つめかえ君で実現! カートリッジ式の登山用ガスストーブをカセットボンベで使用する

こんにちは。からあげです。

 

今日は便利でお得なアウトドア用品について紹介しよう!

家庭用のカセットボンベのガスを登山用のガスカートリッジに詰め替えて、ローコストで登山用ガスストーブを使用できるという優れものだ。
登山の度に高価なガスカートリッジを幾つも消費していると、環境にも財布にも悪い。
さらに使いかけの中途半端な残量のカートリッジが幾つも残ってしまう。
昔、私は残り物の半端なガスを使ってラーメンを作ったりしてせっせと消費していた。

 

しかし、つめかえ君があればもう大丈夫だ。中途半端なガスカートリッジに煩わされることはない。

作業の注意点をいくつか押さえれば、誰でも安全にガスを詰め替えすることができる。
そんな夢のようなアイテムをこれから紹介してゆこう。

 

つめかえ君NタイプとNジョイントの紹介

つめかえ君紹介の前にまずはガスボンベの説明をしよう。

右が一般家庭で馴染みのあるカセットボンベでCB缶と呼ばれる。ホームセンターやコンビニで安く手に入るのが魅力だ。

そして左が登山用のガスカートリッジでOD缶と呼ばれており、登山用の高性能のストーブを使用できる。寒冷地仕様と3種類の大きさがあって、用途に応じて使い分けることができる。高価でアウトドア用品店などでしか手にはいらないのが欠点。

つめかえ君Nタイプ(右)とNジョイント(左)

前述したとおり、詰め替え君を使えば家庭用カセットボンベのガスを登山用ガスカートリッジに詰め替えたり、半端なガスカートリッジを一つにまとめることができる。
日帰り登山なら、一番小さなガスカートリッジ1つだけで十分だろう。

これから家庭用カセットボンベをCB缶、登山用ガスカートリッジをOD缶として話を進めてゆこう。

 

つめかえ君(Nタイプ)

大きさ 最大径47mm、長さ45mm
重さ  89g
材質  本体 真鍮
    カセットボンベ接続部 
ステンレス
    取っ手 プラスチック

スノーピーク、プリムス、EPIなどの世界で主流のねじ込み式タイプのOD缶を接続することができる。Nタイプの他にPタイプやÇタイプなどがある。

こちらがCB缶接続部。
ボンベの突起を穴に嵌めてから回転させてストッパーの爪を引っけて固定する。

そして反対側のOD缶接続部。

久しぶりに箱から出したので、分解して手入れをしてみた。
写真はストップバルブを外したところ。

バルブの先にはOリング2個が取り付けられていて、しっかりガスを止めるようになっている。
汚れを拭いてからシリコングリスを塗布しておいた。

 

Nジョイント

大きさ 長さ23mm、太さ20mm
重さ  23g
材質  真鍮

つめかえ君と組み合わせて使うことで、OD缶の登山用ストーブにもCB缶を取り付けて使用することができる。
ただし分離式のストーブのみ。(一体式のストーブでも付けられないことはないが、全高が高くなりバランスが悪くなって危険。小型のランダンならOKか。)

横からみたようす。
左右対称で両側にネジが切られている。

 

つめかえ君使用方法(CB缶からOD缶へ)

つめかえ君のほかに作業に必要なもの

・冷凍庫付きの冷蔵庫
・1g単位で計量できるはかり

詰替え作業には1g単位で量れる正確なはかりが必須アイテム。
詰め過ぎによる事故防止のため必ず使用したい。

 

使用方法の解説

それでは実際に使用方法を説明してゆこう。
まずは受け入れ側のOD缶冷凍庫内に入れてよく冷やしておく(約15分)。
十分冷えたところでCB缶とOD缶を繋ぎバルブを開けてガスを移動させる。
(ボンベ内の圧力差を利用してガスを移す。)

あらかじめ移し替えるボンベの満タン時の重さを把握しておき、こまめに秤で量りながら少しずつ移動させる。
慣れるまでは特にこまめに量った方が良い。途中で受け入れ側のボンベが温くなってガスが流れなくなったら、再びボンベを冷凍庫に入れて冷やす。

基本、この繰り返しでガスの移動を行う。基本は忠実に!

もし受け入れ側のOD缶にガスを入れすぎたら、送り側のCB缶を切り離してバルブを開けて中のガスを大気開放する。
慣れてきたら受け入れ側のOD缶に少し多めに入れておき、切り離して少しずつ大気開放させてガスを捨てるようにすれば、短時間で詰替え作業を行うことができる。
(バルブ開閉の方が重量のコントロールをしやすいため。)

初めの慣れないうちは、何度もつけたり切り離したりしてロスが結構でるが、CB缶なら安いのでそれほど痛くはない。

作業に慣れてくれば、無駄なガスを減らすことができる。

 

詰め替え手順 (CB缶からOD缶の場合)

受け入れ側のOD缶を冷凍庫で15分くらい十分冷やす。
   ↓
OD缶とCB缶をつめかえ君に接続する。
(下が受け入れ側、上が送り側となるようにセットする)
   ↓
バルブを開いてガスを移す。
   ↓
時々切り離してOD缶の重さを量る。
   ↓
足りなければもう少し入れて、多ければ大気開放させて捨てる。
   ↓
安全のために満タンの重さより少し軽めする。

 

以上で終了

OD缶とCB缶を接続したところ。
下側に受け入れ側のボンベをセットするのがコツ。
重力も利用してガスを移動しやすくする。
*写真では逆になっていることに注意(間違い)

接続部のアップ

つめかえ君には逆止弁なし、どちらの方向にも流れるようになっている。
そのため一旦半端のOD缶のガスを空のCB缶に移しておいて、別のOD缶に詰め替えるということもできてしまう。

