こんにちは。からあげです。
PCTの記録を整理して早く中国の準備を始めたい。そんなことを思いながら日々パソコン作業を行っている。単調な作業で投げ出したくなる時もあるが、自分の備忘録としての意味もある。最近、あれこれいろんなことに手を出しているため、ブログに書いておかないとすっかりと忘れてしまう。まだ物忘れには早い年頃のおっさんだ。
- PCT12日目 5月7日 Idyllwildでゼロデイ
- PCT13日目 5月8日 Idyllwild179.4mile地点から198mile付近まで
- PCT14日目 5月9日 198mile地点から220mile付近まで
- PCT15日目 5月10日 220mile地点から243mile付近まで
- PCT16日目 5月11日 243mile地点から266mile付近まで
- PCT17日目 5月12日 266mile地点からBig Bear Cityで補給してから275mile付近まで
- PCT18日目 5月13日 275mile地点から299mile付近まで
- PCT19日目 5月14日 299mile地点から324mile付近まで
- PCT20日目 5月15日 324mile地点からCajon Passを経て349mile付近まで
PCT12日目 5月7日 Idyllwildでゼロデイ
夕方から再び雨が降り続いていたが、夜になると雪に変わった。
夜寒くて目が覚めた。タープは雪に弱く、雪の重みで垂れ下がってきていた。タープに触れた寝袋が濡れて冷たくなっていた。
この日は初めてのゼロデイを取ることにした。狭いポンチョタープの中にいると発狂しそうだったので、晴れ間を縫って外に出かけた。
図書館に寄りたいところだが、あいにくの日曜日で閉館となっている。
スーパーで買い物をしてたらふく食べる。すぐにSan Jacinto Peakを越えてゆかねばならないため、栄養を十分付けておく。
14時前になると雪混じりの雨が止み天気が回復してきた。状況によってはもう一泊しようかと考えているところだった。
朝食 マルチャン×2、フルーツジュース
昼食 フライトチキン×3、チーズ、マルチャン×1、とうもろこし×1
夕食 ???
PCT13日目 5月8日 Idyllwild179.4mile地点から198mile付近まで
朝4時半頃キャンプ場を出発し、San Jacinto Peakの登山口を目指して歩く。PCTへの復帰は一番分かりやすい舗装路を歩くことにした。迷っている暇はない。今日のうちにSan Jacinto Peakを越えて雪のない場所まで歩いておきたい。
山の上の積雪がどうなっているか分からない状態では無理をする気にはなれなかった。ツエルトなしのポンチョタープで雪の中で眠るのは辛すぎる。
アメリカ流雪だるまがお出迎え。周囲には人気がなく静まり返っている。
山の上まで上がると積雪は20cmほどだった。途中で犬を連れたハーフパンツの大男に追いつかれた。どこかで見たことのある人だと思ったら、なんとIdyllwildのアウトドアショップの店長さんだった。日本には、九州、沖縄、北海道と3回も来たことがあるそうな。ハーフパンツにウインドジャケットという格好だったのに、全然寒そうにしていなかった。
彼の話によると、例年San Jacinto Peak麓のIdyllwildは、12月から3月まで雪が降るそうで、4月もそこそこ、5月はたまに降ると言っていた。なるほど、そのたまの雪の日にやって来たというわけか。
朝一で出発したため、ハイカーの姿は全くなし。静かな山を独り占めできた。San Jacinto Peakの山頂へは寄らずにまっすぐ下りることにした。ところどころの雪の吹き溜まりに入ると50cmくらいもあって油断できなかった。
ちょうど日当たりの良い場所でマルチャンを作って食べることにした。
風が強く気温が低いため、ストーブの火力が弱い。寒冷地仕様のガス缶だが全然ダメだ。
せっかく手に入れたガスストーブだが、早くも失望することになる。MSRのガスストーブがこんな使えないとは思いもしなかった。
マルチャン2個作る予定だったが、お湯が沸かずに途中で断念した。始めの1個は温いまま食べた。クッカーが小さくてマルチャン2個がギリギリ。なんてこった!クッカー選びも失敗した。さらにフォークとスプーン。全然手になじまず非常に使いづらい。
残りのマルチャン1個はスープをかけてそのまま食べることにした。子供のころ何度かしていた食べ方だ。この食べ方をするといつも怒られた。
雪の積もっている区間をなんとか脱して下りてきたところ。山頂に寄り道していたら、この日のうちに下山することは出来なかっただろう。ナイスな選択だった。
頑張って歩いて19時過ぎにタープを張る。雨の心配はなかったが、風よけのために張ってみた。長い下りで足がガクガクになり、かなり疲れた1日だった。
寝起 クリフバー×1
朝食 マルチャン×2
昼食 マルチャン×2
夕食 マルチャン×2
PCT14日目 5月9日 198mile地点から220mile付近まで
煩いキャンプ場でうんざりしていた私だったが、静かな一夜を過ごすと気分が凄く楽になった。キャンプ場にいた飲んだくれハイカーたちは私を追ってこなかった。
200mile突破!
