七倉岳~野口五郎岳縦走 2014年10月

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烏帽子岳(2,628m)

登山日 2014年9月30日~10月3日(3泊4日)

ルート

一日目
七倉~七倉岳~船窪小屋(テント泊)

二日目
船窪小屋~不動岳~烏帽子岳~烏帽子小屋(テント泊)

三日目
烏帽子小屋~野口五郎岳~湯俣温泉晴嵐荘(テント泊)

四日目
湯俣温泉~高瀬ダム~七倉

行動時間 約15時間
歩行距離 41.9km

 

山行まえがき

今回は11月の四国遍路に備えて新規に装備品を揃えたので、それらの取扱い訓練とトレーニングを兼ねての登山をすることにした。

 

山行概要

前日(9月29日)

8時前に秘密基地を出発して寄り道しながら車を走らせ七倉のゲート前に到着したのが15時前。
七倉ゲートより先は許可車両とタクシーのみ通行できる。
一般車両はゲート前の広い駐車場(無料50台程度)に車を停めてタクシーか徒歩で奥に向かうことになる。

随分と早い到着となったが、明日に備えて登山口周辺の調査を行い、早めに食事を済ませて休むことにした。

七倉登山補導所

七倉登山補導所
この隣に綺麗な公衆トイレあり(24h開放)

七倉岳の登山口

七倉岳の登山口
ゲートを過ぎて山ノ神トンネルを入って直ぐに右に曲がる。

七倉岳登山口

七倉岳登山口

しばらくは七倉沢沿いを進む

しばらくは七倉沢沿いを進む

車中泊の準備

車中泊の準備

 

一日目(9月30日)

0400 起床

腕時計のアラームで目を覚ます。
初日は時間に余裕があるので気楽なもんだ。

パッキングしたザック

パッキングしたザック

0630 出発

いつものように車中泊の後片付けをしてからザックにパッキングする。
必要なものを入れ忘れないように注意しながら行う。
駐車場を出るとまずはゲートをくぐり七倉沢に架かる橋を渡る。
そして山ノ神トンネルを入って直ぐに右に曲がり登山口に到着する。

ゲートを通過し橋を渡る

ゲートを通過し橋を渡る

沢を離れるといよいよ登りとなる。

沢を離れるといよいよ登りとなる。

標高140m毎に看板あり

標高140m毎に看板あり

高瀬川第5線No22の標識

高瀬川第5線No22の標識

上記付近にはベンチあり

上記付近にベンチあり

0720 高瀬川第5線No22の標識着

登山口を過ぎるとしばらくは七倉沢沿いに進む。
そして左に折れて沢を離れると本格的な登りとなる。
途中、送電線?などのメンテナンス道があって紛らわしいが、看板があるので迷うことはない。
黙々と登っていると標識のある広場に到着する。
ここのベンチで一息つく。

気持ちのよい青空

気持ちのよい青空

岩小屋

岩小屋

岩小屋の看板

岩小屋の看板
まだ3時間も登るのか。

0820 岩小屋着

広場を過ぎて更に登ってゆくと岩小屋に到着する。
少人数なら十分雨宿り出来そうだ。

大きな葉っぱ

大きな葉っぱが落ちていた。

鼻突八丁の急坂

岩小屋を過ぎると鼻突八丁と呼ばれる急坂に差し掛かる。
所々に梯子が設置されている。

いよいよ登りも大詰めだ。

餓鬼岳方面を撮影する。
いよいよ登りも大詰めだ。

同じく餓鬼岳方面

同じく餓鬼岳方面

ちょっと昼食タイム

ちょっと昼食タイム
昼ごはんは朝多めに炊いた玄米ご飯
ここではスマホは通信可能だった。

天狗の庭

天狗の庭

1025 天狗の庭着

岩小屋を過ぎるといよいよ鼻先八丁と呼ばれる急坂に差し掛かる。
所々に梯子が設置されているので、滑らないように慎重に登ってゆく。
しばらく歩いては立ち止まり息を整える。

急坂を抜けた辺りで猛烈にお腹が減ったので昼食タイムとする。
試しにスマホを取り出して通信できるかチェックすると圏内であったため、気象情報を入手する。

休憩ポイントから先に進むと直ぐに天狗の庭に到着した。

小屋に向けて最後の登り

小屋に向けて最後の登り

もうそろそろだ!

もうそろそろだ!

