裏妙義縦走~恐怖の丁須岩

こんにちは。からあげです。

昨日の車中泊場所は人気がなくて静かでゆっくりすることが出来た。
一昨日の道の駅では眠りが浅く疲れが残った。
ねぐらが違うだけでこうも違うのかと思った。

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今朝は4時半過ぎに起床すると、空は真っ青に晴れ渡っていた。
昨日の疲れがまだ抜けていないが、絶好の登山日和をそのままやり過ごすわけにはいかない。
今度はいつ来れるか分からないのだ。
登れる時に登っておきたい。

 

2016年6月27日 裏妙義縦走 ~国民宿舎から丁須岩を経て谷急山まで。そして巡視道を下る。

コースタイム

07:00国民宿舎発~07:10籠沢コース登山口~08:40横川分岐~08:45丁須岩基部~08:55丁須岩~09:20チムニー鎖場~09:40赤岩トラバース~10:15風穴尾根の頭~10:30三方境~11:50谷急山~12:50三方境~14:05巡視道コース登山口~14:15国民宿舎着

歩行時間 約7時間(休憩時間を含む)

 

登山ルート

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国民宿舎裏妙義(現在、営業終了)

今日は裏妙義(うらみょうぎ)に登ることにした。
昨日登った表妙義(おもてみょうぎ)の中木川(なかぎがわ)を挟んだ向かい側となる。
表妙義に比べて難易度は下がるが、奇岩の丁須岩(ちょうすいわ)がある。
妙義山は標高が1000m少ししかないにも関わらず、険しくて凄く登り甲斐がある。
おっさんはもう妙義山の魅力に取り憑かれてしまった。
表妙義を登っただけで、このまま帰るわけにはいかない。

朝食を済ませると中木川沿いにある国民宿舎裏妙義にやって来た。
何やら人気がないので、どうしたのだろうと思っていたら、入り口に3月31日(今年)をもって営業終了と貼り紙がしてあった。
それなので、建物前の駐車場に車を停めさせてもらった。
昨日洗濯した衣類がまだ乾いていないので、外に干しておくことにした。
首周りが擦り切れたTシャツやくたびれたトランクスなど盗ってゆくものなどいないだろう。
ひょっとしたらおっさんマニアの女がいるかもしれないが、まあそんなアマがやって来たら仕方ない、奮発してくれてやるとしよう。
しかし、中古で買ったズボンはまだそこそこ新しい。
これだけは見逃して欲しいな。

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妙義山を舐めてると怪我どころじゃ済まない。
昨日、念のためヘルメットを持って行ったが、非常に安心感があった。
(あくまで安心感であって転落したらヘルメットなど役に立たない。)
今日も当然のように持って行く。

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国民宿舎から籠沢(こもりさわ)沿いのコースを歩いてまずは丁須岩(ちょうすいわ)を目指す。
国民宿舎から少し手前に戻ったところ、細い林道の奥に登山口がある。
林道の入口に登山ポストあり。
骨は拾って欲しいので必要事項を記入して投函した。

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コンクリート舗装の道を10分ほど歩くと右手に籠沢コースの登山口がある。
さあ、気を引き締めてゆこうか。

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籠沢沿いの登山道を歩く。
何度も渡渉して高度を上げてゆく。

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おいしそうなきのこ発見!

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大きな岩がゴロゴロ転がっている河原を歩いてゆくと、いきなり危険箇所が出現する。
本当に妙義山は気を抜いてはいられない。
集中して岩場に臨まないと非常に危険だ。
この岩場を過ぎたところでヘルメットを被った。

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隊長、登山道脇に氷室を発見しました!

興味ないから先に行くぞ。
(中にクマが潜んでいるかもしれず怖いので、覗かずに素通りするとしよう。)

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趣のある滝

こういう水量の少ない滝も味わいがあってなかなか良い。

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横川分岐手前の鎖場
昔は深い溝となっていたようだが、今は埋もれて簡単に通過することが出来る。
分岐を過ぎるとすでに丁須岩の直下に出る。
ここを反時計回りに進んでゆく。

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岩場の先に見える変な岩。
あれが丁須岩だな。

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登ってゆくと先行者がロープを出して登る準備をしていた。
私が行くとお先にどうぞと言ってくれたので、ザックを置いて空荷で登ることにした。

この岩にはチェーンが設置されているので、ロープ無しでも登ることが出来るが、落ちたら間違いなくあの世行きとなる。
足元は20m以上の断崖で助かる見込みはまるでない。
命がけで登らなければならない。

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チェーンに全体重をかけて上までどうにか登った。
全身に冷や汗が滲み、足がガクガク震えて力が入らない。
上に登っても余裕がなくて、このチェーンの付け根の写真を1枚撮るのが精一杯だった。
登る時はチェーンの上部が見えないので、全体重をかけるのは非常に怖かった。
しかし、今の私の技量ではチェーンを頼らなければ登れない。
一歩目の恐怖が物凄い。

下りは足元が見えないし、下の方がオーバーハングしていてさらに危険度が増す。
チェーンを両手でしっかりと掴んで恐る恐る下りてゆくと、オーバーハングしたところで岩から体が引き剥がされて宙ぶらりんとなってしまった。
この時、もう死んだと思った。
ここでチェーンを離したら一巻の終わりなので、必死にもがく。
かかとを岩の角に引っ掛けて体を岩の方に寄せて、安全地帯の上になんとか立つことが出来た。
丁須岩の上から無事生還すると全身の力が抜けて膝がガクガク震えた。
もうこんな無茶はするのは止めようと思った。

