こんばんは。からあげです。
再び実家物置生活が始まった。電気欲しさに実家にやって来ているのだが、もれなく家事や雑用が付いてくる。できるだけ自分の仕事を片付けつつも、文句が出ない範囲で手伝いをしなければならない。形に残らない皿洗いをやっても直ぐに忘れ去られるだけなので、形に残る仕事をやっておいて、それをことあるごとに恩着せがましく言う。新たな仕事を言いつけられないようにするためだ。実家生活で身につけたおっさんの知恵。
こちらが気を遣ってあれこれしてしまうと、おかんが怠けてしまう。おかんが怠けるとどうなるか?ボケてしまうかもしれない。それは絶対に阻止しなければならない。親孝行は楽をさせてやるばかりじゃない。ここはグッと堪えて鬼と化して気のきかない息子を演じ続けなければならない。私はそういう星のもとに生まれてきたのだ!ここは自分の運命を受け入れよう。
ゴソゴソ作業をしていたら、頼んでいた本が届いた。すでに絶版となった本だったため、Amazonの中古本を購入した。クマの研究をしている動物学者のアメリカ人が書いた本で、クマの良書として知られている。
PCT出発前に読んでおこうと思ったが、知識を詰めすぎると怖くて歩けなくなってしまうかもしれない。そう思って止めておいた。おっさんは怖がりなのだ!
そこら辺に寝っ転がりながらパラパラページをめくって読み始めると、自然に本の中に引き込まれてしまい、あっという間に3時間が経ってしまった。
お昼のラーメンを食べる。ふぅ~一息付いたな。
しばらく休憩したあとでまた読み始める。クマのことを知れば知るほど惹きつけられる。本当に不思議だ。
ロープワークが苦手なおっさんと蝶結びについて
ところで今日は靴紐の結び方を説明する。靴紐を結ぶなんてできる人は非常に簡単だが、できない人にとっては意外と難しい。私は保育園のころに靴紐の結び方を習ったのだが、しっかり理解したわけではなかったため、いつまで経っても覚えられなかった。
私は物覚えが異常に悪い質で、人が簡単に覚えられることでも、なかなか覚えられない。靴紐を結ぶ、蝶結びだってまともに結べるようになったのは、仕事で船に乗るようになってからだ。船員にとってロープワークは必須の技術で、各種結び方をいつでもどこでもできるようにしておかないといけない。考えているようではダメ。無意識でも結べるようにしておく必要がある。特に海が時化ているときモタモタしていると叱られる。
昔、ロープの結び方の本を見ても、いまいちよく分からなかった。先輩に手本を見せてもらっても、早すぎて手品を見ているようで余計に分からなくなった。私は自分のペースでじっくり時間をかけて覚える必要があった。何度も何度もロープを解いては結ぶを繰り返し、結び目をじっくり観察して脳裏に焼き付ける。何も考えずにできるようになるまで繰り返し行なった。
やっぱりこういうことは得意不得意がある。私はロープワークのような作業は苦手だが、それでも繰り返しやって覚えることができた。3次元の認識力が低いのかもしれない。今でもできるロープワークの種類は少ないが、数少ないロープワークだけで船員時代を乗り切った。
生活に必須なのは、靴紐の結び方だ。誰でも靴紐の付いた靴を一足は持っていることだろう。結び方が悪いとすぐに解けてしまい、何度も何度も結び直す必要がある。すぐに解けるというのは結び方が悪いということもあるし、その結び方が用途に合っていないということもある。
ロープワークの基本は解けやすくて解けにくい結び方。(なんだか矛盾している)ロープは使い捨ての一度結んで終わりというわけではなく、解いて何度も繰り返し使用する。結んだはいいが解けなくては意味がない。しかし、解きやすいからといって作業中に結び目が解けてくるようでは非常に危険だ。命に関わる。簡単にしっかりと結べて、解きたい時に簡単に解ける結び方を用途に合わせてする必要がある。
蝶結びで結んだ靴紐
