究極のミニマムプライベート空間~ヘリテイジ トレイルシェルター(旧 ストックシェルター)を設営してみた

こんにちは。からあげです。

トレイル(ストック)シェルターの紹介

*2018年5月吹き流し型のベンチレーターが新設された際、商品名が「ストックシェルター」から「トレイルシェルター」に変更されました。
ここで紹介するものは旧型のベンチレーターなしのモデルです。

昨日書いたとおり次期探検隊シェルターはヘリテイジのストックシェルターに決定した!

 

 



新たに設置されたベンチレーター

トレイルランニング時の仮眠休憩などで利用するプライベートシェルターです。
2本のストックを携行していれば、わずか280gでプライベート空間をスピーディーに作ることができます。ストックを合掌型(逆V字)にシェルター内で組み、前後2ヵ所をペグダウンするだけです。
2018年5月より入口向こう面に、吹き流し式のベンチレーターが一ヶ所設置され、換気性能が向上しています。
重量 270g→280g(ペグ2本込 乾燥時平均)*ベンチレーター設置により増量
生地
本体:15Dナイロンリップストップ・透湿ポリウレタンコーティング(耐水圧1,000mm/平方センチ、透湿量8,000g/平方メートル/24hr)
カラー フォレストグリーン
 

使用上の注意事項

トレイルシェルターは一般のテントとは使用目的が異なる装備です。本体生地の耐水圧は1,000mmありますが、降雨時にはファスナーや縫製ラインなどから漏水がおこることがあります。あくまで簡易テントとお考えください。
また、パネル素材は蒸気透過性はありますが通気性はありません酸欠などに注意し換気は常に行い、ファスナーを全て閉じることはしないでください。

トレイルシェルターをテントとして使用する方は、降雨時の漏水や強風時などのリスクを十分に考慮してください。(エスパーステントのレインフライは耐水圧2,000mm以上で縫製ラインにはシームシーリングしています。トレイルシェルターは軽量コンパクト化を最優先しているため、シームシーリングはしておらず、テントクラスの防水性、耐風性は保持していません)
ヘリテイジ商品ページより

 

ストックシェルターの設営

来年はこのシェルターを使って活動する。来年の活動内容は今のところ秘密だ。タイミングをみて発表することにしようか。

今頭の中にタープとシェルターを連携させるプランがある。そのプランを実行できるか、試しに設営してみて見極める必要があった。ストックシェルター単体だと雨が降った時、相当辛い思いをすることが予想される。無意味な精神修行はやりたくない。

もの自体は私が実家に行く前には届いていた。ここ最近ストックシェルターは人気大爆発のようで、長期間在庫なしの状態が続いていた。メーカーに問い合わせてみると、「10月中旬から再販売される」ということだったので、定期的にメーカーのサイトをチェックしていたのだった。

そして帰国後、販売が再開されるとすぐに注文し実家の方へ送っておいた。

収納袋から中身を出してみる。

いったん軽量化病に取り憑かれるとなんでも重さを量りたくなる。すでに末期のようで完治は難しいだろう。

すっ凄い!269gだと?メーカー公称の重さより1gも軽い。

袋から出したものの、今度は中に入らなくなってしまったシェルター。袋が小さいと嵩張らないからいいのだが、きれいに畳まないと入らなくなるから不便だ。と文句はここまで。

今の私は自分の好きなように袋を作ることができる。この袋は小物入れとして使おう。

設営場所は広大なからあげ邸の片隅。無駄に広くて行く度に草刈りや落ち葉かきで大変だ。

そんな場所だが装備品をテストには広くてやりやすい。

PCTで使い倒してヨレヨレになったタイベックシート。もう一つはみちのく潮風トレイルを歩いている時にコケて曲げてしまったトレッキングポール。最後は絶妙な大きさの自作袋に入れたストックシェルター。

ペグは付属のものではなく、PCTでも使用した超軽量なチタンのピンペグを使用する。

1本で700円以上もする非常に高価なペグだが、とても使いやすくてまたたく間におっさんのお気に入りとなってしまった。このシェルターは両端を固定するためにペグ2本が必要だ。

 

テストで使用するトレッキングポールはブラックダイヤモンドのトレイル。重量はあるが耐久性抜群で簡単に長さ調整できる優れものだ。

 

先ほど書いたように去年みちのく潮風トレイルを歩いていた時、ついうっかりコケて曲げてしまったもの。バーナーで炙って真っ直ぐに直したのだが、微妙に曲がったままで伸縮がやりにくい。見た感じ強度も大幅に低下しているようなので、今後は朝顔栽培用のポールにでもしようと思っていたところだった。ようやく出番がやって来たな!

