を食い尽くしてK Mに入った。

KMは小さな店が一つと遠く離れた民家が数軒あるのみの凄い山奥でスマホの電波が入らなかった。

AT&Tは全くの圏外だが、ベリゾン?は圏内のようだった。
無料のWifiがあったので繋いでみたが、なぜかネットに繋がらず。
原因は不明のまま。
情報を手に入れることができないので、ゆっくり休養はしなかった。
前後にNERODAYをとって合わせて一日休んだのみだった。
NERODAYとはNEAR ZERO。ZERODAYに近い日。つまりあまり歩かない日のこと。

ここがKennedy Meadows Store。
ハイカーの重要拠点となっていて、店の裏手で無料でCampできる。
始め知らなくて、店の閉店時間に間に合わずに手前でCampすることにした。
来てみてビックリ。

ハイカー達は店周辺でシエラ入りの準備を行う。
シエラ必須装備のベアキャニスターに食料を入れるもの、クランポンやIceAxeを出して点検をするものなどがたくさんいた。

そんななか、私はNEWSHOESを手に入れてご機嫌だった。
Amazon.comで購入したトレランSHOESをここKMSに送って貰った。
日本Amazonのアカウントがそのまま使えて凄く便利だった。

SHOESの他にもStoveとFilterを購入している。

お昼をKMSのバーガーを食べてTrailに復帰。
シエラに向かって歩き始めた。

しばらくゆくと、徐々に残雪が現れた。

今回、アメリカ本土最高峰Mt.Whitney(14494ft)に登りたかったため、刻んでLone Pineの町に下りることにした。
THのCampgroundから町まで片道20mile。ガードレールのない山岳道が続いている。
そんなところを歩くとまる一日かかるのでヒッチは必須。
試行錯誤して編み出したハイカー乗っる車をヒッチ作戦をとってなんとかヒッチに成功した。

乗っている女ハイカーは露骨に嫌な顔をしていたが、Trail Angelの前では何も言えない。ざまあみろだ。

今回のPTC、スルーハイクするため、どんな屈辱的なことにも耐える覚悟を決めた。何を言われようと酷い態度を取られようともスルーハイクを優先させる。

Lone Pineから終点のCampgroundのあるTHまでのヒッチは困難を極める。
日曜の午後から行き止まりのCampgroundに行く人は少なく、Trail Angel召喚スキルを覚えていない私は地道にヒッチをするしかない。
ヒッチを始めようと町の出口に向かうとヒッチを行っている人がいた。
私は頼み込んで一緒にヒッチをしてもらうことに成功した。

すると一緒にヒッチを始めた瞬間、車が止まるMIRACLEが起こる。
ガソリン代を出してくれたら連れてやってもいいよ、ということで話が付いたらしく、1人10$出すことになった。
有料の車を頼めば80$以上するらしい。かなりの節約となった。

ヒッチの相棒、名前はアダムという。
PTCハイカーにしては何か変だなと思っていたら、なんとパラグライダーをやっている人だった。
山の上に車を置いて飛び立ち50mile程先で着陸しヒッチして戻ってくる。
そんなことを一日2回繰り返すという。
途中で彼の車に乗り換えてTHまで送ってもらった。

私がお金を差し出すと、そんなものはいらない。Trailを楽しんで来いよ!と言ってくれた。
ビール片手の運転だったが、彼は凄くイイ奴だった。
些細なことはどうでもいい。私の第六感は、そう告げていた。

Trailに戻ると残雪が多く残るようになっていった。
親切なハイカーに残雪の様子を聞いてみると、いつも通りか少し少ない程度だということだった。

残雪はまあこんなもんだろう。というのはあった。
しかし、別な問題の方が厳しかった。

それは雪解け水で増水したCREEKの渡渉。
昼間の強い日差しで急速に雪解けが進み、雪解け水が一気にCREEKを流れる。そんな危険なCREEKを渡らねばならない。

激流を見て手前でキャンプするものが続出するなか、果敢に渡渉にチャレンジするハイカー。
この程度でCampするようではスルーハイクは厳しい。

増水したCREEKは朝イチだと水量が減って渡渉しやすい。
私はこのハイカーに勇気づけられて渡渉を行った。
彼の渡った場所は水深が深くて難しかったので、引っかかっている流木を利用してなんとか渡渉に成功した。

渡渉の他に広大な雪原を進むのが苦労した。
手持ちの地図は狭い範囲しか表示されていなくて、視界のうちにある高い山は地図の範囲外。
自分の歩くコースがハッキリと定まらない。
そのため、何度も道迷いして全然進むことができなかった。

