こんにちは。からあげです。
夜でもこんにちは。
以前は、更新時間に合わせてあいさつの言葉を変えていたが、これからは「こんにちは」に統一することにする。
アメリカのPCTと日本では17時間の時差があってややこしい。
こんにちは!という言葉に今から慣れておこう。
こんちには~。こんにちは~。世界の~ってどこかで聞いたことあるな。
PCTで浄水器が必要な理由
ところで、今日2つ目は浄水器ネタだ。
以前からずっとおっさんの頭を悩ませていた。
アメリカの水事情はかなり悪いらしい。
カリフォルニアの乾燥地帯では、水なし30マイルなし区間があるらしい。
1マイルは1.6kmなので、30マイルは48kmだ。
1日以上水なしで歩かねばならない。
要所々々にトレイルエンジェルの用意するウォーターキャッシュがあるらしいが、それでもかなりの距離をたくさん水(最大で6~8L)を担いで歩かねばならない。
車で近くの町まで送ってくれたり、家に宿泊させてくれたり、水・食料をくれたりする。
貴重な水場が綺麗な水源であるとは限らない。家畜の牛が飲むような貯水タンクや、干上がりかけている泥水の小川などから汲まねばならないこともあるらしい。
YOGIのPCT Handbookにそう書いてあった!うへ~。
しかも、アメリカの水源はジアルジアという寄生虫に汚染されていて、生水を飲むと腹痛になって大変なことになるらしい。
ジアルジア症(ジアルジアしょう)とは鞭毛虫であるランブル鞭毛虫 (Giardia lamblia) を原因とする寄生虫病である。食品や水に含まれるシストを摂取することにより感染する。
ジアルジア症はひどい下痢と腹部の痙攣を特徴とする胃腸炎である。鼓腸、膨満、疲労、吐き気、嘔吐、体重減少などを伴うが、患者によっては吐き気や嘔吐が主症状となることもある。病原体を摂取したあと、7日から10日程度の潜伏期間を経て症状が出る。これは2–4週間でおさまるが、乳糖不耐症の場合には6ヶ月続くこともある。程度は様々で、無症状キャリアも多い。自然治癒するが、免疫不全の場合には慢性化し胆嚢・胆管炎を併発することが多い。
飲んだあとすぐに症状があらわれるならまだいいが、1週間から10日間の潜伏期間があるのが嫌らしい。免疫のない外国人が飲んだらどうなるか。考えただけでも恐ろしい。
症状が軽くても大幅に体力が消耗し、しばらく休養を余儀なくされるだろう。
水とは違うが、一昨年北海道で生の筋子を食べて腹痛になってえらい目に遭った。
もうあんなことになるのはゴメンなので、素直に浄水器を買うことにした。
PCT Handbookには生水を飲んでいるハイカーも紹介されているが、それを外国人が真似したら非常に危険だ。彼らは耐性が付いている。
浄水器の購入
年明け早々、ベアキャニスター(BV500)の購入と同時に浄水器も購入していた。
アメリカAmazonで20.12ドルだった。それに送料と関税(30.55ドル ベアキャニスター分も含める)加える。
日本Amazonは一見すると割高に思えるが、送料と関税を考慮すると妥当な値段だ。
これがアメリカAmazonで購入したソーヤーミニ。
姉さんが美味しそうに水を飲んでいる。
ソーヤーミニ仕様
SAWYER Mini
ソーヤー ミニ SP128手のひらサイズの高性能フィルター
■内容
PointONEミニフィルター×1
0.5LパウチX1
ストロー×1
洗浄用注射器(針なし)、日本語説明書兼保証書■サイズ・重量
PointONEミニフィルター:約55g、全長13.5cm
最大部分の直径約3.5cm0.5Lパウチ:約19g、約22.5×12.5cm(キャップ部分を除く)
■フィルター素材:Hollow Fiber
■フィルター孔サイズ:0.1ミクロン
■ろ過能力:38万リットル
【原産国】アメリカ
箱の中身を取り出したところ
左から0.5Lパウチ、洗浄用注射器、ストロー、PointONEミニフィルター
実測値 | |
PointONEミニフィルター | 38g |
ストロー | 2g |
