こんにちは。からあげです。
ようやく軌道に乗ってきたPCTの記録だが、まだ半分程度しか終わっていない。来る日も来る日もパソコンに向かい記事を作成しているが全然進まない。
そりゃそうだろう。143日も掛けて歩いたのだから仕方ない。もう少し効率良く進められないか考えた。しかし、全くいいアイデアが浮かばない。もうしばらくこの方法で作業を進めよう。
キーボードを叩きながらふと考える。果たしてこのような記事に需要があるのだろうか?リアルタイム更新とダブった箇所が多くある。じゃあ更新した日は除こうかと考えたりもしたが、そうすると穴だらけの記録となってしまう。しかし、もう少しだ。キーボードを処分したSouth Lake Tahoeからはクオリティーが一気に下がりスカスカになった。
もう少し読み返してしっかりした記事をアップしたいが、時間を掛け過ぎてもいい記事が書けるとは思えない。よし、勢いでアップしてしまおう。
- PCT66日目 6月30日(金) 1582mile付近から1553mile付近まで
- PCT67日目 7月1日(土) 1553mile付近から1523mileまで
- PCT68日目 7月2日(日) 1523mileから1498.7mile地点Castellaまで
- PCT69日目 7月3日(月) CastellaからMt.Shastaで補給、1489mile付近まで
- PCT70日目 7月4日(火) 1489mile付近から1461mile付近まで
- PCT71日目 7月5日(水) 1461mile付近から1434mile付近まで
- PCT72日目 7月6日(木) 1434mile付近から1411mile付近まで
- PCT73日目 7月7日(金) 1411mile付近からBurneyで補給、1391mile付近まで
PCT66日目 6月30日(金) 1582mile付近から1553mile付近まで
5時30分起床、5時55分出発 晴れ
昨日は疲れていたのか、朝まで熟睡して30分ほど寝坊する。周囲が明るくなれば自然と目が覚めるのに、今日に限って寝坊してしまう。慌ててツエルトを撤収し出発する。
出発してしばらくすると、倒れたばかりの倒木が塞いでいた。巨大な倒木でどちら側から迂回するか迷う。葉っぱが茂っているため、ようすが分かりづらい。無難に上の根元の方から迂回した。
朝は静かな滑り出し。単調な景色で早くも飽きてくる。
トレイル上にクマの落とし物を発見!
自分の縄張りを誇示するために行っているのか?こうしてトレイル上にたくさんの糞があるのは珍しい。脱糞しながら歩いていったようす。
Hwy93を横切る。山奥の道路で交通量は少ない。
道路を渡ったところの森の中で虫の採取器のようなものを見つけた。
地上2mの木の幹に取り付けられていた。
入りやすくて出にくいゴキブリホイホイのようになっている。
中の粘着テープで虫を捕まえる仕組みのよう。
久しぶりの渡渉。
飛び石と倒木を使わずにじゃぶじゃぶと歩いて渡る。小さな飛び石は不安定で、足を乗せると動いてバランスを崩すことがある。余計な気遣いするなら、そのまま歩いてしまった方が速い。
今日は歩き始めてから体の異変を感じていた。十分食べているのになぜか足が重たい。
トレイルミックスは一度食べだすと止まらなくなる。昨日食べ始めたトレイルミックスとバナナチップスを早くも全て平らげてしまった。
考えられたのは糖分のとり過ぎだった。トレイルミックスにはチョコレートがたくさん入っているし、ポケットに入れておいても溶けないM&Msチョコレートを食べていたのだった。普段、糖分はほとんど摂らない生活をしていたのだが、アメリカに来てからは一時的に糖分を解禁していた。というのも、砂糖なしの食べ物はほとんどなく(セレブの通う高級スーパーならあるかも)、選り好みすることができなかったからだ。
トレイルミックスを食べ始めてすぐに大きな変化が起こった。なんと大が1日2回以上になった。
ハイキング中も毎日お通じがあって便秘をすることはほとんどなかったのだが、ナッツ類の繊維質が体に効いたのか、爆発的に大の量が増えた。食べるには出さないといけないので喜ばしいことなのだが、大の回数が増えると紙の消費とタイムロスが効いてくる。トレイルミックスは健康のために毎日少しずつ食べるのが良いことが分かった。しかし、止められず無駄に大を量産していたのだった。
体調不良でも歩き続けなければならない。スキップ直後の失意による体調不良から脱したと思ったが、今度は糖分とり過ぎによると思われる体調不良に陥った。
食べ尽くすまで食べるのを止められないのは、意思の弱さもあるだろうが、糖分の依存性の高さもあるだろう。食べ物に砂糖を入れるとたしかにコクが出て旨くなるが、素材の悪さを砂糖で誤魔化しているのが大半のように思われる。
セルフサービスで撮影中
自分の歩いている写真が欲しかったので、杭の上にカメラを載せて撮影した。
歩くスピードを調整してなんとか画面内に収めた。PCTの99%以上一人で歩いていたため、ハイキング中を写した写真が全くない。こうやってセルフサービスで時々撮影した。
トレイルが日常となると、ちょっとした景色くらいでは心が動かされなくなる。
何を見ても不感動、そんな不感症の日々を送っていた。
それでもトレイルが続く限り歩かなければならない。
一筆書きのスルーハイクは断念したが、全区間を自分の足で歩くということは達成したい。余計に思うのだった。
ロングトレイルには不思議な魔力があって、どんな理由であれ一旦歩き始めると、ゴールするまでなんとしても歩きたくなってくる。お金と手間を掛けて日本から遥々やって来たということもあるだろう。一生のうち挑戦できる回数が限られていることもあるだろう。止められない、止まらない。ロングトレイルはそんな遊びなのだ!