限られた食料がますます減ってゆくさまを見て私は恐怖に取り憑かれてしまった。

激流と化すCREEK

もうこうなったら誰であろうと渡れない。
渡れる箇所を探し出すか、翌朝まで待つしかない。

ちなみに朝一の渡渉。
水量は若干減るが、水は冷たい。
体が温まる前の冷水はかなり堪える。

これはMt.Whitney手前のCREEK。
これを渡らねば辿り付くことができない。
CREEKの近くにツエルトを張って様子を見たが、衰えることのない水流、ジェットエンジンのような轟音を聞き続けて、Mt.Whineyを断念することに決めた。
登ったはいいが、水量が増して戻って来れなくなる。
CREEKに足止めされると食料が底をつく恐れがある。
危険な真似をするわけにはいかない。

食料がなくなっても他のハイカーに強請っておこぼれをもらうことも出来るが、そんな恥さらしなことはしたくない。
Trail上で他人の援助と受けたら、もうハイクは終わり。そのように考えている。

名残惜しいMt.Whitney。
悔しいが今回は諦める。

雪原歩きは方向感覚を失わせ、午後になると雪が緩み体力を消耗する。
すっごいHard。

このCREEK。水量が多かったが、渡れる場所がここしかなかった。
意を決して渡渉。途中、体が軽くなったがなんとか堪えて対岸に辿り着いた。
冷や汗ものだった。

ちなみに失敗すると、下流では滝が待ち受けている。
流されたら、ボロ雑巾のようになって川岸に打ち上げられて、そのうちクマに食われてしまうだろう。

写真ではこの恐怖は伝わらない。

道間違いして別のTrailに迷い込み激流に阻まれる。
なんだこれは?
あまりの恐怖にチビりそうになった。

流木を使って激流を渡る。
私が考えるに流木の上を歩くのが一番安全。

ただし、足を滑らせたらアウト。

ベアキャニスターの位置は、こんな感じになった。
あれこれ試行錯誤した結果。

横にして入れられない。バックパックが微妙に小さい。

Forrester Passに向かう途中。
この日は雪が緩んだため、途中の森でCampした。

翌朝、明るくなるとテントSITEを出発。
峠を目指して登ってゆく。
トレランシューズのグリップの良さに驚く。
ソールが柔らかくてスタッドレスタイヤのようになっているのか。

急斜面を登る。
滑落したらアウト。
下の岩場にぶつかってバラバラに。

あともうすぐでForrester Pass

最後のトラバース。
滑落したら数百メートル落ちることになる。

自作の杖2本と自作チェーンアイゼンで乗り切った。
峠に立って喜ぶ。

ハーフパンツのハイカーやチェーンアイゼンが多く見られて異様な光景。
こんなこと日本じゃありえない。

これが自作アイゼン。
最終形態はこうなった。シンプルが一番。

危険なスノーブリッジも渡る。
度胸が必要。

雪が緩む前に少しでも歩く。
パワーバーを食べてお腹の虫をごまかす。

地図とコンパスで進む方向を確認している。
他のハイカーはGPSやアプリを使ってスイスイ歩いている。
こんなローテクな方法を使っているのは私くらい。

昔、太平洋戦争でアメリカ軍がレーダーで監視を行っていたのに対し、日本軍は24時間双眼鏡で見張りをし続けていたような感じ。
ハイテク機器にかなうわけがない。

シエラの日差しは強く、雪面には大きな凸凹ができる。
午後になって雪が緩むと、この上を歩くのはかなり疲れる。

Kearsarge Passのようす

この日午後、雪が緩んでしまったため、他のハイカーは峠超えを断念。
私1人がせっせと歩いていた。
苦しい峠越えを終えてTHのCampgroundに下りるとMIRACLE HITCHに成功してしまった。

峠の下りもかなり大変だった。
自分の感じるままに、最適ラインを選んで下っていった。
登りの労力がなんだったかと思うほど、滑るように雪の斜面を下ってゆく。

そしてINDEPENDENCEの町に辿りついた。

前日8mileしか歩けず絶望していた私。
翌日は20mileの道のりを歩いて町に辿り着いた。
残りの食料を見て心細かったのはなんだったのだろうか。

無事に町に下りて一息ついたらTrailに戻る。
明後日の土曜の早朝にヒッチを行ってTHに戻る。
あまりのんびりはしていられない。
Trailに戻れば、CREEKの激流が待っている。
シエラでの最大の危険はクマでも滑落でもなく、激流の渡渉。
私はそう考えている。
この先どんな試練が待ち受けているのか。
楽しみで仕方ない。

景色が素晴らしい反面、かなりHardなシエラ。
私の求めていた世界がここにあった。

おわり

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