洗浄用注射器 | 30g |
0.5Lパウチ | 22g |
合計 | 92g |
*手持ちのデジタル表示のはかりを使用。(小数点以下四捨五入)
フィルター本体
出口側にキャップが取り付けられている。
水を通す方向。
フィルター本体に表示されている。
フィルター入り口側
内側にねじ山が刻まれている。
付属のパウチの他に普通のペットボトルやプラティパス水筒なども取付可能。
真上から写す。
白いものが水を止めるパッキン。
材質が硬めで、強めに締めないと漏れてくる。
パウチに取り付けたところ。
このまま逆さにすれば、重力で濾過された水が出てくる。
ストローを取り付けたところ。
ストローを水源に差し込んで、そのまま吸って飲むことも可能。
洗浄用注射器(針なし)
かなりデカイ。メーカーはあまり注射器の存在を強調したくないらしい。
しかし、こいつのお陰で38万リットルという膨大な水を濾過することができる。
フィルターの目が詰まってきたら、出口側から洗浄水を注入して洗浄する。
いつもとは逆方向に流す。
洗浄水は濾過したものを使用する。
フィルターと注射器を並べてみた。
うむ~デカイ。
この注射器をしないで済むように、口に水を含んで思いっきり吹いてみたが、全く逆流する気配はなし。
注射器がないと洗浄するのは無理だった。
プラティパスの水筒を接続して逆に流してみることも考えてみたが、出口側にはネジ山がなくてキッチリ止めることができなかった。
メーカーも仕方なしにこんなデカイ注射器を付けているのだということがよく分かった。
浄水器の運用方法を検討してみた
普段の登山でもプラティパスのハイドレーションを愛用している私。
プラティパスに付けて濾過しながら飲もうと考えた。
確かにこの方法は無駄がなくて良い。
ただ、空気をかむと水を吸えなくなる。あらかじめ空気を抜いておく必要あった。
浄水器を下向きにして吸うと問題ないのだが、上にして空気がかむようになると、自力で空気を吸い出すのはかなり厳しかった。
フィルターは液体は通すが、気体は通りにくい性質があるらしい。
浄水器の出っ張りがあるため、下向きにしてザックに入れるのは厳しい。
ホースの途中で付けることも考えたが、洗浄時にホースを付け外しする必要があって、かなり面倒なことに気がついた。
ザックの中でホースが外れたら、貴重な水を失うことになるし、大事な荷物が濡れてしまう。
スマホなどの電子機器が濡れたら壊れてしまう。
そこでプラティパスのハイドレーションと浄水器は別にすることにした。
システムは簡単なほど扱いやすい。
まとめて浄水した水を飲んで、減ったら水場で濾過した水を少しずつ補充する作戦だ!
濾過するには、プラティパス水筒を手で持っていないといけない。
いくら暇人でもちょっと勘弁して欲しい。
面倒なので重力で自動で濾過できるように吊り下げ式のプラティパスを購入した。
この購入したホーサー2.0Lは、なぜか水筒のみの単品で販売していない。
ハイドレーションホースとセットのみ。
しかもフタがない。どうなっているんだ?
ホーサー2.0L
ホーサーの特徴はマチ無しで、下側に吊り下げ用のループが付いていること。
普通のプラティ2Lボトルと較べて材質が柔らかくて細長い。
ループのようす
水を満タンに入れても無理なくロープで吊り下げることができる。
ただし、マチ無しのため自立しない。
これが思った以上に厄介だった。
マチなしのため、折りたたみやすいことはある。
こちらが普通のプラティ2L 。
最大容量は2.5L
このマチ付きのお陰で容量が多く、自立するようになっている。
今回のPCTで使用する浄水器とプラティパス水筒の組み合わせ
たくさんの水を持つ時はペットボトルを使うことにする。
写真にはないが、浄水器付属のパウチも使うことになるだろう。
水をホーサー2.0Lに入れたところ。
自立しないので横に寝かしてある。
フタがなかったので、手持ちのプラティパスの物を使用した。
要らないハイドレーションホースを付ける割には必要なフタを付けない。
オプションを買わせるメーカーの作戦か?
