笠ヶ岳~鷲羽・水晶岳~槍ヶ岳 2013年10月

登山日 平成25年10月10日~14日(4泊5日)

 

登山コース

一日目
新穂高~クリヤ谷~笠ヶ岳(泊)

二日目
笠ヶ岳~双六小屋~三俣山荘(泊)

三日目
三俣山荘~鷲羽岳~水晶岳~鷲羽岳~三俣山荘(泊)

四日目
三俣山荘~三俣蓮華岳~双六岳~槍ヶ岳(泊)

五日目
槍ヶ岳山頂ピストン~南岳~槍平~新穂高

 

山行まえがき

今回はツエルト使用の軽量装備で縦走登山を行うことにした。
100名山のうちの笠ヶ岳、鷲羽岳、水晶岳の3座の登頂を狙う。

 

登山概要

一日目(10月10日)

新穂高温泉無料駐車場(前日)

05:15 出発

前日、新穂高温泉の無料駐車場で車中泊する。
日出前に起きて食事を済ませパッキングをする。
今回は軽量化のため35Lザックを選択した。

槍見館の横を通って奥に行く。

笠ヶ岳(クリヤ谷)登山口

05:45 登山口着

新穂高温泉の無料駐車場から県道475号線を中尾高原方面に歩く。
登山口の目印は付近を流れる川の右岸にある槍見館だ。
アスファルトの道を淡々と歩いて中尾橋を渡って右に折れて新穂高の湯の横を歩いてゆくと槍見館に到着する。
槍見館を右手に見てさらに奥に歩いてゆくと登山口に到着する。

クリヤ谷の渡渉
渡渉ポイントは5箇所くらい。ただし今回は秋だったので沢はほとんど涸れていた。

錫杖岳が見えてきた。

険しい岩場の錫杖岳

色付く木々をぬって歩く。

西穂高方面
ガスがかかり始めている。

焼岳

クリヤの頭は近い。

クリヤ谷を離れると本格的な登りとなる。
気が付くと随分と登ってきたようだ。

雷鳥岩手前

雷鳥岩
雷鳥に似ているのだろうか。

 

09:40 雷鳥岩着

登山口からはしばらくクリヤ沢沿いを歩く。
今回は秋なので水量が少なく涸れ沢となっている。
渡渉ポイントは約5箇所あったが、ほとんど涸れていた。
険しい岩肌を持つ錫杖岳を横目に見ながら進み、クリヤ谷を離れるといよいよ本格的な登りとなる。

登山地図に最終水場が載っていたので、体力温存のために登りに必要な最低限の水を入れて歩いていた。
ところがクリヤ谷を離れる頃になると水量が少なく、伏流していたり登山道から沢が離れていたので、少しヒヤヒヤものだった。
早めに水を汲んでおくほうが安心だった。

クリヤの頭を目指して急な登りを登ってゆく。途中それらしいところ2箇あったが、シンドくて考える事なしに登っていたので、結局クリヤの頭は分からずじまいだった。

尾根に出てしばらく歩くと前方に特徴的なピークが見えてきた。
どんどんと登ってゆくと白っぽい岩場に到着した。
おそらくこれが雷鳥岩だろう。

雷鳥岩から山頂へのルート。
ピークがガスに隠れつつある。

雷鳥岩を振り返る。

雷鳥岩を振り返る。
なんとなく雷鳥に見えないこともない。

雷鳥岩からはトラバース気味に高度を上げてゆく。
振り向いてルートを確認し自分の体力の無さを正当化する。

ガスが下りてきた。

笠ヶ岳山頂
今か今かと待ちわびた山頂、いきなり視界に飛び込んできた。

山頂にある社

11:55 笠ヶ岳山頂着

山頂手前ですっぽりとガスに覆われ視界が効かなくなった。
一歩一歩着実に歩を進めてゆくと突如として山頂が目の前に現れた。
現金なもので山頂に着くと山頂手前の急な登りでバテていたことなどすっかりと忘れてしまう。

笠ヶ岳山荘に向かって下山する。

ガスの中から現れた笠ヶ岳山荘

山荘入り口

12:05 笠ヶ岳山荘着

天気が怪しいので先を急ぐ。地図でみると山荘まで近いが分厚いガスに阻まれて見ることが出来ない。
山頂から5分ほど下るといきなり山荘が目の前に現れた。
小屋前に下がっていた温度計を確認すると13.5℃を指していた。
小屋の中に入りテント受付を済ます。

