AC充電器(セルスター DRC-1000)で車中泊用サブバッテリー(105Ah)を充電する

こんにちは。からあげです。

 

長期車中泊旅行でのサブバッテリー運用報告

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今日は北海道車中泊の旅で車に積載して使用していたサブバッテリーについての話をする。

2015年春、北海道出発前に主にノートPCやスマートフォンの電源用として、ディープサイクルバッテリー、ソーラーパネル、チャージコントローラで構成されたソーラーシステムを車に取り付けた。
北海道上陸当初は順調に稼働していて、パソコンやスマホを繋いで充電して快適な車中泊ライフを送っていた。

ところが一月も経たないころから、サブバッテリーの電圧が低くなっていることに気がついた。
この年の北海道は例年になく天候が不順のようで、6~7月にかけて曇りや雨の日ばかりが続いていた。
地元の人によれば、今年の梅雨のような天気は珍しい。いつもは天気が安定し一番過ごしやすい季節とのことだった。

日照不足でソーラーパネルの発電量は消費量に追いつかない。
じわりじわりと日増しにバッテリーが消耗してゆく。

 

ソーラーシステムの設計段階では、走行充電も組み込もうと考えていたが、ソーラー充電と走行充電は電気的に併用出来ないとの情報を入手した。
あれこれ検討を重ねてまずはソーラーシステムだけでやってみることとにしたのだった。(その方が費用も安く済むので)

 

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当初は空のバッテリーが満充電されるまでに要する日数は約2週間ノートパソコンを連続して使用できる時間は約40時間と見積もっていた。(インバーターとバッテリーのロスも考慮)

ところが全然計算通りにはならない。

ソーラーパネルは、太陽に向かって直角になるように角度を調整すると発電量が高まる。私の場合、ジムニー純正ベースキャリアに自作のアタッチメントで水平に取り付けている。理由は走行中の空気抵抗を考えてのこと。
簡単にパネルを取り外せるようにして手動で角度調整ができるようにしようかとも考えたが、取り付けの強度を保てるアイデアが浮かばなかった。

ソーラーパネルの公称最大出力動作電圧は17.5Vでバッテリー電圧の12Vよりかなり高め。晴れた日でも時間帯によっては雲が出て来て日が陰ってしまうこともあるが、パネル出力電圧が高いので満充電まで充電出来ると考えた。

しかし、それは甘すぎたようだ。
当時充電電圧は測っておらずあくまで私の推測だが、晴天で条件が良い時でも最高14v程度だったのではないかと思われる。

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その後、バッテリーは日増しに消耗して内部の劣化が進んだ。
晴れの日は見掛けの電圧は上がるものの、負荷を掛けると電圧が急降下するようになってきた。

システムに組み込んでいるチャージコントローラーは、バッテリー電圧14.3v充電ストップする仕様。
見掛けの電圧を感知して充電を止めてしまうので、晴れの日でもバッテリー残量はほとんど回復することはなかった。
出発から4ヶ月近く経過した旅の終盤では、パソコンを1電源に繋いで時間も使用しないうちにバッテリー電圧が12.0vを下回るようになった。ノートパソコンの使用は控えてスマホでブログ更新を行うなど電気の節約に苦労した。

試しにソーラーパネルからサブバッテリーに直結して充電してみたこともあったのだが、劣化したバッテリーは復活することはなかった。

 

バッテリー充電器(セルスター DRC-1000)の購入

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セルスター バッテリー充電器 DRC-1000

約5ヶ月間の北海道車中泊の旅から家に戻ると、すぐにバッテリー充電器を購入した。

機種選択の決め手は

適合容量8Ah~150Ahまで幅広く
8段階の自動充電制御で細かく充電を行える
充電モード(ノーマル、スノー、ブースト)の3種類を選択出来ること
充電電流最大10Aで高出力