日の出とともに歩き始め、日没とともに休む。そんな毎日が延々とゴールまで続く。
スルーハイクしたい!ただこの一心で夢遊病者のように歩く。
次の補給場所はMt.Shastaだ!遥か遠くに見えた山だったが、肉眼でもハッキリと捉えることができるようになってきた。
毎日のように見たMt.Shastaが見えなくなった時は少し寂しくなった。
大きな岩がゴロゴロしている岩場を通過する。
岩の間をねぐらとしているリス
あちこちの隙間から出てきてはチョロチョロと動き回っている。
可愛かったのでもう一枚撮影した。
岩場を見上げる。
今にも上から岩が落ちて来そうな雰囲気。
日差しが強く歩いていると汗ばんでくる。こういう時は冷たい雪解け水を飲むのが一番。
水は必要な時に必要な量だけ浄水する。
こうして浄水器をペットボトルに直付けして飲む。これが一番シンプルで無駄がない方法だ。
飲み残しはその場で捨てる。携行する水は必要最低限のみ。
試行錯誤して辿り着いた方法だった。
この日は北上するハイカー数名とすれ違った。その時聞かれたのが、先の残雪の状態についてだった。Etnaを出てから聞かれることが多くなった。残雪がところどころ見かけるようになったためだと思われる。北上ハイカーの質問から徐々に雪が減ってくることが予想された。
私は質問される都度「Little bit!」と親指と人差指を僅かに隙間を空けるジェスチャーをするのだった。もう少し細かく教えてあげたかったが、私の英語力ではどうにもならなかった。誤解を与えるくらいなら、余計なことは言わないほうがいい。
Scotto Mt. Summit Elev 5401ft(約1,650m)
18時ころ、Scotto Mt. の頂上付近を通るHwy3を通過する。道路脇で15分ほど休憩していると、3台車が通過した。頂上付近には無料のキャンプ場があったのだが、RV車が数台止まってキャンプしていたし、時間がまだ早かったので先に進むことにした。
ひょっとしたらトレイルマジックがあるかもしれないと思ってあちこち探し回ってみたが、どこにも見当たらなかった。Sierra入りしてから今日までトレイルマジックには一度も遭遇していなかった。
20時50分ころトレイルジャンクション付近の伐採地でツエルト設営。
すぐ先に水場ありのキャンプサイトがあったが、先着しているハイカーがいそうだったため、ここでストップ。キャンプ前に食事を済ませておくと、キャンプ地選定の幅がぐっと広がる。毎回水場近くでキャンプをしていると、なかなか距離を歩けなくなる。
就寝前に距離を計算してみると29mileで、過去最高記録を更新したのだった。体調が万全でなくても歩き続けた結果のことだった。
寝起 パワーバー×1
朝食 マルチャン×1、ツナ×1、トレイルミックス少々
行動食 トレイルミックス少々、チョコレート×1
昼食 マルチャン×1、スパム×1
行動食 ビスケット×1、パワーバー×1
夕食 マルチャン×1、ツナ×1
PCT67日目 7月1日(土) 1553mile付近から1523mileまで
昨晩は少し冷え込んでツエルトが結露して濡れてしまった。
濡れたまましまうのは久しぶりのことだった。
気になっていたすぐ先のキャンプサイトだが、誰も泊まっておらず無人だった。
プロテイン入りのパワーバーを食べる。
普通のやつに較べて少しだけパワーが出る気がする。ただそれだけ。
昨日と同じようなゴロゴロの岩場を通る。
15時前、Parks Creek Trail headに到着。土曜日のためかハイカーが多い。
駐車場を過ぎたところで休憩する。
Deadfall Lake
湖畔にハイカーの姿が多く見える。犬の鳴き声がこだましていて興ざめしたため、フルスピードで通過した。無駄に吠える犬はわざわざ連れて来なくていい。
17時過ぎ、トレイルからMt.Shastaが見える。
樹皮に生えた苔
山腹から湧き出るWhite Ridge Spring
冷たい水がコンコンと湧き出ていた。
この日、週末ハイカーが多く、キャンプ地がなかなか見つからなかった。行く場所、行く場所良さそうな場所はたいてい先客がいた。21時過ぎまで歩いてようやく稜線上にキャンプできそうな場所を見つけた。風が強かったため、木の陰にツエルトを張った。
夕焼けに染まるMt.Shasta
この日、前日に続いて歩行距離の最高記録を更新し、はじめて30mile歩いたのだった。キャンプサイトが見つからなかったため遅くまで歩いていたからだった。
寝起 パワーバー×1
朝食 マルチャン×1、ツナ×1、チョコレート×1
行動食 パワーバー×1
昼食 マルチャン×1、ツナ×1、パワーバー×1
昼食2 マルチャン×1、パワーバー×1
夕食 マルチャン×1、スパム×1
PCT68日目 7月2日(日) 1523mileから1498.7mile地点Castellaまで
5時10分起床、5時45分出発 晴れ
風は夜遅くに弱まり、穏やかな朝を迎えた。
歩き始めてすぐ、昨日地図で目星を付けていたフラットスペースにはテントが張られていた。
あの稜線上のスペースを見送っていたら、しばらくキャンプできそうな場所がなかったため、大変なことになっていただろう。歩いた道を戻るということはできるだけやりなくない。混雑している時は特に妥協が必要だと思った。
今日の予定はとりあえず麓まで下りて、余裕があればCastellaで何か食べる。町で何かを食べられると思うと、自然と足早となる。どうせ休憩するなら、何か食べながら休みたい。空腹で休んでいても物足りない。
遠くから見えた怪しげな雰囲気の険しい岩山。
この付近から谷へ下りてゆく。
時間は11時過ぎで暑さのピークはまだなのだが、肌を焼くような厳しい日差しが照りつけていた。Tシャツを汗でずぶ濡れにして歩いていたのだった。
つづら折りの道を下っているところ。この下りはかなりハードだった。逆の上りでなくて良かったと何度思ったことか。
あまりの暑さでペースが一気に落ちる。朝方多くのハイカーを見かけたが、暑くなるとほとんど見かけなくなった。いったいどこに消えてしまったのか?