この頃は、100mile歩くだけで大変だった。
どんどんと高度を下げてゆく。夢中になって歩いた。
下に下りると水場でマルチャンを作る。
MSRのストーブは風にも弱く、こうして折りたたみ傘で風を遮ってやらないと全然湯が沸いてくれない。バーナーヘッドに付いている仕切りは、単に風が吹いても火が消えないというものだった。
次第に雲が厚くなってきている。天気予報ではこの日雷雨となっていた。
ハイウェイの橋の下
ここがハイカーの休憩所となっている。水場で会ったフレンドリーなハイカーに4mile先の橋の下がシェルターだよと教えて貰った。
トレイルマジックあり。中はビールだけだった。
橋の上には線路があって、超重量級の貨物列車が通っていた。
シートを敷いて橋の下でしばらく休んでいるとピックアップトラックに乗った爺さんが登場する。ハイカーのようすを見にやって来てくれているようすだった。
差し入れのコーラを貰った。冷やす前だったが、そのまま飲んだ。
爺さんは、Cabazon行きのハイカーを乗せると走り去った。
天気のようすを見るため、もうしばらく休んでゆくことにした。
この先の集落にZiggy&The Bearというトレイルエンジェル宅があったのだが、すでにサービスを止めてしまっていた。ハイカーの数が増えすぎて対応できなくなったためだと思われる。
その代わりが橋の下となっているようだった。ここならたいして邪魔にはならない。
San Jacinto Peakを振り返る。
橋の下でしばらく休んでいたが、雷雨の気配はなかったため、先にすすむことにした。
昨日は雪山を越えてきたというのに、再び乾燥地帯で暑くなってくる。寒暖の差が激しくて参る。
White Water Riverの河原で晩御飯にする。名前の通り河原全体が白ぽかった。
久しぶりに水量の多い川で洗濯をして足を洗った。
しばらく川沿いを遡って川から離れる前でキャンプする。
寝起 スニッカーズ×1
朝食 マルチャン×2、ミックスナッツ少々
おやつ ジュース
昼食 マルチャン×1、ミックスナッツ少々
夕食 マルチャン×2
寝る前 スパム×1
PCT15日目 5月10日 220mile地点から243mile付近まで
5時半起床、5時40分出発。
昨晩は、遠くの方でゴロゴロ雷の音がしただけで雨はなし。今日は朝から天気が良い。
かなり奥の方なのに標識が銃で撃たれていた。要するに銃を持って歩いているハイカーがいるということ。不愉快極まりない。
Creek沿いのキャンプサイトで休憩する。今日は水場が豊富で歩きやすい。
風よけに折りたたみ傘をさして食事を作る。本当にストレスが溜まるストーブだ。
食料を全て出して数えているところ。次の町、Big Bear City(266.1mile地点)まではあと1日という距離なので、食べる量を調整する。
下着を替えて洗濯をする。もちろん水洗いのみ。しばらくはそこら辺の立木に干して水をきる。
山火事跡にやって来た。おそらく10年以上前の山火事跡だが、下草が生えるくらいしか回復していない。まだまだ長い年月が必要のようだ。
痛々しい焦げた木々。こういうのを見るとアルコールストーブの使用を止めて良かったと思える。
240mile地点の水場
キャンプサイトから奥に入ったところにあって分かりにくいところ。非常に冷たい湧き水で、気が済むまで大量に飲んだ。
水場の近くのキャンプサイトではあっち行けという雰囲気が凄かったので、そのまま通過して先に進む。ちょうど樹木の切れ間からきれいな夕日が見えた。
19時半まで歩き、トレイルの下に見えた平らなところで、タープ泊をした。
少し風が強かったので、風よけにポンチョタープを張ってみた。
