こんばんは。からあげです。
はじめに
最近ずっと憂鬱な日々が続いていたのに、パスポートを手に入れたら急に元気になった。
これまでの憂鬱はどこかに消え去ってしまった。
おっさんは本当に単純だなと思う。
最近、ずっと寒さが続いているので、洗濯するチャンスがほとんどない。
日差しがあって気温は零度を越えているのに、風が吹くと洗濯物が凍りついてしまう。
外に干しておくと30分もしないうちにこのように凍ってしまう。
水切りすらできない状況だ。
昔の人は、冬の間はほとんど洗濯しなかったように思う。
パリッパリに凍ってしまった洗濯物を暖かい小屋の中に取り込む。
干しているうちに氷が解けて水が滴り落ちるくるのでバケツで水を受ける。
まだ薪ストーブがあるからいいものの、なかったら春まで乾かないような気がする。
モンプチ猫缶でアルコールストーブを作成する
今日はというべきか、今日もというべきか。朝からアルコールストーブを作っていた。
つい時が経つのも忘れて、いい歳したおっさんが工作に夢中になっていた。
保育園の頃、保母さんの言うことを聞かずに昼寝の時間も工作していたことが懐かしい。
人から言われれば言われるほど、余計に言うことを聞きたくなくなってくる。そんな天の邪鬼な子供だった。
頼むから邪魔しないでくれ!今いいところなんだ。と。
「からあげ君はいつまでも粘土弄りしている」と保母さんがうちの母親に愚痴をこぼしていたらしい。
昔の保育園は何事も伸び伸び好きにさせてくれたから良かった。
今回は猫缶を使ったストーブを試作してみた。
使用する缶はモンプチ。
外径 61mm
高さ 37mm
重さ 7g(穴空け後)
材質 アルミニウム
野良猫を餌付けしようと、コッヘルのフタに盛って薪割り台の上に置いておいた。
今か今かと待ち受けていたが、野良猫はついに姿を見せなかった。
相当警戒心が強い猫らしい。
外に出しているうちに凍ってしまった。
私が留守中にこっそり食べにくることだろう。
多分、あいつはここにエサがあることは知っている。
中身を出して綺麗に洗浄した缶。
スチール製ではなくアルミ製なのがポイント。アルミは軽くて柔らかく加工しやすい。
定規で適当に線を引いて、穴空け位置の目安にする。
サイドに印を付けてゆく。
いいんだよ、こんなものは適当で!とおっさんが駄々を捏ね出した。
穴の数は全部で16個。
互い違いに位置をずらしてマークした。
作業中にちょうどご飯が炊けたので朝ごはんにする。
工具と一緒にご飯を食べる。
綺麗なテーブルでご飯を食べるより、こちらの雑然とした方が落ち着く。
さあて作業再開だ!
猫缶に穴を空ける。
インパクトドライバーの先に電動ドリル用のアダプタを装着する。
まず4.5mmのドリルから試してみる。
穴あけしているところ。
アルミで柔らかいので、簡単に穴が空く。
力を入れすぎないように気をつけて作業した。
アルミの粉がいっぱい散らばってしまった。
小さいほうきとちりとりで掃除しておく。
穴のようす(外側)
少しバリが出ている。
缶のようす(内側)
内側にも多少バリがある。
サンドペーパーとヤスリでバリを丁寧に落とす。
缶の口の1箇所に縦にヤスリを入れて側面とフラットにしておく。
余ったアルコールを回収しやすくなる注ぎ口とするため。
缶の注ぎ口のようす。
近くの穴を指で塞げば、1滴も零さずに回収できる。
余った燃料をそのまま燃やしてしまうのは惜しい。
缶の穴空け(Φ4.5mm 16穴)が終わったところ。
早速点火する。
炎が青白くて明るいと視認しにくいので、板で暗くしてから撮影した。
コッヘルを載せると、とたんに炎が弱くなってしまう。
コッヘルを退けると再び火力がアップする。
三度コッヘルを載せるとまたもや火力が落ちてしまう。
穴から僅かに火が出ているのみ。
4.5mmでは穴が小さかったようだ。
空き缶を被せて消火したのち、穴を6mmに拡張した。
6mmの穴だと多少は火力がアップした。
この時、まだプレヒードが不十分だったようで、火力がアップしない。
コッヘルを退けてしばらくそのまま燃やしておく。
すると缶の中のアルコールの温度が上がりグツグツと沸騰し始めた。
これでプレヒート完了のようだ。
プレヒートが完了した状態でコッヘルを置くと火力はそれほど落ちない。
この分ならお湯を沸かすことができるだろう。
しばらく経つとさらに火力がアップしてきた。
やっぱりこの形態のストーブは、プレヒートを十分にしないといないらしい。
もうすぐお湯が湧きそうだ。
コッヘルから音が鳴り出した。
熱々のお湯が沸いたところ。
水温と量を量っていないので、沸騰するまでの時間は計測しなかった。
調子に乗って穴を6mmから6.5mmに拡張してみた。
手持ちのドリルいっぱいの大きさとした。
初めは炎が小さくなってやり過ぎかと思ったが、それは杞憂だった。
しばらく経ってストーブが温まると、火力がアップしてきた。
取り敢えず、穴の大きさはこれでヨシ!
