越後湯沢の山奥、赤湯温泉を訪ねて

こんばんは。からあげです。

昨日、天気がイマイチで登山を休んだお陰で、ようやく一息付くことが出来た。
毎日毎日登山では車内環境が悪化してしまう。
片付かない車内では体も休まらない。
やはり休み休みのんびり登山する方が良いみたいだ。

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昨日は国道17号線、三国トンネルの群馬県側の出入り口付近の駐車場で車中泊した。
天気が良ければ、三国峠(みくにとうげ)から仙ノ倉山(せんのくらやま)を登ろうと思っていたが、朝4時に起きると雨が降っていたので止めにした。

古い登山地図に登山口の駐車場が載っていたので、早めに行ってチェックしてみると、そこそこいい感じだったので、ここで車中泊することに決めた。
駐車場の端には建設会社の仮設事務所があって多少の車の出入りがあったが、夜になるとみんな帰ってしまった。
それよりも国道を走るトラックの音が気になった。
高速道路がない時代は峠越えの国道を走っていたようだが、今は交通量が随分と減って寂れた峠越えのルートになってしまったように感じる。

仮設事務所の反対側の端っこにトイレがある。
水は出なくて汲み取り式だ。

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外の水道はご覧のとおり、蛇口が取り外されてしまっていた。
出発直後に見つけたトイレで水を満タンに汲んでおいて良かった。

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昨日の晩は久しぶりに冷凍サンマを食べた。
頭と尻尾だけ取り除いて、あとは適当にぶつ切りにして煮込んで味噌汁にする。
汚れやすい生物を切る時は、リアバンパーの左側にまな板を載せてナイフで切る。
血や内臓が出ても、水を流せば綺麗になる。
後ろに若干に傾斜が付いているので、水が溜まることはない。
リアバンパーの右側は、リアゲートのダンパーがあるので狭くてやりづらい。
ジムニーJB23Wでは、リアバンパーの左側がミニ作業台となる。

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国道の車から見られるので、車の後でガソリンストーブを使った。
これなら風よけにもなるし、荷物の出し入れがしやすい。
助手席側とリヤ側が外でストーブを使う時の定番の位置だ。

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夜になると国道はガスに包まれた。
外に出ると水滴が体にまとわり付く。
夜間は交通量は少なくて静かだが、車が通ると余計に音が気になるので、耳栓をして眠った。
すると朝まで熟睡出来た。

 

赤湯温泉を訪ねる
あかゆ

朝起きると雨が降っていたので、登山を中止にして3時間ほどパソコン作業を行った。
そのためようやく谷川岳縦走登山の一日目の記事を完成させることが出来た。

谷川岳馬蹄形縦走(1日目)
谷川岳馬蹄形右回り1泊2日(蓬峠テント泊)で縦走してきました。 今回は一日目の蓬峠までの内容です。 朝方は小雨の降る天気でしたが、徐々に回復し青空が広がる登山日和となりました。

時間が中途半端なので、どうしようかと地図を見ていると、以前から気になっていた温泉が目に留まった。
地図のコースタイムによれば、片道約2時間で山奥の赤湯温泉に行くことが出来る。
谷沿いにある温泉なので、ガスでまっ白で何も見えないという事態にはならない。
手頃な距離も気に入った。
赤湯温泉は苗場山(なえばやま)登山の拠点ともなる。
ようし、ちょっくら行ってみることにしようか。

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赤湯温泉登山口へはスキー場内にある苗場プリンスホテル前を通って奥にゆく。
今日はイベントの用意をしているようで、テントやパイプ椅子を積んだトラックが行き来して会場が設営されようとしていた。
それにしてもこんな山の中に大きなホテルが建っているとは。
なんだか場違いな気がしてならなかった。

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奥の方に入ってゆくと分岐がある。
ここを左へ進む。

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分岐の看板
赤い矢印があって分かりやすい。

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林道は良く整備されているので、普通車でも問題なく入って行くことが出来る。

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分岐から2キロほど進むと小日橋(こひばし)にゲートあり。
一般車はここまで。
奥に5台ほどの駐車スペースあり。

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さらに手前にも5台分ほどの駐車スペースあり。

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この小日橋の駐車スペースと赤湯温泉に近い見返りの松では携帯が使用可能となっている。
スマホを取り出してチェックするとdocomoのLTE圏内だった。
スキー場の方から電波が入って来ているようだ。
この駐車スペースにトイレ、水場はなし。
片隅にかわいい登山ポストあり。

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小日橋のゲート

私が準備をしていると、タクシーがゲートを退けて中に入って行った。
途中ですれ違った登山者のグループが呼んだようだ。

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橋の上から下流側を見ると、怪しげなパイプが通っていた。
これはナンダロウか。
後ほどこの秘密が明らかとなる!