寝起 スニッカーズ×1
朝食 マルチャン×2、チーズ×1
昼食 マルチャン×2、ミックスナッツ少々
夕食 マルチャン×2
PCT16日目 5月11日 243mile地点から266mile付近まで
5時半起床、パワーバーを食べて05時50分出発する。
馬鹿でかい松ぼっくりが落ちていた。直撃を受けたらかなり痛そう。
始めは非常に珍しかったが、そのうち慣れて全く興味がなくなった。
未舗装の林道に出た。
250mile付近の山中で謎の施設を発見する。なんと檻の中にグリズリーがいた。
地図で確認すると、テレビや映画の撮影用の動物とある。苛立った感じで檻の中を行ったり来たりしていた。他にも凶暴そうな動物がいる気配がしたので、足早に立ち去る。
Big Bear Cityの手前で唐突にトレイルマジックが現れた!鉄製の大きな箱とソファーがおかれている。
味のある鉄製の箱。
中にはSodaがたくさん詰まっていた。冷やしてはないが、木陰にあったので、飲みやすかった。
このソファーが異常に気持ちよかった。夕方だったら、ここで泊まっていたことだろう。雨がほとんど降らないので、こうして外に放置しても大丈夫のようだ。
毎日毎日歩いているため、小指に靴ずれができた。始めのころはこうして靴ずれができていたが、次第に足の皮が丈夫になり、靴ずれは全くできなくなった。
町が近づくにつれてヒッチハイクのことを考えると気分は憂鬱になってきた。ハイカーから除け者にされて他人とコミュニケーションをとるのが億劫となっていた。
どうにかヒッチハイクをしないで済む方法はないのか。おっさんは閃いた。1つ目のヒッチポイントをスルーして2つ目のVan Dusen Canyon Roadから4mileも歩いて町に下りてゆくことにした。
寝起 パワーバー×1
朝食 マルチャン×2、スパム×1
昼食 マルチャン×2
夕食 マルチャン×2、スパム×1
PCT17日目 5月12日 266mile地点からBig Bear Cityで補給してから275mile付近まで
この日、朝からヒッチハイクで麓のBig Bear Cityに下りて補給を済ませてトレイルに復帰し、歩けるところまで歩く計画だった。いつもより遅めに起きて朝食を済ませて7時半過ぎにヒッチポイントにやって来た。
すると始めて15分ほどでヒッチハイクに成功する。出発直前、一人のハイカーがちょうど下りてきたところで、車に乗り込んできた。このハイカーが運転手の相手をずっとしてくれたので助かった。
Big Bear City 266.1mile地点 5mileヒッチ
山間にある庶民的なリゾートタウン。夏はキャンプ、冬はスキーで賑わう。町が広いため、移動はヒッチハイクが必須。
トレイルエンジェル宅やリーズナブルなホステルがあるが、泊まらなかったため詳細は不明。
1台目はPost Officeまで。Post Officeからスーパーやレストランがある場所はまだかなり遠いので、2回目のヒッチハイクを行う。
15分位で小汚いピックアップトラックが止まってくれた。元闘牛士の人で怪我をキッカケに止めたのだそうだ。スーパーVONSまで送って貰ったが、降り際にペットボトルのジュースを1ケースもくれるという。扱いに困るので、丁重に断って1本だけ貰った。
やって来たのは町一番のスーパーVONS。VONSはメジャーなスーパーで庶民価格で販売している。驚いたことにアメリカのスーパーは朝早くから(午前7時くらい)営業をしている。
ガスカートリッジを買わねばならなかったので、買い物はあとですることにした。
隣のDollar Treeというお店を覗いてみる。
