こんにちは。からあげです。
全5回でPCTハイキングのようすを振り返るPCT2017スルーハイクの記録。いろいろありすぎてとてもではないが書ききれないことが分かった。何回になるか分からないまま書いているところ。中国行きの準備もあるので、早めに片付けたいところだが、いい加減なやっつけ仕事をもしたくない。そんな気持ちに揺れ動いているおっさんだ。
当時の記憶は簡単に忘れてしまうものではないが、気分が楽になるためにも早く終わらせてしまいたい。それが本音だ。
あれを書こう、これも書こうと、たくさんネタに埋もれている時より、さて何か書くことあるかな?と考えなければならない時の方が記事の内容が良いような気がする。まあ、そんな些細なことはどうでもいい。ではMojave砂漠に入るところから続けよう。
- PCT29日目 5月24日 517.6mile地点Hiker Townから546mile付近まで
- PCT30日目 5月25日 546mile付近から566.4mile地点Tehachapiまで
- PCT31日目 5月26日 566.4mile地点Tehachapiから568mile付近まで
- PCT32日目 5月27日 568mile付近から595mile付近まで
- PCT33日目 5月28日 595mile付近から622mile付近まで
- PCT34日目 5月29日 622mile付近から649mile付近まで
- PCT34日目 5月30日 649mile付近から676mile付近まで
- PCT35日目 5月31日 676mile付近から699mile付近まで
- PCT36日目 6月1日 699mile付近から702mile地点Kennedy Meadowsまで
PCT29日目 5月24日 517.6mile地点Hiker Townから546mile付近まで
04時起床し5時出発する。今日はMojave砂漠を歩くため、暗いうちから歩き始める。昨日の疲れは一晩寝たら癒えてくれた。夜明け前のHiker Townは静まりかえっていて動く者の気配はあまりなかった。
水は多くもなく少なくもなく7Lを持った。足りなくなれば、アクアダクトの所々にある水場で汲むことにしようと決めていた。
用水路の横を歩いているときに夜が明けた。いったいどれだけ暑くなるのか、期待と恐怖に包まれて歩いた。
しばらくゆくとMojave砂漠の見どころの1つ、アクアダクトが現れた。つい嬉しくなって上を歩く。
歩いていると付近の民家の犬にしつこいほど吠えられた。毎日ハイカーが通るのに学習能力のない犬だった。飼い主のいうことを聞かずに疲れ果てるくらいまで延々と吠え続けた。可哀想なバカ犬だった。
アクアダクトの所々で橋のようになっていて下を通れるようになっている。もちろんハイカーの休憩場所となっていてあちこちに落書きが見られた。
このアクアダクトはかなり古いもののようでリベット留めとなっている。腐食であちこちに穴が空き、水が滲み出してきていた。もちろん現役で使用されている施設だ。
穴が空いたところには、こうしてパッチ当てして溶接してある。
どこまでも続くアクアダクト。表面は滑り止め加工してあって歩きやすいが、傾きがあって少々気になる。そこで地面に下りて歩いてみたが、柔らかい砂地で余計に疲れるため、再びアクアダクトの上を歩いた。この時、私の周囲には誰もいなかった。
アクアダクトはついに地面の下に埋まった。
ここは比較的新しいアクアダクトの区間。コンクリートの下に水が流れている。四角いフタがメンテナンス用のマンホールとなっている。中から水の流れる音が聞こえてくる。
何やら小動物の足跡が残っていた。
8時前なのにもう暑くなってきた。ちょうど木陰を見つけたので朝食ついでに休憩する。
ついにアクアダクトは完全に地下に埋もれてしまった。それでもところどころマンホールがあって水の音が聞こえてくる。何もない山道をただひたすらに歩く。
途中でハイカーたちを載せたピックアップトラックが通り過ぎて行った。なんと砂漠区間には送迎サービスがあるらしい。
Mojave砂漠は非常に暑かったのだが、それでも多少雲があって時々日差しが遮られていたし、風があったため、耐え難い暑さというほどではなかった。それなのにハイカーの姿はほとんど見かけない。Hiker Townにいた大勢のハイカーはどこに行ったのだろうか?
放置されたキャンピングトレーラーの影で昼休みにする。日向で休むと暑くてかえって体力を消耗して休みにならない。日陰で休むべし!
13時30分ころ 535mile付近の水場の近くにトレイルエンジェルを発見!遠くからでもアメリカの国旗が見えて休憩ポイントであることが分かった。
砂漠ではほとんどハイカーを見かけなかったのに、ここにはたくさんいる。どうも涼しい夜間歩いて暑い昼間休んでいるらしい。トレーラーの下の日かけで寝ているハイカーもたくさんいた。
このトレイルエンジェルは60歳前後の老夫婦で息子が青森県の三沢基地で働いていると言っていた。
ここで冷えたSODAやアイスクリーム、出来たてのタコスを頂く。いつになっても他のハイカーは出発する気配を見せない。1時間ほど休憩してからお礼を言って先に進むことにした。
再び歩き始めると、ピリピリと突き刺すような日差しが堪えた。多少風が出てきたが、温風で全然涼しくない。
何もない砂漠には風力発電のプロペラがあちこちに設置されていた。これもMojave砂漠の見どころの1つ。青空にプロペラの白が良く映えた。
随分と高度を上げてきた。風力発電のプロペラが霞んで見える。
砂漠の中の貴重な水場に到着。水場周辺は深い谷となっていて日が当たらず涼しかった。ここで夕食を作って食べることにした。
ソーヤーSqueezeで浄水しているところ。浄水があっという間に終わってしまった。
夕食のあと、次第に風が強まり強風が吹き荒れた。キャンプサイトを探して歩いているうちにさらに風の強い尾根に出てしまった。時間は20時を過ぎて疲れ果てていたので、やむなく尾根でカウボーイキャンプ。ものが飛ばされないように寝床を整えるのに時間がかかった。
寝起 パン×1
朝食 マルチャン×2
昼食 マルチャン×2
昼食 タコス、ジュース、アイスクリーム
夕食 マルチャン×2
PCT30日目 5月25日 546mile付近から566.4mile地点Tehachapiまで
5時20分起床、5時40分出発。昨晩は一晩中風が強くてトイレに行くのにも厳しかった。そこでシートの上に立って風下に向かって放尿した。その場を離れると荷物が飛ばされそうな気がした。
トレイル上にガラガラヘビが現れた!まだ気温は低かったため、動きは鈍く威嚇してこなかった。
朝靄に包まれる砂漠地帯
これから暑い1日の始まりだ!
