みちのく潮風トレイル【31日目】～石巻から松島～

こんにちは。からあげです。

今日は晴れ間が多かったが、風が強く非常に寒い一日だった。
一時は水を汲む場所がなくてピンチに陥ったが、野宿に最適な公園を見つけて一気に楽勝モードになってしまった。
本当に人生何があるか分からない。
寒さを堪えて鼻水を垂らしながら歩いた甲斐があったというもんだ。

それでは今日の様子をアップすることにしよう。

昨日の野宿場所（石巻市街地　牧山に上る道路の途中）

夜早い時間に数台通ったっきり、交通量はなくなった。
朝4時前、起きる少し前になると、麓から凄い勢いで歩いて登ってくる人がいた。
足音しか聞いていないが、撤収前になると同じ道を下りてきた。
ちょっとタイミングが合わずに話ができなかった。
どういう人なのか凄く気になった。

早朝の石巻を歩く。
まだ車の交通量はほとんどなし。
ただ、パチンコ屋の前には朝から並んでいた。
こんなに早い時間にどうしたんだと思っていると、なんと朝7時のオープンだった。
別に新台入れ替えのイベントではないらしい。
通常営業がこんなに早いなんてビックリだ。
おそらく工事現場の作業員が早起きしてやって来ているのだろう。
別に何にお金を使おうと個人の自由だが、汗水垂らして稼いだお金を博打に消費するなんて非常に勿体ない。
東京オリンピックまでには作業も終わって、一気に仕事がなくなるというのに、景気が良い時に浪費していて大丈夫なのか。
まあ、自分には関係ないからいいか。

今日一度だけパチンコ屋でトイレを借りたが、昔と変わらず湿気た面の兄ちゃんやおっさんが集うヤニ臭い賭博場だった。

旧北上川に架かる橋を渡る。
向こうに見えてきたのは石ノ森萬画館。
石巻近くの登米（とめ）市は、有名な漫画家「石ノ森章太郎（いしのもりしょうたろう）」の生まれ故郷なのだ。

近未来的な宇宙船のような建物。
今日はスルー。
ゆっくり見ていたら一日が終わってしまいそう。

わあ、レッドがいるぞ！

町の中にはいろいろな漫画のキャラクターの像が設置されている。
これは秘密戦隊ゴレンジャーのアカレンジャー。
たしか実写版の戦隊ヒーローものだったはず。
漫画もあったのか。

サイボーグ009の009

リアルで見ていた気がするか、なぜか微かな記憶しか残っていない。
相当小さい頃だったのかな。

石巻駅前

ちょっと寄り道してやって来た。
まだ朝早いというのに意外と人がいる。

駅舎の周りにもキャラクターの像が配置されている。
なんでも漫画の町として売り出しているそうな。
少し年上のおっさんがあれこれ写真を熱心に撮っていた。

初代とは違うが、何代目かは分からない。
仮面ライダーはあまり見た記憶がない。
その頃、親父が不機嫌な頃でテレビを観せてもらえない時期だったかもしれない。

駅前にあるのは石巻市役所。

元デパートのような建物だ。
ちょっとこれはデカすぎやしないか。
まあ、これだったら威圧感はないから入りやすいかも。

駅前から松島方面に向かって国道398号線を歩く。
道路の両脇には大型店が立ち並んでいる。
そのなかでパチンコ屋が異常に多い。

昨日、食料を満タン買い込んだため、コンビニなどにも用はなし。
ただ、トイレをそこら辺でするわけにはいかないので、トイレだけ借りた。

町を抜けると田んぼの中の一本道となる。
遮るものが全くなくなり、風当たりが強くなる。
本当に寒くて寒くて仕方なかった。

しかし、こんな道路歩きもあと僅かだ。
精神修行だと思って淡々と歩く。

ジェット機のモニュメント。
この近くに航空自衛隊の基地がある。
ここは鹿妻駅前のちょっとした公園で、野宿にも良さそうな場所だった。
歩きながら、こんなことばかり考えている。

鳴瀬川（なるせがわ）に架かる鳴瀬大橋を渡っているところ。
中洲は広大な草地となっていて野宿に最適な場所だった。
橋から離れれば静かな夜を過ごせそう。

今日は日曜日で工事が休み。
工事現場の中を通ってショートカットした。
思いがけず時間短縮できて、おっさんはニンマリ。
風当たりの弱い山陰の場所を見つけたので、昼休憩することにした。
当初はパンで済ます予定だったが、ここならラーメンを作れるので、調理器具を取り出して準備を始める。
ポカポカして非常に快適なので、ここで40分ほど休む。

昼休憩の場所から少しゆくと、ちょっと面白いものを発見した。
雨水の回収システム。
カエルの口から入ってアソコから出すのがいい。

いろいろなキャラクターが小舟に乗っている。
やっぱりアンパンマンは人気者だな。

風が吹き抜ける田んぼの道を歩いてから山を越えて海に出るとそこは松島だった。
ただ、防潮堤があるため、海がよく見えない。
ここはJRの無人駅の陸前大塚。
地図で見てここで水を補給しようと思ってやって来た。
その予想が外れてしまった。なんとトイレなしだった！

今日は強気で水少な目で歩いていた。
それが裏目に出てしまった。
町までまだ少しあるが、ここは歩くしかない。

無人駅から歩くこと20分。
地図で目星を付けておいた公園までやって来た。
古浦（ふるうら）農村公園！
ここも津波で浸水したはず。
水が出るかどうか分からない。

公園入口近くにある公民館の外水道の蛇口をひねってみた。
しかし、何も出ない。
水さえあれば、ここは野宿に最適な場所なのに。

ダメ元で奥の方にある壊れかけたトイレの外水道の蛇口をひねる。
なんと水が出た！
もうダメかと思っていたのに、神はおっさんを見放さなかった。

公民館の影にテントを張った。
まだ2時を少し回ったばかりだが、ここでゆっくり休むことにする。
水を満タンにして歩いても無駄に疲れるだけ。
この先、町に入ると良さそうな野宿場所があるとは限らない。
明日に備えてゆっくりしよう。

風が強いので、テントを張るのにかなり時間がかかった。
4本の張り綱を張って防風性を高める。

今は風とおっさんも落ち着いてきた。
ただ、急激に冷えてきたので、さっさとご飯を済ませて寝袋に入ろうと思う。

ゴールの相馬市まで残りわずかとなって、食料を残さないようにと計算して食べてゆくことになる。
理想はゴールにたどり着いた時、カロリーメイトが2袋。
昨日、コメ2kgを買ったばかりなので、全量消費は厳しいが、どんどんと食べて軽くしよう。
カセットボンベは昨日下ろしたばかりなので、このまま行けそう。
余分な地図も捨てて軽量化を図る。

さあて、明日は仙台だな。
気合を入れて一気に通過しよう。

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