本州最果てのむつ市で見たものとは

こんにちは。からあげです。

台風は何事も無く通過した。
昨日は西の風が強めに吹いて大雨が降った。
風より雨の方が凄かった。
夜中、2時になる頃がピークだった。
トイレに行きたくて目が冷めたが、猛烈な雨で外に出られない。
傘をさすまでにずぶ濡れになってしまう。
ペットボトルの中でおしっこをしようか迷ったが、あとの処理に困るので我慢した。
それから明るくなって再び目が覚めると、雨は小降りになって風は収まっていた。

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昨日、泊まったのは尻屋崎(しりやさき)付近の岩屋集落の手前の駐車場。
東側が山の斜面、西側の海岸側は防風林が植えられていて、まずまずの台風の避難場所であった。
外水道とトイレがあったので快適さはまずまず。

なぜ、この場所に泊まったかというと、今朝天気が回復してからもう一度尻屋崎を見たかったからだ。
昨日は、雷がゴロゴロしていて落ち着いて景色を眺めることが出来なかった。

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採石場の脇を通って先っぽの尻屋崎までやって来た。
周囲は放牧地帯で荒涼とした景色が広がっている。
雰囲気は完全に北海道だ。
本州ではまず見られない景色。

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閉店して久しいと思われる売店。
閉じられたシャッターが錆び付いている。
昔はお客さんがたくさんやって来て繁盛していたのだろう。

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電話機のない電話ボックス

中身のないボックスが残されていた。
このボックスの使いみちはないだろうか。

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天気の回復が思いの外遅く、未だどんよりとした曇り空が広がっている。

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青空が広がっていれば、灯台の白が青空に映えるだろうに。

 

尻屋埼灯台 施設の概要

 

初点     明治9(1876)年10月20日
位置     北緯41度25分49秒 東経141度27分44秒
構造     白色塔型れんが造
等級及び灯質 第二等、単閃白光(毎10秒に1閃光)
光度     530,000カンデラ
光達距離   18.5海里(約35キロメートル)
高さ     地上~頂部  33メートル
       水面上~灯火 47メートル

立て看板より

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年代物の灯台の窓

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灯台から直ぐ近くの場所に何かある。
昨日は行かなかったので、行ってみることにした。
向こうの方には大間崎が見える。

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はまなすの実の首飾りをつけたお地蔵さん

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漁船の遭難慰霊碑

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岬の周辺にはなぜかカラスも住んでいる。

今日は馬の姿が全く見当たらなかった。
いったいどこに行ってしまったのだろうか。
道路上には、昨日なかった馬の糞があちこち落ちている。
台風が来るので全て厩舎に入れられたのか。

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帰りがけになるとようやく空が晴れてきた。
津軽海峡の向こう側に渡島半島が見える。
このまま北海道に渡ってしまおうと思ったりもしたが、フェリー代が高いし8月も残り僅かで滞在出来る日数は少ない。
まだ東北は行っていないところばかり。
海を渡るのはまた次回にした方が良い。
今は精一杯東北を堪能しよう。

 

むつ科学技術館

 

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続いてやって来たのは、津軽海峡に面した場所にあるむつ科学館。
かつての原子力船むつの施設などを展示している。
船がまるまる残っている訳ではなく、船体、機関部、船内の一部が残っているのみ。
建物は船の形をした鉄筋コンクリート製となっている。

まずは外から見学するとしよう。

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このプロペラは実際にむつで使用されていたもの。

形状 固定ピッチ5翼一体型
外径 4.1m
重量 9.4t
材質 マンガン青銅製

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これは船尾部の外板(がいはん)部分を切り取ったもの。
記念撮影出来るようになっている。

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遮蔽体

格納容器上部遮蔽体の一部で、原子力船「むつ」に搭載されていたもの。
鉄板の枠の中に重コンクリートが充填されています。
この重コンクリートは遮蔽の能力を高めるため、砂利の他に砂鉄、鉄鉱石を入れています。
普通のコンクリートの1.7倍の重さがあります。

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こちらは錨と錨鎖。

錨は鋳物製で重量は約3.8t、錨鎖は鋼製で一節分(25m)を展示している。
ほとんど使われていないため、全然すり減っていない。

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よし、では中に入ろうか。
入場料は大人300円。

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玄関を入ると綺麗なお姉さんと手のお化けのマスコットが出迎えてくれた。
下北半島の施設にはなぜ綺麗なお姉さんがいるのか不思議だ。