休憩ポイント
トレイルエンジェルが整備してくれている。まだ歩き始めのためそのままスルー。
ペットボトルのミネラルウォーターが置かれている。
木箱の中にレジスターが置かれていたので、名前を書いておいた。
生えていた木は山火事により消失してしまっている。どこまでも殺風景な景色が広がっている。
風力発電のプロペラの回転音が眠気を誘う。昨晩、風が強くてあまり眠れなかったこともある。カウボーイキャンプは外界の影響をダイレクトに受けるため、時と場所を選ばないと単なる精神修行となってしまう。
558mile付近の水場のキャンプサイトの木陰で30分ほど昼寝した。日が高いうちに町に下りても暑くて寛げない。
きれいな黄色い花
風力発電所の景色も見慣れて飽きてきているところ。
14時30分ころ565mile付近の登山口まで下りてきた。暑くて暑くて頭がクラクラくる。
Hwy58のヒッチポイントまで3mileほど道路を歩かなければならない。力を振り絞って歩いてゆく。
その後、ヒッチポイントの0.5mile手前でハイカーを載せた車に声を掛けられた。乗っていたハイカーは同じ目的地のTehachapiだったので、載せてもらうことにした。これは非常にラッキーだった。
Tehachapi 566.4mile地点 9mileヒッチ
砂漠の中の町。2箇所のヒッチポイントからMojaveとTehachapiにゆくことができる。私はキャンプ場があるTehachapiにゆくことに決めた。
途中、Post Officeに寄ってもらってバウンスボックスを受け取る。Tehacapiの町は大きく移動が大変だったので、非常に助かった。
その後、空港まで送って貰った。写真を撮っていい?と尋ねるとポーズを取ってくれた。アメリカ人はカメラを向けるとたいてい何か反応を示してくれる。とても気のいいおっちゃんだった。
キャンプ場は空港の端の方にある。近くにはRVパークもあるが、フェンスの向こう側ではキッチリ分かれているため、非常に落ち着く場所となっている。
キャンプ場の場所は、ちょうど出てきたハイカーに教えて貰った。広大な空港の端を歩いてゆく。
飛行場の片隅で自家用の飛行機が給油していた。セルフサービス式の給油機が設置されている。
キャンプ場の無人受付。箱の中にある袋に必要事項を書いて料金を入れて投函するシステム。アメリカのキャンプ場ではごく普通の方式。
チェックインは到着後30分以内に行う。
料金は1泊5$で最大3泊までとなっている。
実はこのキャンプ場には落ち着けない事柄が2点あった。この時は全く知らずに3泊だけかよと思っていた。
空港の公園がキャンプ場として開放されている。車で乗り付けることができず奥の方にあるため、宿泊客はハイカーだけしかいない。よく手入れされた青々とした芝が広がっていた。
このように数カ所水道が設置されている。念のため浄水器を通して飲水や調理に使った。
中央付近にパーゴラが設置されている。雨がほとんど降らないため屋根無しでも問題ない。
飲酒、喫煙禁止の張り紙がしてあった。やっぱりそうだよな。ハイキングに不純物は要らない。
下にハイカーボックスが置かれていた。何やら細々とした物が入っていた。
生け垣のそばに設置されているのはシャワー。これは非常に有り難い。
シャワールームのようす
利用していないので、温水が出るかは不明。
そしてこちらがトイレ。空港の建物の影に設置されている。風がよく吹くためだと思われる。
荷物をおいて町に繰り出す前に洗濯をしておくことにした。プラティパスで作ったバケツを使って洗った。
看板に洗濯物を干しておく。散水についての注意書きが書いてあったのだが、この時は断水のことだと思っていた。
ツエルトを張らずに荷物を芝生の上に置いて町にゆく。ハイカーしかいないので盗難のおれそはないと思った。(実際荷物は無事だった。)空港はフェンスで囲ってあるため、遠回りするのが面倒だが治安の面ではいい。
空港内のガレージで自家用機のエンジンを整備している人がいた。このガレージだって相当な料金がするに違いない。まさに金持ちの道楽だ。
空港内の駐車場に停められていたバス。乗り方は不明。
Tehachapiは鉄道で栄えた砂漠の中の町で、時々長蛇の貨物列車が通る。危険防止のため夜間でも踏切手前で警笛をバンバン鳴らすためかなり煩い。キャンプ場の裏手が線路となっているため、夜寝ている時に何度も起こされた。Tehachapiのキャンプ場で泊まる時は耳栓を持っておいた方がいい。日本で買った高性能耳栓を持っていて、PCTとのちの放浪の旅で何度も助けられた。
町の中を散策する。歩行者天国には地域特産品のお店が出ていた。
チェーン店のハンバーガー屋で食事。
ハンバーガー、ポテト、コーラで12$弱。レストランのハンバーガーより味はかなり落ちた。
物価が高いアメリカだがガソリンだけは安かった。価格は1ガロン(約3.78L)単位で表示されている。Regularの場合、1ガロン2.659$となる。
末尾の9/10の意味が全く分からなかったので、今意味を調べてみると9/10¢(1セント、¢は1/100$)だということが分かった。
1L当たりの価格は約0.7$で、当時の為替相場1$=130円で換算すると1L当たり91円となる。や、安い!