 

12:15 テント場着

テント場は小屋から下って3分ほどの場所にある。
今にも雨が降りそうな状況となってきたので、急いで場所を選定することにする。
天気が崩れて風が吹きそうな気配を感じたので、一番高い防風壁があるところにツエルトを設営することにした。

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12:45 ツエルト設営完了

テント場には適度な石がゴロゴロしているので、ペグ代わりの石に困ることはなかった。
ちょうど設営を完了したころから小雨がぱらつき始める。ギリギリセーフだった。
秋は水場は涸れているので小屋から分けてもらうことになる。プラティパスの水筒を下げて小屋にゆき水を頂いた。

 

笠ヶ岳山荘テント場情報

利用料 一人 500円
広さ  30張程度
状況  石が多くペグ代わりの石に困らない。サイト内に何箇所か石で防風壁が作られて風を凌ぎやすい。
トイレ なし。小屋の内トイレを使用する。

水場  お盆過ぎまでは水場あり。(雪渓より)
    秋季は水が涸れるので小屋から分けてもらう。(天水)テントサイト利用者は無料で分けて貰える。

参考 笠ヶ岳山荘HP

 

二日目(10月11日)

05:00 起床 

4時半頃一度起きて二度寝する。生憎の雨の天気だ。早めに出発出来るようにご飯の準備を急ぐ。

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06:55 ツエルト撤収

雨の中の撤収で意外と時間が掛かる。出来るだけ水気を切りたいところだが、大降りの雨なのでさっさと袋にしまってザックに放り込む。

07:20 小屋出発

ツエルトを撤収すると一旦小屋に戻りトイレ大を済ませて水筒に水を分けてもらう。
準備を整えて雨天の中に出てゆく。

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07:50 抜戸岩

雨天の中の歩行で視界が悪く現在位置を掴みにくい。
特徴のある岩場にやって来た。これが地図記載の抜戸岩に違いない。
付近に看板はない。

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08:20 笠新道分岐

雨が降ったり止んだりの天気でどうも調子が乗らない。ようやく笠新道分岐までやって来た。

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08:25 抜戸岳分岐

笠新道の分岐から5分程度歩くと抜戸岳山頂の分岐が現れた。
視界が悪く展望を望めないので、そのまま通過する。

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09:15 秩父平着

何故か今日は体調が優れない。昨日の笠ヶ岳の登りで体力を消耗しすぎたのかもしれない。
稜線から少し下がったところにある秩父平にやって来たので休憩をすることにした。

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弓折岳の手前でようやく雨が上がってくれた。

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11:00 弓折岳

すでにバテているので歩行が思うように捗らない。
幸い雨は上がってくれたものの視界はまだ回復しない。もう少しの辛抱のようだ。

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11:05 弓折乗越着

弓折岳から少し下ると弓折乗越に到着する。
小池新道の分岐となる場所だ。ここから30分ほど下ると鏡平山荘に行くことが出来る。
ようやく視界が開けてきたので合羽を脱いで乾かすことにした。
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ガスが晴れて鏡平方面が見えてきた。

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雲の切れ間から穂高岳が見える。

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双六岳もばっちりと見える。

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笠ヶ岳方面を振り返る。

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槍ヶ岳も見える。
タイミングを図って穂先が見えた時に撮影する。

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双六小屋までの縦走路はそんなにアップダウンはないが、体力の消耗で一向にペースが上がらない。
天気が晴れて景色に慰められながら歩く。

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双六小屋手前双六池付近から撮影する。

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双六池の向こうに見える笠ヶ岳を撮影する。

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12:15 双六小屋

バテていたがほぼコースタイム通りに到着する。今回は軽量化装備なのに体が動かない。
小屋は冬を迎えるための小屋仕舞いの作業をしているところで、夏期の間に設けられている水場はすでになかった。
おいしい水を期待していたが、仕方ないので少し休憩して出発することにした。

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12:35 巻き道ルート分岐

小屋から少し上ると巻き道ルートの分岐に到着する。
せっかく天気が良くなったところだが、すでにバテていたので三俣への近道となる巻き道ルートを選択することにした。

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鷲羽岳、水晶岳が綺麗に見える。
黒と白のコントラストが美しい山だ。