の以上4点。

最近の家庭用の電化製品はたいてい全自動となっていて、手動で調整出来ないようになっているのが残念だ。(メーカーは不適切な使用による機器の故障を恐れているのだろう。)
その中で使用者がある程度設定できて、取り扱いが簡単で安価なものはDRC-1000くらいしかない。

最近は上位機種のDR-1500もラインナップされているが、出力電流15Aまでのスペックは必要ないし、筐体はDRC-1000より一回り大きく500g以上重たくなる。
下位機種のDR-600は、出力電流6Aだが筐体のサイズはDR-1000と同じ。

このように消去法で選んだDRC-1000だが、今では私の生活必需品になっている。

 

DRC-1000 主な仕様

本体サイズ(mm)

141.5(W)X72(D)X230(H)(突起部除く)

本体重量

 1,120g

出力電圧

ノーマルモード

DC14.7V

スノーモード

DC14.9V

ブーストモード

DC18.0V

出力電流(最大)

2A/4A/7A/10A

適合電圧

DC12V

適合容量

 10Ah~150Ah

 

各充電電流・充電モード設定時のおおよその消費電力

【ブーストモード時】
2A-45.0W、4A-90.0W、7A-157.5W、10A-225.0W

【スノーモード時】
2A-37.3W、4A-74.5W、7A-130.4W、10A-186.3W

【ノーマルモード時】
2A-36.8W、4A-73.5W、7A-128.7W、10A-183.8W

※ 上記は目安の消費電力です。充電状態により変動します。

 

インバーター等を用いての使用は推奨出来ず、また動作の保証も出来かねます。(変換の変換となり効率が悪く、正常動作保証出来ません)。ご注意下さい。

メーカーの回答

 

参考までに消費電力についてメーカーに問い合わせてみると、上記のような丁寧な回答があった。

直流の消費電力は、単純に電流I×電圧V=消費電力Wとなるが、交流の場合は電流I×電圧V×力率=消費電力Wとなる。力率は電気器具によって異なるので、交流の正確な消費電力を求めることができない。

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充電器を箱から出したところ。
詳しい取り扱い説明書付き(メーカーサイトでダウンロード可
充電器はシンプルで電源スイッチなし充電電流切替スイッチ、充電モード切り替えスイッチ、プラスマイナスのワニ口クリップと家庭用コンセントのプラグが付いている。

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端子のワニ口クリップ

バッテリー端子に固定して使用する場合にはコードの加工が必要。

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地味に大きい筐体。
底4箇所にすべり止めのゴム、側面2面には放熱用の穴あり。

 

バッテリー充電方法

1 バッテリーのプラス端子に赤いクリップを接続
2 バッテリーのマイナス端子に黒いクリップを接続
3 電源コードをAC100Vに接続

充電器とバッテリーが正しく接続されると、バッテリーチェッカー機能が作動し、バッテリーの状態をランプで表示する。

4 充電電流の設定(2A,4A,7A,10A)
5 充電モードの設定を行う(ノーマル、スノー、ブースト)

設定を行うと充電を開始する。

充電が完了するとお知らせアラームが10秒間鳴る。

6 電源コードをコンセントから抜く
7 バッテリーからクリップを外す(黒色から外す)

 

以上でバッテリーの充電は完了。

 

充電器で(DRC-1000)サブバッテリーを充電する

充電器(DRC-1000)を手に入れたところで、充電不足で消耗したバッテリーを充電してみることにする。

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ジムニーの助手席足元に設置したバッテリーボックスの中からバッテリーを取り出す。
外観チェックすると、見た目は問題はなし。

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サブバッテリーの型式 

G&Yu(ジーアンドユー) SMF 27MS-730
容量   105Ah(20HR容量)
充電電流 10A

重量   22kg
寸法   長さ304 x 幅173 x 高さ225 mm

 