参考リンク
ロサンゼルス在住者による 米国でみかけた英語で英語学習(アメリカのガソリンスタンドの値段の表記はちょっと変わっている、という話)
青空のもと町中を散歩
お店の駐車場でジムニーを発見!ドアなしのワイルドなジムニーであちこち弄りまくられていた。アメリカでもたまにジムニーを見かけた。ジムニーオタクはアメリカにも生息しているようす。
キャンプ場に戻る前にコンビニで買い物をしてゆく。ここは日本でもおなじみのサークルK。アメリカではよくガソリンスタンドに併設されている。
日本のコンビニとは決定的な違いは、店員さんが不親切であることだ。お金を支払う時にレシートをくださいと言ったのに無視された。(私の発音が悪かったためかもしれない。)
あとマルチプリンターは置いていない。一度も見かけ無かった。プリントやコピーする場所が限られるため非常に不便だった。
夕方キャンプ場に戻るとテントが少し増えていた。飲酒禁止なためか、泊まっているハイカーたちはみな大人しくて落ち着けた。
ただ、すぐ横の線路を通る貨物列車が煩くて、耳栓をしていても何度も目が覚めることになった。
寝起 クッキー×1
朝食 マルチャン×2、お菓子×1
行動食 お菓子×1
昼食 マルチャン×2???
夕食 ハンバーガー、お菓子、ジュース
PCT31日目 5月26日 566.4mile地点Tehachapiから568mile付近まで
昨日は夜になると飛行機が離着陸して煩かった。どうも仕事帰りのオーナーがやって来て飛行機を飛ばしているらしかった。日中は離着陸する飛行機は全くなし。
そして日が明けた翌日。辺り一面霧で真っ白で肌寒かった。砂漠の町が霧に包まれるとはビックリした。暖かければ早めに行動を開始したのだが、霧のため朝遅くまでゴロゴロしていた。
貨物列車が通る以外は静かなキャンプ場だわいと中で寛いでいると、突然外から水の音が聞こえ始めた。外に出るとビックリ。なんとスプリンクラーが作動して散水していたのだった。朝早くテントを撤収してゆくハイカーがいたが、そういうことだったのか!気がついた時はすでに遅かった。
スプリンクラーは芝生の中に埋まっていて、水圧がかかると飛び出て散水するシステムだった。普段は埋まっているため気づきにくい。芝生が青々としていたのは定期的に散水されるためだった。こういう落とし穴があろうとは思いもしなかった。YogiのHandbookには貨物列車が煩いと書いてあったが、散水の件は全く触れられていない。(アメリカでは当たり前過ぎて触れられていないのだろう。)
散水時間の張り紙
てっきり断水のお知らせかと思っていた。洗濯物を干す時に見ていたのに分からなかった。
朝の時間はいいが、夜間の2時間はうっとうしい。散水が始まる前にテントを張っておかないと、芝生が水浸しになってしまう。
散水の時間
火曜・水曜・金曜
午前8時から午前10時まで 午後8時から午後10時までの2回
散水が直撃してツエルト内は水浸しだった。ツエルトでまともな雨?が降られたのは、ここTehachapiだけだった。ツエルトと荷物が濡れてしまい、乾かすためにかなりのタイムロスとなった。キャンプ場を出発したのは12時30分を過ぎていた。
バウンスボックスを抱えてキャンプ場を出ると大通りでヒッチハイクを開始した。交通量はあるが、なかなか止まってくれない。15分ほどやっても反応が悪かったため、場所を移動することにした。道路の反対側をトボトボと歩いているハイカー二人組を見かけた。
場所を移動して再びトライ。すると10分ほどで女性が乗るBMWが止まってくれた。おばちゃんに話を聞くと、なんとご主人が日本人のようだった。しかし、日本には一度も行ったことがなく、日本語も喋れなかった。度々、日本と関わりのあるアメリカ人にお世話になったが、たいていは日本語が喋れなかった。日本で住んでいると気がつかないが、世界でみると相当マイナーな言語だということに気がついた。
「仕事は何をしているの?」とも聞かれた。ヒッチハイクすると度々職業を聞かれたが、私は「自由人です。」と答えていた。英語が堪能であれば、Bライフをしていますと答えられるのだが、英語をほとんど喋れない私には無理だった。
働き盛りなのに働きもせず長期間必要なPCTを歩いているので、相当な金持ちと思われていたようだった。実際、周囲のハイカーは地元アメリカと先進国の人間しか見かけなかった。低所得者が乗るGreyhoundに乗らなければ気がつかないことでもあった。PCTを歩けるというだけで相当恵まれていると思った方がいい。
Tehachapiではバウンスボックスと食料の発送という重要な仕事がある。まずはスーパーで食料の買い出しを行う。ヒッチに応じてくれた女性は時間があるので、荷物の発送する時も送ってくれるという。アメリカに不慣れで買い物に時間がかかるため丁重に断ったのだが、是非手伝わせて!というので渋々手伝ってもらうことにした。