眼下に見える高瀬ダム

眼下に見える高瀬ダム

小屋目前のフラットな道を進む

小屋目前のフラットな道を進む

小屋が見えてきた。

小屋が見えてきた。

船窪小屋に到着

船窪小屋に到着

小屋の入口

小屋の入口
万国旗が素敵

トイレと冬期小屋

トイレと冬期小屋
中は未確認

1100 舟窪小屋着

天狗の庭を過ぎると最後の登りに差し掛かる。
逸る気持ちを抑えて一歩一歩歩を進める。
そしてついに青色屋根のかわいい船窪小屋に到着する。

テント場はここから15分ほど下った場所にあるので、先にテントの受付を済ます。
年季の入ったノートに住所氏名などを記入しているとおっちゃんが熱いお茶を持ってきてくれた。
テント泊でこんな丁寧な持てなしを受けたのは舟窪小屋が初めてだ。

天空に浮かぶ山小屋

天空に浮かぶ山小屋

七倉岳山頂分岐

七倉岳山頂分岐
七倉岳を通過すると蓮華岳、針ノ木岳に至る。

舟窪テントサイト

舟窪テントサイト

奥が水場へと下りる道

奥が水場へと下りる道

テントサイトの片隅の立派な木

テントサイトの片隅の立派な木

テントを設営して一息ついたところ。

テントを設営して一息ついたところ。

1125 舟窪テントサイト着

小屋で受付を済ませるとまずはテント設営に向かう。
七倉岳山頂への分岐を過ぎて七倉岳を少し下るとテントサイトが見えてくる。
小屋からテントサイトまでは約20分。
サイトに着くと早速テントを設営する。
テント設営に続いて水の調達を行った。

水の調達

水場へと下る道

水場へと下る道
あちこち崩れているので注意が必要

水場

これが水場だ!
危険なので夜間は近づかないようにと注意看板あり!

水場上部

水場上部~落石に要注意

七倉岳の美味しい湧き水

七倉岳の美味しい湧き水
秋の渇水期にも関わらず豊富な水量

水場の下を見下ろす

水場の下を見下ろす

テントサイトの仮設トイレ

テントサイトの仮設トイレ

テントサイト全体を見下ろす

テントサイト全体を見下ろす

舟窪テントサイト情報

サイト使用料
一人500円

広さ
最大10張程度
サイトは3段になっていて真ん中が一番広くて私が張った場所。
風向きによって場所を選択したらよい。

地面
ほぼフラットで小石混じりの土
周囲にはペグ代わりとなる石あり

トイレ
あり(仮設トイレ一つ)
ただし使用済みの紙は持ち帰ることになる。
チャック付きの袋を用意しておいた方がよい。

水場
あり
サイトから5分ほど下った場所にある。
七倉岳の湧き水で水量は豊富。
危険なので夜間は近づかないようにと注意看板あり。

私見

狭いサイトではあるが、小屋から20分ほど下った七倉岳の西側斜面にあって木々が生えているのでそれほど風当たりは強くない。
ただ、付近はがけ崩れや落石の危険地帯で、特に水場周辺は危険なので細心の周囲を払う必要がある。

トイレは仮設のもの一つしかないが、混雑するようなサイトではないので問題なし。
使用済みの紙を持ち帰らなければならないので面倒だが、リーズナブルな使用料なので良しとする。

水は秋の渇水期にも関わらず、美味しい湧き水が豊富に湧き出ているので非常に嬉しい。
ただし、水場までの道は危険なので、明るいうちに汲んでおくようにしたい。

小屋から距離が離れているので静かに過ごすことが出来る。

 


 

1245 テントサイト発

テントを設営し、水を調達したので七倉岳山頂に向かうことにした。

七倉岳分岐

七倉岳分岐

1255 七倉岳分岐着

10分ほどで先ほどスルーした分岐に到着する。

七倉岳山頂

七倉岳山頂
右が蓮華岳、左が針ノ木岳

右が北葛岳、左が蓮華岳

右が北葛岳、左が蓮華岳

1300 七倉岳山頂着

 少し雲が多いがそこそこ視界がよい。
早速、スマホを取り出し通信してみると、電波が安定しないためか通信が途切れ途切れとなってエラーが出る。
景色を堪能した後に、先ほど圏内であった天狗の庭付近まで行って通信しようと思ったが、途中で面倒になり引き返すことにした。

その後、テントサイトに戻ると少し仮眠をして暗くなる前に食事の用意をして午後7時くらいに眠ることにした。

ソーラー充電器のテスト中

ソーラー充電器のテスト中

暗くなる前に食事の準備をする。

暗くなる前に食事の準備をする。
さすがガソリンストーブだけあって火力はパワフルだ。

非常に気になる木

非常に気になる木

月夜に浮かぶ気になる木

月夜に浮かぶ気になる木

 

二日目(10月1日)