Creekの度に冷たい水を飲んで木陰で休んだ。
すでに15時を過ぎていたため、Mt.Shastaへは明日ゆくことにして、一旦PCTを離れCasttellaに下りる。何でもいいから食べて満腹になりたかった。
Castella 1498.7mile地点 2.5mileヒッチまたは徒歩
Interstate5沿いにある小さな町。近くのDunsmuirとMt.Shastaへはヒッチハイクでゆくことができる。
コンビニしかないが、唯一荷物の受け取りができる。
安いキャンプ場もあって早い時間からでもゆっくりすることができてなかなかいい場所。
補給場所はガソリンスタンドCevron併設のコンビニAmmiratis Marketとなる。
コンビニとしては大きい部類。
手前にはPost Oifficeもある。
店内にはハイカーボックスあり。中を見るとロクなものが入っていなかった。
荷物受け取りの手数料は無料。ハイカーの荷物が店内の通路に山積みにされていた。
Post Officeでは荷物の保管期間が2週間だが、こうした荷物受け取り場所(Mail Drops)では長期間預かって貰えるのが良い。(状況によっては到着の2週間前に送る必要があるため。)
YogiのHandbookではあまり良いように書かれていないが、思ったよりハイカーフードが充実していた。贅沢を言わなければ、ここで補給することは可能。無ければDunsmuirかMt.Shastaに行くこともできるので、ざっとした食料計画でも十分やっていける。
併設されていたレストランは荷物置き場となっていて、週末に営業している雰囲気は全くなかった。
駐車場の大きな木の下にピクニックテーブルあり。
店の前で休んでいたら、店員さんが物凄い勢いで出てきて、「あっちに休むところあるわよ!」と教えてくれた。汚い身なりで目立つところにいると、お店の営業に支障がでるため配慮が必要だ。暑さと空腹と疲れでつい店の前で座りこんでしまった。
コンビニで買った食料 全部で14.81$だった。
それほど高いとは思わなかった。これくらいは許容範囲だ。
家族連れに食べかけのフライドポテトとミネラルウォーターとジュースを貰う。
私がピクニックテーブルで休んでいたら、中学生くらいの男の子がそっと渡してくれた。
凄く自然に渡してくれてので、瞬間的に手を出してしまった。アメリカ人は他人に与えることに慣れている気がした。
お店で1時間ほど休むと、川沿いのピクニックエリアに水浴びと洗濯をしにゆくことにした。
明日、ヒッチハイクしてMt.Shastaまでゆくので、身なりをきれいにしておきたかったし、猛烈に暑くて汗でずぶ濡れになってしまったので、汗を流したかったこともある。
Interstate5の下を抜けて向こう側に出る。道路の下は快適な休憩スペースとなっていた。
ここの出入り口 Exit724は日曜の夕方だというのに、交通量は少なめでヒッチハイクはし辛い感じがした。
YogiのHandbookでピクニックエリアの存在を知った。近くにハイカー専用サイトのあるキャンプ場があったのだが、他のハイカーと顔を合せたくたなかったため、泊まるのは他の適当な場所に決めた。
無料のピクニックエリアだと思っていたら、有料のキャンプ場(1区画25$)だった。
Day Useの場合は1台8$だったので、歩きの私はそのまま素通りした。キャンプ場の施設は使用せず、単に川まで下りたかっただけ。
海パン1丁になって川で水浴びした。火照った体が冷やされて凄く気持ちよかった。
汗で汚れた下着類を洗濯してスッキリ爽やか。
キャンプ場はそこそこ泊り客がいた。
明日、Interstate5の入口でヒッチハイクしてMt.Shastaに行くため、近くまで移動しておく。
この道路はInterstate5に並行して伸びる一般道で、交通量はかなり少ない。
道路脇にはフラットな場所が多く見られてどこでも野宿し放題の状態だった。
19時30分ころ 道路脇に広大なフラットスペースを発見したので、道路から見えない奥の方でツエルトを設営した。
まだ気温が高くて両サイドを開けて横になりたかったが、川沿いのためか蚊がいたためファスナーを全閉にしなければならず、日没後しばらくは暑さに耐えなければならなかった。
寝起 パワーバー×1
行動食 パワーバー×1
朝食 マルチャン×1、ツナ×1、パワーバー×1
昼食 マルチャン×1、ツナ×1
夕食 コンビニで買い食い
PCT69日目 7月3日(月) CastellaからMt.Shastaで補給、1489mile付近まで
6時15分起床 晴れ
朝起きると30分ほど裁縫仕事をしてサコッシュとバックパックの補修を行う。
そして昨日の残りのプリングルスを食べて出発した。
15分ほど歩いてヒッチポイントのInterstate5の入口までやって来た。時間は7時20分。早起きの人も多いためなんとかなるだろう。
ヒッチハイクを始めると、すぐに2人組のハイカーがやって来た。目的地を聞くと同じMt.Shastaだったため、3人一緒に行うことにした。
2人は進入路と本線の間の分離帯、私は進入路外側の路肩で行った。
ここはExit726で田舎で交通量が少ないため、本線側を走行する車にもサムアップしてお願いすることになった。10分ほどすると、進入路から車が上ってきたため、サムアップすると止まってくれた。
あとで車内で聞いたところによると、交通量の少ない田舎でヒッチハイクをする場合は、安全を確保しつつ本線側で行うそうだ。確かにInterstateに入ってくる車は少なくてヒッチハイクが成功するように思えなかった。今回はたまたま仕事に向かう爺さんの車を捕まえることができた。これが土日だとまた状況が変わるかもしれない。これまでの経験上、地元車が載せてくれる方が多かった。