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入って直ぐのところには子供が喜びそうな科学の実験コーナーがある。
これは風に浮かぶビーチボール。
おっさんはなんだか凄く喜んでいたぞ。
風を手で遮るとポトッと落ちるのが楽しかった。

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なにか怪しげなところがあったので入ってみる。

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すると中には4人で協力してプレイするエイリアン退治ゲームがあった。
コントローラーはプレイステイションに似ていた。
当時は最新ゲームだったようだが、今となってはレトロゲームとなってしまった。
なぜ科学館にゲームが置いてあるのかは謎。
安く見積もっても全部合わせると一千万円を下らないゲームだ。

誰も居ないので一人でプレイする。
操作性がイマイチだし、内容もありふれたもので全然おもしろくない。
ガンコントローラーでゾンビを倒すゲームだったらいいのにと思った。

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上に上がるとブリッジが当時のまま再現されていた。
機械は全て本物。
当時は最新鋭だったと思うが、今となっては非常に旧式となってしまった。
博物館しか置いてなさそうな代物だ。

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操舵スタンド

子供がいじれるように踏み台が設置されている。
ハンドルやレバーは使い込まれていないので、表示がハゲているところはない。

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これは機関操縦レバー

英語表記になっている。

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ブリッジの奥にあるのはコントロールルーム。
実際は下の方の機関の近くにある。

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一面に配置されている計器とボタン類。
原子力関係がプラスされているので非常に多い。
これ全ての操作を覚えるのは凄く大変だったろう。

この部屋に入った瞬間凄く懐かしい気がした。
若かりしおっさんはこのような場所で、せっせと機関の状態をチェックしていた。

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原子炉の施設に向かう途中、なぜかフライトシュミレーターが置いてある。
原子力船「むつ」とは全く関係がない。
当時流行っていたので、設置したのだろう。
この機械で遊ぶにはお姉さんに申し込まないといけなかったので止めておいた。

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そして何故か釣りゲーム。
昔ゲーセンに置いてあったような奴。
子供の人気をとろうとして何でも付けたっていう感じだ。

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低圧タービン

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高圧タービン

 

むつは原子力によって蒸気を発生させて、蒸気によりタービンを回して動力を得ている蒸気タービン船でもある。
日本近海は重油焚きのボイラーを使用して、外海に出ると原子力のボイラーに切り替えて航行したのだろう。
燃料はほとんどかからないかもしれないが、いちいち切り替えないとイケないし、事故は絶対に許されないので、凄く面倒な船だったはず。
通常航海時はいいが、原子力に一旦切り替えると、船内はピリピリムードが漂っていたことだろう。
他船と衝突したり、暗礁に乗り揚げてしまった場合は、放射線が漏れる可能性もあるし、マスコミに凄く叩かれる。
船員たちの心労は絶えなかったことだろう。

一度放射線漏れを起こして長期でドックに入っている。
掲示されていた情報では、確か8年くらいだったかな。
その時、乗組員はどうしていたのだろうか。
まあ、原子力船に乗れるくらいのエリートなので、他に行く先はどこでもあったことだろう。

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これが原子炉。当時のままに移設されている。
覗き窓は見学用に取り付けたのだと思う。

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覗き窓から内部を見学する。
なんだか凄く体に悪そうな気がする。

この原子炉が船内の一番いい場所を占領していたので、機関のレイアウトを考えるのは大変だったことだろう。
整備するにしても原子炉だけは絶対にイジれないし、補機類が狭い場所に押しやられていて大変だっただろう。
この様子を見てこんな船に乗りたくはないと思った。

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蒸気のメインバルブ。
もちろん遠隔に操作することが可能。

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舷側の空所の様子

原子力船「むつ」は原子炉室及び原子炉補機室の両側をそれぞれ舷側から3mの幅の空所にして、多層の甲板を設けると共に上甲板の鉄板を38mmとして超大型タンカー並みとなっています。
この結果、万一大型船と衝突してもその被害が格納容器には及ばない構造となっています。
まだ、座礁時に格納容器や原子炉プラントを保護するため、密な格子構造の二重底としています。