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小日橋(こひばし)は堰堤と橋が合体したものだ。
昭和34年に竣工したと石碑に書かれていた。
堰堤と橋を一緒にするとは合理的だな。

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橋を渡ると林道は多少荒れているものの、タクシーが通れるほどの状態で歩きやすい。

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この分岐のゲート前でタクシーが待機していた。
右上のゲートを抜けて奥へと進む。
赤湯温泉道と書かれた標識あり。

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チェーンのゲートを過ぎるとさらに道が荒れだした。
しかし、真新しい轍の跡がある。
小屋の関係者の車だろう。

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林道終点の広場

石碑と看板が設置されていた。

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林道終点のセンノ沢
随分と荒れてしまっている。
さすがにここは車では突破出来ない。

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棒沢(ぼうさわ)に架かる鉄橋

検索しても読み方が出てこなかった。
多分「ぼうさわ」でいいと思う。

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鉄橋を渡る時に滝のようなものが見えたので、橋を渡ると踏み跡を辿って奥へ行ってみた。
するとただの堰堤だった。

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棒沢を越えると登りが始まる。
今日は温泉に入りにゆくだけなので、汗はかきたくない。
一昨日着替えたばかりだし、雨が降るので洗濯はやりたくない。
出来るだけペースを落として歩くが、蒸し暑くて汗が吹き出てきた。

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ちょっと見晴らしの良い所に出ると風が吹き抜け気持ち良い。
あとどれだけ登るのだろうか。
手持ちの地図は5万分の1でイマイチ分かりにくい。

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どこまでも続く登りに恐怖した。
ああ、もうダメだ。暑くて汗が出る。

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風格のある大木が迎えてくれた。

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ようやく鷹ノ巣峠(たかのすとうげ)までやって来た。
これであとは下る一方だと思ったが、実は見返りの松というところまでアップダウンが続いた。

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見返りの松

どこにそんな松があるのかとキョロキョロしてみる。

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振り返るとなんとも貧相な松が生えていた。
なるほど。そうなのか。
この見返りの松でも携帯が使用可能。
ここでタクシーを呼べば、下山するまでにお迎えに上がります、というようなことが書かれたタクシー会社の看板が設置されていた。
さすが抜け目がない。

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見返りの松を過ぎると道は歩きやすい下りとなる。
次第に高度を下げてゆくと水の音が大きくなってきた。

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下の方に鉄橋が見えてきた。

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熊ノ沢(くまのさわ)に架かる鉄橋を渡る。

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橋を渡るとテントサイトとなっていた。
ネットで見ると無料となっている。
あちこちに小石が転がっていた。

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テントサイトを過ぎると今度は清津川(きよつがわ)に架かる鉄橋を渡る。

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橋を渡っていると右手の上流側に温泉の施設のようなものが見えてきた。

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川沿いの小道を進む。
まずは山口館という山小屋に行って温泉の入浴料を払う。

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小屋が見えてきた。

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小屋の前になんだか怪しげなものがあるぞ。
なんだこれは!

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珍宝館 ご神体の由来

平成8年、六日町中学校23回卒業生が42歳の厄払いに制作して、夏祭りの御輿として担ぎました。
同年、同級生一同によって赤湯温泉に奉納され、珍宝館としてお社を建立しました。
平成26年、還暦を迎え、赤湯温泉山口肇によりリニューアルし、珍宝館を再生しました。
お賽銭箱の浄財は、まとまった段階で、さまざまな寄付にあてます。

立て看板より

ご神体の先っぽを優しく撫でると子宝に恵まれるとか。
酔っ払い共が大騒ぎして町を練り歩いた風景が目に浮かぶ。

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珍宝館を過ぎると赤湯温泉山口館の本館がある。
川沿いに建つ山小屋だ。

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小屋の前を過ぎると苗場山登山道の案内標識があった。
階段を下りて河原を上流へ歩くとある。

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河原を歩いていると水たまりから温泉が湧き出ていた。
ぷくぷくと泡が出ている。

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河原から見た山口館

右側が別館で左側が本館。

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地図ではこのまま清津川の右岸を歩くと鉄橋が見えてくるらしい。
今日はこれまでとしておくとしよう。
さあ、戻って温泉に入ろうか。

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玄関前に料金箱あり。
入浴料 一人500円

 

赤湯温泉ルール

 