買い出しする食料はすでにメモに書き出してあるため、カートを押して次々と食料を放り込んでゆく。メインはマルチャン。車で送って貰えるため、大量の買い物を一度にすることができた。
スパムと行動食。パワーバーやクリフバーは1個2$と高いため、安いNature Valleyというメーカーのクランキーバーを購入することにした。1箱6袋入りで約5$だった。パワーは全然出ないが、食べないよりはマシな程度だった。
まずはスーパーの近くのUPSまでやってきた。UPSはUnited Parcel Serviceの略でアメリカの運送会社だ。日本の宅急便のようなもの。
先の878.7mile地点のVermilion Valley Resortは重要な補給地点となっているが、小さなリゾートで品切れになるかもしれないため、万全を期すために食料を発送することに決めたのだった。ただし、受付はUPSまたはFedExのみで荷物の受け取り料は1個25$もする。
UPS内にはダンボール箱が販売されている。専用の箱を使う必要があるのかは不明。
VVRに発送する食料は1.5日分。TehachapiからVVRまで運賃は18.53$。荷物の受け取り料を加えるととんでもない金額になる。
その一方で送る食料はマルチャン×8、パワーバー×6、スパム×2で、10$少しの金額だった。
箱は中の荷物に合わせて小さくできる箱だった。店員さんに頼むと慣れた手つきで箱を切ってフタを閉めテープを貼ってくれた。
続いてPost Officeにやって来た。途中で別のハイカーを拾ってトレイルヘッドまで送ってくれることになった。
ここではたくさんの荷物を整理するため非常に時間がかかった。途中で女性がようすを見に来て、事情を話すと電話番号を残してハイカーを送りに行った。
荷物の発送はミスをしないように注意して行うため、先に行ってもらって非常に気が楽になった。時々ハイカーたちがやって来たが、手早く荷造りを済ませると立ち去って行った。なぜ、そんな早くできるのか不思議だった。
これはあくまで推測でしかないが、地元のアメリカ人は家族や友人に頼んで家から荷物を送ってもらうため、外国人のように現地で食料を購入して発送する必要がない。電話やメールでやりとりして到着前に着くように荷物を発送してもらう。家を出る前に箱詰めの作業をしているため、現地ではゆっくり過ごすことができる。ということだ。
事前にたくさん用意するためか、食料が余ることが多く、ハイカーボックスに惜しげもなく投入していた。それらの食料にどれだけ助けられたことか。
USPSでは荷物は3つ。
大きな箱のFlat Rate Large1箱はバウンスボックス兼食料として702.2mileのKennedy Meadowsへ、中くらいの箱のFlat Rate Medium2箱は食料で788.9mileのIndependenceへ送っておいた。
送料は距離・重さに関係なく一律で、Flat Rate Largeが18.85$、Flat Rate Medium13.6$となっている。
トレイルに戻る前にデニーズで食事した。あのまま車で送って貰ったら、腹ペコのまま歩かねばならないところだった。Post Officeからデニーズまでは距離が近いのだが、Post Officeを出る時に親切なおばあさんに声を掛けられて送ってもらった。
食事を済ませたあとトイレで水を汲ませて欲しいとお願いすると、なんと冷たい水を頂いた。どうも私が喉が乾いていると思ったらしい。食事の時もたくさん水を飲んだので、再びカップ1杯の水を貰って途方にくれた。頑張って半分ほど飲んだが、飲みきれなかったため、街路樹にかけてやった。
Tehachapiからトレイルに復帰すると15mileも水場がないため、町を出る時に水をいっぱい汲んでおいた方が良い。
コンビニに寄って食料を買い足したり、お菓子を食べたりした。町を離れる前に食い溜めしておいた方が重たい食料を持って歩く必要がないため楽になる。
コンビニを出るとフリーウェイの入り口でヒッチハイクを開始すると、50代くらいの夫婦に拾われた。隣町近くの自宅に戻るところだった。
3時過ぎにトレイルに戻った。町に降りる時、ヒッチポイントの前で車に乗ってしまったため、そこまで0.5mileほど歩くことにした。食料と水がいっぱいで重たいため、バックパックを置いて空荷で歩いて戻ってきた。
フリーウェイ沿いを歩く。
親切なおばさんに拾われて効率良く食料の買い出しと荷物の発送ができたため、トレイルに復帰したのだっだ。時間が掛かれば、キャンプ場でもう一泊する予定だった。賑やかな町より静かなトレイルで眠りたい欲求があったこともあった。
トレイルヘッドから2mileほど歩いて木の陰でカウボーイキャンプすることにした。山を越えると繋がらなくなる可能性があったため、夕方5時ころ早めに終えた。
朝食 パン×2
昼食 ???
