北海道ヒグマ対策装備品の使用報告

こんにちは。からあげです。

 

ヒグマ対策装備品についての使用報告 2015.6~10 北海道

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今日は北海道の登山で必要不可欠なヒグマ対策について詳しく報告しようと思う。
2015年、北海道での登山は初めてだったので、事前にネットで情報収集してヒグマ対策の装備品を買い揃えることにした。
現地でも入手可能かもしれないが、不慣れな北海道でバタバタするのは嫌いだった。

ところが実際に現地に行ってみると、フードコンテナを除いた装備品は購入可能だった。
旭川の登山用品店「秀岳荘」では、熊撃退スプレー(ストロンガー、ノーマル)、専用ホルスター(マジックテープ、プラスチックバックルタイプなど)と熊よけ鈴などが充実して、さすがは北海道のお店だと思ったものだ。
店頭価格はネットで購入するのとほとんど変わらない。

ただ、フードコンテナだけは、北海道内の立ち寄ったお店ではどこも販売しておらず、ただ一箇所知床のビジターセンターで1日1,000円でレンタルされているのみだった。

それではこれから個別に使用報告をしてゆこう。

ヒグマ対策装備品一覧と重量

フードコンテナ(別売りの専用カバーも購入)
重量 1,739g(カバー込み)

熊撃退スプレー(カウンターアソールトストロンガー、マジックテープ式専用ホルスター)
重量 452g(専用ホルスター込み)

熊よけベル・鈴(鈴は現地のホームセンターで購入)
重量 ベル99g 鈴96g

熊よけ笛(真鍮製の小さなものを新規購入、緑色は以前から持っていたもの)
重量 真鍮製のみ(穴に通した予備の靴紐込み)23g

剣鉈(刃渡り270mm、熊との格闘用)
重量 800g(鞘込み)

 

フードコンテナ

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Bushwacker Backpack & Supply社製のフードコンテナ
(正式名称 クマ対策携帯用食料コンテナ)

知床周辺での活動を考慮して購入した。
実物が届いて実際に見ると、その大きさに驚かされた。

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75Lザックに入れてみると、大きさが改めて分かる。
ハードケースで嵩張るため、パッキングが非常にやり難かった。
専用ケースの箱の写真にあったように、ザックの雨蓋に取り付ける方法は、不安定になり適さないことが分かった。たくさんの食料を入れたコンテナを雨蓋に付けると、重心が高くなってふらつく。

フードコンテナを実際に使用した山行は以下の2回のみ。

7月4日~6日(2泊3日)十勝岳~美瑛岳縦走
7月10日~11日(1泊2日)天人峡~トムラウシ山

 

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2泊3日分の食料

レトルトのカレー、パスタソース、スパゲッティーと袋ラーメンが主。
中にこれだけ入れるといっぱいになった。
パンは入れるとフタが閉まらなくなるので、ザックの雨蓋のポケットに入れた。

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十勝岳付近、カミホロ避難小屋にて。
二人用テント「エアライズ2」と比較すると、フードコンテナの大きさがよく分かる。
夜間は避難小屋内に置こうと思ったが、多数の宿泊客で混雑していたので、テントから少し離れた邪魔にならないところに置いておいた。

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テント内での食事風景
入口にコンテナを置いた。
中にまとめて入れておくことが出来るので、テント内が片付いて快適だった。

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美瑛富士避難小屋では、テントサイトから100mほど離れた風上側の登山道脇に置いておいた。
一晩、クマにイジられることなく無事だった。

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2泊3日の最終日は、食料が減って中にゴミやコッヘルを入れることが出来た。
ゴミはチャック付き袋に入れて匂いが漏れないようにした。

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1泊2日のトムラウシ山登山、ヒサゴ沼避難小屋にて。
このサイトも賑やかでヒグマが出没するような状況では無かった。
夜間はツエルト入り口反対側の邪魔にならないところに置いておいた。
2日目トムラウシ山ピストンでは、残置したツエルト内に余分な食料を入れたフードコンテナを置いていった。

