アライ スーパーライト・ツエルト1とツエルト用フライで快適キャンプ

こんにちは。からあげです。

小屋の片付けをして再び実家にやって来た。PC作業をいつでもやるためには実家の方が都合がいい。今日くらいゆっくりしようかなと思っていた矢先、おかんがやりやがった!日帰り旅行なのに寝坊して、家事のほとんどを私に押し付けて出かけていった。ババアのくせにいつも夜更かししているからこうなる。

これは計画的犯行だ!

少しくらいゆっくりさせてくれてもいいのに、と毒づきながら台所周りの片づけから始める。

洗濯物だけは干して行ったのは良いのだが、10時前になると小雨がパラパラと降り始めた。

外で作業していたのを一時中断して物置の中に移動させる。あ~あ面倒くさい。探検隊の事務所が洗濯物だらけになってしまった。いつものことだ。これくらいは気にせずにおこう。

アライ スーパーライト・ツエルト1 

ところで、今日はツエルトの話をしよう。

ツエルトとは登山で使う非常用のシェルターのことで、山中でビバークする時に頭から被って寒さをやり過ごす。テントより軽量コンパクトで携帯に優れるが、非自立式で中は狭く防水力が劣るため、お世辞にも快適とは言えない。しかし、多少のことに目をつぶれば、装備の大幅な軽量化を図ることができるため、ウルトラライト志向の人にはオススメのシェルターだ。

一度使ってみると、その軽さに病みつきになる。

2013年10月10日 笠ヶ岳山荘テント場

小雨がぱらつく中での設営となった。防風壁に守られて一晩快適に過ごすことができた。

テントに比べて快適性が劣るツエルトだが、タープを組み合わせることで格段に快適になる。タープを加えて居住性をアップしつつも、軽量化を図ることができる。

ツエルトの生地には防水コーティングがされているため、多少の雨なら防ぐことができるが、テントのフライシート並の防水力はない。そこで、オプションのタープ(ツエルト用フライシート)を使うのだ!

2012年12月23日 

この日、平湯方面から乗鞍岳を目指して道路沿いに登っていたが、雪が深くてあまり進まないうちに夕暮れになってしまった。ちょうど橋があったので、橋の下にツエルトを張った。結露が凄くて内側全面真っ白になった。

雪の多さに嫌気がさして、翌朝引き返すことにした。

私のツエルトはテントメーカーの老舗 アライテントのスーパーライトツエルト1というものだ。これからこのツエルトのスペックに付いて説明しよう。

スーパーライト・ツエルト1

製品仕様

価 格 9500円(税抜き)
重 量 280g

サイズ 設営時:間口90×奥行200×高さ90cm
    収納時:10×10cm
カラー イエロー
素 材 28dnリップストップナイロンPUコーティング (東レ「ファリーロ」中空糸)

重量わずか280g(1~2人用)の軽量タイプのツェルトです。ザックの片隅にいれておいて強風時、雨や雪の時の休憩、やむをえないビバークの時などに使用します。もちろん別売りの「ポールセット」などを利用して軽量テントとしても使用できます。
本体にはウレタンコーティング加工を施してありますので、多少の雨でも大丈夫です。ポールとベンチレーターも干渉しません。
床は紐で合わせるスタンダードなタイプです。

アライテント製品ページより

*東レ「ファリーロ」とは東レが開発した中空の繊維。軽さと暖かさを兼ね備えた繊維。

参考リンク
よくわかる化学せんい(日本化学繊維協会 JCFA)

値段と重さが軽量化されているアライのシンプルなツエルト。ウレタンコーティングが施されているため、多少の雨ならやり過ごすことができる。ただし、防水コーティングで通気性が悪くなるため、多少結露する。