バッテリーインジケーターはあくまで目安

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インジケーターの状態

充電前でバッテリー残量が少ないはずなのに緑色になっている。
およそ4ヶ月間の北海道車中泊旅行中に、何度かインジケーターを確認してみたものの、毎回緑だった。

バッテリーインジケーターの表示(G&Yu SMFの場合)
良好  緑
要充電 黒
要交換 白

消耗しているはずなのにどうしてかネットで調べてみると、マリンレジャー用の魚探やエレキ、バッテリーなどを取り扱う「BOTTOM HAUS」という会社のウェブサイトで分かりやすく説明してあった。

インジケーターは目安程度で正確なものではない。バッテリーの劣化度を表示していて、充電度を表示しているのではない。
バッテリー内には6個のセルがあるのに、インジケーターと繋がっているのは1個のみで、1つのセルの劣化度合いの目安にしかならない。
劣化度合いをチェックするには専用のバッテリーテスターで電圧の他に内部抵抗も測定して劣化状況を判定する必要がある。

 

これまで疑問に思っていたことが、BOTTOM HAUSさんのサイトを読んで一気に解決した。
日頃の仕事で培ったノウハウを惜しみなくアップされていて非常に勉強になる。
どうもありがとうございます!
私の頭とバッテリーは随分と劣化が進んでしたようだ。もう一度充電しなおそう。

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延長コードで電源を引っ張ってきて充電器を繋いで充電を開始する。
するとバッテリーチェッカー機能が働いて満充電との表示が出た。
やはりこの充電器も見掛けの電圧に騙されているようだ。

サブバッテリーからソーラーパネルに電気が逆流しないように、充電前にパネルからチャージコントローラー入力のマイナス端子を取り外しておいた。

充電作業実施

1回目 ノーマル4A  充電時間 3時間30分
2回目 ノーマル4A  充電時間 5分
3回目 ブースト7A  充電時間 3時間
4回目 ブースト10A 充電時間 50分
5回目 ブースト10A 充電時間 8時間
6回目 ブースト4A  充電時間 18時間

1~2回目は、バッテリーの電気を使用せずにそのまま充電を開始。
3回目以降は電気を使用してある程度放電させてから充電を行った。

充電電流はバッテリー容量のおおむね1/10まで。充電するバッテリー容量は105Ahなので、充電器の充電電流最大の10Aで行っても問題なし。
ブーストモードは充電始めは18Vの高電圧となるが、しばらくすると自動でノーマルに切り替わり14.7Vで充電を行う。
5回目は電気を消費してからブースト10Aで充電を行った。
ブースト10Aで充電し終わると、初めてチャージコントローラーのバッテリー残量ランプが点滅しだして満充電を示した。(この時のバッテリー電圧は13.4V)

日中、サブバッテリーをソーラーパネルから切り離した状態で、ノートパソコンのみ接続して負荷(20W~40W)をかけたところ、電圧が12.0Vまで下がるのに約14時間となった。

何度も充電したお陰でバッテリーは回復してくれたようす。これなら実用十分だ。

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充電の作業風景

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バッテリーボックスの蓋を外して端子にワニ口クリップを挟むだけで充電できる。
わざわざ箱から重たいバッテリーを出すのは面倒。

 

バッテリー充電後、ソーラー充電しながら時々パソコンを使用しているが、今のところ問題はなし。
以前見られた「見掛けの電圧だけすぐに上がって充電をストップする」という症状が出なくなった。
ソーラーパネルでの充電不足を補うために、定期的にAC電源に繋いで充電器で充電してやる必要があるようだ。
バッテリーは一度消耗してしまったが、繰り返しの充電である程度は回復したようなので、しばらくは問題なく使用出来そうだ。しばらく様子を見ることにしよう。

 

メインバッテリーの充電

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メインバッテリーの充電

今回ついでにメインバッテリーの充電も行った。
念のため補充電用のソーラー充電器のマイナス端子を外しておいた。

山林探しの時はメインバッテリーから電源をとってパソコンを長時間使うなどメインバッテリーを酷使していた。
今年の春からソーラーシステムを搭載して、メインバッテリーとサブバッテリーの電気系統を切り離したら、メインバッテリーには負担がほとんど掛からなくなった。キーをひねると勢いよくセルモーターが回ってエンジンが始動するようになった。

