PCT2017スルーハイクの記録~灼熱の南California編 その2~

こんにちは。からあげです。

 

ついに始まったPCTの連載記事。一体いつまで続くのか、書いている本人もさっぱり分からない。ふぅ~、1つ書いてようやく落ち着いてきたところだ。

ツマラナイという苦情はいっさい受け付けない。さあ、出来たてホヤホヤの記事を読んでもらおうか。

PCT6日目 5月1日  Julian 77mile地点から86mile付近まで

朝のようす

Julianで泊まった翌日。ハイカーたちの朝は遅い。私も二度寝することにした。

朝出発する気マンマンだったのだが、厨房の掃除をするということだったので、手伝ってゆくことにした。さすがにお世話になっておいてそのまま出てゆく気になれない。

ようし、働いてお返ししよう。

やんや、やんやの大騒ぎ。従業員と一緒になって作業をすすめる。

店内もテーブルを片付けて掃除の準備をする。

厨房から大きな機械を出したところ。凄く重たいし、脂まみれてなっていて、あちこち汚れてしまった。自分は同じくらい汚れているので全然気にならない。

雨は全く降らないので、外に出しておいても大丈夫。(ただし、盗難のおそれはある。)

カチカチになったタイルを剥がして掃除する。長年の汚れがあちこちこびりついている。

トランプするハイカーたち

こちらは手伝わない組。トレイルを離れると、疲れること面倒くさいことは一切しないハイカーも多い。

昼はバーガーパーティーが開催された。焼いているのはハイカー。慣れた手つきで焼いている。アメリカではこうしたバーガーパーティーが日常茶飯事のようす。

奥に見える恰幅のよい女性がママのCarmen。昨晩ハイカーに冷蔵庫の中の食べ物を食べられたようで、朝からFuck!!と叫んで騒いでいた。

このレストランにやって来ると、もれなくママの熱い抱擁がプレゼントされる。

仕事を手伝った人はタダ。手伝わなかった人は3$でバーガーを食べられる。

ボリューム満点だったが、あっという間に平らげてしまった。

ごちそうさまでした!

お昼を過ぎてようやく町を出ることになった。
ちょうどトレイルに戻るハイカーがいたので、頼みこんで一緒にヒッチハイクしてもらうことにした。

車に乗せてくれたのは気のいいおばちゃん。ちょうど町のPost Officeに来たところだった。車はTOYOTA RAV4。トヨタ車はアメリカでも非常に人気がある。

14時ころトレイルまで戻ってきた。牛の標識があるが、どこにも牛は見えない。

同乗したハイカーがいいところがあると連れてってくれたのは橋の下。

なんと橋の下がハイカーの休憩場所となっていた。全然気が付かなかった。どおりでハイカーがいなかったわけだ。

一晩泊まった遅れを取り戻そうと頑張って歩く。

おや?こんなところにアメが落ちていたぞ!
昔、拾い食いしたらイケないと言われた気がするが、無意識でアメを頬張っていた。

拾い食いしたのこれが初めて。

19時ころまで歩いて、岩の影でカウボーイキャンプした。あとで気がつくと、ケツを吹いたトイレットペーパーがそこら辺に散乱していた。ヤレヤレ、自分のケツも拭けない坊っちゃん嬢ちゃんがPCTを歩いているのか。

この日、日本から履いてきたウォーキングシューズの右のつま先がぱっくりと割れてしまった。劣化していた接着剤が暑さで剥がれたようす。ケチらないで新しい靴買えばよかったと、かなり後悔した。

 

データ

歩行距離 9mile

食事 
朝食 お菓子少々
昼食 バーガー×1、チップス×1
夕食 パン×1、お菓子×1、バナナ×1
 

PCT7日目 5月2日  86mile付近から108mile付近まで

朝、出発前に靴を修理する。丈夫な麻糸で縫った。ソールが硬くて縫うのに手間取った。

働き者のアリ

日が当たる前に距離を稼いでおく。

水場の分岐に怪しげな箱がある。

水場はトレイルから3/10mile先にあるため、そのままスルー。

これはレジスター(Register)と呼ばれるもので、ハイカーが記帳するノート。知り合いのハイカーを探す手がかりともなる。たいていトレイルネームで書くが、私はまだトレイルネームがなかったため、本名を書いていた。

100mile通過

水場で休むハイカーたち

木陰が特等席。

Eagle Rock(106mile付近)

広大な草原にある岩場。この周辺はかなり雰囲気が良かった。

Eagle Rock

この日はWaner Springs手前のCreek脇でキャンプした。一人で静かにキャンプしたかった。

Creekで水浴びして洗濯した。

朝直した靴だったが、すぐに糸が切れてしまった。再び直しても糸が切れそうだったため、どうしようか悩んでいた。

 

