こんにちは。からあげです。
今回は、ガスストーブの決定版、EPIのAPSA-Ⅲを紹介しよう。
重心が低くなる分離型で大型ゴトクの抜群の安定感。大型の鍋を載せてもビクともせず大人数のパーティーにも対応できる。さらにLFA機構搭載で寒さにも強い。
私がこのストーブを購入したのはいつだったろうか。
少なくとも10年以上は経つに違いない。
低温下でも火力が強いので、冬山に持って行ったこともあった。
ただソロ山行ばかりの私には、性能が良くても重たく嵩張るAPSA-Ⅲは不向きだった。
最近は経済的なカセットボンベ式のガスストーブを好んで使うようになったこともあり、押入れの奥深くに眠りっぱなしだった。
今回身の回り品の整理をしようと思い立ち、メンテナンスをしたついでに各部のチェックを行った。
EPI APSA-Ⅲの紹介
サイズ
最大使用時 H90×Φ250mm(ゴトク径/Φ160mm)
最小使用時 H90×Φ226mm(ゴトク径/Φ140mm)
収納時 H180×D96×W104mm
重 量 425g
出 力 3360kcal (230Rカートリッジ使用時)
最高出力 4000kcal (230P+カートリッジ使用時)
ガス消費量 280g/h
燃焼時間 約85分
発売年 2000年
右がAPSA-Ⅱ、左がAPSA-Ⅲ
新旧二つを並べて比べてみる。
APSA-Ⅲのケースのサイズは、105×96×183mm、重さは132g。
ガソリンストーブ(MSR XGK-EX ウィスパーライトインターナショナルなど)のハードケースとして使用できることでも知られる。
ストーブを箱から出したところ。
ストーブ全体
ゴトクを広げてテーブルの上に置いたところ。
ゴトクは二段階調節が可能で、低い重心設定で抜群の安定感を誇る。
それでは各部を詳しくチェックしてゆこう。
ストーブ本体を上から見る。
点火装置の電極
ガスの気化を促進し燃焼の手助けをするLFA機構
ヘッドの内部にメッシュを内蔵し、リフティングを抑えて安定した火力を提供する。
カートリッジ取り付け部
自動点火装置のスイッチが装備されていて、点火しやすいように改良されている。
バルブを操作しながら点火しやすい。
反対側に引っくり返したところ。
カートリッジ取り付け部は、Oリングとシールワッシャーの2重構造となっている。
ホースはしなやかで曲げ伸ばししやすい。
これがAPSA-Ⅱとの大きな違い。旧型はホースが硬くて思うように取り回すことができなかった。
APSA-ⅡとAPSA-Ⅲを並べて比べてみた。
右の小さい方がAPSA-Ⅱ、左がAPSA-Ⅲ。
上から見たようす。
右がAPSA-Ⅱ、左がAPSA-Ⅲ。
ストーブ本体の分解
せっかく道具箱から出して外観チェックしたところなので、久しぶりにストーブを分解して掃除することにした。
バーナーヘッド部を摘んで左回りに回して緩める。
このようにバーナーヘッド部の付け根のところが緩んでくる。
バーナーヘッドを外したところ。
下にスプリングが取り付けられている。
ゴトクと風防も取外した。
バーナーヘッド部
バーナーヘッド部を裏返したところ。
風防おもて
風防うら
これが下部のガスの入口。
電極のようす
ガス入口の部分を分解してみた。
入口の接続部分はテーパー状となっている。
分解清掃に使用した道具
分解したあとはウエスで各部を磨いて、Oリングなどのゴム製パーツにはシリコンスプレーを塗布しておいた。
燃焼テスト
ストーブを元のように組み立てた後は、燃焼テストを実施した。
バルブ全開にして最大火力とした。
バルブを全開にした時のアップ
APSA-Ⅱの時に見られたリフティングという現象はなく、炎は安定していた。
弱火にしたところ。
火力調節はスムーズで、微調節も可能。
非常に扱いやすい。
再びバルブを全開としたところ。
バルブを全開にした最大火力でコッヘルを載せたところ。
炎がはみ出るほど火力が強い。
各部をチェックした感想
やはりロングセラーになるだけのことはある。本当に良くできた作りだった。
2,000年に発売されてから16年の長きにわたり今もなお販売され続けている。
重くて嵩張るが、使いやすくて信頼性があり、今でも使おうという気には十分なる。
今の小屋を建てる前にテント暮らしをしていたころ、大雪に見舞われて屋外に置いていたロケットストーブが使用不能となった。やむなくカセットコンロで煮炊きしようとしたが、火力が上がらず全く使い物にならなかった。
それで思い出したようにAPSA-Ⅲを引っ張り出して点火したところ、勢い良く燃焼してすぐにお湯を沸かすことができた。今でもよく覚えている。
ああ、おっさんの古き良き思い出。あの頃は毎日が大変だったが、充実していたなあ~。