夕食 デニーズ食事、お菓子
PCT32日目 5月27日 568mile付近から595mile付近まで
05時10分起床、5時30分出発。強かった風は多少収まってくれた。木陰でのキャンプは快適で朝までぐっすりと眠ることが出来た。
この日は未舗装の林道を歩いたりして単調なハイキングが続いた。
風力発電のプロペラがあったが、見慣れているため珍しくもなんともない。
お腹が空いたので早めのお昼を食べようと、トレイル脇でお湯を沸かしていると、クッカーを倒して水をぶちまけていまう。貴重な水と燃料が失われてしまった。
Hiker Townで手に入れたSOTOのウインドマスターは軽量コンパクトで便利なのだが、ゴトクがかなり不安定だ。まだ扱いに慣れていないため、やらかしてしまった。4本ゴトクがあるのは、このためだったのかと分かった。4本ゴトクをセットで購入したのだが、重たくて嵩張るためTehachapiでバウンスボックスに入れてしまった。多少不安定でも軽量コンパクトな3本ゴトクの方がいい。
食事の時間には、こうしてソーラーパネルでMobileバッテリーを充電していた。そのため南部の乾燥地帯は電気が不足することは一度もなかった。
水場が近くなると背丈が高い木々が多くなる。木陰もあって休むのにはちょうどいい。
ウエット感たっぷりだ。
583mile地点のGolden Oaks Springに到着。乾燥地帯の中の貴重な水場だ。
貯水槽の中には藻がたくさん生えていた。
ハイカーのたちの間では、水の浄水は股の間に受け側のペットボトルを挟んで両手で浄水器を付けたペットボトルを握るスタイルがスタンダード。ついうっかり倒してしまうことはないし、僅かだが浄水中も休憩できる。この僅かな差がのちに大きな違いとなって現れる。
なんだこれは?怪しい物体だ。
送電線を見上げると、同じようなオレンジ色の玉が付いていた。単なる目印みたい。
マルチャン2個だけではお腹が膨れなかったため、スパムを食べているところ。
Tehachapiのスーパーではカロリーオフのスパムしか売っていなかった。常時飢えているハイカーはカロリーオフなんてトンデモナイ。高カロリー食大歓迎だ!
こうして単調なハイキングの1日が過ぎて行くのだった。たまにこういう景色ならいいが、慣れてくると何も感じなくなってくる。
トレイルは深い森の中へと続く。そろそろねぐらを探すことにしよう。
安眠するためには地面が柔らかくてフラットで風避けがあるところがいい。
20時前、松林の中でフラットなスペースでカウボーイキャンプとする。
寝起 パン×1
朝食 マルチャン×2、パン×1
昼食 マルチャン×2
行動食 クッキー×1
夕食 マルチャン×2、スパム×1
PCT33日目 5月28日 595mile付近から622mile付近まで
トレイル復帰後3日目の朝を迎える。Sierraに次いでPCTでどこが一番ハードだったかと言えば、躊躇うことなくTehachapiからKennedy Meadowsまでの区間と答えるだろう。Mojave砂漠が終わってホッとしたのも束の間、厳しい乾燥地帯が続く。うっかりしていると水を切らしてしまうことになる。日の出と共に起きてクランキーバーを頬張り歩き始める。
CASA DE OSO
なんとなく面白い言葉の響きで写真に撮ってみた。
600mile過ぎに木の枝でマイル数が表示されていた。
これは暇人のハイカーの仕業だ!歩いてばかりいると、次第に退屈になってきて、妄想を逞しく発展させたりしだす。
水場で腹いっぱい水を飲む。もう水なんて見たくないと思えるほど腹いっぱいになったらOK.
木にめり込むPCTのマーカー
このマーカー記念に欲しくなる。PCTAで販売していないかな?
この日は朝から調子が悪くて体が重たかった。すぐに腹が減ったため前倒しで食事をしていた。Tehachapiで十分食べてきたつもりだったが、食べ方が足りなかったようだ。暑さに打ち勝つには多くのエネルギーが必要だ。
トレイル脇にいたハイカーが手招きするので行ってみた。するとジージーと音を立てる蛇がいた。これが噂のガラガラヘビか!と感激した。これまでにもガラガラヘビを何度か見ていたのだが、ジージーと音を出して威嚇されたのは初めてだった。音はセミのような鳴き声。
どこまでも続くトレイルにヘコタレそうになる。空腹に耐えて歩き続けていた。
するとトレイルエンジェルが出現!
少し前に来たようで準備を始めたばかりのようすだった。遠くからハイカーの応援に駆けつけてくれた40代くらいの夫婦だった。
キンキンに冷えたSodaの味は格別だ。炭酸系ジュースはお腹が膨れるのもいい。ゴクゴクとあっという間に飲み干してしまった。
ホットドッグを頂く。飢えた体には脂たっぷりのソーセージがご馳走だった。他にもオレンジやリンゴ、チーズを頂きお腹がそこそこ満足した。
食べる物を食べると英語の話せない私は暇になる。すぐ出発してはトレイルエンジェルに悪いような気がする。ちょうど一人のハイカーが出ていったので、私もあとを追うように出発した。
ここで食べなければ、Kennedy Meadowsまで一気に行くことはできなかっただろう。本当に有り難いマジックだった。
これは乾燥地帯で見かけるジョシュアツリー。うねうねとして生えていてユーモラスな雰囲気が漂う。
このように枝が少なくて高く伸びるものもいる。何層にも重なった葉っぱのような樹皮が乾燥から木を守っている。
ジョシュアツリーの実。たまに見かけた。