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これは丁須岩の付近の岩の上から撮った表妙義の景色。
裏妙義側から見ると多少はなだらかに見える。
反対側は一変して断崖絶壁となっている。

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浅間山には、今日もガスがかかって山頂部分がすっきりしない。
噴煙の影響も少しはあるのだろうか。

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先ほど譲ってくれた中年夫婦の旦那さんが登っている。
右腕を目一杯伸ばしてロープの支点をチェーンにとっているところ。
確かな体捌きでドンドンと登ってゆく。
チェーンを頼らず自分の手足で体重を支えている。
私の登り方と全然違う。

この丁須岩はチェーンがないと登れない人間は登るべきではないと思った。
私は不確かなチェーンに全体重をかけて登った。
運悪くチェーンが切れたら、それでおしまい。
このような登り方は、私のこれまでの生き方そのものだ。
不確かな国や社会を頼って生きてきた。
いつ駄目になるか分からないものに。

これからは自分の力のみを頼りに生きてゆこう。
何があっても安易に他人、社会、国を頼らない。

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丁須岩また会う日まで。
今度来る時は、もっと技術を身に付けて安全を確保してから登ることにするからな。

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丁須岩から先は赤岩(あかいわ)と烏帽子岩(えぼしいわ)を抜けて裏妙義の最高峰、谷急山(やきゅうさん)を目指す。

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丁須岩を無事に下りてホッとしていたのも束の間、新たな危険箇所が現れた。
草木の下に凶悪そうなチムニー(岩の割れ目)が見える。

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ここもかなりの緊張を強いられるところだった。
岩の間から水が滲み出していて滑りやすくなっていた。
一歩一歩慎重に下りていった。

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日陰の苔むした滑りやすい岩場。

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岩を削って足置き場を作ってある。
妙義山の鎖場には、こうして岩を削ってあるところが多い。
このお陰で楽に登り降り出来る。

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赤岩の岩壁が現れた。
もちろんこんなところは登らない。(登れない)

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岩に刻まれたトラバース道
パット見はかなりヤバそうに思えるが、意外としっかりした足場だった。

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登山道脇に綺麗なクルマユリが咲いていた。

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屏風のような岩にポッカリと空いた穴
覗いて見ると向こう側は崖だった。
ここは風穴尾根の頭(ふうけつおねのかしら)というらしい。

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細長い屏風のような奇妙な岩。

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烏帽子岩と赤岩を振り返る。
(左が烏帽子岩、右が赤岩)

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烏帽子岩の迫力が凄い。
未来少年コナンにこんなような細長い岩が出てきたような気がする。

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三方境を越えて谷急山へ向かっているところ。
木の根っ子が凄い。
この根っこのお陰で急な斜面でも登り降りしやすい。

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向こうに見えるのが谷急山だ。
左側から回り込んでゆく。

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激しく切れ込んだV字キレット(キレットとは尾根の凹んだ部分)
キレットは迂回して安全に通ることが出来る。

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ところどころに何気なくポッカリと口を開ける奈落の底。
足を踏み外したら人生それまでよ。
こんなところが妙義山には無数にある。

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谷急山(やきゅうさん)1,162m

裏妙義の最高峰。
樹木に視界を遮られていて景色はほとんど見えない。

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ちょっと戻ったところから浅間山方面を写す。
やっぱり浅間山にはガスがかかっている。

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烏帽子岩と赤岩と丁須岩の3ショット
一番右が丁須岩。

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丁須岩のアップ。
肉眼でもハッキリと確認出来る目立つ岩。

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帰りは三方境(さんぽうざかい)から巡視道を通って下山する。
急に道の状態が良くなって歩きやすくなった。

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林道に出たところ。
籠沢登山口の少し奥の方にある。
やれやれようやく戻って来れた。

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国民宿舎まで戻ってきた。
干していた洗濯物はカラッカラに乾いていた。

 

公衆トイレと携帯電波の状況

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駐車場の奥のログハウスの建物が公衆トイレとなっていて使用可能だった。
蛇口から水が出たが、飲用できるかどうか分からなかったので、水を汲むのは止めておいた。

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新しい方のソフトバンクのアンテナ

トイレのある広場にはソフトバンクとdocomoのアンテナがあって、谷あいの川沿いでもスマホが使える。
これは凄く助かる。

車でやって来た人に話を聞くと、国民宿舎は最近まで民間の会社が運営していたが、赤字が続きとうとう今年の3月31日で閉めることにしたらしい。
今後は使われる予定はないという。
ここを安く借りてからあげ王国とか作ったら面白そう。
(面倒だからやらないけど)
老朽化しているとはいえ、まだ使えるものなのに勿体無い。

 

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今日はシェルパを履いて歩いた。
久しぶりに履くことが出来てなんだか嬉しい。
この靴のお陰で無事に下山することが出来た。
今シーズン、いっぱい活躍してもらうことにしよう。

さあて、今日は疲れたのでこれにておしまい。
今晩は今後の身の振り方について考えようと思う。

 

走行ルート

走行距離   1.5km

本日のねぐら 中木ダムの奥

 

おわり

コメント

  1. JB23W09XG5MT より:

    イグニッションコイルかな?エンジン一発死んだくらいなら動きます。
    アイドリングで1~3のプラグキャップ一個ずつ抜いて行って変化しない気筒があれば其処が死んでますよね。

    • karaage より:

      どうもありがとうございます。
      三気筒のうちの一つが死んでいれば、さすがに分かると思います。
      燃費とパワーの低下はそれほど落ちてはいません。
      今後、暇を持て余したらチェックするかもしれません。

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