データ

歩行距離 22mile

食事内容
寝起 クリフバー×1
朝食 バナナ×3、チョコレート×1
昼食 ???
夕食 ???
100mile突破
Julianで1泊して十分な休養をとりトレイルに復帰しました。復帰早々トラブルに見舞われます。なんとウォーキングシューズのソールが剥がれてきたのです。実家で見つけた靴を履こうと決めた自分の安易さが悔やまれました。
 

PCT8日目 5月3日  108mile付近からWaner Springsを経て127mile付近まで

今日は遅めの起床でのんびり歩いてWaner Springsまでやって来た。

Waner Springs 109.5mile地点 On Trail

山間の小さなコミュニティー。キャンプ場とPost Office、コンビニがあるのみ。
ここでZero Day(ゼロデイ)をとるハイカーが多い。

Zero Day(ゼロデイ)とは、全く歩かない日。ハイカー用語。

 

Waner Springs Resource Center

ハイカーの休憩施設を兼ねるキャンプ場の管理棟。

無料キャンプ、休憩OK、水・電源あり、売店で補給可。
 
 
早速、ハイカーボックスを漁ってみる。どれどれ~。
 
 
なんと新品同様のトレランシューズをゲット!!
これには、見えない何かの力が働いている気がした。サイズは41インチで少し大きめくらいだった。次のIdyllwild(151.9mile地点)まで靴をなんとか持たせようと思っていたところだった。トレランシューズがなかったら、この先どうなっていたか分からない。
 
 
広大なキャンプ場
 
たくさんのハイカーがテントを張って休んでいた。何か入りづらい雰囲気があったので、ここでは泊まらずに先に進むことにした。序盤の浮かれたハイカーたちの雰囲気が凄く嫌だった。
 
 
ハイカーボックスとResource Centerの売店で手に入れた食料
全部で17$。
 
この時、袋入りのスパムに救われることになるとは思いもしなかった。
 
 
Waner Springsでは、重要な仕事が待っていた。それはバウンスボックスの受け取りと発送だ。前日、どこまで送ろうかと散々悩んでいたのだった。
 
ここはPost Officeとなりのガソリンスタンド。アメリカのガソリンスタンドには、たいていコンビニが併設されている。
 
 
かわいいワンコ
 
大人しくて人懐っこかった。
 
 
Post Officeでバウンスボックスを受け取る。受け取りには発送のレシートとパスポートの提示が必要。
 
 
外でバウンスボックスの詰替作業をしているところ。
 
次の発送先は、およそ260mile先のWrightwood(363.4mile地点)に決めた。
 
Warner Springsでの大きな変更点は、アルコールストーブの使用を中止して、バウンスボックスに入れることだった。しばらくストーブなしで行こうと馬鹿なことを考えていた。主食はスナック菓子とエネルギーバー。マルチャンはハイカーボックスに入れて処分した。
二つ目はツエルトをバウンスボックスに入れて、しばらくポンチョタープのみでゆくことだった。
 
 
バウンスボックスの発送作業を終えると隣のコンビニで食料を買う。
始めバーガーでも食べようと思っていたのだが、なんとバーガーコーナーは改装中だった。アメリカでは夏場の稼ぎ時でも改装中だったところが結構あった。今稼がなくていつ稼ぐんだ!と言いたくなった。
 
サンドイッチとドクターペッパーで3.75$。もちろんこの場で食べる。
 
 
Waner Springsで休むハイカーが多い中、私は一人先を急いだ。
 
 
とあるキャンプサイトでクーラーボックスを発見!!
 
 
中身は空っぽだった。ハイカーのためにSODAを持ってくるが、そのまま放置というパターンが結構見られた。もう随分と経つクーラーボックスに見えた。
 
 
トレランシューズに履き替えると、凄く歩きやすくてペースをドンドン上げた。しかし長くは続かず暑さで昼過ぎにはバテてきた。ロクなものを食べていないこともあった。
 
 
ゴロゴロとした大きな岩が目立つ。
 
 
この日は水を切らしそうになってヒヤヒヤものだった。途中のトレイルエンジェル宅には寄らず、水だけ貰ってトレイル脇でカウボーイキャンプ。
 
 
データ

歩行距離 19mile

食事内容

朝食  チョコレート×2
昼食  サンドイッチ×1、ドクターペッパー×1
行動食 お菓子
夕食  お菓子
 

PCT9日目 5月4日  127mile付近から141mile付近まで

地図で確認すると、25mile水場なしの区間となるため、少し戻ってトレイルエンジェル宅前の貯水タンクで水を汲むことにした。水筒の容量が足りない気がしたため、そこら辺に落ちていた1ガロンのボトルにも汲んでゆくことにした。全部で約9L、PCTで一番水を持った時だった。まだ暑さと歩き方に慣れておらず、多めの水が必要だった。

