こんばんは。からあげです。
本日2回目の更新だ。
もう一日伊奈川ダムの駐車場で泊まりたかったが、急にブログ更新が途絶えると遭難したのかと思われるかもしれないので、止む無く山を下りてきた。
今回、急に思い立った実家からの帰りがけの登山で無計画過ぎたと思う。
土地勘の全くない山域でテント泊縦走しようと考えたのは間違っていた。
完全な準備不足だったし、体力も全然足りなかった。
まずは無雪期にあちこち登って感触を掴んでおく必要があった。
一人反省会をしだすとキリが無くなるので、そろそろ本編をアップするとしよう。
越百山登山(2,016年3月16日)
積雪のため越百小屋にて撤退
コースタイム
0515 登山口P~0600 福栃平~0640 水場~0650 下のコル~0840 水場分岐~1030 越百小屋 ここで引き返す~1140 水場分岐~1245 下のコル~1320 福栃平~1400 登山口P
ルートマップ
今朝は3時前に起床して準備を始めた。
昨日の積雪の様子から、登頂までに要する時間を7時間と見積もった。
5時に麓を出発して12時となった時点で山頂にたどり着けていなくても引き返すことにした。
日帰りの軽装備では無理は出来ない。
いちおう、防寒着(ホームセンタージャンパー)、サバイバルシート、ツエルトを持ってきたが、こんなもので一夜を明かせるとは思えない。
何が何でも車まで戻らなければならない。
準備に手間取って5時15分の出発となる。
昨日より1時間早いだけ。
まずはウォーミングアップの林道歩き。
昨日、除雪をしているので歩きやすい。
下のコル手前の水場で早くもアイゼンを付ける。
コルとは尾根上の低くなったところ。凹みのようなもの。
今日は早め早めの行動で無駄を省く。
下のコルに到着
見慣れた風景なので不安はない。
(とは言ってもこれで3回目)
徐々に雪が深くなって来た。
昨日の雪が解けた表面の部分が再び凍って、卵の殻のような状態になっている。
ただ昨日よりは雪のコンディションは良い。
出来るだけ体力の消耗を抑えるために、歩幅を狭めてゆっくり確実に歩く。
木々の間から綺麗な雪山が見えた。
隣の南駒ヶ岳(みなみこまがたけ)に向かう北沢尾根の向こうに見える。
雪が深くなったところで、秘密兵器のワカンを投入する。
雪国ではカンジキと呼ばれているものだ。
これを装着すると雪に沈みにくくなって歩きやすくなる。
軽アイゼンの上からワカンを装着する。
アイゼンだけに比べて滑りにくくなる。
単にアイゼンを外すのが面倒ということもある。
越百はあちら。
まずは緩やかな尾根を登ってゆく。
ワカンがいい仕事をしているぞ!
なかなか歩きやすい。
いよいよ急斜面の登りになった。
昨日のトレースを忠実に辿り体力の消耗を防ぐ。
ワカンを付けると体が沈みにくくなって歩きやすくなるが、劇的に楽になるという訳ではない。
足場を踏み固めて一歩一歩登ってゆく。
10時前になってようやく昨日撤退した場所に到達した。
予定では9時頃ここに到着しているはずだった。
体力の消耗は激しいが、まだなんとか歩けそうだ。
玄米を食べてエネルギーを補給する。
急斜面を登り切ると越百山(こすもやま)が見えた。
今日はあの頂に立つのだ!(内心行けるかいなと思った。)
ここから斜面を下りてゆくが、樹木に遮られて越百小屋が全く見えない。
地図で小屋の位置を確認しつつ下りてゆくと、ようやく越百小屋を発見した。
壁が赤色でよく目立った。
屋根が赤くても雪が積もると分からない。
赤い壁とはよく考えたものだ。
視界が悪かったら発見するのは大変だったと思う。
小屋から越百山を見上げる。
手前のこんもりとしたピークに遮られて山頂部分は少し見えるだけ。
雪に埋もれる小屋
2階建ての小屋だが、2階まで埋もれかかっている。
冬期の入り口を探す。
越百山とは反対側の黒い壁の2階部分に入り口を発見した。
跳ね上げ式のドアで、下の方に鍵が掛かっていた。
ひょっとしたら別棟に冬期の入り口があるかもしれないが、ほとんど雪に埋もれていて確認出来なかった。
小屋前は広いフラットスペースがあり、テントを張るのに適地だった。
向こうに見えるのが南駒ヶ岳(みなみこまがたけ)
本当に赤い壁はよく目立つ。
今度自分の小屋の壁を赤く塗ろうか。(いや、冗談)
無雪期だと小屋から越百山までは1時間だが、恐らくその倍以上は掛かると思われた。
7合目過ぎの水場から小屋まで1時間のところ、なんと2時間も掛かってしまったのだ。
これよりまだまだ雪が深くなってゆくので、さらに厳しいラッセルが予想される。
この時点ですでに10時半。
山頂に立てるのは早くて1時頃、それから下山となると登山口到着は確実に4時を過ぎる。
途中、トラブルが発生したら、明るいうちに戻るのは厳しくなる。
日帰りの軽装備なので、ビバークは無理。
よってここで引き返すことにした。
小屋からの登り返しは、雪が深くてキツかった。
山頂を踏んでからの帰りだと本当に辛いだろう。
行かなくて良かった。
今日は薄曇りの一日だった。
お陰で雪が緩くならずに助かった。
越百山を振り返る。
今度は夏に来よう。
まずは雪がない時期に歩いて地形を覚えることにする。
下山しながら、今後のことを考える。
2度も登ってダメだったので、3度登っても無理だろう。
もう、今回はやめておこう。
2度目の登山でハッキリとしたトレースが付いた。
