軽量ポンチョタープの自作

こんにちは。からあげです。

 

関係のない前おき

山梨から実家の愛知にやって来てからは、少し飛ばし気味で寝不足となっている。
昨日も帰りが遅くなり、一昨日はポンチョ自作、3日前はカナダ入国許可証の作業で深夜まで起きていた。
昼飯を食べて一息つくと強烈な眠気に襲われた。
体が睡眠を欲しがっているのが分かったので、無理をせずに2時間ほど昼寝した。
すると頭がクリアとなり体も軽くなった。

ポンチョの自作と並行して、兄貴の車のバッテリーを充電していた。
休みの日に買い物などで近距離しか乗らないため、バッテリーの消耗が激しい。

このまま充電せずに乗っていたら、遠からずバッテリーが上がってしまうことだろう。
無駄に粗大ゴミを作らないためにも充電しておく。
ここで恩を売っておいて、PCTのサポートをしてもらおうという下心もあった。

車はトヨタのカルディナ。
ステーションワゴンタイプのフルタイム四駆だ。
昔の車だけあって作りが無駄に丈夫。
車体も大きくパワフルで、軽自動車のジムニーとは比べ物にならないくらい安定感がある。

ボンネットを開けると、エンジンルームが薄汚れていた。
やっぱりなという感じだった。
兄貴によると「車を購入した時に1度だけボンネットを開けたことがあるだけ」とのこと。すっかり開け方を忘れていた。
「どんだけ機械音痴なんだよ!」と思わずツッコミたくなった。

 

朝早くから充電を始めて10時間ほどでようやく完了した。
キーをひねってエンジンを回すとパワフルに始動した。
充電前とはエンジンの掛かりが全然違う。
機械音痴の兄貴でさえ違いがハッキリと分かったようでとても満足していた。

 

軽量ポンチョの自作

3日前からPCT用のポンチョの自作を始めた。
日本出国まで残り僅かとなり、あまりのんびりしていられない。

3日間かけて本日ポンチョがようやく完成した。
細部の調整はまだだが、だいたい形になった。
試着してみるといい感じだった。
これまでのポンチョと違い圧倒的な軽さで、着用しているのが全然気にならない。

材料の入手

材料は事前にネット注文して取り寄せておいた。
今回お世話になったショップは、自作野郎御用達のOMM(アウトドア・マテリアル・マート)だ。豊富な品揃えで自作心をくすぐられる。
ポンチョ、財布の材料と本物のタイベックを合わせて金額は10,800円と少し。
10,800円以上の購入で送料が無料となるので、送料無料となるように金額を調整した。

送料について(2020年7月現在) 
11,000円以上の購入で送料無料。11,000円未満は全国一律700円。

 

代金はPayPalで決済。クレジットカード(JCB、VISA、Masterなど)も使用可能。
注文してから1週間もかからずに荷物が到着した。
袋を開けると丁寧に梱包されていた。

OMMでは、入手が難しい超軽量のアウトドア用素材をわずかな単位からでも販売してくれる。
ファスナーのスライダーやコードロックなどの小物類を1個単位、ファスナーを10cm単位、生地を1m単位など小さな単位で販売してくれるので、必要なときに必要な分だけ購入することができる。

まさに自作野郎のためのショップ。1ロールまとめ買いしてあとの処理に途方にくれることはない。

 

ポンチョの原型

自作ポンチョの形状は手持ちのプロモンテ アンアクターを真似ることにした。
フード以外はとてもシンプルで、作り方のイメージは簡単にできた。

アンアクターはいろいろな使い方ができるポンチョだが、重たく嵩張るのが最大の欠点。

 

アンアクターはタープとしても使えるようにロープ取り付け用の輪っかが付けられている。
これも真似することにした。
なんでも真似をすることから始まる。

首の穴は楕円形になっていたので、これも同じように楕円形とした。
縫い目はシームテープで処理しない。

ずいぶん前からポンチョを作ろう検討を重ねてしていたが、最終的に既製品の真似が一番無難だと思った。
長方形の単純な形としてタープとしても利用できるようにした。
カリフォルニア南部の乾燥地帯ではポンチョタープのみにしてツエルトを省き、さらなる荷物の軽量化を狙うことにした。

