こんにちは。からあげです。
昨日の夕方から冷たい雨が振り続け、ようやくあがったところです。
いつも車中泊の時、晩御飯食べ終わると恒例の読書タイムとなります。
それで最近、お気に入りの人を見つけた。
それは沢木耕太郎だ。
26歳で仕事を捨て放浪の旅に出る。
その時の旅の様子を書いたのが深夜特急だ。
新潮文庫の深夜特急2のマレー半島・シンガポール編の巻末の高倉健との対談に中に、凄く良い事が書いてあったのでその一部を紹介したい。
高倉健
僕の場合は、一日幾ら、時間で幾らの仕事ではないですから。
一本幾らなのに、一本やるのが二年も三年もかかったのでは、まるで間尺に合わないんですけどね。
間尺に合う仕事の仕方というのは、もう二十何年もやっていれば、まがりなりにもわかりますし、南極や北極の果てまで行って、もしかすると死んじゃったかもわからないような仕事の仕方をするんだったら、ちょっとコマーシャルひとつやれば、ものの一週間もしないでそのくらいの金はかせげるということもわかりますし、コマーシャルの仕事の依頼は結構あるんですけど、それをようやらないんですよね。
自分はどうしようかということがわかってないんじゃないかと思うんです。
沢木耕太郎
物とか何かから逃れたいという思いがとても強くて、物を持たないということは、僕の場合は金をかせがない、かせがなくても済むという状態をどうやってつくっていくか。
それが僕の場合だったら、仕事を選ぶということにつながったわけですね。
それをもし、物というものにこだわり始めれば、お金というものにこだわらざるを得ないし、お金にこだわると、やがて仕事の選択の自由が失われるという循環だったんです。「平凡パンチ」1984年1月2・9日号に掲載されたものを再録したもの
この文を読んで、これが自分の目指しているところだと分かった。
長期のローンを組んでマイホームを建てるのは、職業選択の自由を狭め自分を追い詰める結果となる。
お金を稼げる能力がありながら敢えて稼がない道を選択する。
ここに漢の美学を感じる。
マカオのカジノでのギャンブルのところは非常に臨場感があって、封じ込めたはずのギャンブルの虫が騒ぎ始めて困った。
読んでいる者にもギャンブルの興奮がひしひしと伝わってくる。
ディーラーとの熱い駆け引き。魂を揺さぶられる。
本当に面白い。
今まで生きててこの人のこと知らなかったのが恥ずかしい。
お気に入りの作家がまた一つ増えた瞬間だった。
若い時この本を読んだら、どうなっていたか分からない。
バイトで貯めたお金を握りしめて海外に逃亡したかも。
おわり
コメント
懐かしいです。
私は若い頃に読みました。
その後文庫本も買って、
全6巻、ちゃんと今も蔵書してます。
( ̄ー ̄) ニヤリッ
からあげさん!毎度です。
自分は去年まで、東南アジアの新興国の田舎で5~10万円位でノンビリ過ごしたいなと思っていました。
その為に投資(投機?)でインカムを稼げるように勉強をしていました。
実際、幾つかの案件に投資していたのですが、破綻したり色々な事が起きました。
「XX国が投資適格国に格付けが上がったってよ」
「じゃあ、仕込み早くしないとな・・・」
その頃には世界的な投資ファンドは仕込みが終わっています。
その投資ファンドのオーナーは・・・?。
XX国を投資適格国にした格付け会社の出資者は・・・・?。
これってマッチポンプじゃん!!
まえからこの事実は知っていましたが、流れに乗っかっている自分がいました。
馬鹿みたい!!止めた!!
そうだ!!このような資本経済、貨幣経済から出来るだけ距離を取ろう。
そうすれば、影響を極力受けなくて済む。
これが理由です。
また30才前後に思い抱いていた事への回帰でもあります。
>kyonさん
こんにちは。
ブログ村のセミリタイヤ関連のブログに来る方はやはりそう思う人も多いみたいですね。
実は一時私も海外逃亡の野望を抱いてました。
過去に、資産運用しようと株に手を出し散々な目に会ったので、現在は銀行預金のみとしています。
資本経済から距離をとる。これが出来たら本当に生きている実感が得られるのでしょうね。
お互い頑張りましょう!
>musyoku2006さん
こんなに楽しい本があるの今まで知りませんでした。
図書館から借りていた2巻まで全て読んでしまったので、早く続きが読みたくてウズウズしています。
> お金を稼げる能力がありながら敢えて稼がない道を選択する。
> ここに漢の美学を感じる。
競争・消費社会の価値観から抜けて生きるのを「美学」と捉えるか「精神的強さ」と捉えるか。「お金に縛られない」「自由に」というのを、「喝欲に捕らわれず、執着を捨てる」と捉えれば、「悟り」に近づく。
まだ、からあげ隊長さんは、人生の登山中。美学、強さだろうけど、やがて下山は必要。下山しない人生は「遭難」になってしまうから。
私は、現在は、下山中なので、競争・消費社会の価値観から抜けるという意味では同じですが、Bライフや仕事をしない・・ということとは違って、「老病死の受容」が「漢の美学」=「武士道」だろうと思ってます。