エバニュー チタンウルトラライトクッカー1 をさらに軽量化した

こんにちは。からあげです。

 

はじめに

今回のPCT用のために新たに購入したチタンクッカーが本日届いた。
まずはクッカーを決めてから、アルコールストーブ、ゴトク、風防などを作成することにした。

熱効率を上げるために浅型のチタンクッカーが欲しかったが、手持ちのものは深型しかなかった。以前からずっと浅型が欲しいと思っていたところだったので、今回奮発して購入に踏み切った!

装備代をケチるとあとあと響いてくる。予算オーバーしそうなら野宿で節約すればいい。

箱を開けて中身を出す。
入っていたのは、鍋、フタ、メッシュ収納袋、保証書付きの説明書、注意書きの5点。

ようし、それではおっさんの辛口チェックを始めるとしようか!

エバニュー チタンウルトラライトクッカー1RED

製品仕様

品名Ti.ウルトラライトクッカー1
品番ECA251R
材質チタニウム(取手部 シリコンチューブ付)
サイズ直径 12.4cm×深さ5.2cm
容量0.6L
質量本体 95g(ケース 11g)


  

デジタル計りによる実測値

本体90g(ナベ 66g、フタ 24g)、収納袋 16g

クッカー本体は実測値の方が軽かったが、収納袋はなぜか実測値の方が重たくなった。
メーカーがウルトラライトを謳っているだけあって、実際持ってみるとかなり軽く感じる。
ただし軽量化されているため、チタンはかなり薄い。力を加えるとたわむ。
ついうっかり踏んでしまうと、簡単に曲がってしまいそうだ。

 

使用上の注意事項

チタンコッヘル類使用上の注意

1 強火での調理は、お止め下さい。特殊薄板の為、熱が食材に直接伝わり焦げ付きます。弱火でで十分熱が伝わり調理可能です。

2 空焚きは絶対にお止め下さい。変色・変型・フッ素コートはく離の原因となります。水分の無い食材や雪などの加熱は、空焚き状態となりますのでお止めください。

3 フライパンなどの御使用の時は、油をひき食材を入れてから弱火におかけ下さい。

付属の注意書きより

 

注意書きにあるように強火、空焚きは禁止なので、火力調整ができず火力の強いガソリンストーブの使用は止めた方が無難。
手持ちのMSR XG-EXでガンガン強火で焚いたら、この繊細なクッカーはすぐに壊れてしまうだろう。

雪を溶かして水を作る時は、先にクッカーに少量の水を入れてから雪を入れ点火する。
あとは少しずつ雪を足してゆくことで、空焚き防止にもなるし、効率よく水を作ることができる。
燃料が勿体ないので飲料以外の水はわざわざ沸騰させないようにする。

参考リンク エバニュー(クッカー製品ページ)

 

各部の詳細チェック

フタをとったところ。
斜め上から撮影。

フタをとったところ。
真上から中のようすを撮影。

裏返してクッカーの底を撮影した。
強度をだすために段差が付けられている。

底面のアップ

あとで気がついたことなのだが、この段差のせいで薪ストーブの天板の上に置いても熱が伝わりにくく調理しにくい。
このクッカーのストーブ接触面は、円周の凸部のみとなっていて、底面のおよそ1/4しかない。
万能の道具はないとは言え、ストーブの天板に置いて伝導熱で調理しにくいことはそう小さくはないデメリットだ。

スノーピークの深型クッカーと比べてみる。
接触面積の違いから、細長い深型クッカーの方が早くお湯が沸く。

横からみたようす。
赤色の取っ手と注ぎ口がよく目立つ。

注ぐ口のようす(外側)

注ぎ口のようす(内側)

見た感じでは注ぎやすいように見えるが、単なる見かけ倒しだけだった!これはあとでじっくりと説明する。

クッカーの内側に目盛りが付けられている。
これはかなり嬉しい。
単位はml。
フタのスレスレまでいっぱいに入れると、最大容量の600mlとなる。

取っ手のようす

火にかけたクッカーを素手で持てるように赤色のシリコンチューブが取り付けられている。
ちょっと毒々しい色がおっさん的にマイナスポイント。

取っ手の付け根に工夫が凝らしてある。
こうして斜めにカットすることにより、取っ手がグラつかないようになっている。

実用新案登録済み。

これまで他社のクッカーの取っ手がグラグラと動くのか気になっていた。
なんで工夫しないのかと。
今回初めてエバニューのクッカーを購入してその理由が分かった。
エバニューが実用新案として登録していたため、他社が真似できなかったのだ!

