こんにちは。からあげです。
昨日は強烈な季節風が吹き荒れていて、せっかく用意したツエルトを設営することができなかった。くっ自然には勝てない。
今日は一転、風はすっかり収まり穏やかな日となった。
チャンス到来とばかりにツエルトを設営して各部チェックを行うことにした。
時を遡ることおよそ半月、場所は東京三鷹
アメリカB-2ビザの面接を終わって2日後、電車に乗って東京三鷹にあるハイカーズデポというウルトラライトのギアを扱うお店に行った。
お店のちょうど階段前でどこかで見たことのある人とすれ違ったのだが、なんとまさかの舟田さんだった。
全くの自然体でふら~っと歩いて行ったので、気がつくのが遅れてしまった!
振り返って見ると見覚えのある自作バックパックを背負っていたので、舟田さんに間違いないと確信した。
舟田さんとは日本人初のトリプルクラウン(アメリカ3大トレイルAT,CDT,PCTを全て踏破)した人の称号)を達成した舟田靖章さんだ。
ウルトラライトのお店に行くのは今回が初めてだったので、見るもの全てが新鮮だった。
いろいろなギアを一つ一つ手に取って穴が空くほどじっくりと見た。
お金が許すのならあれもこれもたくさん買いたいところだったが、ぐっとこらえて目当ての品だけ購入することにした。
隣の部屋が展示ルームだったが、目当てのものとは別のアライテントのライズ1が展示されていた。
図々しくも店員さんにお願いして目当てのツエルトを張って貰った。
あとで分かったことなのだが、私に親切に対応してくれた店員さんもなにげにPCTスルーハイカーだった。
これこそが私の欲しかったツエルトだ!
時間をかけて念入りに細部をチェックしていった。
実物を見ると益々気に入ってしまった。
これならPCTスルーハイク間違いなし!
昨日の設営を断念するまでのようす
再び時は戻り昨日のようす
収納袋に付いているタグがどうも気に入らない。
何やらおっさんの変な虫が騒ぎ始めたぞ!動き出したら止まらない♪
リッパーで縫い目を切っているところ。
ハサミで切るだけだと、根元にタグが残ってしまう。
どうせやるなら綺麗に取りたい。変なところにこだわりがあるのがおっさん。
よし、タグを外したぞ!
切った縫い目を縫い直して周囲をかがり縫いしてほつれ止めを施した。
よし、これでいい。
もう習慣になってしまったギアの重量チェック。
むむむ、346gか。
公表スペックでは340gのはずだったが、湿気を吸い込んで重たくなってしまったのか。
設営前に準備するのは、透湿防水シート。
小屋にいる時にホームセンターで買ってきた。
実家周辺のホームセンターでは置いていないところもある。
タイベックが欲しかったが、訳の分からないノーブランド品しかなかった。
まあいい。大して違いはあるまい。
アンダーグラウンドシートにタイベックを使用するのはハイカーで定番なようで、PCTガイドブックを読んでいるとタイベックタイベックと何度も出てきたので興味が湧いた。
ちょうど幅が100cmとツエルトの幅と同じだった。
文字がある方が防水面で地面に向けて敷く方。
裏側の面は毛羽立った繊維が見える。
ああ、この貧乏くさい雰囲気がなんとも堪らない。
適当に折りたたんでビニール紐で縛って重さを量ってみた。
なんと176g。劇的に軽い訳ではない。
家の庭でツエルトを張ってみる。
風が強いのでブロックを置いて飛ばされないようにした。
写真を撮ろうとすると、風でめくれて大変だった。
ツエルトを張ろうとすると横風を受けて飛ばされてしまう。
何度やってもだめ。
風が強すぎてツエルトを張れない。
ダメだこりゃ!(いかりや長介風)
せっかく準備したが、これ以上やってもツエルトを傷めるだけだ。
そもそもツエルトは樹林帯で威力を発揮するもので、吹きっさらしの風の強い場所で使うものではない。
ちっくしょー。後日やりなおしだ!
ツエルト2ロング ステルスバージョン(モス)の紹介
気を取り直して本日やりなおし。
東京のお店で購入したハイカーズデポのツエルト2ロング ステルスバージョンだ!