ジョシュアツリーの密林。こうして固まって生えているところもある。
トレイルエンジェルの救援で元気を取り戻したおっさんはトレイルを離れて水場に向かう。
620mile地点のWillow Spring
乾燥地帯の貴重な水場。次の水場は644mile地点のMclvers Springsで24mile先だった。ここで泊まるハイカーもいたので、水だけいっぱいに汲んで先に進むことにした。
日没は20時前ころ。そろそろねぐらを探す時間だ。
トレイルに戻る途中の道路脇でカウボーイキャンプ。周囲は植物が茂っていて風よけになるし、地面が砂地のため柔らかくて快適だった。
寝起 クランキーバー×1
朝食 マルチャン×2
昼食 マルチャン×2
行動食 クランキーバー×1
夕食 ホットドッグ、バナナ、リンゴ、チーズ、ジュース
PCT34日目 5月29日 622mile付近から649mile付近まで
本日も日の出とともに起き出し行動を開始する。少し露が下りて寝袋が湿っぽくなった。
水場が近かくて湿度があったためと思われる。
乾燥地帯は夜明けとともに起きて歩きはじめ、暑くなる前に距離を稼ぐのが基本の歩き方。どれだけ疲れていても一晩寝ると体力が回復して歩けるようになる。
ジョシュアツリーの大木
これだけ立派に育った木を見るのは珍しかった。
たんぽぽのような淡い黄色の花
小さな岩山
早めの朝食を済ませて歩いていると林道に出たところで、トレイルエンジェルがいた。食べたばかりだったが、食べ物の引力が凄くて通過することはできなかった。
トレイルエンジェルは以前PCTを歩いたBlue Hiker。あれこれトラッシュ化したギアを持っていた。ツーバーナーとフライパンで卵焼きのような物を作っている。
卵サンドのような物を頂いた。あっという間にぺろりと平らげてしまった。
あとから車に乗ってやって来た爺さんがいた。車のクーラーボックスからアイスクリームを取り出して振る舞ってくれた。
食べ物を食べるとすぐに出発したくなったが、悪いような気がするのでしばらくじっと他のハイカーの会話に耳を傾けていた。落ち着いて聞き取ろうとするが、会話のスピードが速くて全然ついて行けない。ここでもかなり浮いた存在となった。
やることと言えば、次の水場に向かって歩くことだけ。残りの水に限りがあるため、ゆっくりと休んではいられない。
644mile地点のMcIvers Springまでやって来た。付近には趣のある小屋が建っていた。
中を覗くと薪ストーブが設置されていた。
板の間があって宿泊することもできた。
水場に行くと豊富な水量を見て狂喜乱舞した。サンダルに履き替えて浮腫んだ足を冷やす。水筒にたっぷりと水を汲み浄水器を付けて冷えた水をゴクゴクと飲む。至福のひとときだった。
水場を過ぎると20時過ぎまで歩いてWalker Pass手前のフラットな場所でカウボーイキャンプした。
寝起 リンゴ×1
行動食 クランキーバー×1
朝食 マルチャン×2
おやつ 卵サンド、アイスクリーム
昼食 マルチャン×2
夕食 マルチャン×2
PCT34日目 5月30日 649mile付近から676mile付近まで
本日はまずWalker Passを目指す。食料の残量を勘案すると、ヒッチハイクして町に下りなくてもなんとかなる。スーパーのある町までは25mile以上も離れているので、できればヒッチハイクは控えたかった。
朝の6時過ぎ、652mile地点Walker Pass付近のキャンプ場に到着した。昨日、手前で泊まったのは、ハイカーのいるここで泊まりたくなかったこともある。
峠から少し下がったところにある水場で水を汲む。どこにも標識がなくて知らないと辿り着けない場所にあった。
キャンプ場まで戻ると、なんとMount Lagunaで少しの間一緒に歩いたハイカーと会った。およそ一月ぶりの再開だったが、二言三言会話すると直ぐに出発していった。なんともあっさりした男だった。
ピックアップトラックの荷台でカウボーイキャンプするトレイルエンジェル。朝は遅いようでまだ寝ていた。奥さんはすでに起きていてスイカを振る舞ってくれた。
Walker Passを越える。周囲に何もない峠だったが、朝から意外に交通量があった。
どこまでも続く道
町は非常に遠い。
Sierraが近づくにしたがってアップダウンが多くなってきた。見晴らしの良い道が続く。
険しい山を見下ろす。
時々花が見られるようになった。乾燥していても季節は春なのだ。
ただただKennedy Meadowsを目指して歩く。毎日考え事をして歩いていると、次第に考えることもなくなってくる。
水を汲むハイカー。ようやく水場の多い区間にやって来た。ここはスルーして次の水場で汲むことにした。
水が豊富な谷を離れると登りが急になってきた。ここでバテた。お腹が空いて全然力がでない。マルチャンばかり食べているからこうなる。
ノーマルのスパムを食べる。ぎっとりとした脂が体に染み込む。
スパムを食べると歩けるようになったが、直ぐにエネルギー切れを起こす。仕方なしにマルチャンに粉末スープをかけてそのまま食べる。
随分と高度を上げてきた。この日、バテてはいたがそれなりに歩くことができたのは、Kennedy Meadowsに行ってたくさん食べたいから。その一心が歩く原動力だった。
落ちていた木の枝を拾って杖を作った。雪の斜面が歩きやすいようにSierraに入る前に杖を作ろうと思っていた。
この後、杖のお陰でかなり歩けるようになった。