ポンチョ一つあれば、タープ、ザックカバーにもなる。
日除け用に折りたたみの傘を持つので、タープとして張った時でも雨具がなくて困ることはない。

実際のPCTでは、カリフォルニア南部の乾燥地帯をポンチョタープでのみでやり過ごし、荷物の大幅な軽量化に成功、楽に歩くことができた。
 

生地は軽量で防水性のあるシルナイロン

ポンチョタープの生地はオリジナルシルナイロン
ほかに防水袋や財布も自作するために4m購入した。
色は周囲の景色に溶け込むような「ブロンズ・ミスト」とした。

Original SilNylon / オリジナル・シルナイロン

30デニールのリップストップナイロンに対水圧3000mmおよびUV耐性の高いのシリコン・コーティングを施したスペシャルバージョン。通常のシルナイロンよりも若干重いですが、対水圧、クオリティの点でより優れています。

ブロンズ・ミスト
約49g/平米
約1.54m幅
¥1,400. / 1m

SilNylon / シルナイロン

1.1oz/yd(=37.3g/平米)、30デニールのリップストップ・ナイロンにシリコンを両面コーティングかつ染み込ませたもの。コーティング後の重さは約1.3oz/yd=(44g/平米)。非常に軽量で強度のある素材です。また、表面が非常に滑らかで高い防水性があります。シルナイロンは他の防水素材の様にコーティングが片面だけだったり、表面だけにとどまるのとは異なり、両面コーティングでかつ繊維に染み込んでいるので非常にしなやかで平滑性があり防水性が長期間持続します。

各色共通仕様

1.3oz.(1.1oz.ベース) (44g/平米)
約1.53m幅
¥1,800. / 1m

OMMウェブサイトより

 

ポンチョタープの作成

生地がツルツルで非常に扱いづらかった。
定規を当てても滑ってしまい、なかなか長さを測ることができない。

生地はリップストップナイロンで格子状の模様になっている。
この線に合わせてペイントマーカーで線を引いた。

チャコペンは木綿の生地などにはピッタリだが、ツルツルのシルナイロンには色が付きにくくて非常に見づらい。
生地の色が薄いと特に見づらくなる。

100均一で購入したピンクのペイントマーカーを使用した。
黒の油性マジックでも印を付けてみたが、生地が弾いてしまってマジックの成分が乗りにくかった。

ペイントマーカーだとハッキリした線を引くことができる。
視認性は抜群だ!

見た目より作業性の良さを重視した。

生地を長方形にカットして端を解れないように縫ってゆく。
滑りやすいため、しっかり導いてやらないとズレてしまう。

生地の端を縫っているところ。

深夜になってようやく1日目の作業を終えた。
物置部屋の中は道具が散乱して凄いことになっていた。
眠気に勝てなくなったので、作業を止めにして眠ることにした。

端の処理は2回縫って袋状にして解れないようにした。
生地の耐久性を上げる目的でもある。

折り目の幅は約12mm、マジックテープの幅に合わせた。

頭を通す穴の縁を縫っているところ。
曲線のため非常に縫いにくかった。

襟の部分を取り付けているところ。

最後の縫い合わせの部分をどうするか、少し悩んだ。
見た目を気にせずに斜めに縫い合わせて処理した。
細かいことはイチイチ気にしない。

フードの頭頂部を縫い合わせる。
曲線のRがきつくて非常に縫いづらかったので、手縫いで仮止めを行ってからミシンで縫った。

フードを被りやすいように頭頂部を付けた。
これが少し面倒だった。

角度を変えてもう一枚。
ほつれ止めに全周囲を折り返して縫っておいた。
ほつれ止めが地味に手間がかかった。

フードを縫っているところ。

真似したポンチョのように、襟の後ろにフードを取り付けてみた。
試着してみると何だかしっくりとこない。

そこでフードの頭頂部を外してそのまま四角に縫って、襟の部分の上に取り付けることにした。
このオリジナルシルナイロンは、縫い直してもほとんど針穴が残らない。
ツルツルして縫いにくいが、手直ししても生地が傷みにくいので、ある意味扱いやすい生地だった。

襟の上の部分にフードを仮止めした。
一手間かけるだけで仕上がりが全然違う。

ポンチョの隅にロープを縛るためのループを取り付ける。
素材はグログラン・テープ12.5mm。
コーデュラ・ナイロンテープと違い、薄く柔らかくていい感じだった。
こちらの方が合っている。