1ガロンボトルを手に持って歩いていると非常に疲れた。荷物がたくさんあってバックパックの中には入らなかった。

暑さを避けるために日陰で休む。

この日、猛烈な暑さでおっさんダウン。朝からお菓子しか食べていないので、全然元気が出ない。早くも食料計画が破綻したことを悟った。

ストーブレスだと荷物が軽くなるし、調理の手間を省けてガンガン歩けると思っていた。

トレイルを歩いていると、そこら辺で行き倒れになっているハイカーを見かける。その一人がおっさんだ。

この日の食料。ミックスナッツやお菓子ばかり。こんなんじゃまともに歩けない。本当にどうかしていた。

袋入りのスパムがなければ、行動不能になっていたことだろう。暑さと空腹で頭が朦朧としていた。昼を過ぎると、暑さで全然歩けなくなった。安全地帯の日陰で休んでは少し歩くを繰り返した。

 

データ

歩行距離 14mile

食事内容

寝起  スニッカーズ×1、ミックスナッツ×1
朝食  お菓子
行動食 お菓子、スパム×1
昼食  お菓子
夕食  お菓子
 

PCT10日目 5月5日  141mile付近からParadise Valley Cafeを経て道路歩き

この日、3時起きして歩くことに決めた。前日は暑さと空腹のため全然歩けなかった。

日没前、トドみたいな姉ちゃんがやって来て、夜いびきをかいて煩かったこともある。
暑くなる前に山を下りてParadise Valley Cafeまで行かないと、本当に死ぬ気がした。

ようやくトレイルヘッド(登山口)まで下りてきたところ。例によってハイカーの姿は全くなし。この先の山火事迂回をショートカットすることに決めていた私はヒッチハイクせずに歩いてParadise Valley Cafeまでゆくことにした。

 

Paradise Valley Cafe 151.9mile地点 1mile徒歩

Idyllwild通じる道路沿いの小さなカフェ。ハイカーのたまり場でもある。

 

7時40分ころ

おっさんはお腹ペコペコでやってきた。頼む。早く何か食わせてくれ~。

アメリカンテイスト漂うカフェ。おっとそうだった、ここはアメリカだった!

何でもいい。すぐに出せるものも出してくれ!と必死に訴えるとメロンのようなものが出てきた。

Paradise Valley Cafe名物 大きなステーキとマッシュポテトとスクランブルエッグ。

30分くらい待ってようやく出てきた。見よ、このボリューム。

少しでも腹が膨れるようにケチャップを大量にかける。

はあ~うめ~。夢中で食べ続ける。

アメリカで思い出深い食べ物は、ここParadise Valley CafeのステーキとSeiad Valleyのブリトー。ステーキは大味だったが、ブリトーは最高だった。Sierraをスキップして意気消沈していた私だったが、ばあさんがその場で作ってくれたブリトーを食べると元気が出た。

近くに寄ることがあったら、是非食べに行きたい。

はぐはぐむしゃむしゃ。

私の食べっぷりを見て心配してくれたお店の人がトーストも出してくれた。さすがにこれは食べ切れなかった。紙に包んでお持ち帰り。

ごちそうさまでした!

会計は20.95$だった。メロンとトーストがサービスで出てきたので、ちょっと奮発して25$払った。

お金を置いて席を立つと、ウエイトレスがPerfect!と言って喜んでくれた。
本場アメリカ人が言うパーフェクトという発音は、日本人が真似ていうのと全然違う。

Waner Springsで貰った山火事迂回の地図

黄色のマーカーがPCTA推奨の迂回路だ。ここから戻ってPCTを歩く気にどうしてもならなかったので、そのまま道路歩きをすることにした。私が歩く道がAlternate Routeとなる。

数年前からずっと閉鎖されているところだが、麓からみても煙は全く見えなかった。なぜ閉鎖され続けているのかは謎のままだった。

Idyllwiidまで17mileの表示。

途中で舗装路を逸れて林道を歩くことになる。

道路脇を歩く。ハイカーの姿が見えなくなってホッとする。
ハイカーが多すぎてうんざりしているところだった。

牧場脇を歩く。

中には番犬が離されていて、勝手に侵入すると襲いかかってくる。

犬は防犯の一番手軽な方法のようだ。

ドライブスルーポスト

車に乗りながらでも投函できるようになっている。

のどかな牧場脇をゆく。

これ、馬の日除けらしい。

おっさんに興味があるようで寄ってきた。

途中のお店に寄っておやつタイム。空腹の反動が一気に出た。

この日のキャンプは道路から少し入った山の斜面。道路から見えるところだと危険だと思った。

木の根元の平らなところでカウボーイキャンプする。

不思議と落ち着くもみの木だった。夜中、雨がパラパラと降ってきたが、葉っぱが雨を遮ってくれた。

もみの木の家は便利なフック付きだった。

晩御飯は、食べ残したトースト。バターがこんがり焼けていて凄く美味かった。

 

データ

歩行距離 15mile???

