キツネに登山靴を齧られる

おはようございます。からあげです。

今日、ウトロの朝の気温は16度、少々肌寒い。
昨夜は道の駅で泊まった。
朝方トイレに行きたくて助手席ドアを開けてクロックスもどきのサンダルを履こうとする。
片方のサンダルは裏返しになって、もう片方が見当たらない。
さては動物が咥えて行ったに違いない。

普段、車中泊をする時は出入りする助手席側のドアの下にサンダルを置いている。
これまで何度か動いていたことはあったが、見当たらないのは初めてだ。
車の下にあるかもしれないと思って覗いて見た。
すると大変なことに気づく。

車の下に置いて乾かしていた登山靴の片方も見当たらない。
残っていた方は横倒しになり、歯形と唾液が付いていた。
登山靴がどこかに持ち去られてしまった。
見つからなければ一時登山を中止せざるを得なくなる。
どうでもいいサンダルは10mほど離れた駐車場の中で見つかった。

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一箇所齧られた痕があっただけで使用に問題はない。

しかし、肝心の登山靴が見当たらない。

結構重たい登山靴なのでそんなに遠くには行っていないはずだ。
近くの草薮の中で食べようとしたかもしれない。

と思い、車の近くを歩き回る。
サンダルの延長線上のどこかにあると思って、その先を探してみたがどこにもない。
徐々に焦りが出てくる。
登山靴が見当たらなければ、今後の予定が大きく変わってしまう。
何が何でも見付けなければならない。
そう思って必死になって探していると、哀れな登山靴の残骸を発見する。

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3つの欠片がサンダルとは反対方向の駐車場出入口の通路に落ちていた。
この欠片を見る限り登山靴は無傷ではないらしい。
トイレに行ってから二度寝しようと思っていたところだったが、眠気などすっかり吹っ飛んでしまった。
何が何でも探すしかない。
車から欠片の落ちていた延長線上を探してみる。
すると動物によって齧られた無残な姿の登山靴を発見する。

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登山靴左側の内側

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登山靴左側の外側

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大きな損傷箇所は3つ
タン1箇所、アンクルパッド2箇所

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タンの上部が齧られてなくなり、内部のスポンジが見える。

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アンクルパッド1箇所目 フックに近い部分

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アンクルパッド2箇所目 後ろのアキレス腱の部分

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中でも被害が大きいのが、タンの部分だ。
無傷の右側と比べると左側はかなりの部分がなくなっている。

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幸い袋状の部分は被害が少ないので、直ぐに靴が浸水することはなさそうだ。

知床にやって来た初日に結構キツイ洗礼を受けた。
キツネか何かの小動物にやられたのだろう。
登山後はいつも洗った登山靴を車の下に置いて乾かしている。
狭い車の中に置いておくと乾きにくいので、今回も雨が降っても良いように車の下に置いていた。
これまでサンダルが動いていたことがあったが、登山靴を齧られたのは初めてだ。

2015-8-14

 

ちっくしょー!

キツネが悪いのではなく、玄米の臭いのする登山靴を外に置いた自分が悪いのだ。
車中泊や観光客が残してゆく残飯やゴミ目当てに夜な夜なキツネが彷徨いていると思われる。
そんな巡回経路に美味しそうな臭いのする靴があれば、思わず齧りたくなるはず。

もうやってしまったことを後悔しても仕方ない。
これからどうするかが大事だ。
現状で考えられる解決案は3つ。

新品を購入する。

最寄りの登山用品店は旭川、片道約300キロ
下道でも2日あれば戻ってくることが出来る。
ガソリンは約40L消費、1L140円として計算すると5,600円。
それに登山靴代を合わせると約5万となる。

ネットショッピングで購入する方法もある。アマゾンか好日山荘のオンラインショッピングで注文しキャンプ場かどこかに届けてもらう。
ためし履き出来ないのは厳しいが、履き慣れたメーカーのザンバランを選択すればいい。
万が一フィットしなければサイズ交換してもらえばいい。
ただし、そのやり取りをすると費用も時間も掛る。

