Mojave砂漠を抜けてTehachapiへ

こんにちは。からあげです。

 

今日も良い天気でハイキング日和だった。
心配していた砂漠はあっけないほど直ぐに抜けることができた。
昨日は強風が吹き荒れる稜線上で泊まったため、ブログ更新できず。
上体を起こすだけでもかなりの風圧を受けて大変だった。

今日は時間があるので、昨日の分も含めてアップしよう。

砂漠前のハイカーの拠点 Hiker Town

よく分からないが、お爺さんがオーナーのようで、自分の家の庭に小屋を建てたり、シャワールームを設置したりするなど、ハイカーが寛げるようにDIYで作られたもののようだった。

ゆりかごのようなソファーで寝る気だったが、チビの私でも足を曲げなければならなくて、結局いつもの地面でCowboycampで眠ったのだった。

朝4時起きして準備を整え、5時にHiker Townを出発した。

昨日はAQUADUCT、水道管に沿って延々と歩いた。
地面は砂地だったので、歩きやすいAQUADUCTの上を歩いた。

AQUADUCTの始めは、半地下で半分埋められていたが、橋の部分があって下を車が通れるようになっていた。

もちろん橋の下はハイカーの休憩スペースともなっている。

AQUADUCTは途中で完全に地下に埋まってしまった。

こちらは新しい区間のようで、コンクリートのフタがしてある。
下は水が流れている。

Amazonで購入したSOTOのマイクロレギュレーターストーブウインドマスター。
さすが日本製。風を受けてもビクともしない。
MSRのMicro Rocket Stoveとは全然違う。

高かったが、自分の納得のゆく買い物なので凄く満足。

マルチャン2個をストレスなく作れるようになって、シエラ入りの準備が整った。
毎日使うものなので、道具にはこだわりたい。

MOJYAVE砂漠とはいっても、真ん中を縦断するとかではなくて、端っこをかすめるように通るだけ。

昨日はラッキーなことに雲がたくさんあって、風がかなり強かった。
お陰でそれほど暑さを感じることなく歩くことができた。

逃げ出した牛を連れ戻そうとしている農夫。
ピックアップトラックがゆっくり走っていたので、なんだろうと思っていた。
すると、向こうからでかい黒い影がノシノシとやって来た。
なんと馬鹿でかい牛だった。(北海道にいる牛の3倍くらいのデカさ)

大きなピックアップトラック並の大きさだった。
こんな牛に体当たりされたら命はない。
牛の方をあまり見ないようにしてすれ違った。

いつしかAQUADUCTはコンクリート製のフタから完全に地下に埋没して姿を消してしまった。
ところどころに出ているエア抜きのようなマスが目印となった。

この砂漠の辺りは、オフロードバイクが山を走って痛々しい姿を晒していた。
見渡す限りタイヤで深く削られた跡が見えた。

同じところを走っていると、そのうちに水が深くなって走りにくくなるので、新しい場所へ移動し蹂躙する。

その繰り返しで付近一帯はタイヤの跡だらけだった。
仕舞いにはAQUADUCTのコンクリート製の升にスプレーでチーム名のような文字を書いていた。

なんていう奴らだ。

これまでTrail付近でバイクに荒らされたところがあったが、これほど酷いのは初めてだった。

砂漠の中の重要給水ポイント付近にTrail AngelのCampingTrailerが停まっていた。
期待を胸にそちらの方にゆくと冷たいSODAを振る舞われた。
それほど暑くはなかったが、結構歩いて疲れていたので凄く旨かった。

TrailAngelは高齢の夫婦で、息子さんが八戸の三沢基地で働いているということだった。
暑かったでしょ?お腹空いたでしょ?と奥さんから話し掛けられたので、それほど暑くはなかったし、お腹もそんなに空いていないと答えた。
すると隣に座っていた女ハイカーから突っつかれて、あんた空気を読みなさいよ!と目で言われた。
私はただ単に正直に答えただけなのに。

もちろん奥さん手製のタコスは美味しく頂いた。
凍りかけのミネラルウォーターが最高だった。

お腹も膨らんで、喉の乾きも癒えたので、そろそろ出発したかったが誰も出ようとはしない。
皆、尻に根っこが生えたように座ったまま動かない。
このままのんびりしていると、夕方になってしまいそうだったので、お礼を言って出発することにした。

それにしても私の空気の読めさはインターナショナルだったとは。自分でもビックリした。

水場で浄水しているところ。
Amazonで購入したソーヤーSqueezeの浄水スピードの速さには度肝を抜かれた。
圧倒的な違いだった。
もうminiには戻れない。戻りたくもない。
この感動は滅多に味わうことはないだろう。

砂漠を抜けて山に取り付くと、再びバイクのタイヤの跡だらけとなった。
ハイカーを挑発するかのように、山肌を縦横無尽に走りTrailをえぐり目茶目茶にしていた。
テントSITEでは、アクセルターンをして溝を掘りガタガタにしてあった。

すっごい悪質。質が悪い。
多分病気なんだろう。不治の病。

Trailの看板にRESPECT WILDLIFEと書いてあったところがあったが、まさにその通りだ。
法律違反だとかそんなこと以前に自然を敬う気持ちが全くない。
私はこういう人間のことが心底嫌いだ。