こういうアイデアは一社で独占するのは止めて欲しい。
ユーザーの不利益でしかない。

フタのようす

取っ手には、本体と同じ赤色のシリコンチューブが取り付けられている。

取っ手の拡大

熱くないのは有り難いが、触った感じ違和感あり。
フタの方は別になくてもいいと思った。
フタの取っ手は、本体に比べて火から遠いので、火傷するほど熱くはならない。

フタの裏のようす

強度を出すために数々の段差が付けられている。
凄く作りが美しい。日本製品の細かさに感心する。

フタを横から見たようす。

正直なところ、もう少し薄くして欲しい。
フタを薄くして嵩を減らしたい。
理想はコッヘルの縁に面一、しかし、そうすると強度不足とかのいろいろ新たな問題が出て来るのだろう。

クッカーのフタを閉めたところ。

真上からのようす。

フタの開け閉めがいまいちしっくりとこない。何故なのか。
その理由は注ぎ口があるため。

注ぎ口が出っ張っているため、クッカーの縁が真円ではなくなっている。
そのため、フタのかみ合わせが悪い。
道具として使う上で、これはかなりのマイナスポイント。

ただ、利点もある。
それはスパゲティーなどの麺類の湯切りをやりやすいこと。
しっかりとしたかみ合わせだと、逆にやりにくい。
これなら日進焼きそばの麺を流して泣かないで済む。

収納袋のようす

メッシュのため、クッカーに付着した水分などの湿気が逃げてくれる。
デカデカとTitaniumという文字が自己主張している。

材質は100%ナイロン
収納袋はMADE IN VIETNAM

メッシュの末端の処理はされていない。
非常に作りの良い袋だけに、ちょっとだけガッカリ。

クッカーを収納袋に入れたところ。
なかなかのフィット感。
紐は長すぎずピッタリの長さ。
紐の太さは3mm。
贅沢を言えば、2mmにして欲しい。

袋の角は縫われていて、角ばらないようになっている。
こうしたところは嬉しい。

 

クッカーの軽量化を行う

細部のチェックが終わったところで、軽量化を始めることにした。
軽量化とはいっても余分なものを外すだけ。

毒々しい赤いシリコンチューブを外すことにした。
あった方が便利だが、別になくても構わない代物。
取っ手を持つ時は手袋をするか、タオルで挟めばいい。

実はおっさんはたいてい首にタオルを巻いているのだ!

外したシリコンチューブを秤で量ってみると計測不能だった。
1g以下のため、計測できない。

続いてナベの取っ手のシリコンチューブを外した。
これはかなりの重さとなり、フタの取っ手の分を合わせると、5gの軽量化に成功した!

シリコンチューブを外した際に取っ手をよく見ると、付け根部分が曲げられている。
こうすると取っ手を伸ばしたとき、ストッパーとなって安定するようだ。

個人的には不要な細工。
折りたたんだ時、ピッタリくっついてもらった方が気持ち良い。

続いて収納袋の表示を外す。

チマチマとした作業はおっさんに任せろ!

ミシンでキッチリと縫われた布を外す。

製造国と品名の表示を外すと、なんと1gの軽量化に成功した!

デジタル秤の表示をアップ。
料理にはまったく使用せず、こうした装備品の重さばかり量っている。
料理なんて目分量でいい!

ついでにメッシュの端をライターで炙って解れないように処理しておく。
よし、これでいい。
こうしておくと10年後に大きな違いが生まれる。
つまりこれは投資していることになる。

不要品を取外してなんと合わせて6gの軽量化に成功した!
6gなんて吹けば飛ぶような数値だが、塵も積もると大きな山となる。
これは貯金と同じなのだ!

