こんにちは。からあげです。
去年の東北の旅、みちのく潮風トレイルで大活躍した山岳用テントのエスパース・ソロ。
通気性が良く出入りしやすくて私のお気に入りのテントだ。
ちょっとした不注意で、テントの大事なポールを曲げてしまった。ゴールの相馬市が間近だったこともあり気が緩んでいたようだ。荒野のど真ん中でやらなくて本当に良かったと思う。失敗から学ぶことは多い。設営・撤収時の注意点、修理の方法などなど。二度と同じ間違いをしないようにしよう。
*2016年12月ころ旧HPに掲載したものに加筆訂正を加えて再びアップした記事です。より濃密な内容となりおっさんも大満足です。(自画自賛)
ポールを曲げた時の状況
2016年11月9日 事故発生!
宮城県亘理郡亘理(わたり)町の鳥の海(とりのうみ)付近海岸にテントを張って野宿したその翌日。朝6時前テントを撤収する際に事故が起きた。
テントの中の荷物を片付けて外に荷物を出した時、急に海から強風が吹いた。
長辺方向から強風を受けて、ポールがXからIの字になってテントがペチャンコに潰れてしまった。事故当時は砂浜の上に設営した状態で、張り綱4本とフライシートのショックコード4本を、流木に縛って固定していたが、フロアの4隅は固定していなかった。
ポールを抜いてチェックしてみると、ポールが途中で曲がっていた。
幸い少しの曲がりだけで折れていなかったため、そのまま継続して使用することができた。非常にラッキーだった。
今回、応急修理用のリペアパイプを持って行かなかったので、ポールが折れてしまっていたらテントが使用不能となっていた。
この日の夕方野宿する時は、フライシートに包まって寝なければならないところだった。
参考リンク メーカー製品ページ(エスパース ソロ・アルティメイト)
2017年12月現在、エスパース ソロは廃番となり、後継機種のエスパース ソロ・アルティメイトがラインナップされている。
ポールの現状
収納袋から出したところ。
こうして折りたたんだ状態だと目立たないが、ポールを組み立てて比べて見るとよく分かる。
赤い矢印の部分が曲がっている。
端から3つ目の節の部分。
エスパース・ソロのポールは、YUNAN社 ウルトラライト・アルミ合金中空ポール(7001-T6)直径8.64mmが使用されている。
テントには予備のバラポール1本が付属する。
テントの乾燥と各部のチェックを兼ねて、広大なからあげ邸の片隅でテントを設営してみた。
土地は普通の山林のため葉っぱや土が付着するので、ブルーシートを敷いてから行った。
みちのく潮風トレイルで連続34日使用したため、若干の劣化が見られるような気がするが、まだま現役バリバリで使用できる。
現状のポールが曲がった状態でもテントは設営できるが、強度が落ちないか気になることと、折り畳んだ状態が嵩張るため、早めに予備ポールに交換することにした。
ポールの交換作業(2016.11.18実施)
作業の流れ
1 ポール末端の石突を外す
↓
2 ショックコードを抜いてポールをバラす
↓
3 予備ポールと交換する
↓
4 ポールを元通りに組み立てる
作業終了!!
邪魔なテントは片付けて、必要な道具だけを準備した。
ブルーシートはこのまま敷いておいて、シートの上で作業する。
狭い小屋の中で作業するより、広くて明るい外で作業した方が圧倒的にやりやすい。
(私は6畳の非電化の小屋に住んでいる。)
ポール交換に必要な道具
・予備ポール(1本は付属している。)
・はさみ(ショックコードの結び目がきつく締まっているので、はさみで切る必要あり。)
・プライヤー(石突を引き抜く際に必要)
・防錆潤滑剤(おなじみのCRC KURE5-56)
・大きめのクリップ(ショックコードを仮止めする)
作業の様子
まずは末端部分の石突を外す。
購入してから約2年。軽くプライヤーで挟んで引っ張ってみたが、全くビクともしない。
石突は強化プラスチック製なので、強引に外そうとすると傷めてしまうおそれがある。
そこでポールの継ぎ目からCRCを吹いてしばらく置いておく。
潤滑剤が馴染んだところで、ウエスを巻いてからプライヤーで石突を引き抜く。
(直に挟むと石突が傷む。)
ねじりながら引っ張ると抜ける。
かなり硬いので一度に抜こうとせずに、CRCを吹きかけながら少しずつ引っ張ってゆく。
石突を抜いたところ。
やはりCRCの威力は凄い!