Mt.Shasta 1498.7mile地点 12mileヒッチ
Mt.Shastaの麓にあるリゾートタウン。ホームセンター、スーパーマーケット、アウトドア用品店などがあり、基本的なものは大抵揃う。リゾートだけあって宿泊料は高めなのが玉に瑕。
キャンプ場で安く泊まれそう。(未確認)
20分ほどでMt.Shastaに到着した。
下ろして貰った町のセントラルで二人組と分かれると、下の方にあるレストランにやって来た。店に入る前にソーラーパネルをセットして少しでもモバイルバッテリーを充電しておく。
店内は朝から大賑わいだった。カウンターに座ると、新聞紙のようなメニューを持ってきてくれた。
朝食セット
トースト、目玉焼き、ベーコンとジャガイモ炒め、クリーミーなソース
ハイカーにとっては食後のおやつ程度のボリューム。
いっただきま~す。朝からプリングルスしか食べていなくてお腹が空いていたため、あっと言う間に平らげてしまった。
隣のおっさんがちょっと手を付けただけでほとんど残して帰ったのを見て、ウエイトレスにその残り物を欲しいと言いたくなった。
まだまだお腹が減っていたので、ペロリと食べられたはずだ。変な見栄が邪魔をして言えなかった。(アメリカだと凄い端たないことかもしれないと思ってしまった。)
ああ、勿体ない。。。
会計はカードで行った。
代金12.35$にチップ2$を加えて14.35$
このレシートは客用の控えでもう一枚の店用に記入する。
サインはTokyo Joeにしているが、カード名義人の名前をキチンと記入する。
現金払いだとレシートを貰えないことがあるし、チップ用の少額紙幣の用意せずにすむため、Cash Onlyの店以外はほとんどカードで支払っていた。
坂を上って町の中心部に戻る。途中で下ろして貰えば良かったのにと思ってしまった。
雪を抱いた立派な山がMt.Shastaだ。車に載せてくれたドライバーの話によると、2017年は残雪が特に多いということだった。
飾り付けされて華やいでいる消防車
リゾートタウンだが、ヤケにソワソワと浮ついている感じがした。平日だというのにどうしたのか?
重たいバックパックを持って移動するのが面倒だったので、警察署の広場の前に置いて用事を済ませることにした。アメリカでの生活に慣れて大胆になっていた。周囲は一般人が行き交っていて目立つ場所だった。
ついでにソーラーパネルでモバイルバッテリーを充電しておいた。
町は翌日のIndependece Day(独立記念日)のイベントの準備中で大忙しだった。
メインストリートでは屋台が並び始めていた。
おそらくここがメイン会場。遊んでないでさっさと用事を済ませよう。
ホームセンターで接着材を6$で購入した。
生憎1$ショップは見当たらなかった。
早速、浄水器のパッキンを接着した。完全な修理とは言えなかったが、使う度に気を遣うのは耐えられなかった。
バウンスボックス受け取りのためにPost Officeにやって来た。
この時、翌日がIndependence Dayで休日だとは全く知らずにいたのだった。
タイミング良く荷物の受取ることができた。
建物内でバウンスボックスの詰替えを行う。
この時、ダンボール箱は使い捨てにしていたのだった。宛先シールを上から貼れば3回くらいは使え、Hold For PCT Hikerなどと全ての面に注意書きなどを書かずに済むため時間の節約になる。
必要な紙の地図やタウンガイドを取り出し、不要品を新しい箱に詰め替えた。中身の半分以上は不要品だった。忘れずに接着剤を中に入れ、自作アイゼンを取り出しておいた。
バウンスボックスは約300mile先のSierra City(1195.4mile地点)に発送しておいた。休養日を入れると15日以内に歩き切るのは難しいかもしれないので、念のため保管期間のないお店に発送した。
一旦警察署前の広場に戻り、バックパックを回収してから、Post Office近くのスーパーマーケットにやって来た。かなり無駄なことをしてしまった。
中心部にあったスーパーマーケットは品揃えが悪かったので、町外れの方のこちらの店までやって来たのだった。
店先で食料を整理する。
もう少しきれいな場所が良かったのだが、どこにも見当たらなかった。
袋入ツナ、マルチャン、パワーバー、トレイルミックスなどで約45$だった。
癖になってしまったトレイルミックスとバナナチップスを購入した。
パワーバーに較べて腹持ちが良く安い。
Mt.Shastaにはキャンプ場があるのだが、料金が不明だった。町外れにあって見にゆくのも面倒だったので、今日中にトレイルに戻ることにした。歩道を歩いてInterstate5に向かう。
12時30分ころInterstate5の入口でヒッチハイクを開始する。
交通量はあるのだが、反応が悪く素通りしてゆくのみ。強烈な日差しに焼かれながら辛抱強く行った。
待つこと1時間。ようやく止まってくれたのだが、途中のDunsmuirまでだったので、見送ってさらに継続してヒッチハイクを行った。
それから15分経ってようやく成功したのだった。なぜかMt.Shastaは反応がイマイチ悪かった。よそ者が多いリゾートタウンということもあるのかもしれない。やはり地元車に限る。
ヒッチハイクした距離は約12mile。PCT入口近くで下ろして貰った。
Rail Road(鉄道)の標識
踏切前にはこの標識が設置されている。
線路を渡ってPCT入口に向かう。
川遊びにやって来たピックアップトラックには浮き輪代わりのチューブがたくさん載せられていた。アメリカではなぜか浮き輪にチューブが使用される。西海岸の田舎に限るのかもしれないが。
15時過ぎPCTに復帰したところで、しばらく休憩する。
すると単独の女性ハイカーがやって来て気まずい思いをした。
早めに休みを切り上げて歩き始めた。