軽量化後のクッカーを量ってニヤニヤする。
表示は85gとなってしまっているが、時々84gを示すこともある。
かなり微妙だった。

軽量化後に収納袋に入れたよすう。

スッキリしていい感じだ!まさに自己満足の世界。

クッカーの中に自作アルコールストーブとフォークを入れたところ。
これならゴトクと風防は余裕で入る。
これを見ていたら、ゴトクの形状はあれしかないと思った。
実際に実物をみると、不思議とイメージが湧いてくる。

また今度ゴトクを自作したらアップしよう。

 

スノーピーク チタントレック900と組み合わせてみる

ついでに何を思ったのか、スノーピークのチタントレック900と合わせてみようという気になった。
去年ネットオークションで処分しかけたチタントレック900だが、運良く?落札者と連絡が取れなくなってしまったため、出品取り消しとなった品。

なんとびっくり!ぴったりとフィットするではないか。
クッカー本体はそれほどでもないが、フタが絶妙にフィットする。
ピタリと密着しているため、フタを開ける時に空気が入りにくくて多少重たく感じる。

惚れ惚れとするフタのフィット感。
チタントレック900のフタはフライパンにもなる代物だが、小さいしすぐ焦げるので全く使う気になれない。
フタの重量バランスが悪いものだから、お湯が沸騰するといきなり外れたりして鬱陶しい思いをする。

しかし、フタをエバニューのチタンクッカーに変えれば問題解決だ!

クッカー本体の方は、若干の隙間あり。しかし、これくらいは許容範囲だ。

収納袋に入れたところ。
違和感なくすっぽり入った。

いやあ、チタントレック900を処分しなくて良かった!PCTで使用するクッカーは、この組み合わせで決まりだな!

 

注ぎ口の問題

ところで、始めの商品説明の時に注ぎ口に問題ありと書いた。
勿体ぶらないでその理由を説明しよう。

実は注ぎ口がない方が、注ぎやすいのだ!

これにはヤラれた。

注ぎ口の方から水を注ごうとすると、形状が悪いのか表面張力が落ちてクッカーの縁に垂れてしまう。
余計な細工のために使いにくくなってしまった。

クッカーに入れた水をペットボトルなどの細口ボトルに移し替えることはよくあること。
テント内で作業するには気を使う。

慎重になってゆっくり傾けると、かえって垂れる。
水を注ぐ時は思い切りが必要だ。(人生と同じ。)

私は腕は右利きなので、注ぎ口ではない方で入れようとすると手首を引っくり返さなければならずやりにくい。

それならいっそのこと、左手を使った方がよい。
たまには左手を使うと脳みそによい刺激となる。

こちらは注ぎ口とは反対側の方向。
表面張力があるため垂れにくい。

垂らすことなく綺麗に注げる。

水量を絞っても垂れにくい。

読者の要望に応えて、お湯を注ぐテストもやってみた。
アルコールストーブを使ってお湯を沸かしたところ。

クッカーをゆっくりと傾けると、水の時と同じように垂れてしまう。
お湯の場合は火傷のおそれがあって危険だ。

何度やってみても同じ。
注ぎ口の方からお湯を注いでみると垂れやすい。

ダメだこりゃ!(いかりや長介風)

今度は思い切りよくやってみた。
うむ~微妙だな。

今度は左手で注ぎ口の反対側でお湯を注いでみる。
垂れずにスムーズだ。

何度やっても結果は同じ。
テストの結果、注ぎ口がない方がお湯や水を注ぎやすいことが分かった。
ハッキリと言おう。この注ぎ口は欠陥だ!

このクッカーを使う時は左手で注ぎ口の反対側を使って注いだほうが良い。
慣れれば右利きでも危なげなく扱うことができる。

 

袋ラーメンを作ってみた

あまりケチを付けてばかりでもイケないので、ここらで話題を変えてみる。
これはマルちゃんの正麺(せいめん)塩味。
よく行くスーパーで安売りしているため、袋ラーメンはマルちゃんが多い。

この正麺、麺が丸くなって丸い鍋や丼にフィットしやすくなっている。
袋を開けて丸い麺を見せたいところだが、今日はラーメンを食べたい気分ではないので、勘弁してほしい。

なんと、麺を割らずにクッカーに入れることができた!
まるでチタンウルトラライトクッカー1 専用の袋ラーメンのようにピタリと嵌る。
このクッカーでラーメンを食べる時は「マルちゃん正麺」に決定だ!