この地味な色が目立たずゲリラキャンプには適している。
少しでも付属の収納袋が大きくなるようにと、角の縫い目を切って四角に広げている。
ツエルト2ロング仕様
収容人数 |
2~3人 |
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重量 |
340g(実測値) |
【注】ライン・ペグなど付属品なし |
フロアサイズ |
全長220 x 幅100cm |
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天井高 |
95cm |
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天頂部長さ |
170cm |
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素材 |
15Dnリップストップナイロン PU透湿コーティング |
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対水圧 |
1,000mm |
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透湿 |
8,000g/m2 |
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カラー |
青朽葉(ao-kuchiba) |
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価格 |
22,680円(税込み) |
このツエルトはもともとファイントラックがツエルト2として販売していたものだが、ハイカーズデポがツエルト2のロングバージョン(2より全長が20cm長い)を別注してお店で販売し始めたのが始まりらしい。
販売しているうちに正規品より人気が出てしまい、いつの間にかツエルト2が廃番となり、ツエルト2ロングだけが残ってしまったというもの。
ファイントラックとハイカーズデポのコラボレーションで生まれたこのツエルト。
以前から気になっていたが、手持ちのアライテント「スーパーライトツエルト1」があるので、購入を見送っていたところだった。
今回はPCTスルーハイクに挑戦することになったので、快適性と軽量コンパクト性が高次にバランスしている、ツエルト2ロングを購入することにした。
通常のツエルトに較べると値段はかなり高いが、細部まで縫製がしっかりしていて耐久性が十分ありそう。
Hiker’s Depot(Zelt II Long Stealth Ver.)
finetrack(ツエルト2ロング)
ツエルト設営と各部チェック
それでは早速ツエルトを設営してみることにしよう。
今回が初の設営となる。
まだ張り綱は用意していないので、手持ちのものを使用することにした。
収納袋はとりあえずあり合せの大きめの収納袋に入れている。
これでもまだ余裕がないので、もう少し大きい袋を自作することにする。
バックパックを自作してからミシンを使えるようになり、自分の求める物を作ることができる。
ツエルト用のポールは、既製品のテントのポールをばらして製作した軽量のツエルト専用自作ポールだ。
重さは2本で120g。
トレッキングポールは重たいし、忘れたり落としたりしないように気をつけるのが邪魔くさいので、今回のPCTでは使用しないことにした。
下に敷くグランドシートは防水透湿シートのタイベックもどきを使用する。
フロア長より少し長めにハサミで切った。
幅はジャストサイズの100cmで切る必要がなかった。
設営場所の庭にはl砂利やコンクリ片が撒かれていてペグ効きが悪いので、ブロックやレンガを使用する。
ブロックの動かして張り具合の微調整をしやすいこともある。
ポールを使ったツエルトの設営は、4隅を固定してから立ち上げる。
まずはメインの張り綱を1本ずつでやってみた。
ロープをポール先端のアイに通しただけのこともあって、全然ツエルトが安定しない。
ちょっとした風でもグラグラと揺れる。
これだと耐風性がなさすぎて使えない。
多少重たくなっても構わないので、張り綱は2本ずつにすることにした。
張り綱を2本ずつ、ポールのところで二股にして設営した。
綺麗な三角形になってバシッと気持ちよく張れた。
安定感もバッチリ。
張り綱は長いロープ1本を半分にして折り返しのところで結ぶといい感じになるが、手持ちのロープが短いものしかないので、あえて2本ずつ使用することにした。
長いロープ1本より、短いロープ2本の方が使い勝手が断然良い。
横から見たようす。
自作ポールの長さが約107cmで短いかもしれないと思ったが、実際に設営してみるとジャストサイズだった!
