こんばんは。からあげです。
おっさんは白神山地を大変気に入ってしまい、山の中に留まってあちこちウロウロとしているところ。
ずっと山の中にいたいのだが、食糧と燃料が尽きてくるので、弘前の方へ買い出しにいかないといけない。
その時、通りがかるのが西目屋村(にしめやむら)。
西目屋村は白神山地の東側に位置する静かな山村で、白神山地の東の玄関口となっている。
先日、通りがかった時、なかなか面白い場所を見付けたので、読者に紹介したい。
岩屋観音(岩屋観世音) いわやかんのん いわやかんぜおん
車で弘前市街から県道28号線を白神山地へ。
西目屋村役場を過ぎて5分ほど進むと、大きな標識があるので右手の集落に入る。
道なりに進むと、岩木川沿いにある。
スマホナビに従って集落の中にある駐車場までやって来た。
結構広くて普通車なら10台くらいなら停められそう。
ここから観音さんまで歩いて5分ほど。
駐車場に案内図があるので非常に分かりやすい。
方向音痴のおっさんにも嬉しい配慮だ。
ここが岩屋観音への入口。
赤い大きな鳥居が目印だ。
案内の看板が設置されているぞ、読んでみよう。
岩屋観世音(いわやかんぜおん)
藩政時代に、川辺村の唐牛三左衛門が南部で、木戸の上に座し二本の角がある神馬を買い求めた。ある日三左衛門は岩木川伝いに今の岩屋観世音前までの途中、めまいを起こしふらふらとなり落馬し、気がつくと鞍はお倉と呼ばれる岩壁に、馬は川沿いの洞窟に倒れていた。三左衛門はいたく悲しみ、早速岩谷(岩壁の窪地)内にお堂を建てて馬の霊を弔ったのが由来として伝えられている。
案内看板より
入口の向かいには公衆トイレあり。
鳥居の向こうへ小道が続いている。
あれ、社殿が見えないぞ!どこにあるんだろう?
狛犬ならぬコマ馬。
これは三左衛門の馬なのか。
そしてコマ猫
招き猫のようで可愛らしい。
小道は杉の大木の間を通って下の方に続いている。
木の階段がさらに続いている。
案内の標識にとおり右下の方に下りてゆく。
途中に東屋があった。
これはなかなか居心地が良さそう。
こっそり野宿するには最適だ。
いかんいかん、つい良からぬことを考えてしまう。
さらに道は下りてゆく。
いったいどこまで行くのだろうか。
とうとう川辺に出てしまった。
左に流れるのは岩木川。
さらに奥に進んでゆくと、大きな岩屋の中に赤色のウッドデッキのようなものがあった!!
階段でウッドデッキの上に上がる。
すると奥の方に小さな社があった。
洞窟のような薄暗い岩屋にある神社だ。
これはなかなか珍しい。
奥から清水が湧き出ている。
これは手を清めるためのものだろうが、手で掬って飲んでみた。
ミネラル分が入っているような感じで、なかなか美味かった。
岩屋の中から外の景色を見る。
これだけ庇が長いと雨が降っても濡れることはない。
落石が気になってなんだか落ち着かなかった。
巨大な素掘りのトンネルのように見える。
岩屋観音を出ると川向うにあるマタギ小屋の方に行ってみることにした。
コンクリート製の橋を通って岩木川を渡る。
真ん中の方に向かって緩やかに下っていて、歩いてゆくと微妙に揺れる。
橋から下流方向を見下ろす。
右手に岩屋観音がある。
橋を渡ったところに害獣よけフェンスあり。
鍵は掛かっていないので、開けて中に入ることができる。
出てゆく時はキチンと閉めておく。
この付近にはサルがよく出没するそうだ。
なぜか鹿はあまりいないらしい。
タマゴダケ
たまごの殻を割って生えてきたキノコのように見える。
傘も卵のように丸っこい。
一見すると毒キノコのようだが、食べられるということだ。
マタギ小屋
三角屋根のかわいい小屋。
杉の皮を貼り付けてある。
中は結構広い。
中央が土間で両側が板の間となっている。
三角屋根の小屋は簡単で積雪に強いので、マタギ小屋にピッタリなのだろう。
おっ、案内の張り紙があるな。読んでみよう。
マタギ小屋
マタギの狩猟活動の拠点として使用した小屋で、沢沿いなどの水場の近くに建てられました。5~6人から多いときは10人以上の集団で、マタギ小屋を寝床にして、獲物を追って険しい山を登り下りしました。
狩猟は主に積雪期に行うため、秋のうちにあらかじめ米や味噌などを運んでおき、食糧としました。
マタギ小屋では、シカリ(統率者)のもと、いくつもの戒律を守りながら、集団生活が行われました。案内の張り紙より
炭焼き小屋
マタギ小屋の奥に進むと今度は炭焼き小屋があった。
薪がたくさんあって、実際に何回か炭焼きを行った跡がみえる。
西目屋村はかつては炭の大産地で、どの集落でもほとんどの人が炭を焼いて生計を立てていた。山で焼き上げた炭は炭俵に入れて炭小屋に積んでおき、それを人が背中に背負って里まで運んでいた。男性は3俵(約45キロ)、体力のある人だと4俵(約60キロ)背負ったものだといい、女性でも3俵を背負った人もいた。
駐車場の案内看板より
ふむふむ。
石と粘土で窯を作っているのか。
この縮小版でピザ窯を作れそう。などとあれこれ考える。
小屋の各部をチェック!