なんと1$ショップだった。店内はなんでも1$。アメリカではボールペンやテープなどの消耗品もやたら高いため重宝するお店だ。
PCTのトレイルタウンには僅かだが、この1$ショップ存在している。
店内は雑然としている。掃除はあまり行き届いていないが、アメリカでは普通。
他のハイカーやヒッチハイクの時、コミュニケーションをとるためにこんなのを買ってみた。
私の英語の発音はどもりが入っているために、話してもほとんど伝わらない。
数少ない単語を駆使して筆談で意思疎通を図ろうと企んだ。
しかし、クオリティーが低くて使い物にならない。結局、ボールペンで左手の手のひらに単語を書いて見せていた。もったいないが、すぐにゴミ箱行きとなった。
Yesのイも出てこない時があって、全然会話にならない。他人としゃべらないとますますどもりが酷くなる。負のスパイラルに入っていた。
おや?チェーンソーの音がするぞ。味のあるクマさんだな。
クマさんベンチ。子供が喜びそうだ。さすがにこれは一本の丸太から削り出したものではない。
フェンスの中の作業場では防護エプロンとゴーグル、イヤーマフを付けたおっちゃんがチェーンソーでクマを削っていた。私がカメラを向けると、気合を入れて削り出した。
Big Bear Cityは広過ぎて町の中の移動でもヒッチハイクが必要だ。バスも見かけたが、どこにバス停があるのかやシステムが分からないために、乗ることはなかった。
ヤマハのバイク
整備工場の店先にこうして売り物のバイクが置かれていることも多い。
電話帳
そんなに分厚くはない。名前がYellow Bookとなっていた。
アウトドアショップに寄って、ガスカートリッジ中を5.38$で買った。ついでに浄水器のSawyer Squeezeを買おうとしたが、Miniしか売っていない。なぜかハイカーに人気のSqueezeが置いてあるところは少なかった。単なる売り切れなのか、店側が売れ筋商品を知らないのか、よく分からなかった。
アウドドアショップからヒッチハイクして、町の中心部まで戻ってきた。買い物前にレストランに寄って食事をする。ステーキを注文しようとしたが、ディナーの時間帯しかダメだったようす。しかし、気の利くウエイターが厨房と掛け合って作ってもらうことになった。
チキンステーキとサラダで12.9$、チップを加えて15$をキャッシュで支払った。さすがに20$は払いすぎだと思った。
アメリカでは気の利く店員は少ない。メニューにない注文を言うとたいてい断られる。いやいや仕事してますというのが、思いっきり顔に出ていることが多い。それなのにチップはキッチリ要求する。たまに気の利く店員さんに会うと凄く嬉しくなる。
食事のあとはスーパーVONSへ。店内にはハイカーの姿がちょくちょく見られた。なんとサコッシュをしていたハイカーもいた。あれは日本人だったのか、今でも謎。韓国人だと英語で話す必要があるため、話しかけるのは止めておいた。
アメリカでもカップラーメンは大人気。
カップ焼きそばもあったりする。
しかし、ゴミになるため買うことはなかった。
冷凍食品コーナー
通路を通ると冷凍庫の中の照明が自動点灯する。なんだか嬉しくなった。
すでにマルチャン主体の食事が定番となりつつあった。マルチャンだけだとパワーが出ないため、袋入りのツナやスパムを入れることが多かった。しかし、2食に1回くらいというケチりっぷりだった。
ベルトコンベヤーに載せて会計をしてもらう。店員さんはバーコードを読み取ると放り投げるので、少しムッとする。袋詰は客自身がしないといけないことが多い。支払いから袋詰を一人でやるのは大変。
おい、おばちゃん。ポイポイ放るな!
