こにちは。からあげです。
はじめに
自動車の燃費向上に欠かせない部品、それは点火プラグだ。
プラグが悪いと燃費が悪化して、ガソリンを無駄に燃やして大気を汚染し、エンジンオイルが汚れやすくなる。
そのため、定期的に点検を行い、消耗していれば新品に交換する。
私のジムニーは新車購入から早くも5年が経ち、走行距離は6万kmに達しようとしているところ。
前回のプラグの交換は、2年前の車検前整備で行った。
それから走行距離は約1万5,000km。
メンテナンスノートによると、イリジウムプラグの交換は2年または4万キロ毎となっている。
今回はまだ走行距離が少ないので、一度点検してみて必要であれば交換することにした。
パーツカタログ・取扱説明書・メンテナンスノート
整備に必要なことは全てこれらに記載されている。
本来は整備方法が詳しく記載されたサービスマニュアルが欲しいところだが、ROM版のみで素人では手が出せない高価なものとなっている。
ここはパーツカタログを熟読して整備方法を考える。足りない部分はネット検索して補うことにした。
参考資料(パーツカタログ)
シリンダーヘッド
インタークーラー
SUZUKIパーツカタログ JB23W(8型)2010-9 初版より抜粋
点火プラグの点検・交換作業
作業の流れ
1 インタークーラーの取り外し
2 イグニッションコイルの取り外し
3 点火プラグの抜き出し
4 点火プラグの掃除
5 点火プラグ 電極すき間の計測
6 必要であれば、点火プラグを交換する
7 元通りに組み立てる
8 エンジン始動各部チェック
作業完了!!
メーカー指定点火プラグ
できれば作業にまえに、新品の点火プラグを入手しておく。
ジムニー(軽規格 JB23W)は3気筒エンジンで、点火プラグの必要本数は3本。
スズキ指定の点火プラグはNGKかDENSOの2種類ある。
DENSO:IXU22HPR(イリジウム)
前回の整備同様にNGK LKR7BI8(イリジウム)を選択した。
点火プラグは燃費に影響する重要パーツ。怪しげな中国製より、高品質な日本製の方が安心感がある。
電極の様子
新品の電極のすき間を計測したところ0.75mmだった。
規定値は0.7~0.8mm
ジムニーを物置き前にいっぱいに寄せて作業をする。
ここなら屋根の下で日が当たらず多少は涼しい。
さあ、ボンネットを開けて作業開始だ!
おっさんと一緒にやってみよう。
インタークーラーの取り外し
まずは黒色のインタークーラーのカバーを外すことになる。
カバーを固定しているプラスビス4本を外す。
固くて手動ドライバーでは緩められなかったので、インパクトドライバーを使用した。
振動を与えなおかつ力強いトルクで確実に緩めることができる。
ただし、締め付けの際はオーバートルクになりやすいので、インパクトドライバーは使用しない。
続いてインタークーラー本体を外す。
赤い矢印のボルト(頭10mm)2本とゴムホースのホースバンドを外す。
ボルトの2本のうちの1本は影にあって分かりにくい。
インタークーラーを外したところ。
ゴムホースも一緒に外した。
インタークーラーの裏側。
インタークーラーやラジエーターのアルミフィンは非常に柔らかくて傷みやすいので、不用意に触らないように注意する。
イグニッションコイルの取り外し
インタークーラーのブラケットを外す。
ボルト(頭10mm)3本を抜いてフリーにする。
他のパイプやケーブルが繋がっているので、あまり力を入れて引っ張らないようにする。
黒いシリンダヘッドアッパーカバーを外す。
ボルト(頭8mm)4本。
するとイグニッションコイルが現れる。
それぞれ頭10mmのボルト1本で留まっている。
イグニッションコイルを抜いたところ。
ケーブルの長さが違うので位置を間違えることはない。
(エンジンの点火順序が決められている。)
点火プラグの抜き出し
シリンダーヘッドの穴の奥に点火プラグの頭が見える。
使用する工具は16mmのプラグソケット
ソケットタイプはラチェットハンドルに取り付けるだけよく便利で使い勝手がいい。ただし、差し込み角を合わせる必要あり。
T字ハンドル付きの専用プラグレンチは嵩張って置き場所に困る。
プラグソケットを使用する際は、エクステンションバーで延長してからラチェットハンドルに取り付ける。
このソケットは奥に脱落防止用のゴムが取り付けられていて、外したプラグが抜け落ちることはない。
このゴムがないとプラグを緩めることができても、穴から抜くことが出来ないので注意する。たいていゴムかマグネットが付いている。ゴムの経年劣化を考慮すると、マグネットタイプの方がいいかもしれない。
下で紹介するものは、マグネットタイプで差込角が9.5mm(3/8インチ)。
ゴムのお陰で穴の奥にあるプラグを抜くことが出来る。
作業風景
ラチェットハンドルには長いエクステンションバーを装着して作業を行った。
プラグを全部抜いたら、エンジン中にゴミが入らないようにウエスをかけておく。
プラグを抜いあとはエンジンの中にゴミなどの異物が入らないようにウエスなどで覆っておく。
点火プラグの掃除
プラグの様子。
下から順番に手前、真ん中、奥となっている。
手前のプラグ
真ん中のプラグ
奥のプラグ
プラグを掃除をしているところ
ねじ山は真鍮ブラシで磨いて、電極周りのデリケートな部分は柔らかいブラシ(使用済み歯ブラシのようなもの)で綺麗にした。繊細な電極を硬いブラシで磨いては絶対にいけない!