日没前は他のハイカーたちとキャンプサイトの取り合いになる。少し早かったが、やたらとハイカーが多かったため、峠付近のフラットな場所で泊まることにした。
遠くからハイカーの声が聞こえてきて落ち着かない夜を過ごした。頼むから夜は静かにしてくれ。
寝起 クランキーバー×1
朝食 マルチャン×2
昼食 マルチャン×2
昼食2 スパム×1、マルチャン×1
夕食 マルチャン×2
PCT35日目 5月31日 676mile付近から699mile付近まで
5時20分起床、5時35分出発
今日はKennedy Meadowsまで行くため、頑張って歩くことにした。他のハイカーはスタートが遅いが、歩くスピードは速い。涼しくて歩きやすい朝のうちに先行して距離を稼ぐ。
レジスターがあったので、記念に名前を書いておく。
トレイル脇に白骨化した倒木があったので、杖に良さそうな枝を物色する。昨日、作った杖はイマイチ手にフィットしなかった。こうして乾燥して白骨化した倒木があれば、杖を作ることができる。使っているうちに短くなってくるので、長めにしておくと長い間使える。始めのうちは湿っていて重たいが、使っているうちに乾燥してきて軽くなってくる。
日本のように湿度が高いところでは、杖の材料となる枝を探すのは大変そうだ。
岩にこすり付けて凸凹を平らにして手に馴染むようにした。自作の杖の作り方について機会を見つけて記事を書くことにしよう。
喉が乾いていたとき、タイミングよく水場にやって来た。ペットボトルに水を汲んで浄水器を付けて飲む。汲みたての水は冷たくて美味いのがいい。必要な分の水だけ持って先に進む。
ひまわりのような花。少しずつ植物が増えてきた。湿地帯が近い証拠だ。
空のようすが怪しくなってきた。日差しはなく肌寒い。先を急ごう。
雰囲気の良い岩場を通過しているところ。眼下に湿地帯が見えてきた。
眼下に見えるのはRockhouse Basinという湿地帯だ。まだ春だというのに水はない。
麓の水場に着いて休んでいると、ぽつりぽつりと雨が降り出し、しばらくすると一気に雨脚が速くなった。空を見上げると分厚い雨雲に覆われていて直ぐに止みそうな気配はなし。
雨に降れたのは、Wrightwood手前のSilverwood Lake以来だった。久しぶりにポンチョを着て先に進む。
雨は冷たく体力を奪われて一気に歩くペースが落ちる。本日中にKennedy Meadowsまで行くつもりだったが、怪しくなってきた。KMのお店は午後5時までの営業で今から急いでも間に合いそうにない。無理をしないでマイペースで歩くことにした。
木の下で雨宿り。ポンチョを着たままだと荷物を下ろせなくて休めないし、中の荷物を取り出すこともできない。ポンチョはタープとパックカバーを兼ねた合理的な雨具だが、形態変化しようとする時が弱点となる。しかし、運用が難しいポンチョだからこそ面白い。
本日中のKennedy Meadows着は諦めて早々とねぐらを探し始める。お店の開店と同時に行ければいいので今日は無理をする必要はどこにもない。16時過ぎになるとようやく雨が上がってくれた。
Kennedy Meadowsの3mile手前に広い草原でキャンプすることにした。雨は上がっているが、いつ降り出してもおかしくない状況だったので、ポンチョを乾かすためにもタープとして張ることにした。ポンチョをタープとして張る時は張り綱を付けなければならないため、かなり面倒。
折りたたみ傘はTehachapiでバウンスボックスの中に投入した。新しく購入したSOTOウインドマスターは風にも強く風防代わりの折りたたみ傘がなくても大丈夫と判断したためだ。
マルチャンは全て食べてしまって、生のたま麺を食べた時に余ったスープしかない。これでスープを作ることにした。体が冷えてしまって温かいものが飲みたかった。
晩御飯はスパムとラーメンスープのみ。残りの食料はクランキーバーが1,2本あるのみだった。
寝起 クランキーバー×1
朝食 マルチャン×2
昼食 マルチャン×2
昼食2 スパム×1、マルチャン×1
夕食 ラーメンスープ、スパム×1
PCT36日目 6月1日 699mile付近から702mile地点Kennedy Meadowsまで
昨日のうちに雨は止んだが、夜露が下りてタープがずぶ濡れになる。しかも冷え込んで表面が凍った。天井が低いため、寝袋がタープと接して濡れてしまい保温力が低下し、夜中に寒くて何度も目が覚める。カウボーイキャンプをしていたら酷いことになっていただろう。
凍ったタープ。ペットボトルの水も凍った。
朝は時間に余裕があったため、日が昇って暖かくなるまで寝袋に入ってじっとしていた。
7時になって日が高くなってくると、ようやく起き出して活動を開始した。
タープを外して濡れた道具を乾かす。8時ころ、道具を片付けて出発する。食べるものがクランキーバーだけで時間を持て余す。
Kennedy Meadowsに通じる道に出たところ。空は雲一つない快晴になった。
さあてご馳走を食べに行くとしよう。
交通安全の標識
Kennedy Meadowsまであと少し。早朝出発してきたハイカーと数人すれ違った。
702mile地点 Kennedy Meadows
山奥にある小さなコミュニティー。ここはSierraの南の玄関口でハイカーの重要拠点である。裏山でキャンプしながら休養し、荷物を受け取って準備を整えることになる。
ゼロデイをとるには最高の場所。
周囲は数件の民家とお店があるのみ。
8時30分過ぎGeneral Storeに到着!!