所々ショートカットして時間を稼ぐ。
ワカンを付けたままだとブレーキが掛かってペースが上がらない。
さっさと外してザックに括りつける。
雪が緩んできて雪団子が付くようになった。
ポールで叩くと痛むので、枯木を蹴って雪を落とす。
つま先で蹴ると靴が痛むので、靴底で蹴る。
ずいぶんと下りてきた。
下山するまでが登山なので気を抜かない。
単独だと転んで骨折しただけで危機的状況となる。
ここは圏外。3連休までは人は来ない。
シャクナゲ尾根
この付近だけシャクナゲが生えている。
笹の勢いが凄くて枯れてしまったのか。
登山口近くの堰堤
よし、もう少しだ。
日陰の岩肌に見事な氷柱が生えていた。
これは凄い。
川の中に転がっていた巨岩。
こんなに巨大な岩が転がるのか。
凄い水の勢いだ。
そんな流れに落ちてしまったらお陀仏間違いなし。
人間のちっぽけな力では、自然の力には敵わない。
今朝沢橋の分岐
左に曲がると橋を渡りゲートを抜けて駐車場へ。
真っすぐはウサギ平を通り空木岳(うつぎだけ)へ。
ゲートを後にする。
越百山2連戦は全く刃が立たず、おっさんは為すすべもなく敗れ去った。
全然体力が足りなかった。話にならない。
また一からやり直しだ。
3日間滞在した駐車場ともお別れだ。
もういい。また出直そう。
帰り際、伊奈川ダムの水が青く澄んでいて吸い込まれそうになった。
やって来た日は雪が降っていて全然気が付かなかった。
こんなにも水が綺麗だったのだ。
ダムの人が除雪してくれたので、チェーンを付けること無く脱出することが出来た。
こんな山奥のダムなのに、常駐して管理しているようだった。
長い冬も終わりようやく春がやって来た。
長い間、おつかれ様!
ダムから伊奈川渓谷を抜けて集落までの区間は道幅が狭くて落石の危険あり。
登山シーズンは混みそうだから注意が必要だ。
道路脇のガードレールがボロボロになっていて落石の多さが伺われた。
ピヨピヨ。
道路脇で可愛らしい小鳥の形にカットされた木を発見する。
上手いこと刈り上げたものだ。
年々、小鳥が巨大化しているのはここだけの秘密。
今日はどこでも良かった。
車を停めても文句を言われず、圏内であれば良かった。
交通量が多い道路脇なので、夜は耳栓をして寝るとしよう。
明日からの予定は未定だ。
今日はただゆっくり休みたい。
天気は下り坂なので、小屋に帰るのも良いタイミングかもしれない。
取り敢えず寝て起きた時、考えよう。
さあ、これからラーメンを作って食べようかな。
コメント
隊長、おつかさまです!
よく頑張りました!
今日は山梨も朝は寒かったです!
来週位から桜も咲いてきます!
明日も俺は4時起きです!
お互いに頑張りましょう!
どうもありがとうございます!
ようやく小屋に戻りました!
すっかり春本番です!
勇気ある撤退、すばらしいと思います。
大学ワンゲル時代、毎週冬山に行ってましたが、1月~3月は5人で10分交代でラッセルしてやっと夏山のコースタイムの半分程度のペースです。体力不足とおっしゃってますが、失礼ですが年齢を考えれば驚異的なスタミナと思います。3歩登って2歩分滑り落ちる、でも1歩進むという過酷な修行を孤独のなかで継続する精神力は驚異です。4月過ぎなら雪も締まってくるのですが、部でもこの時期の単独行は厳禁でした(破って捜索隊が出た奴もいましたが・・・)。この時期の雪は最高なので、ラッセル隊員がいるといいですね。
おっさんなので、自分の実力をある程度分かっています。
無理すると危険なので早めに撤退しました。
膝上から腰くらいまででヘバッてしまいました。
まだまだ精進が足りないようです。
この雪で八ヶ岳では遭難し亡くなった方がありました。無事が何より、初めての山が雪山では厳し過ぎますね。、気温が下がらないので雪崩の可能性が非常に高いですね。
超危険ですが私は四季を通じて冬山が一番好き、何より人がほとんど居ない水を運ぶ必要が無い、場合じゃ尻セードで楽勝下山。
危険ですが、凄く魅力的なので人を惹きつけてしまいます。
雪山ならではの楽しさもありますしね。
一人ぼっちの山の中の雪景色は死の不安に駆られませんか。
隊長の食事がいつも地味なのですが、あんなんでお腹がすかないんですか。
ポテトチップス愛用なので、それでカロリーを増やしているんですか。
隊長の30キロ荷物トレーニングにはビックリしました。根性がなければできないものだと尊敬します。
先日でくわした、ノモンハンの戦争に行ったという92歳老人は40キロの銃弾武器スコップをもって夜間歩行をしたそうです。
人生の中で衝撃的な事件があると人は一生そのことは頭から離れず繰り返し語るんだと思います。老人は決してぼけているわけではないと思いました。92歳なのにシャキっとして肌のツヤもよかったです。
30キロのからあげさんもすごいと思っていたら40キロの人もいるなんて世の中にはビックリ人間がいるものだと思いました。
一人でいると不思議と怖さを感じません。
玄米ご飯だけでは足りないので、ツナ缶やレトルトカレーを食べていました。
私とその老人との決定的な違いは、その人は常に敵の襲撃を警戒しながら歩いていることです。
装備の重さと死の恐怖に常にさらされています。
私はそんな状況だったら怖くて糞重たい荷物を捨てて逃げてしまうかもしれません。
旧式装備で地べたを這いずり回った戦争経験者に敵うはずはありません。