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14:05 三俣峠

アップダウンの少ない巻き道を歩くものの余力が殆ど無く、厳しい歩行となる。
何度も立ち止まっては休むの繰り返しで一向に前に進めない。
しかし時間が早いので焦りはない。

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三俣峠から三俣山荘に向かって下りてゆく。
テントサイトは小屋の手前になる。

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15:15 ツエルト設営完了

あまりに疲れたので、先にツエルトを張ってから山荘でテントの受付を済ますことにした。
出来るだけハイマツに囲まれて風の影響を受けないところに設営した。

 

三俣山荘テントサイト情報

利用料 一人 500円
場所  小屋から300mほど離れた黒部五郎岳方面の分岐付近にある。
状態  サイトは石が多いのでペグ代わりの石に困ることはなく、凹地にあってハイマツに囲まれているので風当たりは弱い。
悪天候でも十分やり過ごすことが出来る。小屋から離れているので発電機の音は聞こえず静か。
水場  サイト内にあり。秋にも関わらず水量は多い。
トイレ なし。小屋の外トイレを使う。
その他 サイトの片隅にコンクリ製の避難小屋らしきものがあったが、入口は鍵がかかっていた。

 

夕方から深夜0時までは土砂降りの雨となる。一時雨が上がるが風が非常に強い。
ツエルト内は浸水した。ツエルトタープとシュラフカバーが無ければ寝られない状況だった。
土砂降りの途中で5回ほど雷が鳴る。寒冷前線が通過して厳しい冷え込みとなった。

 

三日目(10月12日)

05:00 起床 くもり 風強い

昨晩の浸水でツエルト内は水浸しとなっている。
湿っぽい体で朝食の準備をする。

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07:10 出発

今日はツエルトを張ったままで鷲羽経由で水晶岳ピストンを行うことにする。
荷物は必要最低限に絞る。

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鷲羽岳の登りで雷鳥に遭遇する。
夏から冬毛に変わる途中のようだ。

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08:00 鷲羽岳

山荘を出ると常時20m/s以上の強風が吹き荒れる。
ガスで視界が効かず時々小雨も降る。
登りの途中で暑くなったので、合羽の下の長袖シャツを脱ぎTシャツに合羽のみとなる。
山頂に着くと視界が効かず風に吹かれて寒くなるので先を急ぐことにした。

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08:30 ワリモ北分岐

鷲羽岳を過ぎると途中ワリモ岳を通過する。寒いので立ち止まること無く進むとワリモ北分岐に到着する。

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08:50 水晶小屋分岐

軽装で風に吹かれて寒いので、ペースを上げても暑くなることはない。
昨日と打って変わってのハイペースだ。
一気に水晶小屋分岐までやって来る。

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山頂の標識が見えてきた。
もうすぐ水晶岳のピークだ。

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09:15 水晶岳

水晶小屋からも黙々と歩く。
視界が悪いので景色に気を取られることがない。
立て続けに100名山のピークを踏む。

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水晶小屋に向かって下山中

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09:35 水晶小屋

行きは少し様子を見に小屋に寄ってみたが、帰りはそのまま通過する。
水晶小屋はすでに小屋仕舞いとなっているため人気はない。

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09:50 ワリモ北分岐

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10:05 ワリモ岳

時間がまだ早いので帰りはワリモ岳のピークに寄ることにした。
縦走路から少し登るだけでピークに立てる。

10:20 鷲羽岳

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11:15 三俣山荘テントサイト着

ほとんど休憩すること無く三俣まで帰って来た。
本日は行動食は食べずに水だけ飲んだ。
時間が早いが少し昼寝することにした。

昼より再び雨となり、時々大粒の雨となる。
気温が下がり雪混じりの雨となってくる。
16時半での気温は7.6℃
ツエルト内は浸水して湿っぽいが、シュラフカバーのお陰でシュラフは湿っぽいもののそこそこは暖かい。
寝ているとシュラフカバーのシームテープが剥がれている要修理箇所を発見する。

 

四日目(10月13日)