トレイルは徐々に高度を上げCastellaの町が眼下に小さく見えるまでになってきた。
Interstate5の車の音は随分小さくなった。
北側の開けた場所からMt.Shastaを望むことができた。スキップ後から毎日のように見ていた山だが、別れは近くなっていた。
尾根に上がる前の最後の水場で水を満タンにしておく。
冷たい水が体に染み込んでいくようだった。
今日はトレイル復帰初日でバックパックが重たいので、程々にしてねぐらを探す。
造成途中の林道を歩く。
終点がフラットで広場になっていたので、ここでキャンプすることにした。
Castellaの町を見下ろす場所で圏内であった。
斜面の方によってスマホを取り出し、まずはブログ更新を始める。
スマホのバッテリーが消耗していたので、モバイルバッテリーを繋いで充電しようと思ったところ、全く反応しない。
おかしい。残量ゲージのランプが点灯するが、全く出力しない。
つなぎ直して何度もボタンを押してみたが、状態は全く変わらなかった。しばらく考えてようやく過充電で壊れてしまったことに気がつく。
今日はいつも以上に長時間充電していたことを思い出す。チキショー。やり過ぎたか。
ソーラーパネルに過充電防止機構が働かなかったのか、そもそも付いていなかったのか。
モバイルバッテリーは2個持っていたが、そのうち1個は予備としてバウンスボックスに入れてSierra Cityに発送してしまったところだった。そこでAmazon.comで5000mAhのモバイルバッテリーを2個購入し、トレランシューズなどの発送先と同じDrakesbad Guest Ranchに発送しておいた。時間がないため2Day Shippingとして送料を追加で10$支払ったのだった。
寝起 お菓子少々
朝食 レストランで食事
昼食 スーパーで買い食い
夕食 ???
PCT70日目 7月4日(火) 1489mile付近から1461mile付近まで
5時20分起床、6時出発
林道終点からInterstate5を挟んで向こう側の岩山を望む。
2日前、強烈な暑さの中、脇を通り抜けて下りて来たところだ。
尾根まで上がるとほぼフラットとなり、非常に快調に歩くことができた。出だしは好調だった。
Mt.Shastaとの最後の別れ。
これから山陰に入るため、本日が見納めとなった。
Creek沿いの樹林帯の道を延々と歩く。
地味と言われるCalifornia北部だが、この区間が変化が少なく特に地味に感じられた。
橋の上からCreekを見下ろす。
過充電で壊れたモバイルバッテリー
Anker 10000mAh USBポート1個
PCT出発前に約3000円で購入したものだったが、半年経たずに壊れてしまった。
重さは約180g、壊れてしまうと単なるゴミでしかない。
ボタンを押すとバッテリー残量を示すLEDが4つ点灯するのだが、全く出力しない。
内部のバッテリーではなく、どこかの回路が壊れてしまったようだった。
普段ならバラしてみるが、出先なのでどうしようもない。保証期間が18ヶ月となっているが、現物を持ち続けるわけにはいかないため、次のBurney Falls State Parkで捨てたのだった。
しばらくはデジカメ・スマホはソーラーパネル直結で充電することになるため、これまで以上に過充電に気をつける必要があった。
昼飯のチョコレートを食べたあと、あまりの暑さのため木陰で30分ほど昼寝した。
普段、食事休憩以外は歩き続けているのが殆どで、昼寝するのは珍しいことだった。それだけ景色が単調だったと言えるかもしれない。
どこまで行ってもCreek沿いのトレイルが続く。
たまにハイカーとすれ違うが、もう残雪の量を聞かれることはなくなった。
1469mile地点のMcCloud Riverに架かる橋。
川の水はなぜか乳白色となっている。
あまりの暑さに堪らず河原に下りる。
サンダルに履き替えて足を冷やす。ついでに靴下とTシャツを洗濯する。
ついでに早めの夕食をとることにした。
近くではカップルハイカーが昼寝をしていた。
こうも暑いとやる気が起きない。
暑い暑いと言いながらマルチャンを食べる。砂漠の中でも汗を流しながらマルチャンを食べていた。
20時30分過ぎ、樹林帯の中の薄暗いサイトでキャンプした。
もうどこでも良かった。不思議なことにCreek沿いの樹林帯の中だが蚊は全くいなかった。
寝起 パン少々、ミックスナッツ少々
行動食 ミックスナッツ少々
朝食 マルチャン×1、ツナ×1、ミックスナッツ少々
昼食 チョコレート×1
夕食 マルチャン×1、ツナ×1
PCT71日目 7月5日(水) 1461mile付近から1434mile付近まで
5時15分起床、5時45分出発
いつもの時間に起きていつものように出発する。樹林帯で薄暗かったが、体内時計が恐ろしく正確で自然と目が覚める。
土砂崩れのため迂回あり。素直に支持に従った。
トレイルは東西に延びていて東へ向かって歩いているため、自分が逆向きのSouth Boundで歩いているのか分からなくなってくる。
ただただ歩くしかない。
トレイル脇の花を見ても無感動のまま。
気が疎らで日当たりが良いためかなり暑い。
今日はお腹がすぐに減って力がでない。遅めの昼食でフラフラになった。
見納めかと思っていたMt.Shastaが今日も見えた。
崖の上から遠くを見下ろす。
Kosk Spring
トレイルから2/10mile離れた場所に湧いている。ここで水を汲んで近くで夕食にした。
20時30分過ぎ
トレイルジャンクションのフラットスペースでキャンプした。
寝起 パワーバー×1
行動食 チョコレート×1
朝食 マルチャン×1、ツナ×1、チーズ×2
行動食 パワーバー×1
昼食 マルチャン×1、ツナ×1
行動食 パワーバー×1
夕食 マルチャン???