点火プラグの電極は非常に繊細なため、毛先の柔らかい歯ブラシのようなものでやさしく丁寧に掃除する。
電極すき間の計測
プラグを掃除したところで電極のすき間を計測する。
計測には以前カー用品店で購入したすきまゲージ(シックネスゲージとも言う)を使用した。
0.7mmと0.8mmのゲージを用いた。
参考までにAmazonの商品を紹介したが、このゲージだと何枚も重ねなければならず、点火プラグの点検作業では使いづらい。ただ最も安価なタイプなので、安く作業を行いたい人にはおすすめだ。私のゲージは点火プラグ専用のもので、ちょうど規定値の0.7mmと0.8mmがあって使いやすかった。
電極すき間の計測結果
真ん中 0.75mm(0.7mmゆるめ 0.8mm入らず)
奥 0.78mm(0.7mmゆるめ 0.8mmきつめ)
今回の計測結果は、すべて規定値内に収まっており、消耗して先が丸まっている感じではないので、再使用することに決めた。
ジムニーはターボ付きでパワーに十分余裕があるので、無過給の軽自動車ほどエンジンを回して乗らなくてもいい。
私は燃費と安全を重視してたいてい回転数2500rpmを維持して運転しているので、点火プラグを酷使してはいない。(はず)
前回の交換から走行距離は15,000キロなので交換するにはまだ早過ぎる。
新品のプラグは次回の整備までとっておくことにした。
掃除したプラグ
場所を変えずに元の位置に取り付ける。
元通りに組み立てる
取り付け前にシリンダーヘッドの当たり面を掃除しておく。
ただし、中にゴミを落とさないように気をつける。
今回は中古プラグの再使用なので、プラグに付いているパッキンはすでに潰れている。
そのため、新品のように当たってから180度締め付ると締め過ぎとなる。
今回は当たってから30度程度締めたくらい。
締めすぎないように、力を加減して適度に締め付けておいた。
ゴムパーツにシリコンスプレーを吹きながら復旧しているところ。
あちこち黒光りしてきた。
作業していて気が付いたのだが、ホースバンドの取り外し・取り付けにはマイナスドライバーではなく、付属のタイヤレンチの先を使った方が良いことが分かった。
ピッタリとフィットしていい感じだ。
今回、これが一番の発見だったかもしれない。新たな発見に思わず興奮する。
元通りに復旧したところ。
このあとテスト走行してみたところ、加速はスムーズで異音はなし。エンジンは快調そのものだった。
試運転を終えるとあとは片付けを残すのみ。
車検前の整備はこれで大方終わった。
作業の感想
プラグ点検を自分でやるのは、実は今回で2回目となる。
インタークーラー周りの取り外しが面倒だが、慣れるとそれほどでもない。
業者任せではなく、自分の目でしっかりと確認した方が安心感がある。
しばらくはこのままの良い状態で乗ることが出来るだろう。
ゴムパーツの劣化を抑えるためにシリコンスプレーを吹き、そのあとあちこちウエスで磨くとエンジンルーム内がピカピカになった。非常に満足。
今後もジムニーを可愛がってゆきたい。
コメント
イリジウムプラグをご利用されているのですね。
ご存知かもしれませんが、イリジウムプラグはデリケートなため電極をブラシで掃除することはNGとされています。
http://www.ngk-sparkplugs.jp/search/readme.html
そしてスパークプラグというとNGKが有名ですが、イリジウムプラグを使うのならば、DENSOのイリジウムタフはおすすめですよ。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00828UFYS
燃費やパワー優先ですと通常のイリジウムプラグ(パワータイプ)の方が良いのですが、こちらのイリジウムタフは10万キロ無交換で問題のないプラグになります。
それでいて通常のプラグよりは燃費もレスポンスも良いので、コストダウンを目的とするのならばDENSOのイリジウムタフがオススメです。
私はプラグ交換しにくい車種のためこちらを利用ですが10万キロでも全く問題ありませんでした。
どうもありがとうございます。
紛らわしい書き方だったので加筆しておきました。
ロングライフのプラグいいですね。
しかし、長持ちと言っても定期点検は必要だと思います。
今度プラグを買う時は選択肢の中に入れようと思います。