使用した感想

今回は登山者の多い一般登山道を歩いただけだったので、フードコンテナの必要性を全く感じなかった。
食べ物が折れたり潰れたりするなど傷まないテント内が片付くなどのメリットよりも、大きくて重たくて嵩張るデメリットの方が目立ってしまった。
他の登山者でフードコンテナを使用している人は全く居なかったので、自分だけが使用しても意味がないと思った。

ただ、注意する動物はヒグマの他にもキタキツネがいる。
テント内に食料を置きっぱなしにしておくと、荒らされることもあるようなので、コンテナに入れてテントの外に出しておくと安心感がある。
キツネは簡単にテントの生地を引き裂いてしまうので注意が必要だ。
山の麓のキャンプ場でキツネに荒らされたと思われる無残なテントの姿を目撃したことがあり、気をつけようと思った。
ほとんど人が立ち入らないヒグマ高密度に生息する場所では、フードコンテナが役立つだろう。
その時までは山小屋で物入れに使用することになる。

 

クマ撃退スプレー カウンターアソールトストロンガー(CA290)

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カウンターアソールトストロンガー(CA290)

撃退スプレーと一緒に専用のマジックテープ式の専用ホルスターもセットで購入した。

スプレーは専用ホルスターに入れて、たすき掛け前向きに付けたウエストバッグのベルトに通して携帯していた。
するとちょうど胸の高さにスプレーがくるので、手元を見ずに取り出すことが出来る。

実際には使用する場面は無かったが、いつヒグマと遭遇してもすぐに噴射できるように、ホルスターから抜いてセイフティークリップを外して発射レバーに指をかけるまでの動作を手元を見ずに何度も行った。
初めはぎこちない動きだったが、次第にスムーズに抜けるようになってきた。

使用時に注意することは、絶対に風上に向かって噴射しないこと
ヒグマも撃退する激辛な唐辛子スプレーを浴びたら危険。常に風向きを意識していないといけない。
万が一ヒグマと遭遇した時は、立木などを利用して風上に回りいつでも噴射出来る態勢を整えておくことが重要だ。(言うのは簡単。実際に遭遇した時に冷静に対処出来るか不明)
ただ、いつでも風上に回り込める状況とは限らない。
強風や雨天時などは、風下に向かって使用しても効果が低くなることが予想される。
風上から射程距離内に十分引き付けてクマの顔めがけて全量を噴射する。という使用方法は説明書を読んで覚えた。

しかし、実際に山でヒグマと遭遇した場合、パニックになって状況を考えずに噴射してしまい、1回限りのスプレーを無駄に使ってしまうことも予想される。
常に風向きを把握するとともにクマと遭遇しても慌てず冷静に対処する度胸が必要。
山に入る前は実際に噴射レバーを少し引いて試射してみることも大事だが、私は購入したばかりだし勿体無かったので一度も試射は行わなかった。
次回持ち歩く時は事前にやっておこうと思う。

携帯してみた感想

ヒグマは素手で戦って勝てる相手ではないので、携帯しているだけでかなりの安心感があった。
いつでも取り出して噴射できるようにしておかなければ意味がない。
風向きや雨などの気象状況など実際に使用できる場面は意外と少ないかもしれない。
有効に使用するには度胸と技術が必要だ。
いざというとき自分が使えるかどうか登山中ずっと疑問だった。

クマ撃退スプレーは最終手段。出来るだけヒグマと遭わないように、熊よけの鈴などを付けたり、クマの居そうな場所では笛を吹いたり大声を出したりすることの方が重要だと思った。

なお、クマ撃退スプレーは航空機内には持ち込めないので、本州から飛行機で北海道に行く人は現地で購入かレンタルするしかないので注意しておこう。

 

熊よけベル・鈴

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今回の北海道で使用したもの。
ベルタイプと鈴タイプの2種類購入した。
初めはベル1個だけだったが、歩くリズムでたまに音が鳴らないことがあったので、現地のホームセンターで音が鳴りやすい鈴を購入した。