04:30 起床 0.5℃、快晴、若干の積雪

昨晩は随分と冷え込み、多少の積雪がある。ツエルトは相変わらず濡れたままなので出発を急ぐことにした。

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06:20 出発

濡れたままのツエルトを撤収し荷物を整える。
周囲の山を見渡すと薄っすらと雪化粧している。

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テントサイトから鷲羽岳を撮影する。

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三俣周辺にようやく日が差す。

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丸々と太った雷鳥が現れた。

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07:00 三俣峠

三俣峠からは三俣蓮華岳に登って稜線ルートをゆく。

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07:10 三俣蓮華岳

これまでの悪天候が嘘のような素晴らしい天気だ。
360度方向雄大な景色が広がる。

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黒部五郎岳方面

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雲ノ平、薬師岳方面

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槍ヶ岳方面

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08:10 双六岳

三俣蓮華岳からは稜線をゆく。
スッキリと晴れ渡る青空に吸い込まれて行きそうだ。
軽快なステップで歩くといつの間にか双六岳に着いた。

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双六岳から笠ヶ岳方面を望む。これまで歩いてきた縦走路がよく見える。

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稜線ルートを下りる。はっきりしない尾根なので視界不良は注意。

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08:40 中道分岐

双六小屋~三俣蓮華岳は稜線、中道、巻き道ルートの3本ある。
まずは中道の分岐に到着

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08:41 巻き道ルート分岐

中道分岐から巻き道ルート分岐までほんの僅かな距離だ。

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昨日までの悪天候が嘘のように晴れ渡っている鷲羽岳方面
また今度天気が良い時に来ることにしよう。

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09:05 双六小屋

小屋のトイレに寄って大を済ます。
テントサイトを覗くと随分とたくさんのテントが見える。

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双六小屋(冬期小屋)
西鎌尾根の登り口方向の片隅に冬期小屋がある。
もちろん今は施錠されていて使用できない。

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09:40 ダテ沢岳分岐

双六小屋を出るといよいよ槍ヶ岳に向かって西鎌尾根を歩く。
小屋からの急な登りを登り切るとダテ沢岳分岐に到着する。

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09:45 ダテ沢岳(2,754m)
分岐から少し歩くと展望の良いピークに出る。

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ダテ沢岳より西鎌尾根~槍ヶ岳を撮影する。

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10:15 硫黄乗越

ダテ沢岳の登りで体力をしたようで徐々にペースが落ちてくる。

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赤岳方面
名前のとおり赤っぽい山だ。

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徐々に槍ヶ岳が近づいてくる。
西鎌尾根は今回の山行の一番おいしい部分だ。

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11:15 左俣乗越

登山地図には乗っていないところ。左俣岳手前付近か?
バテてしまい全く体が動かない。

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12:25 千丈乗越

ダテ沢岳を過ぎてからはペースが徐々に落ちてくる。
頻繁に休むが体力が回復しない。休み休み歩いてどうにかここまでやって来た。

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13:25 槍ヶ岳山荘着

千丈乗越から槍の肩に向かって登ることになる。
休んでは歩き、歩いては休み、ひいひい言いながらようやく山荘に辿り着く。

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ツエルトを設営したところ。
今日の槍ヶ岳山荘はお客さんが多く超満員だった。テント場も同様で到着時間が遅かったにも関わらず、なんと最期の一張分のスペースが残っていた。
一旦下山して殺生ヒュッテ泊まりを覚悟していたが、運良く空いていた。
どうして一張分だけ残っていたのかというと、サイト中央付近に小さな水溜りがあるだけだった。
もちろん、そんな些細なことは私にはどうでも良いので、雲上の極楽スペースを確保した。

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サイト内には何故か空きスペースあり。
私の隣には同じアライテントのツエルトが張られていた。
嬉しくなって話しかけて情報交換を行う。

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槍ヶ岳テントサイトから大喰岳を望む。

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殺生ヒュッテ、ヒュッテ大槍、その向こうには常念岳がそびえている。

 

槍ヶ岳山荘テントサイト情報

利用料 一人 700円
場所  小屋から50mほど離れた大喰岳方面にある。30張
状態  サイトは岩場が多いのでペグ効きは悪いが、石が多いのでペグ代わりの石に困ることはない。
人気のサイトなのでシーズン中は午前中までに受付を済ませないと張れないこともあるそうだ。
景色は良いが風当たりが強いので荒天時は少し下がった殺生ヒュッテで設営する方が無難。
水場  なし。小屋で1L200円で購入する。
トイレ なし。小屋隣の外トイレを使う。
その他 サイトの場所はテントの大きさや人数によって小屋側が決定する。
利用者は木札を目立つところに掲げておく。