修理に出す。

ネットで検索すると幾つか登山靴修理の業者が出てくる。
修理に必要な日数は一週間から三週間とバラつきがある。
それに宅急便でやり取りする日数を加えると一月以上掛ることも予想される。
ここは北海道の東の果て知床だ。
業者に問い合わせて一番早く修理できるところにお願いすればいい。
しかし、スピードも大事だが、修理の仕上がり具合の方も大事だ。
やっつけ仕事で適当に直されても困る。

自分で修理する。

登山靴をよく見ると、確かに傷んでいるがアッパーとフックに痛みはない。
しばらくの間なら履けないことはない。
幸いタンを繋ぐ部分は軽傷で、防水能力はそれほど落ちてはいない。
これ以上傷まないようにガムテを貼ったり糸で縫って補修しておく。
外国で靴を痛めた場合の予行練習となる。

 

と以上の案を書いてみたが、書いている内にどうするか定まった。

ここで安易に靴を修理に出すのは非常に危険だ。
荷物のトラブルでどこかに行ってしまう可能性もある。
ここは日本だが、無いわけでもない。
修理も予想以上に日数が掛かってしまうかもしれない。
日数が掛かれば今シーズンの登山時期は終わってしまう。
修理した登山靴を受け取れるのは早くても8月末、遅ければ9月半ばとなる。
9月に入れば降雪の可能性も出てくるので、今のうちに少しでも多くの山を登っておきたい。
新たに靴を買い直すにしても直ぐにダメになってしまうような安物は買いたくない。
靴底張替え可能なしっかりしたものを買うとなると安くとも4万円はする。
同じスカルパのシェルパだが、重たく手入れの面倒なオールレザーの靴を扱う店は少ないだろう。それに買っても馴染ませるのに時間が掛る。
現在のシェルパを馴染ませるのに一年以上も掛かっている。
ダメだ。無理して履いても靴ずれを起こす。
どうせ靴を買うなら足のサイズを測って作ってくれるゴローにしたい。
使い捨てのような登山靴を買いたくもないし買う余裕もない。

結論

よって自分で補修して北海道を乗り切り、戻った後で専門の業者にしっかりと修理してもらうことにする。
これが最善の方法だろう。足に馴染む丈夫な靴は安易な方法では手に入らない。
お金を出しても駄目だ。しっかりと調べて履き比べた上で自分で決めるしかない。
慌てて靴を探してもロクなことにはならない。
ここはじっと堪える。
自分で修理してリペア能力を高める。
そうすれば外国で同様のことがあっても慌てないで済む。
ピンチをチャンスに変える。

ふう~、一時はどうなることかと思ったが、意外と大したことなかった。
ブログのネタが出来たと喜ぶ余裕はなかったが。
よし、羅臼岳登山のプランを練るとしようか。

走行ルート

走行距離???
本日のねぐら 知床峠P

 

おわり

コメント

  1. tarabatara より:

    これは知床に入ってはならぬというお告げだに

    • karaage より:

      いや、これは大事に至る前にクマ以外の野生動物にも気をつけろと教えてくれたのです。

  2. JB23w-9型XG5MT白 より:

    キツネ・タヌキ・テン・ハクビシン様々なのが居ますね。靴を鉄製の檻に入れてから車の下へ置くべきなのですね、勉強になります。

    軽装備ならいっそクロックスで登ってしまう事も考えられるような・・・アタックザックのみで天候の急変などには山を駆け下るってやりかた。日帰りのコースしか組めませんが天候を見計らって高速登山、白人にこのパターンを良く見かけます。

    靴は修理がベストだと思いました。補修では本来の強度が期待できないのでいずれにしても丈夫で軽量なサンダルは必携ですね。災い転じてパワーアップ!を期待してます。

    • karaage より:

      クマ以外は警戒を怠っていました。
      今後夜間は車の中に入れるとします。

      羅臼~硫黄山を縦走したいのですが、シャトルバスのリミットがありもどかしいです。

  3. とりおた より:

    ヤフオクから飛んできました。こんな素晴らしい靴が かわいそうなことに。
    動物の革だから 食べられると思ったのでしょうね。

    • karaage より:

      車内で玄米ご飯を炊いていたため、匂いが染み込んでいたと思います。
      キツネではなく自分が悪かったです。

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