鈴などを付けて歩くと音が出て人間の所在をクマに分かりやすくする効果がある。
クマは基本臆病なので、人間を察知すると自分から避けてくれる。
実際にクマの痕跡や気配がある時があったので、そいういう時は笛も吹き鳴らして賑やかに歩いていた。

鈴などの取り付けは、初めザックのベルトなどに取り付けていたが、ザックに触れたままでうまいこと鳴らなかったり、静かにして周囲の気配を探りたい時に音がしたりして不便だった。

あれこれ試行錯誤した結果、ようやく前向きたすき掛けにしたウエストバッグに取り付ける方法が最良だと分かった。ザックには触れないので大きな音が出やすく、音を出したくない時は鈴を掴んで消音出来る。

普段は鈴を付けるだけにして、沢沿いを歩く時や強風時、クマの痕跡がある時はベルも同時に付けて音量をアップして歩いた。
1個だけだと音が小さいので状況により2個必要だと思った。

風向きや風の強さ、濃霧など気象状況によって、クマは人間を察知しにくくなる。
ただ、音がうるさくて周囲のようすが分かりにくくなって、対向の登山者とばったり出遭ってびっ驚いたことが何度かあった。

音を出して歩くと好奇心旺盛な若グマが寄ってきたりすることもあるそうなので、絶対にクマと遭わないわけないので注意が必要だ。
音を聞いて寄ってくる危険なクマには撃退スプレーで対処する。

 

熊よけ笛

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下の真鍮製の笛は、予備の靴紐を付けて首から下げて携帯していた。
上の緑色のプラスティック製の笛は予備用で、折りたたみナイフと同じ紐に取り付けてウエストバッグに入れていた。

下の笛は軽量コンパクトで音量も大きく甲高い音が出たので行動中非常に頼もしい存在だった。
沢沿いを歩く時や尾根を越えて別の斜面に移った時に盛大に吹いて存在をアピールした。

鈴と違っていつでも音が出る訳ではないので、必要な場面で自分で吹かなければならない。
静かな山行を好む人は、鈴を付けず笛を吹くようだ。
笛は熊よけの他に、遭難して救助を求める時にも必要なので、これは必須の装備だ。
体力が消耗した状態で大声を出し続けるのは厳しい。
安くて一生使えるものなので、鈴・ベルと同様に予備も購入し2個体制とした。

 

剣鉈

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刃渡り270mm刃先が剣のように尖った剣鉈を購入した。
当初はベルトに通して腰に付けようかと思っていたが、実際に歩くと重くて邪魔となったので、ザックの横に付けていつでも取り出せるようにした。
20Lの日帰り用ザックの場合だと身軽なためか、練習してスムーズに取り出せるようになった。

ナタでヒグマの息の根を止めることは全く考えていなかったが、分厚い毛皮と筋肉、皮下脂肪を突き抜けて内蔵にダメージを与えられるように大型の剣鉈を購入した。
携帯しているうちに雨や露に濡れて錆びてしまったので、研いでワセリンを薄く塗っておいた。
それからは刃が錆びることは無くなった。

一度、警察の職務質問を受けた時に、剣鉈を見せて登山の時にクマ対策として持ち歩いていると説明すると、何も咎められることは無かった。

クマ撃退スプレーは、使用出来る状況が限られていて、しかも使用回数が1回のみなので、こうした原始的な武器は安心感があった。
結構な重量があったが、得られる安心感はの方が大きかった。
クマとばったりと遭遇して襲われそうになっても、怯まずに立ち向かって行けそうな気がした。

 

以上、報告おわり

コメント

  1. さく より:

    刃物はお守りですよね。わかります(笑)

    フードコンテナは荷物をベースキャンプ(と言う名の空き地)にデポして軽装で目的地にアタックする時に便利・・・・・・というか必要ですから良い買い物だと思います。木の上に吊るしておけば完璧です。

    • karaage より:

      剣鉈は山小屋で薪割りにも使えるので邪魔にはなりません。

      早くフードコンテナが必要な山域に足を踏み入れてみたいですね。

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