写真で見ると、ここは少し丁寧な店。野菜を透明の袋に入れている。
町に下りた時がたらふく食べるチャンスだ。レストランで腹一杯にすると高いので、スーパーで買い食いをする。このサンドイッチだって決して安いものではなく、なんと6$くらいする。
帰りはスーパーから少し歩いたところで、ヒッチハイクを開始。すると、なんとトレイルヘッドまで送ってくれることになった。車から下りてお礼を言うと、おばちゃんが私のポケットにお金をねじ込んできた。見ると20$だった!私が突然のことに戸惑っていると、いいのよ!持って行きなさい。ハイキング頑張ってね!と送り出してくれた。
こんなこともあるんだと、泣きそうになってしまった。英語を喋れない私が一人でヒッチしていたのが可哀想に思ったのか、この他にお金を貰ったのは、Suth Lake TahoeのスーパーSafe Wayでのこと。2人から5$ずつ貰った。
Idyllwildで泊まった5月6日から7日にかけて雪が降ったが、ここBig Bear Cityでも雪が降ったそうな。昼は暑くてそんなようには見えないが、朝晩は冷え込むため雪が降ってもおかしくない状況となる。2017年は特に乾燥した年で、Big Bear Lakeのかなりの部分が干上がっていた。
トレイルに戻ってきたのは11時半。町に下りた遅れを取り戻そうと、先に進むことにした。
途中の水場で水を汲む。町で汲んでくるのを忘れてしまった。
275.1mile地点のVan Dusen Canyon Road
ここから4mile歩いて町まで下りるつもりだった。交通量はほとんどなし。町まで下りてもそこから、まだ随分と距離がある。結局ヒッチハイクが必須のトレイルタウンなのだ。
Hwy18でヒッチハイクして正解だったと思った。
この日、17時過ぎまで歩いて、トレイルから見えない窪地でカウボーイキャンプした。
朝食 マルチャン×2
昼食 ステーキ、サラダ、サンドイッチ、バナナ、チーズ、お菓子、ジュース
夕食 ???
PCT18日目 5月13日 275mile地点から299mile付近まで
Big Bear Lake 例年より水位が低く小さくなっている。
朝起きると、なんと水筒の水が凍っていた。どおりで寒かったわけだ。しかし、寝袋の中はヌクヌクだった。こんなに暑いのに氷点下になるのかと思ったが、まだ季節は春だった。慣れない暑さで感覚がおかしくなってくる。
日向で朝食を食べる。まだ朝だというのに、ソーラーパネルはしっかり発電してくれていた。アメリカは日差しが強いため、よく発電してくれる。
山火事跡を歩く。木陰がないためかなり暑い。
丸太に座って休憩。PCTは平らなスペースが貴重なところもある。
水量の多い水場にやってきた。おお、これはいい。
浮腫んだ足を冷やす。まだ歩き慣れていないため、靴ずれや水ぶくれができていた。冷やすと凄く気持ちいい。
ピンク色の花を咲かす木。
このような可愛らしい花が咲いている。ミツバチが元気に飛び回っていた。
山火事跡は何もない。ただ太陽が照りつけるのみ。
渓谷までやって来ると、あちこちから人の声が聞える。水遊びにやって来た人たちだ。アメリカに来る前は、プール付きの家なんて贅沢過ぎると思っていたが、これだけ日差しが強くて暑いとプールに入りたくなるのも納得できる。
そんな涼を求めてやって来る人が多くてねぐらを探すのに気を遣った。
この日は夕暮れまで歩きたい気分だったが、この先のDeep Creekは1mile以内キャンプ禁止区域だったため、手前で泊まることにした。トレイルから離れたところで、こっそりカウボーイキャンプした。日が沈んでもまだキャッキャと騒ぐ人間がいて、いいかんげん早く帰れよと言いたくなった。Go home!
