小屋暮らしを始めて早2年~おっさんが語る小屋暮らしのメリット・デメリット~

こんにちは。からあげです。

 

はじめに

今日は小屋暮らしをやってみたいと思っている人に向けて書いてみようと思う。

お題は小屋暮らしのメリット・デメリットについて。
以前、読者から書いて欲しいと言われていたが、ジムニーの整備やパソコン作業に追われて書くことができなかった。
あともう少しで東北に向けて旅立つことになるので、落ち着いて考えて書く暇は今しかない!
そこでおっさんの思ったままを書くことにした。

私がセルフビルドで山林に山小屋を建てたのは、今から約2年前。
あれから早2年の月日が流れようとしている。

 

小屋で暮らしていると言いながら、実際に暮らした期間はまだほんの僅かだ。
通算しても1年にも満たないだろう。それでも小屋を生活の拠点にして住んでいると、いろいろ経験して分かってくる。

経験こそが全て。

それでは前置きはこれくらいにして、小屋暮らしのメリット・デメリットについて語ることにしよう。
ただし、始めに言っておくが、これは私の小屋暮らしの考えだ。人によってそれぞれ小屋暮らしのスタイルが違う。
そこを前提に読み進めて欲しい。

 

小屋暮らしのメリット・デメリット

自由な暮らしをすることが出来る。

何をやるにも自由。
朝は好きなだけ寝ててもいいし、夜は好きなだけ夜更かしすることが出来る。
小屋に私の自由を阻むものはない。

毎日が日曜日。

物を出しっぱなしにしても口うるさくいう人間はいない。
全てが自分の思い通りになる空間。
自由な暮らしをしたいために、小屋暮らしを選んだこともある。
何もないまっさらなキャンバスに自分の思いどおりの小屋暮らしの絵を描いてゆくことができる。
小屋を建てたばかりの頃は、自分の城を手に入れた気がして凄く嬉しかった。何をしていても楽しくて毎日が幸せだった。
しかし、そんな幸せな毎日はそう長くは続かなかった。
生活費や活動費を稼ぐためにアルバイトをしなければならなかった。

 

生活費が安い

電気・水道・ガスなどのインフラを引かなかれば、非常に低コストで生活することができる。
外部に依存すると生活が便利になるが、その見返りとしてお金を支払わねばならない。

私の小屋は私設水道から水を引いていて、ポンプ小屋の電気代のみ。
電気はソーラーパネルによる自家発電。
所有する家電製品は、PCやスマホ、デジカメ、ヘッドライト、ラジオなどの必要最低限の小物家電のみ。
ジムニーに付けた小さなソーラーパネル(50W)で全ての電気を賄うことができている。

食事の煮炊きは夏場はロケットストーブ。冬場は薪ストーブで行っている。薪作りの手間は掛かるが、燃料代は掛からない。たまに車のガソリンを抜いてガソリンストーブでラーメンを作っている。

食事は完全自炊で主食は玄米。玄米と味噌汁に鯖の水煮缶が付く程度で至ってシンプル。
食事の用意や後片付けに手間とお金を掛けたくない。
毎日同じものを食べても平気な質なので、食費は毎月1万から1万五千円程度と安くついている。

 

外界の影響を受けやすい

小屋は高気密高断熱の現代住宅とは違って、あちこち隙間があって外界の影響を受けやすい。
夏は暑く冬は寒い。
夏になると葉っぱが茂って直射日光が当たる時間は短く、小屋の中はかなり涼しい。
壁と床には断熱材をたっぷりと入れているが、冬はかなり寒い。断熱材のない天井とロフト壁のプラダンから熱が逃げてしまうため、真冬はストーブがないとキツイ。
薪ストーブを設置するまでは、小屋の中でツエルト(簡易テント)を張ってその中で寝ていたこともある。

山林内の場合は湿気がもの凄い。
雨が降り続くと小屋の中がジメジメしてきて気分まで湿っぽくなってくる。洗濯物は乾かなくなり直ぐに着替えがなくなる。
そのため、雨が続く時は下着さえも着替えないことが多い。
天気が回復して日が照ってくると、あらためて太陽の偉大さに気付かされる。

 

何事にも手間がかかる

小屋暮らしは安く済む代わりに手間がやたらとかかる。
湿気の多い山林に建てた小屋は傷みやすい。そのため、暇さえあれば小屋のメンテナンスをしている。

床下に潜っての防腐防蟻作業、剥がれて浮いてきた外壁の漆喰の手直し、ブルーシートタープの張り綱の修理、降り積もった落ち葉の後片付け、薪ストーブの煙突掃除、草むしりなど、次から次へとやることが出てくる。

ちょっとでも作業をサボると、直ぐに生活に支障が出てくる。
水は水道があるので汲みにゆく必要はないが、煮炊きと暖房に薪を使うので、常に薪割りをしなければならない。
ご飯を炊くにも薪だと、1時間くらいは掛かってしまう。