0400 起床

晴れ、気温8.6℃、風時々2~3m
快適なサイトだったので疲れが取れて体力が回復した。

0630 出発

食事を済ませて水汲みを行いテントを撤収すると早速出発する。
天気は下り坂の気配を感じるので、視界が利くうちに不動岳までは行きたいところ。

不動沢の様子

不動沢の様子

雲海の向こうに槍が見える。

雲海の向こうに槍が見える。

舟窪乗越

舟窪乗越

0700 舟窪乗越着

不動沢を見ながら下ってゆくと舟窪乗越に到着する。
ここから針ノ木谷出合まで約1時間。

船窪岳山頂

船窪岳山頂

0710 船窪岳山頂着

乗越から少し登って行くと小高いピークに立った。
船窪岳山頂だ。
ここは登山地図でみると第2ピーク手前の第1ピークらしい。

高瀬ダム

高瀬ダム

崩壊した痩せ尾根

崩壊した痩せ尾根

梯子と鎖のコンビネーション

梯子と鎖のコンビネーション
岩が脆いので慎重に歩く。

アップダウンを繰り返しいよいよ第2ピークへの登りとなる。

アップダウンを繰り返しいよいよ第2ピークへの登りとなる。

船窪岳第2ピーク

船窪岳第2ピーク

0810 船窪岳第2ピーク着

船窪岳第1ピークを過ぎるといよいよ険しさが増してくる。
不動沢側が崩壊してあちこち崩れているので、足元が非常に悪い箇所がある。慎重に登下降して先に進む。
そして大きな塊のピークに立つとそこは船窪岳の第2ピークだ。
黄色の標識に2459mと表示されている。

不動岳方面

不動岳方面

徐々に不動岳に近づいてゆく

徐々に不動岳に近づいてゆく

とあるピーク

とあるピーク
目印の鉄板あり

いよいよ不動岳本体に取り付いた!

いよいよ不動岳本体に取り付いた!

苦しい登りもあと僅か

苦しい登りもあと僅か

不動岳山頂

不動岳山頂

立山方面

立山方面

1020 不動岳山頂着

第2ピーク過ぎからもアップダウンを繰り返して進むことになり、徐々に体力が消耗してゆく。
地面が砂礫状の場所もあって登る時余計に体力を奪われてゆく。
苦しい登山道ではあるが、景色が良いので救いがある。
最後の坂を登って尖った岩場に到着するも山頂は少し奥の方。
やっとのことで不動岳山頂に到着する。

ここで昼食タイム

ここで昼食タイム

不動岳の登りで体力を消耗したので少し早めの昼食とする。
今日のお昼は餅入り塩ラーメンだ。
ガソリンストーブで手早く用意し食事を済ませる。
ここでの昼休憩は約30分。

烏帽子岳が見えてきた。

烏帽子岳が見えてきた。

南沢岳のピークはだだっ広い。視界不良時注意。

南沢岳のピークはだだっ広い。視界不良時注意。

南沢岳山頂

南沢岳山頂

1200 南沢岳着

不動岳から急坂を一旦下り登り返すことになる。
消耗した体にアップダウンはキツイ。
南沢岳の登りに差し掛かるとチラチラと烏帽子岳が見えるようになる。
その岩山を時折眺めながら登り詰めると南沢岳に到着する。

山頂付近はなだらかでだだっ広いので、視界不良時にはルートを見落とさないように注意が必要だ。

烏帽子岳の山容は特徴的

烏帽子岳の山容は特徴的
突き出た岩山が烏帽子岳のピークだ。

色とりどりの縦走路に癒やされる。

色とりどりの縦走路に癒やされる。

四十八池

四十八池

烏帽子岳分岐

烏帽子岳分岐

1250 烏帽子岳分岐着

南沢岳からは烏帽子岳直下にある湿地帯に向かって下りてゆく。
縦走路の周囲には木々の葉っぱが色付き登山者の目を楽しませてくれる。

烏帽子岳のピークへは、南側から登ることになる。
東側を迂回して烏帽子岳分岐に到着する。

烏帽子岳に登る。

烏帽子岳に登る。
それにしても美し山だ。

烏帽子岳山頂

烏帽子岳山頂
本当のピークは岩の上。

南沢岳、不動岳を望む。

南沢岳、不動岳を望む。

高瀬ダム方面

高瀬ダム方面

野口五郎岳方面

野口五郎岳方面
見えるのは手前の三ッ岳。

1310 烏帽子岳山頂着

分岐にザックを置いて空荷で山頂に向かう。
途中、長い鎖場が2箇所あるが、手掛かりがあるので危ないことはない。
軽々と歩を進めると山頂に到着する。
山頂には標識が岩の間に設置されているが、本当のピークは岩の先っぽとなっている。
真ピークに立つ誘惑に駆られたが、非常に危ないので眺めるだけにしておいた。

1330 烏帽子岳分岐

山頂から下ると再びザックを背負う。
ここから小山では30分ほど。

前烏帽子岳より

前烏帽子岳より

小屋までもうすぐ

小屋までもうすぐ

烏帽子小屋

烏帽子小屋

テント設営予定地

テント設営予定地
バッタ君に立ち退いてもらった。

1400 烏帽子小屋着

分岐を出発すると前烏帽子岳向かって登りとなる。
前烏帽子岳からは緩やかな下りとなり、しばらくすると色鮮やかな青色屋根の山小屋が見えてくる。

本日のねぐら

本日のねぐら

烏帽子小屋テントサイト

烏帽子小屋テントサイト

烏帽子小屋全景

烏帽子小屋全景

枯山水とプラティパス

枯山水とプラティパス
烏帽子小屋のテントサイトは掃き清められて非常に綺麗。
こんなところ初めてだ!