寝起 パワーバー×1、バナナ×1
朝食 マルチャン×2、パン×1/2
昼食 マルチャン×2
夕食 マルチャン×2、チーズ×2、パワーバー×1
PCT19日目 5月14日 299mile地点から324mile付近まで
Deep Creekのようす
朝起きると、夜露が下りて寝袋が濡れていた。川沿いで湿度が高いためと思われる。
川沿いのフラットな道をゆく。
10時前ころ Deep Creek Hot Springs
アメリカ初の温泉にやって来た。温泉付近がキャンプ禁止エリアとなっている理由が分かった。あちこちにデイキャンプとは思えないテントが張られていた。せっかくなので、温泉に入ってゆくことにした。
温泉は天然の湯船が3つあって、温い・適温・熱めとなっていて、ちょうど空いていた適温の湯船に入った。こういう時のために海パンを持ってきてある。日本みたいに素っ裸で入っていると変態扱いされかねない。と思ったら素っ裸で歩いているおっさんがちらほらいる。
ついでに下着を洗濯する。バックパックに付けておけば半日もしないうちに乾く。
風呂上がり、岩の上に座って寛いでいたら、日系3世の兄ちゃんに話しかけられた。少し日本語を話せて嬉しかった。ぶどうとリンゴを頂いた。
キャンプ禁止看板
キャンプ禁止のはずだが、茂みに入ると行き止まりに大便がしてある。穴も掘らずにそのままで、ケツを拭いた紙もそこら辺に捨ててある。これは週末キャンパーのものだった。こんな酷い状況ならキャンプ禁止になっても仕方がないと思った。
とにかくよく分からない人間がたくさん寛いでいた。もう少しゆっくりしたかったが、暑くなるとまともに歩けなくなるので、涼しいうちに少しでも歩いておくことにした。
石に落書き。
石垣にも落書き。わざわざスプレー缶を持って歩いているらしい。
眼下に大きなダムが見えてきた。水はほとんど干上がっている。
巨大なダム
ロックフィルダムと言われるものだ。
暑さと空腹でヘロヘロ。ちょうど木陰を見つけたので昼食を食べることにした。
今は懐かしきフォーク&スプーン。軽いが嵩張って非常に使いにくかった。クッカーも小さすぎた。2回に分けて調理すると燃料が無駄になる。Idyllwildで購入したクッカー、スプーン、ガスストーブはWrightwoodまでのほんの僅かしか使用しなかった。
山火事跡をゆく。頻繁に見られた。ああ嘆かわしい。
西部劇に出てくる風に吹かれて転がる草のようなもの。たぶん、コイツだ。
風が強いなか、ただひたすらに歩く。夕方民家のあるところまで下りてきた。
温泉のタイムロスがあったので、少しでも距離を稼いでおきたかった。19時を過ぎてもまだ歩いていた。
民家を過ぎたところ、トレイル脇でカウボーイキャンプ。
この日は風が強く体力が消耗した。
日が暮れてからヘッドライトを点けて歩く2人組の女ハイカーあり。大きな話し声で遠くから聞こえてきて非常に鬱陶しかった。
寝起 パワーバー×1
朝食 マルチャン×2
おやつ ぶどう
昼食 マルチャン×2、リンゴ×1
夕食 マルチャン×2
PCT20日目 5月15日 324mile地点からCajon Passを経て349mile付近まで
Silverwood Lakeの朝焼け
起床前の5時前ころから雨がぱらつき始めた。カウボーイキャンプだったため、慌てて撤収して出発する。まだ夜明け前でゆっくり寝ていたかった。昨晩、遅くまで歩いていたバカ女たちの気配はない。
雨が強くなってきたので、湖畔の東屋で休むことにした。ボートで乗り付けるように設備が整っていたが、ハッキリした踏み跡がないため、ウロウロ迷うことになった。
東屋の下で早めの朝食に朝食にした。湖からの風が強く折りたたみ傘がなかったら、ご飯を作れないところだった。
雨がなかなか上がらなかったので、ポンチョを着ながら歩いた。タープとしても使うぽんちょなので、枝に引っ掛けて破いてしまわないように気をつけた。
雨が上がってホッと一息。アメリカ人ハイカーは歩くのがやたら速くて参る。
マルチャンだけではお腹が膨れないので、袋入りツナを食べるようになった。これはひまわり油入り。ちょっと癖があるが、水入りよりカロリー高め。
昼食のマルチャン2個だけでは全然腹が膨れなかったので、ツナも食べることにした。