この画像は後日、正麺を調理しているところ。
丸い麺がピタリとフィットしている。

袋麺1つ、白菜少々、卵1個を入れただけで、いっぱいいっぱいになったクッカー。ちょいと容量が小さい。
スープ1袋を丸ごと入れたら、塩分濃度が高くて舌がピリピリした。
山で食べる時はスープの量を減らした方がいいだろう。

 

クッカーの感想

今回、初めてエバニューのチタンクッカーを購入した。
多少言いたいことはあるが、全体的には良い品だと感じた。
一番小さい容量600mlのクッカーは一人でも小さい気がするが、湯を沸かすだけならこれで十分。何より軽いのが気に入った。
前から欲しくて欲しくてたまらなかった浅型のクッカーが加わってくれたことで、様々な状況により対応できるようになった。

不用な品を取外して6gの軽量化できたことも嬉しい。
あとは、偶然チタントレック900にフィットできることも分かって大興奮だった。
トレック900とのコンビは、深型と浅型の組み合わせでなかなか良さそうだ。
積雪期に大活躍してくれそう。

フタを外してアルミホイルでフタを作ろかと思ったが、フタなし状態だとザックの中でバラバラになりそうなので、よりよい方法をちょっと考えるとしようか。

追記事項

注ぎ口について
読者からの情報によると、蓋を閉めた状態で注ぐと垂れずに快適に使用できるそうだ。
蓋をしたままで水を注ぎ口から注いでみた。すると、蓋なしの時と同様に垂れてくる。あれれ?

何度やってみても結果は同じ。
クッカーの中の水の量を少なくしてみると、あと垂れがピタット止まった。中に残っている水が戻る時に吸引して切れが良くなるようだ。
私の場合、少量のみクッカーから他の容器に移し替えることはやらない。日常生活を思い出しても思い浮かばない。
クッカーの容量いっぱいの湯を沸かし、全量を保温水筒に移し変えるくらい。

やはり注ぎ口の形状が悪いと思われる。チタンが薄くて端のR部分の形状が垂れやすくなっているようす。
このクッカーで水を注ぐ時は勢いく全量注ぐようにすれば問題なし。
蓋が良好な鍋敷きになるといいうことを付け加えておこう。
熱伝導率が悪いチタン製で、蓋の縁しか接触しないため、鍋敷きにはピッタリ。熱々のクッカーでも鍋敷きがあれば問題なし。
食事をする時は蓋は不要。
これは使い方次第で便利に使える軽量クッカーだと言える。

コメント

  1. 白山室堂御前荘 より:

    涙ぐましい軽量化!

    PCTは、水の確保もきついですね。

    玄米での飯盒を放棄して毎日、グラノーラむしゃくしゃ食うトレイルになるかもしれません。

    • karaage より:

      まあ、これは自己満足です。
      重たいのでコメを炊く機会はほとんどないと思います。
      その分、町のレストランでバカ食いします。

  2. たい より:

    毎度ながら詳細なレビュー参考になります。
    注ぎ口がたれる件、水をお湯に変えてみるとどうなりますかね。

    自分の使っている陶器のマグカップには注ぎ口がついています。これが水だと旨く注げるのにお湯だとたれてしまうんですよ。
    お湯と水だと粘度?がかわるみたいなんです。

    本当に気が向いたとき、試してもらえると幸いです

    • karaage より:

      さっき、お湯でやってみましたが、かえって状態が悪くなった気がします。
      ダダ漏れです。
      また改めてじっくりチェックしてみます。

      浅型のチタンクッカーはこれしかないので、他に選択肢がないのが痛いです。
      メーカーに要望のメール送っておくことにします。

  3. snnhsn より:

    私も同じ商品を使っていますが、ふたを閉めてやかんのように使うことを想定していると思います。私はその使い方で垂れたことがないのでぜひやってみてください。個体差の問題でなければ気持ちよく注げるはずです。

    • karaage より:

      貴重な情報ありがとうございます!
      これまでフタを閉めて注いだことはありませんでした。
      早速試してみたいところですが、あいにく今手元にありません。

      フタを閉めて注ぐとなぜ溢れないのか、しっかり検証してみたいと思います。

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