小屋で受付を済ませるとテントサイトに向かって下ってゆく。
サイトは窪地にあって数張りずつのスペースが散在している。
風を凌げる調度良い場所をみつけたので、早速テントを設営する。

烏帽子小屋テントサイト情報

サイト使用料
一人500円

広さ
30~40張程度

地面
概ねフラットな締まった砂地で掃き清められて非常に手入れされている。
サイトにはペグ代わりになりそうな石は見当たらないのでペグは必須。
ハンマー代わりになるような石ならある。
ペグはあまり使用したくはないが、仕方ないので石を使って打ってみると、地中に石が少なくて踏み締まった地面で意外にペグ効きが良い。

トイレ
歩いて3分の小屋の外トイレを使用する。

水場
なし。小屋から1L200円で購入する。
天水を塩素消毒したもの。

私見
テントサイトは小屋から野口五郎岳方面に3分ほど下った南斜面の窪地にある。
非常に手入れが行き届いている。こんな手入れが行き届いているサイトは見たことない。
小さいサイト群が散在しており、思ったより多くのテントを収容できる。
下側の方には池の畔のサイトもあり、変化に飛んだ構成となっている。
小屋裏の小高い場所に避雷針が設置されているし、窪地であるので雷雨でも安心出来そうだ。

 

三日目(10月2日)

0400 起床

快晴、気温5.5℃
天気の崩れが予想されたので、ブナ立尾根から高瀬ダムに下山しようかと思っていたが、朝起きて満天の星空を見るとそんな弱気は消え去ってしまった。

テント撤収後の図

テント撤収後の図

0630 出発

静まるサイトで爆音のガソリンストーブを使うのは気が引けたが、プレヒートを行い点火する。
申し訳ないなと思っていたが、徐々になんてお寝坊な人達なんだと思うようになった。
今日も天気が良いのでテントの撤収は非常に楽だった。

三ッ岳を超えてゆく。

三ッ岳を超えてゆく。

おや?三ッ岳ピークは過ぎたようだ。

おや?三ッ岳ピークは過ぎたようだ。
ここは、ピーク過ぎの尾根コースとお花畑(迂回路)コースの分岐

0735 三ッ岳過ぎの分岐着

テントサイト南端のヒョウタン池を過ぎるといよいよ三ッ岳への登りとなる。
歩き始めはオーバーペースになりがちなので、意識してスローペースで歩いてゆく。
その内調子付いてくるのだが、調子に乗りすぎて三ッ岳ピークを見落としてしまう。
いつの間にかピーク過ぎの分岐に到着だ。

分岐は迷わず尾根コースへ。

分岐は迷わず尾根コースへ。
30秒だけ迷った。

さあて気持ちのよい縦走路の始まりだ!

さあて気持ちのよい縦走路の始まりだ!

槍もフレーム内に収めてみる。

槍もフレーム内に収めてみる。

野口五郎岳への道

野口五郎岳への道

野口五郎小屋手前

野口五郎小屋手前

山陰からひょっこりと現れた小屋

山陰からひょっこりと現れた小屋

0845 野口五郎小屋着

三ッ岳を過ぎるといよいよ本日の一番美味しい気持ちのよい縦走路となる。
抑え目のアップダウンで野口五郎岳へと進むことになる。
徐々に風が強くなり、雲が増えているがまだ降雨の恐れはない。
小屋前になると400mというペンキ文字が書かれた岩が現れ、しばらく進むと山陰から小屋が現れる。

野口五郎小屋情報

小屋のサイド

小屋のサイド
雨水タンクは凍結破損防止のため空にしてある。

小屋の表側

小屋の表側

避難スペース入口

避難スペース入口

避難スペースの注意書き

避難スペースの注意書き
「ガソリンストーブは小屋内で使用しない」

避難スペース内

避難スペース内
冬期開放スペースのようだ。使用は無料。畳み3畳分ほどの広さ。

 

小屋に到着すると早速あちこちチェックしてみた。
小屋は平成26年の営業は9月25日で終了となっていて人気がない。小屋横にある大きな雨水タンクは冬期凍結破損防止の為、空になっている。
付近に水がありそうな気配はなし。
表側に回ると小屋の側面につっかえ棒が取り付けられている。