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舷窓

これも凄く懐かしい。

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凄く船内の雰囲気がする。
年数が経っているが、全然傷んでいないのは、航海が少なかったため。

 

むつ市立図書館

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科学館を出るとむつの市街地までやって来た。
まずは図書館チェックを行う。
現代建築の図書館があった。

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入り口横には噴水があった。
田舎の街だとこういうものは電気が切られて動いていないのがほとんど。
噴水のポンプは原子力で動いているのか。

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玄関ホールの片隅には、銅像とピアノがあった。
ここは高級ホテルなのか。

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雑誌コーナの一部分。

人口6万人ほどの町の図書館なのにこの充実ぶりは凄い。
さすがに山渓は置いていなかった。
ここら辺には登る山が非常に少ない。
岩木山、八甲田山、白神岳くらいか。

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新聞コーナーも凄い。
スポーツ新聞もある。

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蔵書の検索端末も2台設置されている。

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中は明るく開放的。
室内に調和した本棚には本がびっしり詰まっている。
これはほんの一部だ。

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特別コーナーでは、むつ市出身の映画監督川島雄三の特別展が行われていた。
なんとびっくり。

 

もちろん、持ち込みのパソコン席をもあって電源を取れて無線Wi-Fiも整備されている。
こんな図書館見たことない。
これは政令指定都市の図書館レベルに匹敵する。
空調もバッチリ効いていて寒いくらいだ。

そういえばむつの市街地までやって来る時、道路の車の流れはのんびりとしていた。
ゆっくり走っていても後ろにピタリと張り付かれることはなかった。
なんか町全体に余裕の雰囲気が漂っている。
人口は6万人ほど少ないのに、やたら店が立ち並んでいた。
みんなお金に余裕があって購買力が高いのだろう。
市役所もバカでかくて中の施設も整っていた。

なんだか凄いところにやって来た気がする。
こんな北の果てに楽園があったとは。
凄く見えない力を感じる町。
多分、冬期の除雪体制もきっちりしていそう。
原子力関係の事故がなければ、凄く住みやすそうな町だと思った。
知名度抜群の恐山もあるし、もうお金に困ることはないかもしれない。
仕事も危険を顧みなければ、高給仕事に有りつけそう。

こんなことがやって来て初めて分かった。

 

おわり

コメント

  1. お銀 より:

    気分が回復基調みたいでよかったです。ブログもすっきりしてきて明るさが出てきてます。
    無理せずゆっくり東北の夏の終わりを楽しんでください。
    それにしても強いわ。隊長。

    • karaage より:

      思いっきりその時の気分がブログに反映しますからね。

  2. ウラジミル・プーサン より:

    隊長が撮る風景写真、いいっすね。
    原子力、むつ市と本当に荒涼としていますね。

    下北半島は、独立論が出てくるほど原子力の資金が潤沢です。

    図書館でwifiとは、驚きました。

    日払いの原発作業員でもして、うまいマグロにイカ刺しを肴に図書館、温泉と楽しく暮らせそうです。

    それにしても隊長が探検されるところは、日本の路地裏ばかりで、目立った観光地ではないので、見ていて面白い。

    天気と資金に恵まれれば、北海道に再上陸できますね。秋鮭なんか釣ったりしたら面白そう。

    いっそう小屋は、キャンプ場に売りつけたらどうでしょうか?

    • karaage より:

      むつ市は意外と貧乏でびっくりしました。
      そのうち夕張市の二の舞いになるかもしれません。

  3. 一式陸攻 より:

    昨日と続き原発関連の記事が続いていますね。
    下北は、日本の原子力基地で福島さておき重要な地域です。各自治体は、金持ちで住民サービスがいいと聞きます。

    隊長が行かれた博物館や図書館の立派さ東京なんか比較できませんわ!
    原発マネー、最高です。

    青森には、鳥取砂丘や福井の東尋坊を越える仏ヶ浦など遊覧船、奇岩と面白い観光地がありますよ!

    隊長、原発、繋がりで福島の探検も頼みます。

    • karaage より:

      気が向いたら福島にもゆく予定です。
      原発を見てみたいです。

  4. 佐藤 より:

    私も先日尻屋崎に行きましたが綺麗で感動しましたよ!が、行く途中の巨大採石場にひいてしまいました(*_*)

    • karaage より:

      あの採石場は凄いですね。

      馬が本当に可愛いですね。

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