PCT72日目 7月6日(木) 1434mile付近から1411mile付近まで
5時10分起床、5時35分出発
歩き始めにバックパックを背負った時、軽く感じると体調はいい。逆に重たく感じると体調はイマイチで距離は伸びない。
California北部は灌木がトレイルに覆いかぶさっている箇所が多く引っかかって鬱陶しい。
町に近づくにつれて人工物が多くなってきた。
送電線は重要な目印となる。
消耗が激しくなってきたトレランシューズ。
受け取り場所のDrakesbad Guest Ranchまで100mileを切ったが、もってくれるだろうか?
一気に破れてつま先が出てしまうかもしれないとビクビクしていた。
樹林帯から背丈の低い灌木帯に入ると一段と暑さが厳しくなってきた。
もう残雪はどこにも見当たらない。California南部の乾燥地帯のような風景が広がり始めた。
あまりの暑さでバテる。
Creekに下りて体を冷やす。浄水したての冷たい水を飲みまくった。
その後、木陰で休憩しながら昼食をとる。暑いなか熱々のマルチャンを食べるのがキツかった。
Burney Falls State Park 1416.5mile地点 On Trail
国立公園内に小さなお店があって、必要最低限の補給と有料で荷物を受け取ることができる。
14時30分過ぎ Burney Falls State Park内のGeneral Storeに到着した。
周囲はBurney Fallsを観に来た観光客で賑わっている。暑くてお腹が空いているので、お店に直行した。
お店は新しく最近建てられたようす。
中も観光客で賑わっていた。
お店の規模は大きなコンビニといったところ。リゾート価格でどれも高めでマルチャン1袋が1$だった。ハイカーフードはそれなりにあって、金に糸目を付けなければ補給することも可能だった。
明日Burneyの町に行くため、最低限の食べ物だけ購入した。
ペプシ、アイスクリーム、パンケーキ、チップスで10.38$。高いがお腹を空かせたハイカーに選択の余地はない。できるだけ安い食べ物を控えめに買う。
滝は観光客でいっぱいだったが、ここまで来て観ないのは勿体ないので、よってゆくことにした。
整備された遊歩道を滝壺に向かって下りてゆく。
歩いて5分ほどで滝壺まで下りることができる。
水着姿の人が水浴びして涼んでいる。
迫力のあるBurney Falls。風とともに水しぶきが飛んでくるため非常に涼しい。
岩の上に座って暑さで火照った体を冷やした。
観光客に人気だった標識
ここからMexicoまで1418mileだが、スキップしたためややこしくなっている。
自分が何マイル歩いているのか計算しないと分からない。
赤茶けた未舗装の道路を横切る。
20時前、ガスのパイプラインを過ぎたフラットな場所でキャンプした。
地面に軽石のような石がゴロゴロ転がっていたため、ペグ効きが悪かった。
蚊がいたため、久しぶりのカウボーイキャンプは見送りツエルトを設営した。
寝起 パワーバー×1
朝食 マルチャン×1、ツナ×1、パワーバー×1
行動食 パワーバー×1
昼食 お店で買い食い
夕食 マルチャン×1、ツナ×1
PCT73日目 7月7日(金) 1411mile付近からBurneyで補給、1391mile付近まで
5時45分起床、6時20分出発
ヒッチポイントが近いため、少し遅めに起床した。日が昇ったばかりだというのに空気が生温かい。
道路に出る手前でまさかのトレイルマジックが出現した!