取り扱いに慣れれば、自由自在にガスを移し替えることができる。

 

つめかえ君で気になった点

OD缶の接続部の形状

つめかえ君を接続するには、ネジ側の方をOD缶に取り付ける。
この時ガスを止めるのは、Oリンク1つのみ

ネジ側のようす。奥のOリングが一つあるのみ。
なんだか心もとない。

EPI APSA-Ⅲ

こちらが一般的なガスストーブのOD缶接続部。
奥のOリングのほか手前にゴムパッキンがあって、Oリングとパッキンの二重でガスを止める構造となっている。(二重の安全設計)

さらにカセットボンベ側の接続部にも問題あり。
CB缶先端部のアップ

CB缶先端部の突起が穴の奥のOリングに当たりガス漏れを防ぐ。
このOリング1つだけでガスを止める仕組みになっている。

ここで一般的なカセットボンベ仕様のガスコンロを見てみよう。

カセットボンベの接続部

家庭用カセットコンロにも奥のOリングの他に手前にもOリングがあり、二重のOリングでガスを止めるようになっている。

普通に考えてOリング1つより2つある方がガス漏れしにくくて安全だ。
つめかえ君にはボンベとの接続部には、Oリングが1個ずつしかない。

ガスボンベの接続は詰替え時の短時間とはいえ、作業中のガス漏れが心配だ。
騒々しいところで作業していると、ガス漏れに気づきにくいので注意が必要だ。
ボンベの取り付け方が悪いと、隙間からガスが漏れてくる。
つめかえ君の構造と詰替えの原理を知った上で、慎重に作業を進めるようにしたい。

 

Nジョイントで直接CB缶に接続して使用する

つめかえ君の先にNジョイントを取り付けたところ。

Nジョイントを取り付けてからCB缶を取り付ける。(逆だとガス漏れを起こすおそれがあるため。)
そして最後にガスストーブを取り付ける。
つめかえ君のバルブを開いた後でガスストーブのバルブを開き点火する。

カセットボンベとガスストーブを接続したところ。(ストーブはEPIのAPSA-Ⅲ)

点火前に必ずガス漏れしていないか音や匂いをチェックする。
Nジョイントで直接接続できるガスストーブは分離式のみ
ボンベ一体式のストーブだと全高が高くなって不安定で非常に危険。
暖房目的ならともかく調理では危なくて使えない。

接続部のアップ

つめかえ君のバルブを先に開いてから、ガスストーブのバルブを開いて点火する。
消火は逆のバルブ操作となる。
(どちらでも良いと思うが、元の方から開けた方がガス漏れ箇所が分かりやすい。)

2つのバルブを開いて点火した。
ストーブは良好に燃焼している。

つめかえ君接続部で多少のロスがあるのか、若干火力が弱い気がするが実用上問題ない火力だ。

 

Nジョイントで直接CB缶を接続する危険性

先ほどのつめかえ君使用時の気になった点で挙げたことだが、詰め替え時の短時間だけなら注意して使用すればいい。
しかし、Nジョイントでガスストーブに直接CB缶に接続して長時間使用する場合は、ガス漏れのリスクが高まる。
ストーブの火が付いている状態でガス漏れを起こせば爆発の危険がある。

Oリング1つでガスを止めるとなると、自然力が入って強めに締め付けてしまうことにもなる。締めすぎによるOリングやOD缶のネジ山の破損も気になるところだ。

私が購入した当時(10年以上前)Nストッパーというものはなかったのだが、いつの間にかラインナップされている。
つめかえ君の場合、いくらでも強めに締め付けることができてしまう構造なので、自然と強め強めと締め付けてネジ山を傷めてしまうユーザーがいたのだろう。
OD缶の締めすぎを防ぐために、新たにNストッパーという器具が開発されたらしい。
メーカーのHPを見るとつめかえ君の構造は変わっていないようす。

ただNストッパーで締め過ぎは回避できても、Oリング1つでガスを止める構造は以前のままだ。
要するにつめかえ君は危険な器具なのだ!
短時間の詰め替え作業ならいいが、長時間の調理で使うとなると大問題となる。
私はこの製品の欠陥に気が付いたので、NジョイントでCB缶を接続してストーブを使用する使い方はしなくなった。

 

つめかえ君まとめ

カセットボンベ仕様のST-310

現在、登山用ガスストーブのメインは、カセットボンベ仕様のガスストーブ(ST-310)を使っている。そのため登山用ガスストーブはほとんど使わなくなった。つめかえ君を使用した煩わしい詰替え作業からも開放された。

私は非電化の小屋に住んでいるため、冷凍庫でボンベを冷やす作業ができない。詰替えしないで済むようにST-310を購入した。
登山用としてはかなり重たいストーブだが、しっかりした作りで安心して使用することができる。
ローコストも重要だが、安全性の方が遥かに重要だ。

つめかえ君はNジョイントを付けて直接CB缶で使用するのは非常に危険。絶対止めたほうがいい。

 

OD缶に詰め替えするだけなら全然問題ない。
むしろ便利な道具なので積極的に活用したい。
詰替え作業だけ細心の注意を払って行えばいい。

 

要するに道具の問題ではなく、使う側の人間の配慮が必要ということだ。
登山用のガスストーブはますます小型高性能化して、性能の劣るCB缶仕様では全く歯が立たない。
軽量なガスストーブで攻めの登山したいが、できることならローコストで使いたい。
そんなときに大活躍するのがつめかえ君だ。
日帰り登山なら一番小さいOD缶を満タンにしておけば大丈夫!大幅な荷物の軽量化を行うことをできる。

使用上の注意を頭にいれてローコスト登山の役立てるようにしたい。

参考リンク

つめかえ君製造メーカー(アルバHP)

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