ロープにテンションをかけてもテントのポールだけあって剛性は十分だった。
ロープはアイに通すだけだと、ポールが不安定になるので、適当に巻きつけて固定した。
これによりぐっと安定感がました。
先端の形状が悪くて手直しが必要かと思ったが、使い方次第で何とかなると分かって、PCTはこれで行くことに決めた。
張り綱のループはダイニーマテープで補強されているので、十分テンションをかけて張ることができる。
ツエルトの底は割れるようになっている。
底を退けてアイゼンを装着したまま入ったり、底を割ってタープ状に張ったりすることも可能。
このように一部だけ底をめくれば土間として利用できる。
フロア長が220cmもあるので、常設の靴置き場や雨天時の調理スペースとすることもできる。
ツエルト内のようす
先日購入したリッジレストクラシックスモールを敷いてみた。
出入口を完全に閉めると保温力が高まって暖かい。どことなく安心感がある。
天井高は95cmと通常のテントに較べてかなり低め。
あぐらをかいてラーメンの残り汁を飲み干すことは厳しい。
少し寝っ転がってスープを啜る感じになる。
このタイプのツエルトは両側を開放できる。
そのため換気性が抜群に良い。
多少重量が増えても、片開きより両開きの方がいい。
サイドを開けっ放しにできるようにストラップが装備されている。
これがないと安全ピンなどで留めることになる。洗濯バサミが手軽か。
サイドの三角部分と天頂部はダイニーマテープで補強されているので、十分なテンションをかけて張ることが可能。
白っぽいテープがダイニーマテープ。
価格が高いだけあって作りが丁寧だ。
ダイニーマテープのアップ
(ファイントラックHPではダイニーマスリングという名称で呼んでいる。)
張力のかかる各辺(ピコシェルター®は天頂部のみ)に合成繊維で最高レベルの強度を持つダイニーマ®を用いたテンションスリング®を縫い込み、高い引っ張り強度を実現。生地に負担をかけることなくしっかりとテンションをかけて広い空間を確保できます。また、耐候性に優れたテンションスリング®が、生地劣化による破壊の危険性を軽減します。
ファイントラックHPより
天頂部の端
ファスナーはダブルスライダーを採用。
上下の両方向から開けることができる。
ツエルト内部にロープを張ってセルフビレイを取ることも可能。
ツエルトの両サイドを全開にして底を割るとタープ状に張れるということだが、コーナーのようすを見る限り、通常のツエルトとして張るより分少し開くだけのように見える。
天井高さを上げて底を割り、三角屋根のフロアレスシェルターのように張って、内部空間を大幅に広げることも可能。
両サイドの天頂部付近にメッシュ付きのベンチレーターが装備されている。
外から見たベンチレーターのようす。
剛性のあるストラップを縫い付けているため、きちんと換気口を確保することができる。
透湿性のある生地と効率のよいベンチレーターで結露を最小限に防ぐ。
サイドリフターを張って内部空間を広げてみた。
サイドリフターとフロアのループにロープを取ってみた。
ツエルトは横風に弱く、中央付近が凹んでしまうことがある。
こうしてロープを取って横に引っ張ると、ツエルトの形状を保つことができる。
(ただし、底辺はダイニーマテープで補強されていないので、引っ張りすぎると傷めるおそれがある。)
サイドリフターの付け根。
こちらもダイニーマテープなし。
適度に引っ張る。
底辺中央部のループ
さきほど説明したようにダイニーマテープによる補強なし。
サイドリフターを張ったところ。
内部の居住空間が広がり、快適性がアップした。
ただし、サイドが広くなるが、若干天井高が低くなる。
底辺中央部のループの内側
なんと袋状になっている。
ここにインナーフレームを差し込むことができるのか。
サイドリフターの内側
天頂部中央にストラップ2本が取り付けられている。
ランタンなどを下げることができる。
撤収後の防水透湿シートのようす。
一度使っただけなのに、こんなにボコボコになってしまった。
タイベックのグランドシートはそれほど耐久性がなさそう。
途中で傷んできたら、ホームセンターで購入しよう。
*このタイベックもどきは使用せず。PCTでは本物のソフトタイベックシートを使用した。なんとCanadaのゴールまで持つ脅威の耐久性があった。
ツエルトのファーストレビュー
このツエルトなら快適にPCTを歩くことができると確信した。
ダイニーマテープでしっかり補強されていて耐久性は十分、細部まで丁寧な作りで信頼感がある。
PCTスルーハイクの実績があるのが非常に心強い。
天気が良ければ積極的にカウボーイキャンプをして、夜露が心配な時はタープ状で設営、高山帯で保温力が欲しい時は完全に密閉してツエルトとして張ることにしよう。
(カウボーイキャンプとは、アメリカでタープ・テントなしで寝るスタイル。)
PCTのあとも活躍してもらわねばならないので、果敢にカウボーイキャンプで攻めてみる。
あとは固定用のロープを用意して収納袋を作るだけだな。
コメント
ツエルト2ロング ステルス
< 名前にステルスという文言があるのがかっこいい。
隊長、PCTは、帽子とかも用意されているのでしょうか?また、PCT以外に観光の計画なんかもあるのでしょうか?
それと気になるのがPCT中のブログ更新の方針です。絶対、あのへんは、電波が飛んでないですよね。
観光は踏破後ですね。
実はPCTでのブログ更新がストレスのもとになっています。
余計な装備が増えますし。