なんという間の悪さ。これから町に下りるというのに。。。
ピクニックテーブルに日除け傘が設置され、お菓子やウォータークーラーに入れられた飲み物が置かれていた。
Registerがあったので、名前だけ書いておいた。
7時過ぎ、ヒッチポイントのHwy89にやって来た。トレイル付近は退避する場所がないため、町の方にHalfmile行ったところの信号なしの交差点の手前で行った。
田舎の割には交通量があるが、流れが速くて止まってくれない。見た感じ70m/hくらいで走っていた。もう少し交差点から離れた場所に移動して行っていると、随分古い白色セダンが止まってくれた。
乗っていたのはBurneyにゆくところだったおばちゃんで、ゴミ袋を満載していたのだった。
ゴミ袋を退けて助手席に座り、フロントガラスをチェックすると、やはりヒビが入っている。
私の感覚では載せてくれた車の7割近くがフロントガラスにヒビが入っていた。小奇麗な車も止まってくれたことはあったが、圧倒的にボロボロの車の方が多かった。
Burney 1408.8mile地点 7mileヒッチ
道路沿いに出来た小さな町。庶民的な価格のスーパーマーケット「Safe Way」があるのが嬉しい。
あっと言う間にBurneyまでやって来た。入口のショッピングセンターで下ろして貰った。
真っ先にやって来たのはもちろんレストラン。ボリューム満点のバーガーだった。
ポテトが山盛りだったのが嬉しい。
釣りはいらねー。
キャッシュで20$渡して店を出る。暇な店で食べたあともスマホを充電しながらゆっくりできたのが良かった。モバイルバッテリーがないため、バッテリー残量を常に気遣う必要がある。
ソーラーパネル直結で充電してみたのだが、なぜかほとんど充電できなかった。
不安定な電気だと大電流が必要な急速充電可のスマホは充電できないらしかった。
スーパーマーケット近くの休憩スペースにスクラップの車のマフラーで作られたトナカイ?が設置されていた。サビ具合がちょうど良かった。
次のOld Stationまではおよそ35mileで1日半の行程となる。
2日分と少しの食料を持つことにした。
California北部は町の間隔が近いため、荷物を軽くすることができるのがいい。
忘れないうちにまずは店内のウォータークーラーで水を汲む。乾燥地帯に入って行くため、多めに水を持っておく。
なんとクリフバーが激安。1本1$という信じられない価格だった。
全部で35$。Safe Wayは腹ペコハイカーの味方だ。
レジのおばちゃんに何か言われたが、意味不明だったのでそのまま立っていると、次の客から割引カードを借りてバーコードで読み取っていた。
何割引きだったか知らないが、レジのおばちゃんと次のお客さんが連携プレーで親切にしてくれた。
サンドイッチにかぶり付くおっさん。
写真を撮ろうとしていたら、通りがかりのおばちゃんが写真を撮ってくれた。
レストランで食べたばかりなのに、まだまだお腹は空いている。
うむ、これはサンドイッチ。確か1つで6$くらいした。アメリカは惣菜はかなりの高め。
他にはペプシを飲んだりアイスを食べたり、お菓子を食べて胃袋を満たしてゆく。
少しでも食べておき、携行する食料をできるだけ減らすハイカーの知恵。
身障者用の駐車スペースには車は停めない。グッドマナーなアメリカ人。
しかし、買い物カートがそこら辺に放置されていたりする。よく分からない。
教会はハイカーにとってオアシス。トレイルマジックあるよと表示されていたのだが、厚かましくも中に入ってゆくことはできなかった。もう十分食べたのでトレイルマジックはいい。
食事したレストランまで戻ってヒッチを開始した。
近くにいたハイカーがそんなところじゃ無理だよというような顔をしていたが、10分もしない内にヒッチに成功したのだった。
載せてくれたのは小さな赤ちゃんのいる若奥さんで、町で買い物を済ませて家まで戻るところだった。赤ちゃんを怖がらせないよう、変なバイキンを移さないようにじっとしていた。
なぜ赤ちゃんがいるのにホームレスのような身なりの男を乗せることにしたのか、やんわりと聞いてみたかった。
11時ころ、町から戻ってきてPCTに復帰した。
無駄なくスムーズに補給を済ませることができた。
茂みに隠しておいた自作杖を忘れずに回収した。
トレイル脇に置かれていた椅子
時間の経過はそれほど見られない。ハイカーは椅子より直接地面に座ることを好む人種だ。役に立つのは稀だろう。
重要な給水ポイントのBaum Lakeに流れ込むCreek。湖の水を汲んでも良いのだが、流水の方が美味しく感じる。
全てのペットボトルに水を入れる。
ペットボトルで2.5Lとプラティパスのホーサーが2Lでおよそ4.5L持つ。
この先のHat Creek Rimは水場は非常に少ない。
底に藻がたくさん生えているCreek。太陽の日差しに温められて少し温めとなっている。
浄水したあと、木陰で休んでいると、あまりに気持ちよかったため、思わず昼寝をしてしまった。30分くらい寝ると、リフレッシュしてパワーがモリモリ湧いてきたのだった。
ポンプ小屋手兼発電所の前の橋を渡る。
Creekではルアーフィッシングしている人が数人いた。
ポンプ小屋から送水パイプが延びていた。乾いた森の中に数軒民家が見えた。
パイプはかなり老朽化していて、ところどころ噴水のように水が出ていた。
暑い。暑すぎる。昨日よりさらに暑くなってきた。
貴重な木陰で休み休みして歩いていった。
トレイル脇にクーラーボックスを発見!