表側の端に冬期開放スペースの入口ドアがある。
スコップなどの備え付けの道具はなく、ピンでドアの留め金を固定してある。
ドアは外開きでピンを抜いてドアを開けて中に入る。
雪がある程度積もると中に入るのは除雪の必要があって非常に手間が掛かると思われる。

内部に入ると畳み3畳分ほどの広さで掃除道具とイスとテーブルが備え付けられている。
壁に明かり取りの窓があるので、室内は比較的明るい。
奥へと続く扉があったが、内側からつっかえ棒がかましてあるのか、開けることが出来なかった。

 


 

小屋からピークを望む

小屋からピークを望む

小屋横の看板

小屋横の看板

小屋を上から見下ろす

小屋を上から見下ろす

ピークは目前

ピークは目前

野口五郎岳山頂より

野口五郎岳山頂より

野口五郎小屋が小さく見える。

野口五郎小屋が小さく見える。

0915 野口五郎岳山頂着

小屋横のからピークに向かって登ってゆく。
傾斜はそれほどキツくないので、景色を楽しみつつ歩いてゆく。
山頂付近はなだらかなので悪天候時は方向を見失いやすい。
天気が良いのでピークの標識が遠くから見えた。
山頂からの眺めは抜群で、立山方面から水晶、鷲羽、槍ヶ岳、大天井岳など名だたる山が勢揃いしている。

名残惜しい野口五郎岳

名残惜しい野口五郎岳

真砂岳分岐

真砂岳分岐

水晶岳への縦走路

水晶岳への縦走路

0940 真砂岳分岐着

若干雲行きが怪しくなってきたので、早めに下山する。
何度も後ろを振り返り野口五郎岳との別れを惜しむ。
真砂岳は西側を巻いて分岐に至る。

眼下に霞む南真砂岳

眼下に霞む南真砂岳

南真砂岳直下

南真砂岳直下

真砂岳からの下山路を振り返る。

真砂岳からの下山路を振り返る。

1030 南真砂岳直下着

真砂岳分岐から尾根伝いのコースとなる。
時折急坂となって去りゆく登山者の足腰を痛めつける。
ガスに巻かれながらも歩き続け南真砂岳直下の目印に到着する。
ピークは目前だったが、バテていたので体力消耗を抑えて通過することにした。

湯俣岳への下山コース

湯俣岳への下山コース

湯俣岳手前はなだらか

湯俣岳手前はなだらか

南真砂岳を振り返る

南真砂岳を振り返る

さよなら野口五郎岳

さよなら野口五郎岳
また来るよ!

湯俣岳分岐

湯俣岳分岐

湯俣岳山頂

湯俣岳山頂

1200 湯俣岳着

南真砂岳からも延々と下山路は続く。
湯俣岳手前になるとなだらかになって傾斜が緩くなるが、蓄積した疲労により足が重たい。
それでも一歩一歩歩いてとうとう湯俣岳に到着する。
分岐からピークは近く10mほどしかないので、スルーしようと思っていたが、有りがたくピークに立つ。

燕岳を見上げる。

燕岳を見上げる。

展望台

展望台

展望台から湯俣川を見下ろす

展望台から湯俣川を見下ろす

1315 展望台着

湯俣岳からも急坂が続く。
下がフカフカの腐葉土のお陰で足腰に負担が軽減されるが、それでもじわりじわりと疲労が蓄積されてゆく。
休み休みして下山し、水音が聞こえてくるようになると展望台に着く。
展望台からは槍ヶ岳が見えるらしいが、雲に阻まれその姿を拝むことは出来ない。

湯俣山荘が見える。

湯俣山荘が見える。

砂防施設が見える。

砂防施設が見える。

湯俣温泉晴嵐荘

湯俣温泉晴嵐荘

山荘入口

山荘入口

1330 湯俣温泉晴嵐荘着

展望台を過ぎるとさらなるダメージを受けた足腰が悲鳴を上げる。
慎重に歩を進めながらやっとこさ山荘に到着する。
なんとか雨が降り出す前にたどり着くことが出来た。

河原に広がるテントサイト

河原に広がるテントサイト

松の木陰にテントを設営する。

松の木陰にテントを設営する。

豊富な水量の水場

豊富な水量の水場

別館の内トイレの入口

別館の内トイレの入口

湯俣温泉テントサイト情報

サイト使用料
一人 500円

広さ
山荘前の広大な河原が天然のサイトとなっている。
100張はいけそうだ。

地面
砂地でフラット。柔らかい砂地なのでペグは効かない。
ペグ代わりの石がそこら中に転がっているのでテント固定に問題ない。

トイレ
山荘入口向かって左端のサイドより別館の内トイレを使用する。
出入口に屋根がないので、雨天時は登山靴にビニール袋を被せておいたほうが良い。

温泉
内湯500円
歩いて16分のところに噴泉丘と呼ばれている温泉が湧き出ている場所がある。もちろんこちらは無料。

 