生活コストが安いのは、単に自動化されていないだけ。自分で全てやらねばならない。
これらの面倒な作業を楽しめないと、かなり辛い生活となる。

毎日がキャンプ気分

小屋の外に一歩出れば、もうそこは山の中。
広大な遊び空間が広がっている。

キャンプと言えば、焚き火。
夏場は外のロケットストーブで煮炊きするため、常にキャンプ気分が味わえる。
小屋を建てるまでの約10ヶ月間はテントで暮らしていたが、さすがに長期間になると何もかもが面倒で嫌になった。

便利過ぎず、不便過ぎない小屋暮らしが私には丁度いい。

過酷な生活環境だと日々を楽しむ余裕がなくなってきて、毎日が精神修行となってしまう。

新緑の季節はまさにこの世の極楽だ。
美味しい空気を吸い、小鳥のさえずりを聞きいていると、自分の些細な悩み事などはどうでもよくなってくる。
都会では絶対に味わえない豊かな暮らしがある。

小屋暮らしまとめ

以上のようにいろいろ挙げてみた。
メリットとデメリットは表裏一体なので、デメリットを返品してメリットだけを受け取る訳にはいかない。

読者の小屋暮らしの夢を壊すつもりはないが、デメリットも受け入れて楽しむ気がなければ、小屋暮らしはただ辛いものになり、そう長くは続かない。全てを受け入れて不便な小屋暮らしをするか、便利な生活を捨てられずに都会での暮らしを続けるかの二者択一。
間を取ると中途半端になってしまう。

小屋暮らしには「ひと目を気にせず、潔癖症でもなく、自分のことは自分でするDIY好き」が向いているように思える。

 

小屋暮らしは自分で創る。
そう全ては本人次第なのだ。

コメント

  1. 一式陸攻 より:

    生活感あふれる隊長の小屋暮らしのメリット、デメリットは、大変勉強になりました。
    メリットに関しては、フランスの思想家ルソーのような自由が味わえる点が大きな魅力です。通勤、近所付き合い、衆人の監視がないパーソナルスペースは、憧れます。小屋生活に関しても適度に不便なのが、人間の生活らしさということでしょうか?隊長は、なんでも自動化され、お金がかかる生活から解放されている。しかし、全てがアンチではなく自動車、ソーラーシステムと適度に文明を取り入れながら、小屋生活を楽しまれている。
    小屋の隣に薪風呂なんかあれば、半日は、焚き火をして、読書をしたり、ラジオを聞いたり、チキンをグリルしたり、楽しめそうです。

    しかし、楽しいことばかりではない。年間65万〜103万までの収入を仕事を楽しみながら得る方法が必要である。そこが、難問、関門海峡です。

    アルバイトに関しては、日本は、不況で30代以上は、なかなか厳しく、労働環境も劣化している。

    最後は、本人次第とは、読者として耳が痛い。

    • karaage より:

      今の私には小屋暮らしはまだ早いようです。
      もう少し大きな車が安くて環境にも負荷をあまりかけないようなものになれば、車上生活したいと思っています。
      同じ所にじっとしていることは耐えられません。

  2. ジョウ より:

    リクエストに応えて下さいまして、ありがとうございます!!
    さすが、経験者は違いますね。実体験が伴っていると説得力があります。
    山小屋ライフの本が出せるんじゃないですか?w

    湿気のことは、全く想定していなかったです。梅雨時が大変なんですね。

    まだ自分には貯金と知識が全く無いので、妄想の段階なのですが、山奥に土地を買って、山小屋orコンテナハウスorドームハウスor地下室(シェルター)なんかをセルフビルドしたら、楽しいだろうなぁと考えています。

    からあげ隊長は、地下室作りには興味ありますか? 山小屋と同等、自分は男のロマンを感じるのですがw

    • karaage より:

      どういたしまして。
      小屋暮らしの本はもう世の中に幾つもありますからね。

      地下室ですか。
      固定資産税を逃れるために地下要塞みたいな家もいいと思いましたが、実際に住むとなると日当たりの悪さや湿気が酷くて大変でしょうね。

  3. 大伴細人 より:

    小屋暮らしは夢もありますが、現実的な部分もかなりあるんですね。

    • karaage より:

      まあ、実際のところ、それほどいいものではありません。

  4. タッキー より:

    僕は仕事でリゾートで働いていますが3食美味しいものが食え ほぼいつでも温泉はいれて温泉プールも利用でき 森の中なので森林浴や渓谷美が楽しめますが 仕事なので毎日日曜日と言うわけではないです。3日か2日に1日は休日です。
    光熱費込みの住宅もあります。

    でも あくまでも寄生しているだけで からあげさんの生活の方が良いのですが 怠け者の僕は真似出来ないです。
    多分 仕事を引退したら海外で暮らし足腰が立たなくなったら国の補助で特別養護老人ホームで暮らすと思います。
    僕のような貧困者は人生すべて寄生するという方法もあるということだと思います。

    • karaage より:

      以前、スキー場で働きましたが、そこで多くのバイトの常連さんがいて驚きました。
      スキーがタダで出来るとは言え、薄給で働くことになりますから。
      人生の時間を随分と無駄にしているなあと思いました。

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