各部の接続とカスガイの使い方を勉強する。
これくらい太い間伐材だと凄く丈夫そう。
柱は掘立て方式。
皮は付いたままで焼いていない。
このままで腐らないのか気になった。
この筋交いがポイントだろう。ボルトで連結してある。
柱を繋いでいる箇所。
小屋を建築した時は、柱の接合が分からなくて大変だった。
それで自分なりに考えて適当にやったのだが、読者からやいのやいの言われてウンザリした。
半分に切って、ボルトで止めてカスガイと番線で補強か。
やっぱりこの程度でいいんだなあ。
窯の周囲は土で覆って断熱している。
そして土が崩れないように薄い板で囲っている。
固定式のロケットストーブに使えそうなアイデアだと思った。
屋根の構造もしっかりチェック。
屋根は製材したものを使っているな。
材料を集めるより買ったほうが早かったのだろう。
雪が自然に落ちるように勾配をきつくしている。
さらに奥の方に小道が続いている。
整然と並んで生えているのは杉。
葉っぱを見ると尖っていて、ヒバでもヒノキでもないと分かった。
やっぱり植物は日頃から注意して見ていないと覚えられない。
鷹の巣(たかのす)
いつの頃かか岩窟に大鷹がすみつき、この1つがいは人畜にも農作物にも一度として危害を加えたことがないことから、村人は神のように敬い、何か国内に変事があると、それに先立って姿を消すので”霊鳥”と言われていた。昭和に入ってその崖ぶちに林道が開通し、人馬の往来が激しくなってからは、大事な巣を捨て、何処かへ飛び去り、二度とその姿は見ることができなくなった。
案内看板より
視界が開けると、白っぽい岩壁が現れた。
なんだかよく分からないが、おっさんは上を見上げた。
しかし何もなかった。
乳穂ヶ滝 におがたき
西目屋村役場から県道28号線を白神山地の方に向かって車で約3分。
岩屋観音から凄く近い。
駐車場は県道28号線沿いにあり。
広大な駐車場でゆったりと車を停めることができる。
駐車場にある公衆トイレ
水洗で綺麗なトイレ。
運転に疲れた時に気軽に寄れる休憩スポット。
滝は神社の中にあり。
赤い鳥居の向こうに杉の大木が何本も生えている。
由緒ありそうな場所だ。
鳥居に付けられた巨大なしめ縄が凄い。
入口に案内看板があったので、それを転載しておこう。
乳穂ヶ滝 ガマ石
樹齢300年を越える杉の大木に囲まれた境内、落差33メートルから一条の滝が落下している。その岩下に不動尊がまつられ、この御堂は建立不明とされている。この滝が古来からの津軽の作物豊凶占いの手がかりとされており、現在でも津軽中の信者が集まる。
ガマ石は乳穂ヶ滝の向かいの岩木川にあり、その岸にカエルがうずくまった形に似ていることからその名が付けられており、ビッキ石とも呼ばれている。案内看板より
入って直ぐのところにある休憩所。
ご自由に利用下さいと書いてあった。
むふふ、中は綺麗で居心地は良さそう。
今度機会があったら利用させて貰おう。
向かいには水道の設備があって、蛇口から水が出た。
これは何を意味するのか。
崖の上から流れ落ちる乳穂ヶ滝。
境内に入ると直ぐに飛び込んでくる景色。
優しくさらさらと落ちている。
水量が少ないため、厳冬期になると氷柱のような見事な氷爆になるという。
是非とも冬に訪れたい滝だ。
参考リンク 弘前観光コンベンション協会(乳穂ヶ滝氷祭)
滝の裏側の岩屋に社が建てられている。
これまた岩屋観音と同じような赤いウッドデッキもある。
アプローチの階段は、堅い岩を削って作ってある。
滝の裏側からの景色はなかなか見応えがある。
ガマ石
カエルがうずくまった形に似ているとか。
そう言われれば、カエルに見えないこともないような。。。
以上、放浪好きのおっさんが西目屋村の観光スポット2箇所をお届けした。
本命はもちろん白神山地だが、通りがかるついでに寄ってみてはどうだろうか。
どちらも自然の造形美が見られる場所だ。
乳穂ヶ滝の方は県道脇にあるので、気軽に立ち寄ることができる。
おわり
コメント
隊長が探検されている白神は、東北でもDEEPな地域らしいです。
いろいろと不思議な民間伝承もあるらしいです。
それにしても、青森、白神、岩木エリアとEnjoyしていますね。
また、秋田の方に行かれるなら吉村作治も驚く日本のピラミッド黒マンタの調査やキリストの墓なんか行かれたら面白そうです。
pvのup確実です。
マタギ文化を知りたいと思いますが、もう完全に廃れてしまったようです。
ピラミッドの方はかなり面白そうですね。
キリストの墓は眉唾もので非常に怪しいです。
東北は狩猟民族の縄文文化が色濃く残っているようです。
キリストの墓もあながち・・・です、あっつちこっちに十字架建ってるし、真剣に調べている人が結構います。
黒目が青色の人もいるみたい。
柳田邦夫「遠野物語」なんかは興味ありますか?
座敷童の旅館とかどうですか、東北ミステリーゾーン。