加藤諦三著 自分のうけいれ方~競争社会のメンタルヘルス~

こんばんは。からあげです。

 

今日は気温がやけに高く、雪ではなく雨となった。
私の心とリンクするかのような大雨が降り続く。
地肌が見えてきて茶色く変色した雪の塊が、大粒の雨に打たれて少しずつ解けてゆく。

厨房の仕事は休みとなったが、何処にも行かず自室のベッドに篭ってただひたすらに寝ていた。
雨に打たれてまで外出しようという気は起きなかった。

 

数日前から以前読んだことのある本を再び読んでいた。
最近ずっとウエイン・ダイアーの本を読んでいたが、本を解体しスキャンして電子化した本のことを思い出した。
パソコンのHDの片隅に眠るフォルダを覗いてみると、サラリーマン時代末期の頃よく読んでいた本のタイトルを見出した。

 

自分のうけいれ方

~競争社会のメンタルヘルス~

著者  加藤諦三(かとうたいぞう)

出版社 PHP出版 2007年5月2日発行

人生は、うまくいかないようにできている。それを嘆いたり、人をうらやんだり、自分を責めてばかりいると、「心」は居場所を見失う。うまくいっている人生とは問題のない人生ではなく、問題を解決している人生である。生きがいとは、その問題解決の積み重ねの中で味わうものなのだ。本書は、人生に立ち向かうための心理学。傷ついても、立ち直る―そのヒントがここにある。

Amazon商品解説より

 

サラーリーマン時代、やることなすことうまく行かずにもがき苦しんでいた時、書店でふと見つけた本だ。
タイトルを見た瞬間、この本は自分が読むべき本だと直感した。

私は親の愛情に飢えていた。
両親は仕事が忙しく幼い私に構っている暇はなかった。
地方の寒村から仕事を求めて都市部にやって来た両親は貧しかった。
それゆえ、自分のことや子供を犠牲にしてまでも、がむしゃらに働き続ける必要があった。

学校から帰るとテーブルの上に一つポツンと置かれたカップうどんの「どん兵衛」。
薄暗い家の中でひっそりと一人でうどんを啜る。
寂しくて悲しくて涙が出そうだった。
兄貴は高学年で帰りが遅いことが多かった。
親は仕事で大変なことを分かっていたので、ワガママは言えなかった。
寂しいと感じていたが、両親に訴えることは出来なかった。

同郷同士の両親だって、子供の頃は下の兄弟の世話や家事などで忙しく、無邪気に遊び呆けている暇はなかったという。
愛情の飢餓は連鎖してゆく。
親の愛情を知らずに育った大人が子を産み育てると、その子もまた愛情に飢えるようになる。

私は自分の中身が空っぽだと知っていた。
私の心の深淵にはどうしようもない闇が広がっていた。
自分で自分のことが嫌いだった。
だけど自分ではどうしようもなかった。
とにかく現状が不満でならなかった。抑えようのない怒りに精神がズタズタにされてしまっていた。

この本を何度も読み返していたが、近頃はこの本のことをすっかり忘れていた。
自覚症状で自分が発達障害らしいということが分かった今現在。
スキー場のバイトにやって来て再び自分本来の姿と向き合うことになった。
脱サラして一旦は自分が解放された気になったが、生きづらい根本原因は解決していなかったのだ。

2015-3-19

発達障害の特性を持って生まれた私は、親の愛情に恵まれず、これまでずっと孤独な人生を歩んできた。
サラリーマン時代に同僚とコミュニケーションを取れずに孤立して心を病んでゆく。
酒、タバコを止めてジョギングに目覚めると気分が楽になり、生まれ変わることが出来たかに思えた。それは錯覚であった。
とうとう仕事に行き詰まった。
止む無くというか自棄っぱちになって脱サラを決意する。

ここに致命的なミスがあった。
自分をうけいれることなく、次なるステージに歩み始めてしまったのだ。
山に篭って一人作業に専念していた時はいいが、2度のバイトで社会不適合な自分を思い知らされる。

私は一見普通の姿をした人間だが、一般人とは中身が全く異なっていたのだ。
それなのに私は世間並みの幸せを求めていた。
気心の知れた友人達や、賑やかな家族に囲まれて過ごす日々。
私が決して得ることの出来ない別の惑星の生命体の話だったのだ。

 

私は孤独を運命づけられた人間だったのだ!