おっさんはヒイヒイ言いながら伸ばしたところ。無茶苦茶硬いんだよ!

長さを110cmにセットした。まずはこれでやってみよう。

ポール先端のゴムキャップを外して石突を出しておく。

シートの上にシェルターを広げたところ。

このストックシェルターは底面がひし形になっていて、その4つの頂点にはペグループが取り付けられている。ペグループだけだと張りの調節がしにくいのでロープを取り付けておいた。ループは擦れて傷みやすいということもある。

長さ220cmのタイベックシートからはみ出るシェルター。このくらいは許容範囲か。

長辺方向の両端をペグダウンしたところ。

ファスナーを開けてみた。

底面のファスナーはシングル、側面はダブルとなっている。(換気しやすくするため)
内側からポールを挿し込んで立ち上げる。

下のグロメットにポールの先端を挿すとジャストフィット。

内側から見たようす。

補強用の生地が縫い付けられている。生地は15Dナイロンで極薄。
耐久性よりも軽量化を重視したため。

ポールのグリップを頂点部分に挿し込む。

これはダメな例。はじめにグリップ部分を入れてから底面のグロメットに石突を挿す。逆だと引っかかって入らない。

設営のポイント
ポールは先にグリップ部分を入れてから石突を底面のグロメットに挿す。そうすると生地に負担をかけることなくスムーズに設営することができる。
 
 
ポールを挿れて立ち上げたところ。う~む、なんだかやる気がなさそうだな。
どこもかしこもヨレヨレだ。
 
 
おいおい、お前いくらなんでもヨレ過ぎやしないかい?
 
 
ファスナーを閉じてみた。赤いファスナーがよく目立つ。
直ぐにファスナーの位置が分かるようにするためだ。
トレイルランニングのレースでは体力の限界まで走ることが多く、心身がまともな状態で設営することが少ない。(余裕を残していては勝てない。)どんな状況でも分かりやすくして直ぐに中に入って休めるようにしているのだ!
ただこれはトレランに限ったことで、野宿する場合だと目立って仕方ない。フォレストグリーンのファスナーは目立たない黒が良かったな。
おっとイケねえ。野宿者の視点で批評してしまった!これはもともとトレラン用。
 
 
頭の方向から見たようす
 
 
出入り口とは反対方向
 
 
足元のようす
足元の方はかなり尖っている。少しでも居住性をアップさせるためのようだ。
 
 
頂点部分のようす
ストラップを縮めて短くしているところ。ポールの長さ110cmだといっぱいまで縮めても生地が弛む。もう少し長くした方が良さそうだ。こういう時は長さ調節できるポールが便利。
 
 
ファスナーのようす
底面はシングル、側面はダブル仕様となっている。金具には反射材付き2mmダイニーマロープが取り付けられていて手袋着用でも操作しやすいようになっている。
 
 
側面のダブルファスナーにしてあるのは、上から開けて換気できるようにするため。メーカーのきめ細やかな配慮を感じる。(のちの新型で入り口の反対側にベンチレーターが設置される)
 
 
出入り口を開放したところ。ロープで縛れるようになっている。
よし、中をチェックしよう!
 