参考  槍ヶ岳山荘HP

 

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テントサイトから夕日を眺める。
ツエルトを張り終えて一息ついて槍の穂先に登ろうかと思ったが、見ると結構な登山者がいて時間が掛かりそうだったので、明日登ることにした。
今日はゆっくり休み体力回復に務める。

 

五日目(10月14日)

06:00 起床 5時時点での気象 晴れ4.5℃

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ゆっくりめに起きると朝食の用意をする。
玄米ご飯(ごま塩)、味噌汁

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07:30 出発

軽装で穂先に登ることにした。
ほとんどの人はもう下りてきているので穂先の登り降りはスムーズに行くことが出来る。

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07:50 槍ヶ岳山頂

渋滞もなくスムーズにピークに立つことが出来た。
今日も天気が良く360度の素晴らしい景色が広がる。

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ヒュッテ大槍
まるで空中都市のようだ。

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槍の穂先を振り返る。

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09:00 山荘出発

穂先から戻って一息つくとツエルトの撤収を始める。
次の台風がやって来ている影響がそろそろ出始めるようだ。
本日は新穂高に下山するだけなので時間の余裕があるが、あまりのんびりしてはいられない。
名残惜しいがこれより下山開始する。

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09:20 大喰岳

テントサイトから良く見えていた大喰岳に向かって歩き出す。
気持ちの良いルートであっという間に到着する。

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穂高岳方面の縦走路を写す。

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09:50 中岳

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徐々に迫ってくる南岳

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遥か彼方に険しい穂高の山々が見える。

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10:20 天狗原分岐

景色がよくて体調も良いので歩行のペースは申し分ない。
楽しい縦走路で時間を忘れる。

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眼下に槍平小屋が見える。

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10:35 南岳

あっという間に南岳までやって来た。このあとは南岳小屋から南岳新道を通って下山することになる。
この素晴らしい景色ともあと僅かでお別れだ。

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まもなく南岳小屋

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南岳小屋は営業終了し小屋仕舞いの最中であった。
屋根には布団が干されている。

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屋根いっぱいに干された布団

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南岳小屋から少し南に行ったところに、穂高方面の展望が良い場所がある。
ここから見る大キレットは迫力満点だ。

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10:50 南岳小屋

展望台からの穂高の景色を堪能すると下山することにした。
名残惜しいが仕方ない。

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テントサイト内を通って下山する。

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急な斜面を下りて少し平らな場所に出た。
標識が削れて字が読めない。?平とある。

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南岳方面を振り返る。
南岳新道は急な尾根沿いの道で西尾根沿いにある。
木製梯子が多いが、傷んでいるのも多く危険なので慎重に下ってゆく。

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槍平に向かって急降下してゆく。
下山中のルートは新しい尾根沿いの方だが、右手の谷沿いに旧ルートが見える。
段差が大きいのでクッションを意識するが、それでも膝にダメージが蓄積してゆく。

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12:50 槍平小屋

急な道を下ってようやく槍平に到着だ。
下り坂で若干膝にダメージを受ける。

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少し遅い昼食タイムとする。
広いウッドデッキにゴロンと横になって疲れを癒やす。

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広大なウッドデッキ
山中ではテント以外に横になる場所はないので、こういう場所は非常に嬉しい。
立ち寄った際は是非一度横になって空を見上げて欲しい。

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槍平小屋入口
まだ営業中であるが、小屋仕舞いの準備で忙しそうだ。

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滝谷

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14:05 滝谷避難小屋

槍平小屋のウッドデッキが想像上に居心地が良くてつい長居をしてしまう。
結局30分以上は休んでいたかもしれない。
槍平からは飛騨沢沿いに歩く。随分と下りてきたとはいえ油断は禁物だ。
一歩一歩確実に歩を進める。

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白出沢
治山工事の最中で重機が動いている。

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白沢の登山者休憩場所
工事関係者が好意で設置してくれている。
脇には仮設トイレが設置され急な大にも安心だ。