靴紐の結び方でメジャーなのは蝶結びだが、正しくきれいに結んだとしても自然に解けてくることがある。どちらかと言うと、解きやすさと見栄えを重視した結び方でプレゼントの箱のリボンを結ぶ時にも使われる方法で、ロープの端を引っ張ると解けるようになっている。引っ張ると解ける結び方の種類を引き解け結びという。
そんな引き解け結びの一種の蝶結びだが、ひと工夫加えることで解きやすいままに解けにくくすることができるのだ!その結び方を今回紹介することにしよう。
本結び
まずは解けない結び方を習う前に、蝶結びの元となる本結びを覚えて欲しい。誰でもできる結び方だ。
この本結びというのは、簡単に結べてそこそこ解けにくいのだが、大きな力が加わると結び目がガッチリと締まってしまい解きにくくなってしまう。だから船ではあまり使用されない。新聞紙を資源ごみとして出す時に、ビニール紐で縛って束ねる時に使用されるくらいか。
分かりやすいように色違いのロープを使用する。今回の説明は全て、右が緑、左が赤とした。
まずは右の緑色のロープを上にして赤色のロープと交差させる。
そして緑色のロープ先端を左の赤色ロープの下を通して一周させる。
再び緑色のロープを上にして赤色ロープと交差させる。
先ほどと同じように緑色のロープ先端を右の赤色ロープの下を通して一周させる。
するとこのような輪っかができる。
ロープの先端を引っ張るとこのように結ぶことができる。これが本結びだ。
じっくり結び目を観察しておこう。
結び目のアップ。
この形をよく覚えておこう。
結び目を上下反対にひっくり返したところ。
裏側も同じ形になっている。
本結びのコツは、交差する時に上側になったロープを再び上側にして交差させて結ぶ。するともと来た同じロープの方向に戻る。
蝶結び
本結びを解きやすく引き解けにしたのが蝶結びだ。靴紐やリボンを結ぶのに大活躍する。
右が緑色、左が赤色のロープをセットした。
本結びと同じく緑色が上になるように交差させた。
そして同じように緑色のロープを一周させて上に出す。ここまでは本結びと全く同じ。
ロープを引っ張り先を長めに出して、途中で折り曲げて2重にする。
緑色のロープを上にして交差させる。
2重にした緑色のロープを一周させて上に出す。
結び目の形を崩さないように二重のロープの両端を引っ張る。
すると蝶結びの完成!
蝶々のような綺麗な結び目ができた。一重ロープの両端を引っ張ると簡単に解ける。
結び目をじっくり観察する。こちらが表側。
こちらが裏側。裏表同じ形となっている。
解けない蝶結び
お待ちかねの解けない蝶結びの方法をこれから紹介しよう!
蝶結びの途中まで、途中で折り曲げて二重にするまでは同じ。
ここから変わってくる。
緑色ロープの二重部分を赤色二重部分より少し長めにしておく。
そして緑色を上にして交差させる。
蝶結びと同じように緑色のロープを一周させる。
そして緑色のロープをさらにもう一周させ、結び目の形を崩さないように二重のロープの両端を引っ張る。
すると解けにくい蝶結びの完成!
通常の蝶結びは1周だが、2周させてより解けにくくさせている。これでもう通常の蝶結びのように、歩いているときに自然と解けてくることはない。
表側の結び目のアップ。緑色を2周にさせたため、このように大きな結び目ができた。
2周させることにより、グリップ力が倍になり解けにくくなる。
裏側のようす
表側とは違う形になっている。
まとめ
解けにくいこの蝶結びの方法は、名古屋駅近くの登山用品店、駅前アルプスの店員さんに教えてもらった。私が登山靴を買うとき、伸縮しにくい靴紐だと直ぐに解けてくるから、伸縮する靴紐が欲しいと言うと、この結び方を教えてくれた。
実際にこの結び方をやってから、歩いている時に解けてくることがほとんどなくなった。
以前は度々靴紐が解けていないか確認する必要があったが、その煩わしさから開放された。
今回のPCTでも同じ解けにくい蝶結びをしていた。
朝、靴を履いてツエルトの外に出る時に靴紐を締め直せば、途中で解けてくることはなかった。実に快適に歩くことができた。
この結び方は蝶結びができる人なら簡単にできるので、是非試してみて欲しい。おっさんオススメだ!
おわり