 
出入り口をロープで縛って開けっ放しにする。
 
 
内側は各ポールにロープで縛ってシェルターを固定する。
 
 
頂点部分のようす
 
 
グロメットのようす
 
 
中でゴロンと寝てみた。
身長165cmの私だと頭とつま先が生地に触れる程度。それほど窮屈には感じない。
 
 
今度はポールの長さを115cmとして設営してみることにした。110cmだと生地が弛んでピシッと張れなかった。
 
 
長さを115cmに調整した。
 
 
ポールを115cmの長さにしてシェルターを設営した。出入り口方向から見たようす。
 
 
斜め方向から見たようす。ファスナーはこのように逆L字型となっている。
底面ファスナーは底面から約5cmのところにある。
 
 
頭の方向から見たようす。
頭側から風を受けるように設営すると耐風性能が最大となりそうだ。
 
 
足元から見たようす。やはり弛んでいるな。これは構造上仕方ない。諦めよう。
どうでもいいことは諦める。そうすると不思議と人生は開けてくる。
 
 
トレッキングポールの接地箇所。
使い勝手が良くなるようにサイドのループにもロープを取り付けてある。
 
 
接地箇所のアップ。ゴムキャップを外して石突を地面に突き刺すとズレにくくなる。
 
 
頂点部分のようす
黒色ストラップの先端に反射材入りのロープが取り付けられている。このループにロープを取って立木に固定すれば、格段に耐風性能が上がることだろう。
 
 
反対側のストラップにもロープが取り付けられている。実に丁寧な作りだ。
 
 
よし、それでは内部の再チェックを行うとしよう!
一度ではなく何度でもしつこくチェックする。しつこさなら誰にも負けない。
 
 
底面のようす
ポールを広げ過ぎると、底面の生地に負担がかかる。シワの状態を見ながら調節した方がいいだろう。ここが一番幅広となるところだ。
 
 
ゴロンと横になってみる。ちょうど顔の部分に出入り口を束ねるためのロープが下がっていた。邪魔なので軽く縛っておく。
ここはマジックテープ式でもいいんじゃなかろうか?
 
 
天井付近を見上げる。
 
 
ポールのストラップはヘッドランプを下げておくのにちょうどいい。
 
 
サイドの空きスペースのようす。
サイドの奥がバックパック置き場になるかな。あとは手前の出入り口側。
頭と足元にも荷物を分散させることになるだろう。
 
 
頭上の空間のようす
それなりに広いので使い勝手は良さそう。下敷きにして壊さないようにスマホを置いておくのに便利かも。
 
 
足元のようす
足元はかなり細くなっているため荷物置き場に向かない。汚れた靴や服の置き場所にはいいかも。靴を出しっぱなしにしておくと、キツネなどの小動物に齧られるかもしれない。実際北海道で車中泊していたときに齧られた。
 
 
PCTで使用したリッジレストクラシックS
軽量化のためにスモール122cmをさらにカットして短くしてある。長さ107cm、幅50cm。銀マットよりフカフカで快適。
 
 
リッジレストを敷いてみた。まだまだ余裕がある。
 
 
さらに寝袋を敷いてみた。うむ、なかなかイイね。
 
 
中で寝てみた。安らかに眠るおっさん。
ちなみにおっさんのサイズは身長165cm体重60kg。短足の痩せ型だ。狭いところに潜り込むには最適な体。
 
 
角度を変えて撮影。頭上にも荷物を置けるスペースができる。
 
 
あぐらを組んで座ってみた。高さはいっぱいいっぱいで頭が軽く触れる。
食事の用意をするときは、シェルターの中でこのように座って、外で調理するスタイルが良さそうだ。狭いシェルター内でのストーブの使用は火傷と酸欠のおそれがあって危険。
 

足元の方向を向いて座ってみた。イジケているわけではない。
横を向くより足元の方を向いた方が多少ゆったりできる。

 

設営してみた感想

今回、実際に設営してみてこれなら十分使えると思った。仮眠や緊急時のビバーク用ではなく、宿泊用としても許容範囲。ただし本当に小さいので、体が小さい人向けのシェルターだと思う。
ポールが短いと生地が弛んでしっかりと張れないことが分かった。長さ調整のできないトレラン用ポールだと、長さをアップさせる工夫が必要だ。設営する時に輪切りパイプを継ぎ足すとか、頂点部分に軍手かなにかを押し込むとかして対処できそう。

耐水性能は今のところ未知数だが、カタログスペックによると、透湿ポリウレタンコーティング(耐水圧1,000mm/平方センチ、透湿量8,000g/平方メートル/24hr)なのであまり期待できないだろう。メーカーのサイトにも漏水が起こる前提で使用して欲しいと書いてある。

今はこのシェルターで嵐でも乗り切れるように、タープと組み合わせて使用することを考えている。そのプランが確かなものとなった。あとはタープを作ってみるだけ!

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