フタを開けてみると、ほとんど空っぽだった。
黒く変色したバナナと半端なビスケットが少し入っていただけだった。
これは空腹の時だと、かなりのショックを受ける非情なトラップだ。
道路を横切ると、トレイルマジックがないかつい探してしまう。
特に舗装路だと期待してしまう。
欲しい時にないことが多い、それがトレイルマジック。
思いのほか暑くて水の消費量が激しいため、途中のウォーターキャッシュで水を少しだけ貰った。こういう水もトレイルマジックの一部。このように欲しい時にタイミングよくあることもある。
暑さでバテバテのおっさん。California南部の乾燥地帯でのように頭に日除け代わりのバンダナを巻いた。露出する肌を減らすと多少はマシになる。空気の流れは止まったままで風は吹かなかった。
たいして歩かないうちに再び木陰で休む。17時を過ぎているというのに、以前として厳しい暑さが続いている。
Hat Creek Rimの縁を上っていると、向こうから懐かしいCrushがやって来た。
彼はあのまま無事にSierraを踏破してやって来たのだった。
最後に別れたのがReds Meadow手前のFish Creekだった。彼は500mileもの道のりを20日弱で歩いてきた。なんと1日25mile以上という驚異的なペースだった。彼と5分くらい話したあと別れたが、この後Crushと会うことは二度となかった。
Hat Creek Rimの縁に上がったところ。火山活動によって創られた地形で、台地の端の崖近くにトレイルが続いている。
Half Mile’sMap California Section N – Page 17より
Hat Rim Creekの地図。下の溶岩が固まった場所から急斜面を登ると台地の縁に出る。
これが20mileほど続く。
崖のようす
トレイルからの景色は抜群に良い。眼下には見渡す限りの樹海が広がっている。
崖っぷちをゆく。自分の人生と重なって見えた。
奥の雪を抱いた山はMt.Lassen。
上の台地は溶岩が冷えて固まったような岩がゴロゴロと転がっていて草原になっている。
草原では牛の放牧が行われていてあちこちで巨大な牛が草を食んでいた。
近くで見ると凄い大きい牛。おそらく肉牛。
群れの中にお腹にボーガンの矢が刺さった牛が一頭いた。痛々しそうな声を上げて鳴いていた。
地面はカラッカラに乾いているため、土埃で足が汚れた。
Creekで足を洗いたいのだが、どこにも見当たらない。
私が近づくと勢いよく逃げ出す牛たち。人間のことを恐れているようす。ボーガンを持った人間に追いかけられたためか。牧場主に教えてあげたかったのだが、どこに連絡していいのかサッパリ分からなかったので、放っておくしかなかった。
20時過ぎようやく日没を迎えようとしている。台地に上がったら多少風が吹くようになったが、それでも暑くて仕方がなかった。
久しぶりにトレイル脇でカウボーイキャンプした。
蚊は全くおらずチャンスだった。雨の心配は全くないため、ツエルトを張る気が起きなかった。
この日、水節約のため、調理はせずにパンやチーズを食べていた。
町で食い溜めしておいたため、粗末な食事でも全くお腹は空かなかった。
(マルチャンでも十分粗末な食事だが。)
寝起 パワーバー×1
朝食 レストランで食事、スーパーマーケットで買い食い
行動食 大きなパン×1、チーズ×2
夕食 パン、チーズ少々。
つづく
コメント
からあげ隊長、お金は大丈夫なのでしょうか。
せっかく会社を辞めて、一度だけの人生を謳歌するはずなのに、
お金がなく、細々と生きていくのは残念な気がします。
ご心配なく。
お金がないから人生楽しめないのではなく、お金のせいにして行動しないから楽しめないのです。
お金を中心とした考えはあらゆる歪みを生じさせます。
いつも、
PCTの総括記事を楽しく読んでいます。
隊長の記事は、すべてが生の実体験であり、
雑誌や観光パンフレットでは、読めない内容です。
そんな、PCTでは、危険な目に合わなかったのでしょうか?
また、米国は、アジア人への嫌がらせが多いと聞きますが、そんな、
調子いい出版物には載らない話題もお願いします。
北米の
物価高については、
隊長の節約魂を怒らす雰囲気は伝わってきます。
そして、
思うのですが
PCTを歩いた隊長が目指す
未開の地は、この日本にあるのでしょうか?
これからも
メディアが伝えないPCT記事の整理と掲載お願いします。
いつもありがとうございます!
危険な目というのは渡渉以外でしょうか?
PCT終了後、Canada Vancouverの町でCrazyな男に絡まれ掛けました。この話はまた今度書きますね。
アジア人は格下に見られることが多いと感じました。私のコミュニケーション能力、身なりを差し引いてもです。
あからさまな嫌がらせはありませでした。ヒッチハイクの難易度が他のハイカーに較べて高かったような気がします。
残念ながらこの地球上に未開の地はありません。そんななか自分の行きたい場所を見つけます。
はじめまして。ストックシェルターから検索してここにたどり着き、あまりのクオリティーの高い記事と独特の考え方にすっかりファンになってしまいました。
誠に勝手ながらストックシェルタータープの詳細について記事をおこして(気の向いたときに!)いただけるとありがたいです。勝手な要望ですみません
どうもありがとうございます。
そう仰っていただけると、非常にやる気になります。
今、タープ作成準備中ですので、しばらくお待ち下さい。
危険な目というのは渡渉以外でしょうか?
>そうです。隊長がスプレーでイタズラ書きがされた高架下をさ迷っていた写真やアーバン野宿の際にホームレスが出現した話など、どうみても、ヤバイ世界です。
多分、読者、pctを目指す人は、そんな話題も欲しているように思います。
町の中心部は危険なホームレス多数ですが、郊外のホームレスはそれほど危険とは思いませんでした。
あの高架下の落書きはアートで危険なものではありません。ただ、自分の創作意欲を満たすためにせっせと描いているだけのように思えました。
ではPCT終了後の野宿のことも書きますね。