 

もう自分から目を背けない。
しっかりと自分と向き合って自分の本当の姿を知ろうと思う。
精神科の門をくぐり検査する。

コメント

  1. 名前がない より:

    精神科に行ったら薬が出ます
    ある意味、脳を麻痺させる薬です
    自分も含めそれで生きてる人も居るけど
    まだ飲み始めてない人はちょっと考えて欲しい、そういうものが本当に自分に必要なのか

  2. ただし より:

    問題は解決しない限りことあるごとにいろんな形で己の前に立ちはだかります

    僕も統合失調症で精神障害認定受けました

    長かった39年

    いま43

    問題に向き合ったら道がひらけますよ

    ちょっとづつだけど^^

  3. カウントダウン より:

    人と上手くやれないから独りでいるのが気楽で
    私は人と上手くやるという方向は断念しました。

    1つのものごとに対して正しいと正しくないという判断が
    どちらもあり得るという風に考えてしまって
    何が正しくて間違ってるのか、というのがよく分からなかったりします
    独りでもいいし独りはよくない
    自分は独りという選択肢しかないので独りでいますが。

  4. 文太 より:

    からあげさん、

    >山に篭って一人作業に専念していた時はいいが、2度のバイトで社会不適合な自分を思い知らされる。
     僕はからあげさんの文章をずっと読んできました。「社会不適合」なんかじゃないのじゃないかな、
    と思っています。
     からあげさんの経験した苦痛は、「世間」とやらには、多かれ少なかれ、あるように思います。
     僕は、かなりそう感じています。
     それより、これほど決意し、文章にして自分をさらすことができることが羨ましいです。
     強い人だな、と。

    >私は一見普通の姿をした人間だが、一般人とは中身が全く異なっていたのだ。
     僕は、そんなに自分を特殊だと考えるのは、そうなの? 本当に? と思っています。
     もし特殊なのだとしたら、皆、特殊なのではないでしょうか。それぞれに特殊。

    >それなのに、私は世間並みの幸せを求めていた。
     これは、からあげさんが「世間」をそんな素晴らしい場所だと錯覚しているように思いますよ。
     あまり、僕はそんなのがいっぱいあるとは思わないな。

    >気心の知れた友人達や、賑やかな家族に囲まれて過ごす日々。
     うう、僕にはない。そして、それはそれほど普通にはない、と考えています。
     そう見えても、そうじゃないだろう、と。

    >私は孤独を運命づけられた人間だったのだ。
     文章にできる、誰かに向かって語ることができるということは、そんなに孤独じゃないということ
    なのでしょう。あえていえば、からあげさんは、「孤独」の殻の外にむかって動いてますよ。そこがすごい
    と思うし、羨ましいのです。

    >北海道に行く前に精神科の門をくぐり、しっかり検査する。
     悪くないではないかと思うけど、くれぐれも薬には気をつけてください。最終的に「彼ら」は
    それを処方します。「患者」がそれを望むからです。ひどい例、普通の例、そしてそれが悲惨な結果しか
    もたらさなかった例。これを見たことがあるのですが、あれはそれほど珍しいことではなかったよう
    です。

     僕は、からあげさんの格闘から、勇気をもらっています。何もお返しできないけれど、ありがとう。

  5. taru より:

    世の中厳しいな

    金持ち喧嘩せずっていうけど、貧乏人は喧嘩したがるから嫌だよね。どうしたら良くなるかよりも、どうやったら相手が嫌がるかとかの方に関心があるんだろうね。

    あんまり気にすんなよ。病名もらって障害者年金もらうか施設利用の認定もらうかできなかったら切り替えていこうぜ

  6. チュウ より:

    現在のご自分を形成したものの因は、「これではないか」と思い出そうとして心の中を検索してますね。

    確かになんらかの深い心の傷があると思います、それが何であるか、わかると大分生きるのが楽になるとは思います。

    ですが
    因である心の傷は実は深層意識の中にしっかりと鍵をかけて閉じ込めてあって、思い出そうとしても絶対に出てきません。
    それは、思い出してはいけないと超自我が見張っているからでしょう。
    思い出したら、キットつらいのでしょう。

    でも
    医師の自由連想法などで、なんとな~く傷が治ってくるようですよ。

  7. miho より:

    病院選びは「大人の発達障害」を専門とする医院がおすすめです。
    決して薬漬けにされるわけではありません。

    お仕事お疲れ様でした。
    ゆっくりと疲れを癒してくださいね。

  8. 読者 より:

    先ほどの者です。操作を間違えました。

    精神科には行かないで下さい。
    理由は私の親が薬を飲んでいて、ボロボロだからです。
     
    代わりに静かなところでゆっくり休むことをおすすめします。

    これからも応援しています。

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