天然温泉(噴泉丘)の情報

温泉へはまずサイト近くの吊り橋を渡る。

温泉へはまずサイト近くの吊り橋を渡る。

そして突き当りを右へ

そして突き当りを右へ

川沿いの小道を進んでゆく。

川沿いの小道を進んでゆく。

更に奥へと進み砂防施設の横を通り過ぎる。

更に奥へと進み砂防施設の横を通り過ぎる。

2つ目の吊り橋を渡り右手の湯俣川の河原に下りる。

2つ目の吊り橋を渡り右手の湯俣川の河原に下りる。

伊藤新道を辿ってさらに奥へと進む

伊藤新道を辿ってさらに奥へと進む

やって来ました。噴泉丘。河原のあちこちに温泉が湧き出ている。

やって来ました。噴泉丘。河原のあちこちに温泉が湧き出ている。

これは川向うにあった適温の天然露天風呂

これは川向うにあった適温の天然露天風呂

いい感じのお風呂だが、熱すぎて入れない。

いい感じのお風呂だが、熱すぎて入れない。

 

湯股川の河原にある天然温泉の噴泉丘は山荘から歩いて16分ほどの距離。
サンダルだと怪我をしやすいので登山靴で行ったほうが良い。
道はなんとなく導かれるままに進むと前方の河原に湯気が立ち上る箇所を発見する。
付近にいた人に聞くと、対岸の場所が適温で入りやすいとのことなので、登山靴を脱ぎ素足で湯俣川を渡渉する。

目的のお風呂に着いて試しに触ってみると若干温めとなっている。
大きな石の上に衣類を置いて温泉に浸かる。
久しぶりのお風呂に心身ともにリラックス出来た。

他にもいろいろとお風呂ポイントがあったが、どれも熱すぎて川の水を引き入れて温度を下げないと入れない状態だった。
時間があれば土木作業をして快適な温泉に仕上げることも可能だろう。

 

私見

湯俣温泉のテントサイトは開放的な河川敷のサイトとなっている。
水場もあって綺麗な内トイレを使用できるので快適に過ごすことが出来る。
近くに砂防施設があるので山荘まで電気が来ているので、もしもの時に安心だ。

このサイトの目玉はもちろん無料の天然温泉で、河原に湧き出る温泉に浸かることが出来る。
大雨が降る場合は増水に注意だ。

 

雨のためテント内で煮炊きする。

雨のためテント内で煮炊きする。

温泉に入ってテントサイトに戻る途中で、ポツリポツリと雨が降り始めた。
だから本日の晩ゴハンはテント内で煮炊きする。
プレヒートのみテント外で行って燃焼が安定した後、軍手着用して慎重にストーブをテント内に持ち込む。
初めてのことなので、ストーブに集中して煮炊きする。
3日目は竹村新道の下りが堪えたので、食事を済ませると早々と眠ることにした。

 

四日目(最終日10月3日)

0400 起床

朝起きると雨は小降りとなっている。早めにご飯を済ませるために朝食は早ゆでパスタとすることにした。

0545 出発

非常食として持ってきた早ゆでパスタのお陰で食事の準備を大幅に短縮できた。
食事を済ませて合羽を着て雨天の中テントを撤収すると、タイミング良く便意を催してきたので玄関前にザックを置いてトイレを済ます。
そして軽量化した体で山荘前を出発する。

湯俣山荘

休業中の湯俣山荘
見たところ窓を固く閉ざし営業再開の気配はない。

高瀬川の右岸に整備された道を歩いてゆく。

高瀬川の右岸に整備された道を歩いてゆく。

荒天時のシェルターとしても使えそうなトンネル

荒天時のシェルターとしても使えそうなトンネル

避難小屋が見えてきた。

避難小屋が見えてきた。

名無沢

名無沢
煮沸すれば飲用可能と思われる。

名無避難小屋

名無避難小屋

0650 名無避難小屋着

テントサイトを立つとまずは吊り橋を渡り左に折れる。
高瀬川右岸沿いに付けられた快適な道を進んでゆく。
途中、短いトンネルを抜けて10分ほど更に歩くと名無避難小屋に到着する。

名無避難小屋情報

避難小屋入口

避難小屋入口

入ったところにある6畳ほどの土間

入ったところにある6畳ほどの土間

土間の奥の4畳分の小部屋

土間の奥の4畳分の小部屋

名無避難小屋は見掛けに寄らず(失礼)中は綺麗で湿気も少ないので、快適な一夜を過ごすことが出来るだろう。
土間中央部には薪ストーブが設置されているので薪があれば暖をとることも出来る。