食事内容

寝起  スパム×1
朝食  なし
行動食 クリフバー、お菓子
昼食  ステーキ、マッシュポテト、卵など
おやつ パン、アイスクリーム、ジュース
夕食  おいしいトースト
 

PCT11日目 5月6日  道路歩きからIdyllwild(179.4mile地点)へ

今日は朝から道路歩きとなる。早くIdyllwildに着いてゆっくりしたかった。

迂回路の林道入口

どこにも標識が設置されていない。CLOSEDのところにナイフか何がで削ってPCTと書かれていた。ここは非常に分かりにくかった。

朝靄の中をゆく。

二股が現れた!どうする?

先行するハイカーがトレッキングポールで矢印を書いてくれていた。

この時、スマホにPCT用のGPSアプリしか入れておらず、Googleマップを見ながら勘を頼りに歩いていたのだった。

暑くなってきたので、長袖シャツを脱ぐ。

別荘の中を抜けてようやくIdyllwildの町に下りてきた。目指すはキャンプ場。

Idyllwild 179.4mile地点 On Trail(道路歩きの場合)

山間のリゾートタウン。森の中に町がある。

キャンプ場に入っていたが、誰もいない。1泊20$もするキャンプ場でハイカーが泊まるはずがない。

Mt.San Jacinto State Park

ここがハイカーが泊まるキャンプ場。

1泊3$、水洗トイレ、水場あり、ハイカーボックスあり

充実のハイカーボックス

ポンチョタープを張ったところ。

Waner Springsでツエルトをバウンスボックスに入れてポンチョタープのみとなった。

洗濯してスッキリ

そこら辺の木に掛けて干しておく。

Idyllwildのアウトドアショップでガスストーブとクッカーを買うことにした。ストーブなしだとまともなものが食えずに腹が減って歩けなくなる。

アルコールストーブはずっと先のWrightwoodに送ってある。ちょうどいい機会なので、ガスストーブを買うことにした。

購入したもの 全部で約130$

MSR Micro Rocket Stove
Snowpeak Hybrid Summit Cookset
ガス缶小
スプーンとフォーク

お腹が空いたので、レストランで食事。

ちょうどお昼時で、レストランは大変な賑わいようだった。

ハンバーガーとポテトとスパークリングウォーターで14.26$

15$ではなく、敢えて2$加えた14.26$とした。ボリュームが少なくてあっという間に平らげてしまった。

お腹が膨れたところで、図書館にゆくことにした。

これが図書館の標識だ。

図書館でモバイルバッテリーとスマホを充電しつつブログ更新を行う。アメリカの図書館ではたいてい電気をとることができる。

この日、土曜日で早めの閉館時間だったため、早い時間で追い出されてしまった。

仕方ないので、スーパーで買い物して帰ることにした。これがサッポロ一番のビーフ味。

アメリカのレジのシステムもようやく慣れてきた。

サッポロ一番ではなくマルチャンを買う。一袋20セントだったため、大量購入した。しばらくおあずけだったこともある。

食料は風呂敷に包んで帰る。

スーパーの外に出るとちょうど大雨が上がったところのようだった。地面にはあちこち水溜りができていた。

次の日はゼロデイをとることに決めていた。さっそく購入したストーブのテストをしているところ。この時、雪が降ろうとはまったく思っていなかった。

 

データ

歩行距離 10mile???

食事内容

寝起  パン×1
朝食  お菓子
行動食 クリフバー、お菓子
昼食  ハンバーガー、ポテト
おやつ バナナ、お菓子、ジュース
夕食  マルチャン×1、ツナ缶×1
Idyllwildへ
Warner Springsの町を抜けてIdyllwildの町までやって来ました。Warner Springsでアルコールストーブを手放してスナックやパワーバーのみに変更すると、お腹が減りすぎて全く歩けなくなってしまいました。山火事の迂回もあり、次々と試練が訪れたときでした。
 
つづく
 

コメント

  1. かつみ より:

    PCTの記録を楽しく見させてもらってます。

    1ヶ月前にYogi’s Handbook を買ったところなので、タウン情報をガイドとてらしながら見てますが、Handbookには載ってない生の情報も得られるので助かります。

    • karaage より:

      どうもありがとうございます。
      少しでも参考になるように詳しく書きたいところですが、徐々に飽きてきてしまいました。
      あまり期待しないでくださいね。

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