みちのく潮風トレイル【20日目】～久しぶりの休養日～

こんばんは。からあげです。

昨日の雨は、かなりの量だった。
久しぶりにテントを叩く雨音を聞いた。
早めにねぐらを決めたため、万全の態勢で雨を迎えた。
そのお陰で、最小限のダメージでやり過ごすことができた。

雨上がりの今日、朝から天気は上々だった。
濡れたテントを撤収すると、いつものように歩き始める。

今日で歩き始めて20日目となる。
時間は経つばかりだが、全然距離が伸びない。
リアス式海岸と疲れが溜まってきているためだ。
ここらへんで休養日を設けてもいいかなと思った。

ただし、完全休養とはならない。
そんな都合よく、一日テントを張っていられるような場所に辿り着かない。
これまでもあるにはあったが、早すぎる時間のためやむなく通過していた。
昨日からみちのく潮風トレイルのマップ圏内に入り、ようやく詳しいルートの状況を知ることができるようになった。
地図を見ていると気になる公園を見つけた。
これは期待大。

このまま普通に歩くと釜石市街地に辿り着くのは昼頃となる。
今回は、ウォーキングシューズ入手の重要なミッションがある。
時間をかけてでも、足にフィットする靴を手に入れたい。
昼頃から探し始めて、食料品の買い出しも済ませると夕方になってしまうだろう。
大きな市街地ではねぐらを探すのは一苦労。
それに野宿に適している海岸部周辺は工事中で、むやみに立ち入ることができない。
つまり、釜石の市街地を抜けなければ、ねぐらは見つかりそうにないということだ。
重装備なので、できるだけ歩かないようにして体力を温存したい。
歩き旅をしているのに、歩きたくないという考えが湧き起こってくる。

もうすっかり見慣れたリアス式海岸。
慣れてしまえば、何の感動もない。
目的地はまだかという焦燥のみ。

ポッカリと空間が空いている小さな漁村。
かつてはここに民家が立ち並んでいたのだろう。
浜辺には巨大な防潮堤が建設中であった。

海岸沿いの道を歩く。

途中、漁師のおっちゃんに話し掛けられる。
おっちゃんと言っても、私と同年代に見える。
どこから来たのという他愛のない言葉を2つ3つ話してその場を過ぎる。

最近、通りすがりの人達と話すほんの僅かな会話が密かな楽しみとなっている。
今はもう福島県の相馬市を目指して歩いているだけ。
共通の話題を持つトレイルを歩く人と滅多に出会わない。
淡々と独りで歩いている。

歩きはじめの新鮮味は薄れ、苦行と感じる場面が多くなってきた。
ここらへんが止め時なのだろうか、と何度も考えた。

10時前、水海（みずうみ）総合公園に到着。
直ぐに施設の調査を行う。
公園の片隅では工事が行われている。
煩くない訳ではないが、工事の音には慣れっこになってきている。
一番のネックは飲水だった。
水が出るのは、トイレの手洗い場のみ。
そこには、飲用できません。との張り紙あり。
早速、釜石市に電話して、その水の詳細を聞いてみた。
すると、近所の沢から引いている水で消毒はしているが、水質検査はしていない。とのことだった。
それを私流に解釈すると、飲んでも大丈夫な水。となる。
問題は解決したので、今日のねぐらはココに決めた。

屋外音楽堂の中でテントを張る。
あちこち傷んでいて、ここ最近使用された形跡はなし。
町から遠いため、訪れる一般人に姿は見えない。
道路から影になるので、昼間からテントを張っても何ら問題はなし。
町から遠いため、近くにコンビニ、スーパーはない。
あるものを食べてノンビリ過ごすことにしよう。

ノンビリと言っても、それなりにやることはある。
体を拭いて服を着替えて洗濯して髭と頭を剃る。
同時に日向でソーラーパネルで充電する。

ヘッドランプのゴムのバンドが延びてきたので、少し短くカットしてつなぎ直した。
頭にフィットするのはいいのだが、使っているうちに直ぐにゴムが延びてくる。
もう少し耐久性のあるゴムにできないものか。

ザックのベルトの付け根が解れてきていたので、補修テープを貼って糸で縫う。
初めて色が合ったような気がする。

早めの昼飯にしてラーメンを食べた。
テント内で食べるご飯は落ち着ける。

食後は海岸をうろつく。
面白い流木があった。
あちこちに薪になりそうな木がたくさん落ちているので、夜になったら焚き火もいいかなと考える。
しかし、目立つし後始末が面倒だから止めることにした。

今日の歩行は3時間ちょっと。
釜石の市街地手前の水海公園でストップ。
明日は早めに市街に入って少しウロウロする予定。
最近、脇目も振らずに歩いてばかりだから飽きてきた。

 

今回、ブログを書く際になるべく愚痴は書かないとツイートした覚えがあるが、もうこれは止めることにした。
もう自分が好きなように書くことにする。
やっぱり自分の感情を押し殺していてはブログ更新をしても面白くない。

さあて昼寝しまくったので、夜寝られるかどうか分からないが、そろそろゴロゴロしよう。
さっき、近くで獣の鳴き声がした。
人が通って行ったと思ったら、動物だった。
果たして一体何なのか。
手元にストックを置いて寝るとよう。

 

おわり