日中から夕方6時まで

玉子湯・薬師湯  男

青湯       女

夕方6時から夜8時まで

玉子湯・薬師湯  女

青湯       男

夜8時以降  

混浴

 

入浴心得

・ザック・山靴等を持ち込まない
・浴場で物を食べない
・水着入浴は禁止
・入浴目的以外で入浴場に入らない

参考リンク 赤湯温泉 山口館 温泉案内のページ

 

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水場兼自動販売機

美味しい沢水が流れている。
飲み物の料金は料金箱に入れる。

 

小屋の前のベンチで靴と靴下を脱いてサンダルを履き、ザックを置いて温泉の方に向かう。

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手前の分岐が玉子湯・薬師湯の方へゆく。
昼間はこちらが男湯となっている。
案内の看板をよく見て入る。

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薬師湯は屋根付きとなっている。
雨降りの日でも快適に入ることが出来る。

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薬師湯

こじんまりとした湯船。

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そしてこちらが玉子湯

中央で仕切られていて奥の方が源泉に近くて熱くなっている。
そこら辺で服を脱いて岩の上に置いておく。
備品はスノコとたらいのみ。
手前の湯船に入るとかなり温めだった。
それなので、仕切りをまたいで奥の方に入る。
まだ温かったので、一番奥のブクブクと源泉が出ているところまで行った。
肩までお湯に浸かっていると次第に体が温まってくる。
少し滑りを帯びたお湯で肌がツルツルになってビックリするほど湯を弾くようになった。
なんだか随分と若返ったような気がした。

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ローアングルで撮影した。
温泉に浸かっているような気分を味わって欲しい。

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湯のにごりは含石こう鉄塩泉により空気による酸化作用によるもの。
表面の油のようなものは浮湯花。

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体が熱くなってきたので、一度川に入りクールダウンする。
川での水浴びなら毎日のようにしているので全然違和感がない。
ただ真っ裸で水浴びしているのがいつもと違うところだ。
何度か湯船と川を行ったり来たりして30分ほど楽しんだ。
こんな長風呂をしたのは久しぶりだった。
やっぱりお金を払うと元をとろうと頑張ってしまう。

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宿泊者以外は、別館のトイレを使う。
別に大してしたくは無かったが、別館を見たくてトイレにやって来た。
この廊下は凄く雰囲気があって良い。
ここに座りながらKindle本を読んだらさぞかし気持ち良いだろうと思った。

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本館前のベンチに座ってお昼ご飯を食べる。
今日はかなり遅い昼飯だ。
帰る前に水場で水筒を満タンにしておいた。

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昼飯を食べて一息着くと帰ることにした。
こちらが女湯となっている青湯だ。
自分の他に誰もいないので、入ってみたかったな。

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赤湯温泉はなかなか居心地が良い場所だった。
携帯は圏外で聞こえるのは水の音のみ。
こういう山奥で何も考えずにボーッとしてのんびりと過ごしたいなあ。
爺さんになったら泊まりに来るとしようか。

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帰る途中で見つけた木のウロ

ここは動物の避難小屋だな。

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林道終点の広場まで戻ってきた。
この大きな岩は車止めに置いたものだろう。

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センノ沢

よく見るとコンクリの土管が埋まっていた。
大雨で土が流されて荒れ放題となってしまっている。

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帰りになってようやくここが林道の終点広場だと分かった。
車止めの岩と沢と土管がポイントだった。

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チェーンのゲートがある分岐
少し暇があるので、気になる下の方の道に寄ってみることにした。

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すると取水施設があった。
看板には東京電力と書いてあった。

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取水口から入った水がトンネルに吸い込まれている。
そうだ!小日橋から見えた太いパイプは送水パイプだったのだ。
地図で確認すると送水パイプは北の方までずっと延びてカツサ川ダムの方までいっている。

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大雨が降ると川の流れが変わってしまい、取水口に水が来なくなってしまうので、重機によって川の流れを維持しているようだ。
始めはこんなに平らにならしてどうするんだと思ってしまった。
それにしてもこの水は本当に青々としているなあ。
名前が清津川となっているが、そのとおり綺麗な川だ。

 

今日は久しぶりに良いお風呂に入ってリラックス出来た。
取水施設に寄っているうちに土砂降りの雨となったが、ポンチョを被ればどうってことはなかった。
雷もゴロゴロなりだしたが、車が近かかったので、全然怖くなかった。
さあて明日は今日より天気が悪いみたいだからどうしようか。
こうも大気が不安定だと安心して歩いていられない。

もうゴロゴロしようか。

 

おわり

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