やり残したことを片付けてゆく

こんばんは。からあげです。

 

自分がおっさんになったと自覚するようになったのは、35を過ぎてからだったような気がする。それまではまだまだ自分は若いと思っていた。節制して健康に気をつけていたし、毎日走ったりしてトレーニングも欠かさなかった。ところが40を過ぎたあたりだろうか。体の衰えを急に感じるようになって、渋々おっさんだと認めるようになった。無理して体を動かしたり、夜更かしするとてきめんで、次の日は決まって体がダルく感じる。

いつ死んでもいいようにと、気持ちと身の回りの整理を始めようと思い始めた。やり残していることやっておきたい。そう思ったため、子供のころ大の仲良しだったヒロシ君に会おうと決めた。アメリカ出発前にヒロシ君と電話で長々と話した。電話口の懐かしい声を聞くと、タイムスリップして子供の頃に戻ったような気がした。

仕事が忙しくてすぐには会えないということだったので、半年後帰国してから会う約束をして電話を切った。

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アメリカで死にかけてから死は現実にすぐそこまで忍び寄っていることに気がついた。ボヤボヤしていたらすぐに人生終わってしまうだろう。まだ死にたくはないが、いずれ寿命が尽きてあの世に行かねばならない。生物にとって避けることのできない死。

体が動くうちに海外のあちこちを見て回りたい。日本国内は爺さんになってからでも遅くはない。その思いがいっそう強くなった。

 

昨日、ようやくヒロシ君と会うことができた。長年、会いたいなと思っていたのに、会おうとすると自分の中で何かに引き止められる。

 

いまさら会ってどうする?
相手に拒絶されたらどうする?

 

などと弱気な自分が囁く。

実際にヒロシ君と会って、弱虫の戯言はどこかに消え去った。凄く痩せたということだったが、外見も当時の面影を残していた。顔を見ながら誰かに似ているなあとずっと考えていたが、別れ際になってサッカーの三浦知良に似ていることに気がついた。声はあまり変わっていなくて聞き間違えることはない。馬鹿みたいに飽きもせず、毎日いっしょに遊んだ日々のことが思い出された。まだまだたくさん話したいことがあったが、時間があまりなくて2時間ほどで別れることになった。非常に名残惜しかった。次は10年後、いや落ち着いたらちょくちょく会おう。なんていう約束をして別れた。

まずは一つ。
この調子でやり残したことをどんどん片付けて行きたい。

私は必要でもない多くの物を持っている。会社を辞めるとき、たくさん処分したはずなのに、また不要品が増えてしまっている。新しいことをやるのはいいが、関心が薄れたら手持ちの品をすぐに処分する。また必要になるかも?という貧乏根性を発揮してなかなか手放せないでいた。

PCTを歩きながら多くのことを学んだが、その中の一つに物は少ないほど快適に歩くことができるということ。あったら便利、ないと不安などと言って、あれもこれも道具を持つとバックパックは一気に膨らみ重くなって思い通りに行動できなくなる。歩き始めのうちは不要品が多かったが、次第に荷物が洗練されて必要なものだけしか持たなくなった。

持たない暮らしはシンプルで、余計なことを考えなくて済むからいい。毎日ハイキングに集中して、ただただ歩いていた。今の私は雑念に取り憑かれていて、なかなか思考がまとまらない。再び荷物一掃処分の時期が到来したようだ。

やりたいことをやるためには身軽が一番。道具なんてなんでもよくて、やる気の方が遥かに大事だ。やると決めたことは必ずやる。ただし、気持ちが変わることもあるので、途中で変更したり、辞めたりすることも、全然構わない。自分に正直に生きてゆくだけでいい。見た目に拘っていたら、なんにもできない。周囲の雑音は無視しろ!

つまらないもの、こだわりは捨てて、やりたいことだけを突き詰めてゆくことにしよう。

 

おわり

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