これはかなりの不親切な設計だ。
ホーサーに浄水器を取り付けて重力で濾過しているところ。
自立しないので、取り付けがやりにくかった。
重力式の濾過の割にはかなりの量が出てきた。
これで休憩しながら濾過することができる。
あとは水筒を吊る木がうまいことあるかどうかだ。
なければ、自分でずっと持っていることになる。
今度は水をキッチリ2L入れて濾過の時間を計測してみることにする。
濾過のテスト中
濾過した水は自立するプラティ2Lで受ける。
付属のストローはまっすぐで使いにくかったので、柔らかい透明ビニールホースを使用した。
ロープで縛って吊り下げた。
特に無理な力はかかっていない。
1Lが濾過し終わったところ。
順調に濾過している。
残り僅かになると濾過スピードがかなり落ちる。
大量に水を作る時は、早めに水を入れた方がいい。
最後はこれくらいまで水を吸うことができた。
テスト結果 | |
1L濾過するまで |
5分30秒 |
2L 〃 | 13分 |
水が減ってくると、濾過スピードが落ちてくる。
1L過ぎたあたりから目立って遅くなる。
最後の方はかなりゆっくり目。それでもほとんど濾過することはできる。
吊り下げておくなら全然問題ない。
浄水器を炭酸水のペットボトルに付けてみた。
炭酸飲料のボトルは丈夫に作られている。
ひっくり返しても重力で濾過できない。
ボトルをつぶして押し出す必要がある。
そのため、硬いペットボトルでは濾過しにくい。
少しずつ濾過する場合、付属のパウチボトルを使うことにしよう。
シャワーシステムを考案してみた。
以前購入して車のグローブに入れっぱなしだった100均のペットボトルジョウロ。
ペットボトルに付けて植木鉢などの植物の水やりにつかうもの。
ペットボトルに付けてだと片手が塞がってしまい、頭を両手でシャカシャカと気持ちよく洗うことができない。
それで使わずにしまいっぱなしだった。
今回購入したホーサーにつければ吊り下げて使うことができる。
ペットボトルとプラティパスの口は微妙にピッチが違うようだが、それなりに互換性がある。
ペットボトルジョウゴのアップ
ネジ山のようす
ネジ山が低くてホーサーに付けたら水漏れした。
やはり100均だな。と思わせる品だった。
いい感じで水は出ているのだが、根元から水漏れがかなりある。
あっという間に中の水が出てしまった。
今度は炭酸水のペットボトルに付けてみた。
やはりネジ山が低くてフィット感がない。
重力では水はほとんど出ない。
ボトルを潰して押し出してやる必要がある。
ペットボトルでは底に穴でも開けない限りシャワーは無理!
このテスト結果で満足するはずがないおっさんはゴソゴソと何かを始めたぞ。
インパクトドライバーに1.5mmのドリルを付けて穴を空けるようだ。
ペットボトルのフタに穴を空けたところ。
穴の径は1.5mm。
返しが出ていたので、サンドペーパーで軽く磨いた。
フタの内側のようす
ボトルの口が当たる面には穴を空けないように注意して作業した。
ようし、ではさっそく試してみようか。うふふ。
ペットボトルキャップのシャワー
これはいい。無料でシャワーを好きなだけ浴びられるぞ!
ホーサーとの相性は抜群だ。
100均のジョウゴは9g、自作のペットボトルキャップのシャワーは3g。
よりコンパクトで使いやすくなった。
キャップ1個なら気軽に持つことができる。
不要になったら、いつでも捨てることができる。(もちろん町のゴミ箱で)
浄水器の感想
今回の浄水器とプラティパスの組み合わせは随分と悩んだ。
ハイドレーションは歩きながらこまめに水を飲めて楽だし、こまめに水を飲むと消費量が少なくて済む。
ハイドレーションに浄水器を取り付けられたらベストだったが、ホースの付け外しの問題があって別々にすることにした。
ハイドレーションの専用ホースは硬くて付け外しするのが大変だった。
柔らかい透明ホースを購入して付けてみたが、ゆるくてホースバンドがないと外れそうだった。
ホームセンターやネット通販を覗いてみたが、私のイメージするような簡単に付け外しできるホースバンドはなかった。
最終的に別々にしたことでシステムがシンプルになった。
これならそれほど面倒ではないから、やってイケるんではないだろうか。
おまけで作ったペットボトルキャップのシャワーもいい感じだ。
よし、浄水器の件はクリアーしたぞ。
次、行こうか。
調子に乗ってドンドンと突き進むおっさんであった。
おわり