ジムニー(JB23W)純正バッテリーサイズ 55B24R 36Ah(5時間容量)

小さなソーラー充電器で補充電も行っていたので、メインバッテリーの消耗はほとんどなかったようで、開始から30分も経たないうちに充電完了となった。

 

サブバッテリー積付け方法の解説と走行充電システムの検討

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サブバッテリーは、ジムニー助手席足元の狭いスペースに、自作収納ボックスに入れた状態で設置している。
中の電解液が漏れないように、だいたい水平となるように突っ張り棒を兼ねたものを箱の底に取り付けてある。

箱はボディーには固定してはおらず、衝撃や振動でズレたり飛び出たりしないように、すべり止めマットを敷いてロープで縛ってあるだけ。

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車中泊旅行の最中は、常時助手席を一番前に移動させて背もたれを後ろに倒しフラットとしている。
バッテリーは写真のようにエンジンルーム隔壁と助手席にしっかりと挟まれるので、動いて倒れることはない。

北海道では凸凹した未舗装の林道も実際走ったが、バッテリーがズレるなどの問題は一切なし。
車の重量バランスも良好でカーブで曲がりにくいと感じることもなかった。
ジムニー(JB23W)で105Ahサイズの大型バッテリーの積付け場所は、この助手席の下が最良の場所と思う。

あとは、ソーラーパネルから出たケーブルは、テールランプの隙間から車内に引き込んでいるので、配線が長くなっていて電気的ロスが発生しているのか気になるところ。
パネルの発電能力どおりに充電出来ないのは、長い配線によるロスもあるかもしれない。

走行充電システムは、メインバッテリーから電気を取ってインバーターで変換したAC電源で充電器を使用してサブバッテリーに充電するようになる。
エンジンを掛けた状態であればメインバッテリーに負荷はほとんどかからない。
メインとサブの電気系統を完全に切り離すことにより、安全で汎用性の高いシステムとすることが出来る。

北海道のキャンプ場で出会った人からヒントを貰って私の走行充電システムの概略が決まった。
その人は私と同じように車中泊で長期間旅をしている人だった。

車のオルタネーターからアイソレーターを介してサブバッテリーに充電する方法だと、電圧が低すぎて7割程度しか充電出来ないという欠点があるらしい。

おっちゃんは途中でやり変えて、AC電源に小容量のインバーターを繋いで、そこに家庭用AC充電器を付けてバッテリーに充電するようにしたらしい。
やり直してからは全く問題無いそうだ。
私もこの方法を採用することにした。

コメント

  1. タッキー より:

    隊長が電気関係に非常に詳しいのは職業柄なのですか。
    専門の学校を出られているのですか。

    ジムニーは、寝泊り用の車としては小さくないですか。
    寝泊り用の車としては、どんな車をお勧めですか。

    歩く旅、車の旅の2部作でしたが、バイクの旅は今後企画されますか。

    かつやサンのブログに隊長の正体が公開されています。
    ツカさんはサンダルだけで隊長と判断。
    熱烈なファンが沢山いるんですね。
    http://uzakituka.com/2015/09/27/5585

    隊長は坊主で脂肪の無い細マッチョな山男でした。
    →かつやさんもブログでヌードを公開していますが
    今後隊長はマッチョなヌードを公開する予定はないですか。

    キャプテンアメリカ
    https://www.youtube.com/watch?v=VL8eV_Y2pDo

    • karaage より:

      エンジンだったので船では機械の整備を行っていました。
      電気は苦手です。必要なことはネットで調べて勉強しています。

      バイクも欲しいですけど、今のことろ、バイクに乗っている暇がありません。

      読者のイメージを壊すといけないので、今後も自分の姿の公開はしないつもりです。

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