ショックコードの末端処理
このような感じでポールの中に収まっていた。
ショックコードの結び目はきつく締まっていたので、結び目の近くではさみで切った。
3cmほど短くなっても問題はない。
ショックコードが若干伸びているため、短くなるくらいがちょうどいい。
ショックコードを抜いてポールをばらしたところ。
ポールを2本比べて見ると、曲がっていることがよく分かる。上が曲がったポール。
石突の様子
石突はポールの中にキツめに入っている。そのうえ、ショックコードで引っ張られているため、使用中に抜けることはない。
ショックコードを通す溝が裏表で若干形状が違う。
ポールにショックコードを通す時は、引っ張られてポールに通しにくいため、ダブルクリップで仮止めてしておいてから行うと作業しやすい。
あと少しというところで指からショックコードが抜けてしまい、何度もポールがバラバラになった。
途中でダブルクリップで仮止めする方法を思いついた。
石突にショックコードを通したところ。
元のとおりに通さないとポールの中に入らなくなる。
ショックコードを引っ張り細くした状態で溝に入れ、できるだけはみ出さないようにしてからポールに差し込む。
作業終了
ポールの交換が終わって元通りに組み立てたところ。
作業時間は約15分。
作業の感想
テントのポールの交換はこれで2回目。1回目は、アライテントのエアライズ2のデラックスフライ前室にあるポール。酒を飲みすぎて酔っ払い(泥酔)外に出る時に、引っ掛けて曲げてしまった。
ポールの交換作業自体は、石突さえ抜いてしまえば、あとは非常に簡単。長年使用しているポールの場合はついでにショックコードを交換した方が良い。
曲がったポールだと気になって仕方ないので、早めに修理しておいた。
これでいつでも使用することができる。
実は修理の前に手で元に戻そうとポールと格闘してみたが、元通りに直る気配は全く感じなかった。丈夫で柔軟性のあるアルミ合金だから当たり前か。
同じ失敗を繰り返さないようにするためには、強風が吹きやすい海岸でのテント撤収時は、荷物を出したら即ポールを抜いて風を受けないようにする。以後気をつけよう!
予備ポールとリペアパイプの注文とポールの構造
修理を行った後、メーカーから予備ポールとリペアパイプを取り寄せた。
エスパースソロのポールは、両端に強化プラスチック製の石突、1本 長さ428mmのポールが7本と両端に半端な長さのポールからなっている。
メーカーから届いたのはフルサイズの長さ428mmのポール。滅多にないと思われるが、両端の半端な長さのポールが傷んだ場合は、予備パイプを金ノコで切って使うことになる。
これがポールを折りたたんだ状態。
ポール接続部のようす
上がメス、下がオス。
ポールの外径は、中央部分で8.6mm、メスの部分で9.1mmとなっている。よく見るとメスの部分が膨らんでいるのが分かる。
上の金色のパイプが純正のリペアパイプ
メーカーから取り寄せたもの。遠目で見てもかなり太いことが分かる。
長さ 12cm
外径 15.8mm
内径 13.5mm
(ポール外径 8.6mm)
リペアパイプのサイズは1種類でどの機種でも合うように太めに設定している。ポールが軽く曲がるだけならいいが、大きく曲がった場合、細いとリペアパイプに通すことができず応急修理できない。そのため、柔軟に対応できるように少し太めにしている。確かにエスパースソロの場合は太すぎるため、リペアパイプの太さを何種類かに増やしたい。というような回答を頂いた。
山行には予備ポールではなく、リペアパイプを持って行く方が現実的だ。工具も必要だし、いちいち作業なんてしていられない。
ガムテは必要分だけリペアパイプに巻いて携帯する方がスマートだ。ガムテはカッパやテントの破れなどにも使える。
予備ポールとリペアパイプの価格
同じ型でも年式によって微妙に違うことがある。
エスパースソロ(A-13004F) 予備バラポール1本 594円
リペアパイプ 〃 356円
送料(長野~山梨) 540円
代引き手数料 324円合計金額 1,814円
*価格は全て税込みで2016年12月現在。
おわり