ウッドデッキにハイカーの姿が見える。
お店の入り口までゆくと、まだ営業前でハイカーたちが外で休んでいた。
まだ時間があるので、周囲をブラつくことにした。
お店の広大な裏山にはあちこちテントが張ってあって、ハイカーたちが休んでいた。こんなに快適な場所があるなら、昨日のうちにここまで来ていれば良かったと思った。まさかこんな快適な場所だとは思わなかった。
あちこちに粗大ごみが放置されている。給油機や大きなパラボラアンテナがある。
銃で撃たれて穴が空いたドラム缶まである。
それではこれからKennedy MeadowsのGeneral Storeについて解説することにしよう。
ここは周囲で唯一のお店となっている。非常にハイカーフレンドリーなお店でハイカーに多大な便宜を図ってくれる。持ちつ持たれつの関係だ。困ったことがあったら、気軽に相談してみるといいだろう。たぶん力になってくれるはずだ。ハイカーもたくさんいるので心強い。
支払いはクレジットカードOK。ATMはなし。
お店の営業時間は午前9時から午後5時まで。アメリカでは珍しく意外に時間にキッチリしている。シーズン中は休み無しで毎日営業している。
お店の品揃えは決して良くないが、贅沢を言わなければ最低限の品物は手に入る。
Sierraで必要なベアキャニスターも幾つか置いてあった。
ガスカートリッジはMSRの中が約6$。切らさないようにたっぷりと仕入れてくれているようだ。
マルチャンや袋入りツナ、オートミールなどのハイカーフードあり。マルチャン50¢、ツナ2$、オートミール50¢くらいで良心的な価格だった。(山奥のリゾートに行くと恐ろしく高いお店がある。)
荷物の受け取りは1個5$。USPSプライオリティーメールの発送もできる。(手数料は5$だったか?)箱とテープも備え付けられている。
お店の外に公衆電話あり。
AT&Tは圏外、Verizonは圏内ということだった。お店にWifiあり。パスワードは店員さんに聞けば教えて貰える。
Wifiに接続しようとしたが、設定が悪かったためか接続できず。ハイカーが多いので、つながってもかなり遅いということだった。早朝夜間の利用がおすすめ。
お店の向かいの広いところに、たくさんの仮設トイレあり。トイレットペーパーはあったりなかったり。水道の蛇口はお店の前に1つあり。水質は不明のため、念のため浄水器を通して飲んだ。
洗濯のサービスもあるようだが、利用していないため、詳細は不明。
スマホ、Mobileバッテリーの充電OK!ハイカーボックスの横にテーブルタップが置いてある。かなり混雑するので、しばらく待つこともある。他のハイカーに間違えられないように目印や名前を付けておいた方がいい。
Kennedy Medowsのハイカーボックスが一番充実していた。余った食料や不要な道具などが惜しげもなく入れられている。PCT最高レベルだった。ここではかなりお世話になった。
お店の前の展望デッキが一番くつろげる場所。景色はたいして良くないが、開放感があっていい。奥のキッチンでハンバーガーやホットドッグを注文することができる。ダブルチーズバーガーで8.75$と非常に良心的な価格。
YOGIのHandbookによると、Kennedy Meadowsから2.7mileのところにレストランがあるようだが、どこにも看板はなかった。
お店の裏山がキャンプサイトになっていて、基本どこでもテントを張っていい。お隣さんが近い場所もあるので、間違えて入らないように注意する。宿泊料金は無料。(お礼はお店レジ横のドネーションボックスに。)
ここで数日滞在して休養しつつSierraの準備を整えることになる。PCTを歩いた中で間違いなくナンバーワンのキャンプサイトだった。今になって思えば、なぜここでもっとゆっくりしなかったのかと悔やまれる。
お店が開くと早速荷物を受け取る。全部で3つ。日本から送ってもらったベアキャニスター、Amazonで注文したトレランシューズ、Tehachapiから送った食料兼バウンスボックスだった。
店員さんにパスポートを見せると裏の倉庫から持ってきて貰える。手数料は1個5$。
バウンスボックスを開けるとマルチャンがぎっしりと詰まっている。わざわざ送ることはなかったが、こんなにも食料が豊富にあるとは思わなかったので仕方がない。
Amazonから届いたトレランシューズ。Warner Springsのリソースセンターで貰った靴と同じ物を注文した。前もって頼んでいたため、送料は無料だった。
これまで履いていたトレランシューズ600mileほど歩いてボロボロになった。Sierraに入る前のKennedy Meadowsが替え時だった。
なぜか内側のサイドに大きな穴が空く。ここが一番弱いらしい。
ソールもすり減って斜面で滑ることが多くなった。特につま先がツルツルになってしまった。
荷物を受け取ったところで朝食にする。これなんだったっけな?
卵、ハンバーグ、マッシュポテトの盛り合わせのような感じ。あっという間に平らげてしまった。
ワンコが寄ってきてお皿をペロペロ舐める。人馴れしていておとなしい犬だった。
お腹が満足しなかったので、パンケーキを食べる。これが意外に旨くてよく食べていた。
食後のおやつはアイスクリーム
ツエルトは一番奥のハイカーがほとんどいないところに張った。ハッキリした境界線がなくてどこでも張れる。やっぱり夜は静かに過ごしたい。
お店の外の水道で洗濯をする。あっという間に真っ黒になった。
立木に優しく干しておく。これが一番手軽な方法だ。
ベアキャニスターに食料を詰めているところ。とてもでは全て入りきらない容量で途方にくれた。出しては入れてを繰り返しているうちにマルチャンがボロボロに割れてしまった。
途中でヤケになって押し込んでいるところ。そうマルチャンは割りながら押し込むのだ!
何やかんやでようやく中に入れることができた。全ての食料は入り切らないため、あとは食料袋に入れてからバックパックに入れる。
自作アイゼンの装着テストをしているところ。
結局、かかとの押さえのロープは取り外して、チェーンを2重に巻くだけになった。
靴底のようすチェーン2本で多少のグリップ力を得る仕組みだ。携帯性と材料がどこでも入手可の簡単なアイゼンとした。僅かにグリップ力が増すだけで、なくてもいいがあると安心できるギヤだった。
準備をしているとお昼になって、お腹が空いたのでお店になんか食べにゆく。
ボリューム満点のバーガーを頼んだ。やっぱり焼き立ては美味いね!
寝起 クランキーバー×1
その他 ハンバーガー、お菓子、パン、ジュースなど多数