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14:45 白出沢分岐

滝谷避難小屋を過ぎると徐々に傾斜が緩くなって歩きやすい道となる。
白出沢を過ぎて少しゆくと穂高岳方面の裏口となる白出沢分岐に着く。

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白出沢からは快適な林道歩きとなる。
ただし、工事用車両が通るので油断は禁物。

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穂高牧場
放牧中の牛はいない。

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15:15 穂高平小屋

牧場の向かい側、林道の右手に小屋が見えてくる。
営業中らしいが、閑散としている。

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穂高小屋を過ぎると左手の小道をゆく。
そのまま林道を歩くと大回りになるので、ショートカットルートをゆく。
入口に看板はないので見落とさないように注意が必要だ。

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新穂高ロープウェイ駅付近の有料駐車場は結構賑わっている。

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新穂高無料駐車場の入口
ロープウエイ駅を過ぎると川沿いの小道があるので、そこをゆくと無料駐車場への近道となる。

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15:55 新穂高無料駐車場着

穂高平小屋からはショートカットルートを通り時間を稼ぐ。
林道のカーブ付近には何箇所かショートカットルートがあるが、少し分かりにくい。
しかし、穂高平小屋近くのショートカットルートだけは見落とさないようにしない。
林道をそのまま行くと随分とタイムロスとなる。
ロープウエイ駅が見えると駐車場まであと僅かだ。
川沿いの小道をしばらく歩くと懐かしの駐車場が見えてくる。
ようやく4泊5日の秋の山行第一弾も終わりを迎えた。

 

sinhotaka_p_map

*画像をクリックすると詳しいPDFファイルが閲覧出来る。(2014.7ver)

新穂高無料駐車場情報

名称  市営新穂高第3駐車場
台数  約200台
料金  無料
場所  新穂高ロープウエイ駅手前のスノーシェードの途中から左に入ったところにある。
川を挟んだ深山荘の向かい側。
水   なし
トイレ シーズン中は駐車場内に仮設トイレあり
(10月3連休明けの15日にロープを掛けれて使用不能となった。冬期は撤去される。)

その他 第3駐車場が満車の場合は、鍋平の無料駐車場に停める。
ただし少し遠い。

地図は深山荘の場所
駐車場は深山荘の向かい側

感想

今回の山行はツエルト使用の軽量化で臨んだが、バテる場面が多くトレーニングの必要性を強く感じた。
クリア谷、双六岳付近、西鎌尾根などで極度にバテて思うように動けない状態であった。
食料が不十分だったかもしれないが、それ以上に体力の無さが原因だ。
もう少し体を鍛えておかないと、35Lザックを背負っての歩行なのに行動範囲が広がらない。
今後はもっと真剣にトレーニングに取り組む必要がある。

 

装備品

35Lザック、ザンバランの軽登山靴、夏用登山靴下(速乾性)、登山用ズボン(ストレッチ性)、帽子(カリマーのワークキャップ)、タオル、軍手、Tシャツ(速乾性)、パンツ(速乾性)、長袖シャツ、ツエルト、ツエルトフライ、グランドシート、ツエルトポール、張り綱2本、ペグ10本、ナルゲンボトル(1L)、プラティパス(2.5L、ハイドレーション付き)、コッヘル(チタン製ソロ用)、フォーク、マイクロレギュレーターストーブ、ガスボンベ中1個小1個、ラジオ、携帯電話、コンパス、25,000の1地形図、メモ帳、ボールペン、ウエストバッグ(モンベル)、シュラフ(モンベル#3)、シュラフカバー、フリース、カッパ上下、ザックカバー、下着着替え(靴下、パンツ、Tシャツ)各1枚、ヘッドランプ、収納袋(ジャックウルフスキン)、ピンチ缶(携帯バッテリー、電池単4✕4ほか)、多機能ナイフ、笛、ビニール袋数枚

ガスボンベ使用量 ボンベ小 未使用、ボンベ中(SOTOトリプルミックス)2/3使用

 

食料

玄米10食分、みそ(小袋に適量)、ピーナツ・にぼし・乾燥わかめ・こんぶ・黒ゴマ・高野豆腐(各適量)、サバ水煮缶✕2、レトルトカレー2袋、バナナ3房、きゅうり1本

食料残り 玄米3.5食分、みそ・黒ゴマ少々のみ

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