EPI フリーライトチャージャーⅡ 低温下でのガスストーブのパワー不足に!!

こんにちは。からあげです。

 

現在、登山用のストーブは軽量コンパクトでメンテナンスが楽な「ガスストーブ」が主流となっている。ここでは暖房器具のストーブではなく、アウトドアで使われる調理用のものを指す。

ガスストーブはガソリンストーブのようにプレヒートの必要もないし、煤で汚れないので頻繁に掃除する必要もない。良いこと尽くめのように思えるが、1つ欠点がある。それは寒さに弱いこと。一部の機種はガスの気化を助ける予熱装置が付けられていて低温下でも火力を保つことができるが、多くの機種では火力が落ちてしまう。

本日は低温下でのガスストーブ使用時のパワーに役立つアイテムを紹介しよう!

 

EPI フリーライトチャージャーⅡ

おもて

サイズ  H148×W82mm
重 量  63g
対応機種 NEO、REVOシリーズ、BPS シリーズ
対応容器 230 レギュラー、230 パワープラス、 190 エクスペディション
        (中サイズ)

参考リンク メーカーHP(EPI フリーライトチャージャーIIの商品紹介)

 

うら

マグネットが内蔵されていて、金属製のガスカートリッジに取り付けることができる。
取付面はアルミニウム製、接触面積を増やすためにフラットになっている。

下側

バラして全ての重量を秤で実測してみると以下のとおり

全重量    63g
本体のみ 49g
先端部  13g
カバー    1g

作動原理

先端部の真鍮製のパーツを加熱させ、その熱をガスボンベに伝達してガスが気化しやすいように手助けする。

真鍮製パーツは約10mm高さ調節が可能で、より多くのストーブに適合するようになっている。
写真は一番縮めたところ。

10mmほど伸ばしたところ。

あまり伸ばすとアームとの接触面が少なくなり、熱の伝導が悪くなるおそれあり。
アームに目印の線が彫られている。

 

カートリッジの適合サイズは中のみ

ガスカートリッジは大、中、小の3種類あり。
メーカーHPによると、中サイズの230 レギュラー、230 パワープラス、 190 エクスペディションとなっている。

中に取り付けたところ。
マグネットでピッタリとくっつく。
マグネットの力は適度でちょっと触れたくらいでは外れない。外したい時は引っ張れば簡単に外れるようになっている。

大に取り付けたところ。
大は中より長いだけなので、取り付けることは可能。
しかし、メーカーは適合サイズとはしていない。

小に取り付けたところ。
カートリッジが小さくて密着しない。
これでは熱をしっかりと伝達することができない。

気になるのは、「なぜカートリッジ大には適合していないのか?」ということ。
器具は問題なく取り付けることができるのに、メーカーHP商品説明では中サイズのみとなっている。
缶が大きくて内容量が多いために、この器具の効果が出にくいということなのか?
よく分からん。

カートリッジ大が適合しないとしているメーカーの回答

疑問をそのままにしておくと気持ち悪いので、早速メーカーのEPIにメールで質問してみた。
すると直ぐにメールで次のような回答を頂いた。

フリーライトチャージャーⅡの対応容器は中サイズカートリッジの3種類としており、500サイズのカートリッジは対応容器としておりません。

500サイズのカートリッジは冷える面積も大きいことから、中サイズのカートリッジに比べても効果を感じにくくそれに対応するためには重量やサイズも大きくなってしまいますので、現状では中サイズカートリッジのみの対応としております。

メーカーの回答

 

なるほど、カートリッジの表面積に対して、この器具の接触面積が小さいため、効果を感じにくいということか。
大にも対応するようにすると、大きく重たくなってしまうので、登山の使用では現実的ではなくなってしまう。
あとは高さがある大だと安定性が悪くなる。雪上だと下が沈むこともあるので、中サイズのみにしておいた方が無難。ということもあるのだろうな。ふむふむ。
テントの中で鍋をひっくり返して、火傷をしてしまったら大変だ。

 

取り付けと使用の実際例

フリーライトチャージャーⅡは、カートリッジ一体式で風防が干渉しないものに取り付けが可能。
高さ調節ができるので幅広いストーブに対応できる。

EPIとは違うメーカーのものだが、手持ちのストーブで取り付け可能なものが2つあったので、参考までに紹介しておくことにする。
もちろん、他のメーカーや対応機種・対応容器以外での使用は、自己責任となるので注意して欲しい。

EPI STRA ストーブ S-1022 

取り付け例その1

かなり古いストーブ。現行版QUO STOVEのご先祖様のようなタイプだ。
出力2000Kcal/hと火力が弱いので、この器具が大活躍しそう。

上から見たようす。
バーナーヘッドとの距離が多少ある。

横からみたようす

コッヘルを載せて点火したところ。
火力は強火。
炎はコッヘルの底に当たって横に広がるので、先端の真鍮製パーツは加熱されている。
しばらく立ってからアームを触ると熱々になっていた。

 

SOTO マイクロレギュレーターストーブ SOD-300S

マイクロレギュレーターを搭載した寒さに強いストーブ。
低温下でも火力を維持できるように相次いで購入したもの。
風防は干渉するので、同時取り付けは不可。
これまで冬期の使用でも火力に不満を感じたことはなかった。

 

上から見たようす

バーナーヘッドが大きいため、真鍮製パーツとの間は少なめ。

ストーブに点火したところ。

コッヘルを載せたところ。
凄い勢いで燃焼している。
真鍮製のパーツに炎の端がかかり十分加熱されている。

 

まとめ

フリーライトチャージャーⅡは、冬山登山を始めるようになってガスストーブの火力不足を感じるようになってから購入したものだ。
何年か前、年明け早々登った伊吹山の3合目でスノーピーク地(風防付き)を使ってラーメンを作ろうとしたが、火力が弱くて全く使い物にならなかった。
それでフリーライトチャージャーⅡとマイクロレギュレーターストーブ(SOD-300S)を購入したのだが、ストーブの性能が良くてほとんど使った試しがなかった。
そのため実はこの器具の性能はよく分かっていない。

最近のガスストーブは高性能となっているので、さらに出番は減っているかもしれない。
この器具と合わせて寒冷地仕様のカートリッジを使えば、寒さに弱いガスストーブでも低温下で火力不足に悩まされるはずはないはずだ。

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