玄関は屋根付きでドアは外開き。雪が深くなければ除雪も容易だと思われる。
備え付けの薪は殆どないが小屋の片隅に背負子が置いてあるので、薪になりそうな折れた枝などを集めやすい。
除雪作業に使えそうな丈夫なスコップも置いてある。

土間の奥には畳敷きの4畳の部屋がある。毛布などはないが、湿気が少ないので寝袋に包まればそこそこ快適に寝ることが出来るだろう。

トイレはなし。水は付近の名無沢から汲んで来ることが出来る。


 

木道を進む

木道を進む

林道終点の広場

林道終点の広場

広場からはさらに快適な林道歩き

広場からはさらに快適な林道歩き

0725 林道終点の広場着

避難小屋を出ると引き続き快適な道を歩く。
途中で雨が小降りとなって合羽を脱ごうか迷ったが、林道終点の広場で休憩のついでに合羽を脱ぐことにした。

高瀬ダムが見えてきた。

高瀬ダムが見えてきた。

東電第五発電所

東電第五発電所

送水管

送水管

発電所入口。人気はない。

発電所入口。人気はない。

0750 東電第5発電所着

快適な林道を歩いてゆくと発電所が現れる。東電第5発電所だ。
斜面からド太い送水管が伸びている。
時折メンテにやって来るだけなのだろうか、付近に人気がない。

高瀬トンネル

高瀬トンネル入口

トンネル出口の公衆トイレ

トンネル出口の公衆トイレ

トンネル出口は広い。

トンネル出口は広い。

高瀬ダム

高瀬ダム

デカすぎて全体を写すことが出来ない。

デカすぎて全体を写すことが出来ない。

公衆電話の場所

公衆電話の場所

白っぽい建物の下にピンクの公衆電話あり

白っぽい建物の下にピンクの公衆電話あり

真っすぐはブナ立尾根、右下は七倉へ下りる

真っすぐはブナ立尾根、右下は七倉へ下りる

ダムの看板

ダムの看板

0840 高瀬ダム着

発電所を過ぎるとトンネルを幾つか抜けてゆく。
トンネル内は照明が点灯しているが、若干暗いのでヘッドライトを点灯して車にアピールして歩行する。
トンネル内の歩道は、向かって右側のみ設けられていた。
最後の長いトンネルを抜けるとついに高瀬ダムに到着する。
トンネル出口には白っぽい壁の公衆便所がある。
付近は広場となっているので休憩には最適だ。
トイレを過ぎてさらに進むと正面に大きな白っぽい建物がある。
この建物の下にピンク色の公衆電話が設置されている。
携帯電話は谷底にあるダムので圏外で、タクシーを呼ぶにはこの公衆電話を使用することになる。
電話は硬化のみ使用できる。

この日はライトを点灯させて存在をアピールしているタクシーが待機していたが、私はそのまま徒歩で七倉に下山することにした。

九十九折の道を下る。

九十九折の道を下る。

巨大なダムの堤

巨大なダムの堤

高瀬ダムから七倉ゲート前までのトンネル内の歩道は向かって左側のみにある。

高瀬ダムから七倉ゲート前までのトンネル内の歩道は向かって左側のみにある。

新高瀬川地下発電所への分岐

新高瀬川地下発電所への分岐
七倉へは真っ直ぐ

最後の長大なトンネル、山ノ神トンネル

最後の長大なトンネル、山ノ神トンネル

出口付近、舟窪への登山口がある。

出口付近、舟窪への登山口がある。

七倉ゲート前にようやく着く

七倉ゲート前にようやく着く

1000 七倉ゲート前着

高瀬ダムからはまず巨大な堤を下りることになる。
ここから七倉までは編隊を組んで通行するダンプカーが頻繁にやって来るので注意する必要がある。
高瀬ダムから七倉までのトンネルの歩道は向かって左側のみに設けられているので、ヘッドライトを点灯させて歩いた。
トンネル内の歩道は狭いのでダンプカーが通過する時は、立ち止まってやり過ごしてから歩くことにした。
最後の車道歩きは結構堪えたが、最後の長いトンネルを抜けると無事七倉ゲート前に戻ってくることが出来た。

 

食料

玄米2kg(1食250g、8食分)、切り餅6個、乾燥わかめ少々、高野豆腐6個、粗塩少々、黒ゴマ1袋、味噌スプーン8杯、袋ラーメン3つ、鯖水煮缶1つ、早ゆでパスタ(200g)1袋、ナポリタン(レトルト240g)1袋、ピーナッツ、1袋、柿の種1袋

残った食料

玄米3食分750g、切り餅2個、粗塩、黒ゴマ、味噌スプーン2杯、袋ラーメン1袋

 

装備

着衣
速乾性登山用靴下、ユニクロ速乾ボクサーブリーフ、長袖のブレスサーモ、登山用長袖シャツ、登山用ズボン(伸縮性)、登山靴(スカルパのシェルパ)、帽子、軍手、マフラータオル