火力はお湯が沸かせるくらいで十分。
はじめ火力が弱くても、プレヒートを多めにすればいいだけだと分かった。
しかし、その分燃料消費量が増えてしまうのが気になるところ。
缶の側面に穴を空けたので、上にフタをするだけでは消火できない。
このような完全密閉型の空き缶を被せる必要がある。
消火缶がストーブに比べて高過ぎるので、少しカットすることにした。
ストーブの下に板を敷いてマジックを当てて線を引く。
万能バサミを使用した。
刃が短くて蝶番のナットが邪魔になる。焦らず少しずつ切った。
缶の切り口
折り曲げて二重にしようかと思ったが、真っ直ぐに折り返すのは難しいと判断、このままでゆくことにした。
指を当てても切れそうな感じはしない。
ストーブと消火用のフタを並べてみる。
大きすぎず、小さすぎずいい感じだ。
100均レンジフードで風防を作る
さてお次は風防を作る。
これは100均のレンジフード。
厚さは表示されていないが、アルミホイルよりは厚い。
カットを何度も失敗してようやくコッヘルの周りを巻くことができる長さにカットできた。
円周は意外に長い。
とは言ってもこれは長すぎだ。
試しにコッヘルの周囲に巻いてみる。
余裕を持って重なり合う部分は5cmほどとった。
薄いので折り紙のように折ることができる。
カットも紙と同じように普通のハサミで楽々切れる。
耐久性を高めるために端は全て折り返しておく。
コッヘルの中に入れたところ。
折りたたむのではなく、丸めてコッヘルの内側に沿わして入れる。
折り目を付けなければ、薄っぺらなアルミでもそこそこ持つだろう。
下の方に空気取入口を空けておく。
普通の紙用の2穴パンチを使用した。
だいたい3~5cm間隔で穴を空けた。
下の丸い穴から空気を吸って上部のコッヘルの隙間から排気される。
風防は文房具用のクリップを使用して留める。
小屋中を探してようやく1個のクリップを発見した!
実家に行けばたくさんあるものなので、少量しか使わないクリップをわざわざ買いたくない。
風防をセットしたようす。
うむ、いい感じだ!(自画自賛)
コッヘルの中に入れられて、取っ手に当たらない高さとした。
合板でストーブ台を作る
続いてストーブ台を作る。
100均のコンパスカッターで印を付ける。
万能ばさみで強引にカットする。万能だから文句あるまい。
カッターだと時間がかかり過ぎる。
綺麗な丸いストーブ台が完成した。
まな板にもなるように合板で作成してみた。
コッヘルの底にジャストフィット!
コンパスカッターを購入した甲斐があった。
猫缶アルコールストーブの完成!
さて、風防とストーブ台ができたところで、再度燃焼テストをしてみる。
準備はOKだ。
点火してしばらくすると、これまでにはないほどの火柱が立ち上った。
風防により熱効率が良くなったようだ。
風防で炎は見えないが、手を近づけるとかなり熱い。
風防を付けるとさらに火力アップしてくれた。
お湯も早々と沸いた。
結果良好と言いたいところではあったが、ここで問題発生!
なんとストーブ台が燃えていた!
床板の合板も焦げてしまっている。
危ない危ない!火事になるところだった。
火力アップした炎の熱に合板が耐えきれなかったようす。
失敗作の合板ストーブ台は薪ストーブに放り込み、別の素材で作ることにした。
さらにもう一点。
風防が燃えてしまった!
火力アップしすぎて薄いアルミでは耐えられない。
100均の薄いアルミなので仕方ない。
取り敢えずアルミテープを貼って修理しておいた。
缶詰のフタが幾つもあるので、これをストーブ台に利用できないかと考えた。
こちらのフタの方が端が綺麗だが、プルタブを浮かすための突起が邪魔となる。
そこでプラスチックハンマーで叩いて潰した。
ペチャンコになって、だいたい平らになってくれた。
しかし、若干の凹凸があって真っ平らにはできない。
缶詰のフタは耐久性はありそうだが、小さいため下への熱を完全に遮断できない。
結局、缶詰のフタは止めにした。
最後に風防を作った100均のレンジフードを使うことにした。
始めからこれにしておけば良かったのだ!
