退職2周年~Bライフに救われた私の人生

こんばんは。からあげです。

 

今日は朝から気持ちの良い晴天だった。
目覚めると鳥たちの賑やかな声が山林内にこだましている。
やっぱり鳥たちも濡れないで済む晴れの日が良いらしい。
私もちょっと浮かれ気味に寝袋を抜けだして外に出てみた。

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うひょ~太陽が出てる!

 

太陽を見るのは何日ぶりだろうか?
雨続きで湿っぽかった山林は、これで少しは過ごしやすくなるだろう。

お日様を拝むとお腹が空いてきた。
いつものようにロケットストーブの準備を行う。中の灰を捨ててからダンボールを引きちぎって炊き込み口に突っ込み、その上に小枝をのせる。マッチを擦って米袋の切れ端に点火し中に放り込む。
今日は火のつきが非常にいい。みるみるうちに炎は勢いを増してゆく。
玄米の入った鍋をロケスト上部の錆びてボロボロになった百均金網の上に載せる。

ここまでやればあとは定期的に薪を放り込むだけでいい。
味噌汁の準備は急ぐ必要はない。ラジオを聴きながらのんびりやる。

 

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そういえば思い出した。今日は記念すべき退職記念日だった!!
2013年(平成25年)4月12日、私は2年ほど勤めた会社を辞めた。
何度か繰り返した転職もこれで終わり。
それを最後に二度とサラリーマンには戻るまいと決意する。

 

今現在、毎日が楽しくて楽しくて仕方がないというほどではないが、山の暮らしは町の暮らしにない充実感を味わえる。
ご飯の用意は炊飯器のボタンをポンと押すだけで済むはずもなく、火をおこして定期的に薪を放り込むなど時間を掛けて炊かねばならない。
山林内に建つ小屋には、靴に付いた土や葉っぱが入り込むので(時には壁のないロフトから)、こまめにほうきで掃いて掃除をしなければならない。
周辺は外灯などない山奥なので、日が沈むと辺り一面真っ暗となり、ヘッドランプの明かりで夜を過ごさなければならない。

ほかにも冬は寒くて仕方がないなど、面倒なことや不快なことがたくさんある。
しかし、そんな面倒で不快で不便な暮らしだからこそ、生きている実感を味わえる。
ただ毎日を山で過ごしているだけで満足だ。

 

サラリーマン生活はとにかくストレスに満ちあふれていた。
仕事のこと、人間関係のこと、船内生活のこと、全てが嫌だった。
働いても働いても希望を持てず、絶望へと向かっているようにしか思えない毎日。
自暴自棄になり酒に溺れる毎日。
藻掻けば藻掻くほど底なし沼の奥深くに沈んでいくような感覚だった。

そんなある日、偶然Bライフと出会う。
ネットしていたら偶然寝太郎さんのブログに辿り着いたのだ。
私は10万円で家を建てて生活する寝太郎さんに次第に感化されてゆく。
そしてついには「私に残された道はBライフしかない!」とまで思うようになった。

退職までの道のりは決して楽ではなかったが、最後は勢いで決断した。
これまで会社を辞めて後悔したことは一度もない。
敢えて言うならば、なぜもっと早く辞めなかったのか、ということくらいだ。

私は退職日の前日に下船して車上生活者となった。
ジムニーで寝泊まりし、終の棲家となる山林を求めて旅立った。
思うままに車を走らせて、気になるところではゆっくり滞在し土地探しを行った。
しかし思うような土地は見つからず、次第に焦りとイライラが募っていった。

 

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焦燥が募ってゆくなかで、私をいつも励まし続けてくれたのは、寝太郎さんの著作「Bライフ」と「スモールハウス」だ。
不安で眠れない夜、何度も何度も読み返した。
夜中に急に目を覚まして、本を見ながら電卓片手に生活資金のシミュレーションをしたことも幾度となくあった。

 

Bライフには不思議な言葉の響きがある。
なんというか人を選ばず誰でも受け入れてくれるような癒しの感覚。

 

「BasicのB、つまり必要最低限の生活」

 

今の私は、ろくに風呂も入らず、玄米ばかりの食生活で、電気もない貧乏な生活をしている。
しかし、全然恥ずかしさを感じない。感じる暇もないほど、毎日が充実感に溢れている。
たまには落ち込み何もやる気が起きずに小屋に引き篭もっていることもあるが、だいたい毎日ゴソゴソ何かをやっている。
お金を掛けずに手間だけは惜しげもなく注ぎ込む。
そんな毎日を送っている。

あの時Bライフに出会わなかったら、おそらく私は船から身投げして暗い海の底に沈んだか、自棄っぱちになってダークサイドに落ちて行ったかのどちらかだろう。
Bライフに命を救われた。

 

寝太郎さん、どうもありがとうございます!!

 

この記念すべき日は、まだたったの2回目だ。
自分の感覚ではもう10年くらい経ってしまったような気がする。
それくらい毎日が充実しているということなのだろう。(自分で勝手にそう結論付けることにする。)

まだ私の人生は始まったばかりだ。第2の人生ではなく、第1の人生だ。
これまでは自分を生きていなかった。
山に移り住み、ようやく自分を出して好きに生きることが出来るようになった。
これから先、あと何年生きられるか分からないが、もう自分を偽るのは止めだ。
これまでもこれからも自分勝手に生きてゆく。

 

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コメント

  1. 黒豆 より:

    からあげさん、こんばんは。
    そして退職2周年おめでとうございます!

    潜水艦乗りなんかも、数ヶ月の任務中に精神がおかしくなるそうですから、船という閉鎖された空間に長くいることは危険ですね。最近はなり手がいなくて困っているそうですが。

    ところで、北海道にはいつ頃発たれますか?
    僕は一昨年のGWに富良野で猛吹雪に遭いましたので、北海道の観光シーズンは実質5月後半から始まり、終了はせいぜい10月前半頃だと思います。向こうでは早いところはお盆過ぎたらストーブ出します(笑)
    現地でも「シャケバイ」とか、いろいろバイトもあるんですが、そういうのはされないのですか?

    • karaage より:

      どうもありがとうございます。

      北海道は6月上旬に旅立ちます。
      あとは行ってからゆっくりと考えることにします。

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