防寒服
フリース

着替え
ウール登山用靴下、ユニクロ速乾ボクサーブリーフ、長袖のブレスサーモ、ユニクロ手袋

75Lザック、ウエストバッグ
合羽(モンベルストームハンター)、ザックカバー
シュラフ(モンベルダウン#3)、シュラフカバー
カット済み銀マット

テント装備一式
エスパースソロ本体、フライ、ポール、ペグ8本、アンダーグランドシート

ゴール0ソーラー充電器セット
USB充電ケーブル
エネループ単3✕8本
エネループ単4✕4本

ピンチ缶
タッパを入れ物として
安全ピン5個、耳栓1組、ダクトテープ少々、ペンライト(単4✕1本)、バンドエイド5枚、結束バンド5個、保温シート1枚、単4アルカリ乾電池✕4、ダイニーマ2mmロープ、10m

スマホ(ソニーExperia Z Ultra格安SIMのIIJみおふぉん)、腕時計(Gショックライズマン高度計、温度計装備)、携帯ラジオ(ソニー短波、AM、FM)、ヘッドランプ(ブラックダイヤモンド新ストーム単4✕4)
防水デジタルカメラ

水筒類
プラティパス2L、ナルゲンボトル1L、ハイドレーション用ストロー、サーモス保温水筒(500ml)

ストーブ、調理関係
MSR EX(別のストーブのハードケースに収納した)、メンテセット、チャッカマン2個、折りたたみ風防、遮熱板

燃料ボトル(30OZ、20OZフルで一本づつ)
燃料消費は、20OZのボトル9割のみで、30OZは丸々残る。
コッヘル大小1セット、折りたたみフォーク1本

その他
コンパス、登山地図、同コピー、運転免許証・保険証コピー、お金(約4万円)、笛、レザーマンのナイフ、トイレットペーパー2巻

 

通信

七倉ゲート前

ソフトバンクのアンテナ

ソフトバンクのアンテナ
見た目は新しい。

ゲート前事務所の向かい側にソフトバンクのアンテナがあるので、ソフトバンクの通信なら問題なく可能と思われる。(未確認)
ゲート前駐車場で通信機器をチェックしたところ、格安SIM(IIJみおふぉん)を挿したSONY Experia Z Ultraはデーター通信不能であった。
音声通話は未確認。
格安SIM(Bモバイル)を挿したドコモデーター端末L-02CでノートPCで接続を試みたところ、若干電波が悪いものの、HSDPAでアンテナ3本の状態であった。

七倉尾根天狗の庭付近

昼休憩時に試しにスマホを取り出し通信してみたところ、アンテナ2~3本の状態で天気予報などの情報を受信することが出来た。
音声通話は不明。

七倉岳山頂

電波をキャッチするが、不安定な為通信が途切れ途切れとなる。
また時折圏外となってしまうため、殆ど通信できない状態。

その他

舟窪、烏帽子小屋、湯俣温泉のテントサイトでスマホの感度チェクを行ったが、全て圏外であった。

ラジオ受信

舟窪、烏帽子岳テントサイトではAM,FM,短波全てを受信することが出来た。

湯俣温泉は短波のみ受信可能であった。

 

まとめ

今回は新装備品の取扱い慣熟訓練をメインとしての登山だった。
しかしスマホはほぼ圏外であったため、カメラ機能のみの使用となった。
ソーラー充電器はパネルを向かい合わせで閉じて収納するので、荷物で潰されてパネル同士が擦れて少し傷が付いてしまった。
その対処として柔らかいタオルハンカチを挟むことにした。

ガソリンストーブは高所でも火力の衰えを見せること無く、高い火力を維持したが、燃焼音が少々大きいので早朝の調理に少し申し訳ない気持ちになった。
ストーブの特性上、燃焼音は仕方ないのでそのうち音が多少静かなウイスパーライトインターナショナルを購入するかもしれない。

エスパースソロは丁寧な作りだが、耐久性に問題ありと感じることがある。
しかし使い始めて間もないのでいろいろ良い所が分かってくるのではないだろうか。

あと登山全般で弱気だったことが挙げられる。
今回はなぜか終始弱気で舟窪でも烏帽子岳でもそのまま下山しようかと考えたほどだ。
雷の襲来に怯えていたのだろう。
雷嫌いを克服しないと探検家としての道は開けないので今後雷について勉強してゆこうと思う。
あとは概ね天気が良く楽しい尾根歩きが出来た。文句なし。

 

参考情報

舟窪小屋(公式HP)
烏帽子小屋(公式HP)
湯俣温泉晴嵐荘(立ち寄り温泉みしゅらん)
七倉山荘(公式HP)

 

立ち寄り温泉

大町温泉郷付近
上原の湯(サイト内リンク)

 

おわり

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