グログラン 12.5mm

ポリエステル製グログラン織テープです。軽量で強度があり、テントやタープのペグループ、生地周囲の補強等、幅広い範囲で応用が利く便利なテープです。1m単位で販売しますのでカートの数量に必要な数を入力してください。

ブラック
¥50./1m

OMMウェブサイトより

 

テープはハサミでカットし、切り口をライターで炙ってから、このように折って縫い付けた。
こうしておけば、端が解れてくることはない。

ループ取り付け部分は、端材で作った三角の生地を当てて補強した。
その上から4重縫いで3箇所ずつ縫って固定した。

幅12mmのマジックテープを縫い付けた。
マジックテープで二つ折りにしてポンチョの形になるようにする。
マジックテープで簡単に着脱できるようにした。

本日、ついにポンチョが完成した!
作業時間は20時間ほど。
フードの形状がしっくりこなくて、何度かやり直したために時間がかかった。
キチンとした完成図ができていれば、半分の10時間もあれば完成しただろう。

小屋を建てた時と同じように、図面を書かずにイメージで作った。
一つ目で完成形に近づけるのは難しいと感じた。
いくつか作って、自分にあったポンチョに少しずつ改良してゆくことにしよう。

 

ポンチョタープの完成品

それでは完成したポンチョを説明してゆこう!

大きさ 236×144cm
重さ  202g

ループ6つ、マジックテープ(長さ8cm)で両脇を3箇所ずつ留めた。

四隅のループ(表)

対角線上にループを取り付けた。

裏側のようす

三角のあて布をして補強してある。取付強度はこれで十分だろう。

長辺側、中央部分のループ(表)

ここも三角の補強の生地を当ててある。
単純なタープなら自分のイメージ通りのものを作れると確信した。

長辺側、中央部分のループ(裏)

このループにロープを付けて三角屋根のようにして張ることもできる。
ただ、床面積が狭くなってしまうのが欠点。
4隅にロープをとって居住性を重視した片流れで張ることになるだろう。

マジックテープでサイドの6箇所留める。
マジックテープはハサミで切ったまま、周囲を縫って取り付けた。
長さ8cm幅12mmで若干接着力が足りない感じがした。
サイド全面にマジックテープを取り付けると重量が増えるので、簡単に6箇所留めるだけにした。
これは仕方ない。諦めよう。

最終的にフードは襟の上に付けて三角形にした。
襟の部分にロープ、フードの端にゴムを入れて絞れるようにした。
ロープとゴムの長さはコードロックを付けて調整できるようにした。

ポンチョタープの試着

ザックなしでポンチョを着用したところ。
首のところが太すぎて、まるで宇宙服のような形になってしまった!
ほかにフードの頭が尖っているところが気になる。

後ろから見たようす

大きさはジャストサイズ。
バックパックを背負った状態でもパックの底がポンチョにギリギリ隠れるサイズだった。
トンガリ頭が面白い。

横から見たようす

フードのトンガリ具合がよく分かる。
画像を見てゲゲゲの鬼太郎のねずみ男を思い出した。
まともに風呂に入らずに汚い格好をして歩くおっさんは、まさしくねずみ男だ!

角を折り返してトンガリをなくすこともできたが、こちらの方が愛嬌があって面白い。
わざとそのままにしておいた。
このポンチョアメリカ人に間違いなくウケる!
そして面白いハイカーネームが付くことだろう。

あとはタープとして試しに張ってみて各部を調整して、収納袋を作成するだけだ。

 

ポンチョタープを自作した感想

一からのポンチョ自作は、フードの形状にずいぶんと悩んだ。
あとはだいたいイメージどおりに作ることができた。

手持ちのポンチョ「プロモンテ アンアクター」の重さは570g、特製シルナイロンで作ったポンチョタープの重さはたったの202g。
この差は非常に大きい。満足の結果となった。

重量が軽くなったことに加え、タープとして使用すれば、ツエルトを省くことができ、さらなる軽量化をすることができる。
セパレートタイプのカッパと違い、バックパックを背負った状態で被るのでショルダーストラップ周りや背中の生地が擦れて防水性が落ちることもない。
これもポンチョの大きなメリット。

耐風性が劣ることを除き、セパレートタイプの合羽よりも抜群に使い勝手が良くなる。これまで使ってみてそう感じた。

PCTでは間違いなくこのポンチョが大活躍してくれる。
見た目は多少悪いが、機能性は必要にして十分過ぎる。

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