昨日はTrail周辺の惨状を見て酷く嫌な気分が悪くなって、暗くなるまでずっと歩いていた。
そうしたら風の強いSITEしか見つからず、ここでCowboycampした。
タイベックシートを敷くにもかなりの時間がかかった。
荷物を飛ばされないように慎重に作業をして寝袋に入って横になった。
いつまで経っても風が収まる気配はなく、ずっと吹き荒れていた。

Cowboycampは風の強い場所でも有効なことが分かったが、寝袋に入ってじっとしているしかないのが辛かった。

寝付きは悪かったが、途中で起きることなく朝まで眠れた。
朝起きると膀胱の膨満感に襲われた。

寝袋を出てその場を離れると、寝袋が飛ばされてしまいそうだったので、片足で踏みながら用を足した。

山火事跡にもバイクの痕跡が至るところにあった。
お前ら人間じゃねー。ほんとヒデーな。

今日も風力発電のプロペラがたくさんあるところを歩く。
風きり音を聞いていたら無性に眠たくなってきたので、途中で30分だけ昼寝した。

ヒッチポイントのHWY58が眼下に見えてきた。

ここの下りのつづら折りの坂で、ハイカーがショートカットして山肌を崩している箇所が無数に見られた。
バイクの次は、ハイカー自らがTrailを破壊している。
砂漠周辺の山は砂地なので、雪山みたいに直線で下りることができるが、ここは雪山じゃない。
山を痛めるので絶対にしてはイケない。
お前ら一遍死んでこい。

こんなことするハイカーがいるとはPCTも落ちぶれたもんだとガッカリした。
そもそもショートカットした時点でスルーハイカーではなくなる。
いくらカナダ国境までたどり着いたとしても単なるsectionハイカー止まり。
こんなことも分からないとは。
本当に馬鹿だ。

麓に下りてヒッチポイントまで歩いていると、途中で車の人に声を掛けられる。
行き先はTehachapi。
すでにハイカー1名が乗っていて、私も乗っけてくれるという。
まだヒッチポイントではなかったのだが、乗せてもらうことにした。
Trailに戻る時、どこかにバックパックを置いて空荷で往復したらいい。
Post Officeに寄って空港まで送ってもらった。

今回の補給は、MojaveかTehachapiかの2つの町のどちらかを選ぶ。
リーズナブルなキャンプ場があるTehachapiを選択。

広大な飛行場の片隅にキャンプ場はある。

なんとセルフで給油している。
飛行場に停まっているのはプロペラ機のみ。

SITEは林間の芝生SITE。
涼しい強風が吹き抜ける。
見た瞬間気に入った!

一泊5$。最大3泊まで。しかも禁酒禁煙ですよ。

いやっほー!!

水場で洗濯物をする。
プラティパスの折りたたみバケツが大活躍。

シャワーもあるのだが、面倒くさいので止め。

荷物をそこら辺にぶちまける。
今日もCowboycampかな。

いや待て。ツエルトもあるしな。

荷物を置いてレストランに行くことにした。
倉庫前を歩いていると、入口が開いていたので中を覗くと、なんと飛行機が格納されていた。
話を聞いてみると、エンジンのオーバーホールしているところだそうだ。
詳しくは聞いていないが、多分個人所有の飛行機。
趣味で飛行機を弄って飛ばすなんて、どんだけ金持ちなんだよと言いたくなった。

自家用車で乗り付けてガレージで飛行機いじり。凄いの一言。
この人はホンマモン。

ガソリンスタンドの値段表示

安いのか高いのかさっぱり分からん

なんとJimnyを発見!

なんかえらい弄ってある。アメリカ人にもJimnyの良さを分かる奴がいるんだと思って嬉しくなった。
Idyllwildでも1台赤いJimnyを見かけた。

おっ?サークルKがあるぞ。なんか買って帰ろう。

微妙に違うが、だいたい日本のコンビニのような店だった。
CASHで払ってレシートを貰おうとしたが、私の発音が悪くて無視された。
店員は私の出した50$をオーバーアクションで透かして見ていたのに、私に差し出したお釣りは札束を二つ折りにしたものをポンと手渡し、小銭は勝手に募金箱に投入した。

なんだか凄い自己中な店員でムッときた。
募金は自分の手でさせてくれ。
お釣りの確認をさせないやり方も気に入らない。
こういうことが普通にあるのもアメリカ。

せっかくツエルトがあることだし、寛げるように張ることにした。
Warner Springsからバウンスボックスに入れっぱなしだった。

久しぶりに中に入ると非常に広々しているように思える。
風が吹いても寒くない。プライバシーも確保。

この町にやって来たのは、ゆっくり休むためではなく、バウンスボックスの転送とMail drops、つまり補給物資を送る作業を行うため。
これから今度の日程をいろいろ考えることにする。

次はいよいよシエラ玄関口のKennedy Meadowsとなる。
Tehachapiで準備を整えて乗り込むことにしよう。

それにしてもこの町、Post Officeが少し離れている場所にあって買い物した食料をどうやって運ぼうか迷う。
しかもバウンスボックスも持っているし。
大荷物だとヒッチするにも大変だ。

 

そこらへんも今晩ゆっくり考えるとしようか。
さっきから直ぐ横を貨物列車が頻繁に通っているが、警笛を鳴らすので凄くうるさい。昼夜関係なく通るみたい。
ブレーキをかけても10mile以上は走りそうな重量級な貨物列車だから仕方ないが。
住民の安眠より、人命のほうが大事。まさにそうだが。

日没まで静かだった飛行場だったが、日が暮れてから活気づいてきて飛行機が離発着するようになった。
どうなっているんだか。

 

おわり

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