Cajon Passに備えて残りの食料を数えておく。ほとんどマルチャン。今思うと、こんな食べ物でよく歩いていたなと感心する。
本日はCajon PassのMcDonaldに寄ってハンバーガーを食べる。歩きながらハンバーガーを食べているところを想像した。
見晴らしの良い崖。
McDonaldはまだか!と眺めていた。
行けども行けども全然道路が見えてこない。空腹のため苛立ってきた。
14時過ぎようやく道路まで下りてきた。トレイルから0.4mile歩いてMcDonaldへ。
Cajyon Pass 342mile地点 0.4mile歩き
Cajyon Pass付近Inter State15の出入り口にあるお店の集まり。
Inter Stateを出入りする車目当てに作られた。周囲は見渡す限りの荒野で貴重な補給ポイントとなっている。
凄い勢いで車が行き交っている。通行料がタダというのが羨ましい。
McDonaldにやって来た。風に吹かれて体力が消耗した。
カウンターで順番待ちをする。
本場McDonaldは、日本とだいたい同じような店の作りだが、セットメニューというものがない。店員が恐ろしく気の利かない兄ちゃんで注文するのに手間がかかった。メニューリストがなかったこともある。外国人観光客が来ないところはたいてい不親切だ。
ビックマック、ポテト、コーラで8.07$。大きさは同じ。
食べてみたら、全く同じ味でビックリした。McDonaldのハンバーガーをアメリカで食べる理由がないため、McDonaldに寄ったのはこの1回だけだった。同じ味というのは嬉しくもあるが、全然面白くない。いつでもどこでも同じ味。冷めたら食えたもんじゃないというところも同じ。
McDonald前
店内には食事を終えたハイカーがたくさんいて非常に鬱陶しかった。ちょうど2人テーブルが空いていて座れたが、空いていなかったら持ち帰りにして店の外で食べないといけないところだった。
McDonaldの隣のガソリンスタンドChevron
アメリカではかなりメジャー。
ガソリンスタンド併設のコンビニ。ガソリンスタンドにはたいていコンビニがある。
ハンバーガーだけでは腹が膨れなかったので、お菓子をモリモリ食べる。
店がちょうど風よけになってゆっくり休むことができた。
落書きとシールだらけの装置
何かよく分からない。
出発前にMcDonaldのトイレで水を汲んでおく。意外にトイレで水を汲むことは少なかった。
1時間ほど休憩して出発する。
線路の下の橋はちょうどいい野宿スポットになっていた。しかし、雨が降ったら危険そう。
こんなトンネルも抜けてゆく。
線路を越えてゆく。どこまでも続く線路をみていると、不思議と気分が盛り上がってくる。
貨物電車がゆく。
警笛をバンバン鳴らすので非常に煩い。この日のキャンプ場所でも貨物電車の警笛が聞こえてきた。
ちょっとした岩場。グランドキャニオンのような景色。
Cajon Passを眼下に見下ろす尾根でカウボーイキャンプ。キャンプ場所がなかなか見つからず、かなり上の方まで登ってきた。景色を独り占めと思っていたら、あとでハイカーがやって来た。
寝起 パワーバー×1
朝食 マルチャン×2
昼食 マルチャン×2、ツナ×1、チーズ×2
夕食 ビックマック×1、ポテト、ジュース、お菓子
つづく
コメント
初めまして、バナOKA(岡田)です。
山小屋製作を始められた頃から覗かせてもらっております。
駐在でアメリカ(ミシガン)に3年半程居た事があり、趣味の写真撮影もあって、西海岸の方へも数回足を延ばしました。
現在はアメリカの会社に転職しメキシコに住んで居るのですが、ビザが取れ次第アメリカに戻る予定ですので、このPCTハイクの記事を自分がいつか挑戦する日の参考資料にしようとじっくり読んでおります。
※今回のCajyon Passでの貨物列車の写真はまさに自分が撮りたいシチュエーションです。
英語が話せるのでPCTを歩きやすいと思います。
貨物列車は、Cajon Passの他、San Jacinto Peakを下りたところ、Tehachapiの町、Beldenなどでも見られます。
重量級の電車で振動が響いてきます。初めて見た時はワクワクしました。2階建てのコンテナはさすがアメリカだと思いました。