100均レンジフードでストーブ台を作る
二つ折にして角を曲げる。
そして折り目の上からアルミテープを貼って見た目を良くした。
ストーブ台と風防をセットしたところ。
ヨシ、テストを始めるとしようか。
テスト結果は良好。
ストーブ台をアルミに変えたところ、さらに熱効率が高まり火力がアップした。
コッヘルを退けると、勢いよく立ち上る炎に驚いた。
強い火力は嬉しいが、消火するのがやりにくい。
火傷しないように軍手を嵌めてからフタを被せる必要がある。
数多くのテストと改良を重ねて、
ついにおっさん流のミニクックシステムが完成した!
猫缶ストーブ一式をテストする
コッヘルの中に入れても、すっきりと中に収まる。
今日はお昼になるとお腹が空いたので、ラーメンを作って食べることにした。
マルちゃん正麺。
丸い鍋に入りやすいよに丸い形をしている。
エバニューのウルトラライトクッカー1にもピタリと嵌まる。
ストーブを焚いているのに、アルコール使って調理したら薪が勿体無いので、薪ストーブの上に載せて調理することにした。
しかし、ここで問題発生!
お湯が沸くのがやけに遅かったので、どうしてだろうと理由を考えてみた。
底に周囲に段差が付けられていることが原因であると分かった。
薪ストーブの天板と接するのは底の凸部のみ。
熱伝導の悪いチタンのため、余計に熱が伝わりにくくなっている。
浅広のこちらの方が早くお湯が沸くと思っていたら、底面の狭いチタン製深型コッヘル(スノーピーク ソロ極 チタン)の方が早くお湯が沸いてしまった!
チタンを薄くして軽量化したのはいいが、段差を付けて強度を補う必要が出た。この段差のおかげで、ストーブ天板上に置いて伝導熱で調理する方法がしづらくなった。
くぅ~使い勝手の悪いコッヘルめ!
コッヘルの中にラーメン1袋、白菜少々、卵1個を落としただけでいっぱいになってしまった。
軽くていいが、このコッヘルは小さ過ぎる。
ごちそうさまでした!
おっさん早くも完食。少なすぎて全然物足りない。
せっかく今回購入したコッヘルだが、PCTにはおそらくチタントレック900を持ってゆくことになりそうだ。
一度使って小さすぎることが分かってしまったのだ!
毎日歩いてばかりだとお腹がペコペコになる。こんな600mlという小さなコッヘルで作ったご飯だけではお腹は満たせない。
複数回に分けて調理すると燃費が悪化するし、調理時間も余分に掛かる。
あとでストーブ台が小さ過ぎると感じたので、さらに大きい奴も作ってみた。
こちらは薄くして折りたたみしやすいようにした。
このうに軽く折りたたんでコッヘルの中に収納することができる。
あとはライターと折りたたみフォークも入れてみた。
モンプチ猫缶ストーブの感想
今回作った猫缶ストーブはかなりクセがある。
特性を知った上で使用しないと手痛い失敗をしそうだ。
十分なプレヒート必要だし、温まってくる今度は逆に火力が強くなり過ぎる。
構造上ゴトクが不要なのは嬉しいが、コッヘルの底から炎がはみ出ないように小さな缶を使用しているため、ストーブの安定性がかなり悪い。
他のアルコールストーブにも言えることだが、使用中にストーブを引っくり返すとそこら中が火の海のになるので、テント内での使用は止めた方が無難だ。
しかし、そんな欠点のある猫缶ストーブだが、軽量コンパクトについてはなかなか魅力的だ。
コッヘルの中に入る燃料ボトルを見つければ、日帰りハイキング用にピッタリな感じがする。
軽量なガスストーブよりもさらに軽量化できる。
このモンプチ猫缶ストーブを作っていたら、偶然にもエバニューチタンウルトラライトクッカー1の弱点も知ることができた。アルコール燃料をケチって薪ストーブの上に載っけてみて良かった。
今回のアルコールストーブ試作で、PCT用のコッヘルはスノーピークチタントレック900とエバニューチタンウルトラライトクッカー1のフタのコンビが急浮上してきた!
まだ決定ではないが、多分これで決まりだろう。そんな予感がする。
容量900mlのコッヘルで手早く食事を作るほうが燃料と時間を節約できる。
よし、PCTにまた一歩前進だ!
The Super Cat Alcohol Stove(By Jim Wood)
このサイトは英語表記。丁寧かつ詳しい説明がされていて、猫缶アルコールストーブの仕組みを理解しやすい。
ジム!ありがとう!
コメント
隊長の小屋は、アルコールストーブ研究所ですよ!
おこぼれを貰えた野良猫は、4月から隊長がいなくなるので寂しくなりそう。
私と仲良くなる猫は依存することなく、自立していて欲しいです。
たまに私の小屋に遊びにきて来てくれたらいいです。