ツエルト用フライシート

製品仕様
価格 7400円(税抜き)
重量 350g
カラー:イエロー
素材:30dnリップストップナイロンPUコーティング
付属品:張網6本
 
スーパーライト・ツェルトとスタンダード・ツェルトのフライシートです。また最も小型のシェルターでもあり、小型タープでもあります。重量はたったの350g。畳んでしまえば手のひらに載るほどの大きさしかありませんが、広げると2×2.2mの大きさになります。
使い方はシートの代わりに地面に敷いたり、小屋掛けの屋根にしたり、雪洞の入口やくるまっても良しと、実にいろいろな使い方ができます。ある意味では究極のシェルターといっても良いでしょう。
 
単体でタープとして使用することもできるツエルト用フライシート。価格と重さはそれなりだが、ツエルトにプラスすることで居住性と耐風性が大幅に上がる。
この組み合わせで何度か嵐をやり過ごしたことがある。
 

ツエルトフル装備の重量一覧とエアライズ1との比較

左からツエルト用ポールセット1(張り綱含む)、アンダーシート1、スーパーライト・ツエルト1、ツエルト用フライシート。

アンダーシート1はエアライズ1・ゴアライズ1用だが、スーパーライト・ツエルト1より若干大きいものの無理なく使用できる。

ここでは私が普段の山行で使っていたフル装備の重量を個別に秤で計測してみた。

使用した秤は、タニタのデジタル秤。(TKD-160)

参考リンクアライテント エアライズ製品説明のページ

製品名 実測値 メーカー公称値 備考
スーパーライト・ツエルト1 262g 280g

収納袋付き、ロープなし

ツエルト用フライシート 294g 350g 張り綱6本付き
アンダーシート1 144g 160g 収納袋付き
ツエルト用ポールセット1 224g 225g 張り綱2本付き、ただし、手持ちの品は自在なし。
 
ペグは各種混じっていたため、計測を行わなかった。
公称値より実測値の方が全て軽かった。中でもツエルト用フライシートの差が大きくなった。

エアライズ1とスーパーライト・ツエルト1の比較

エアライズ1
パーツ 重量 備考
本体、フライシート、ポール 1360g 張り綱、ペグは含めず。
アンダーシート1 160g  
合計 1520g  
 
スーパーライト・ツエルト1
パーツ 重量 備考
本体 280g  
アンダーシート1 160g  
ツエルト用フライシート 350g 張り綱6本付き
ツエルト用ポールセット1 225g 張り綱2本付き
合計 1015g  

*重量は全てメーカー公称値

ツエルトフル装備でも、エアライズ1との重量差は約500g。トレッキングポールを携行し、ツエルト本体のみだと、1200g以上の圧倒的差がつく。

ツエルトの設営の手順とポイント解説

設営する場所は、広大なからあげ邸の片隅。テント設営用スペース。ここで密かに各種ギアのテストを行っている。

まずは地面の小石や枝を取り除き、グランドシートを敷く。グランドシートを使用するのは、防水とツエルトの保護のため。

ここではまだペグは打たない。風が強かったら、ペグで仮止めしておくか、そこら辺の石でも載せておく。

グランドシートの四隅は補強されてペグループが取り付けられている。

生地は40Dナイロンタフタ、ウレタンコーティングが施されている。エアライズなどテントの底と同じ生地となっている。

ツエルトの四隅のループには2mmのロープ(中芯はダイニーマ)を取り付けた。これは基本のカスタマイズだ。ロープがある方が、設営のバリエーションの幅が広がるし、テンションの調整がしやすい。

非常用に携帯するだけなら、このロープは必要ない。(その代わり被って使うことになる。)

ロープの結び方は、基本の8の字結び。簡単に結べて自然に解けることはない。

ツエルトの四隅をペグダウンする。ロープを張ってある程度テンションをかけておく。ツエルトは非自立式なので、ある程度テンションをかけないときれいに張れない。

グランドシートのペグループにロープを通してからペグダウンする。

ペグは叩くものではなく、押し込むもの。オートキャンプ用の馬鹿でかいペグのことは知らない。ここでは登山用のペグの説明をする。

写真のように他のペグをT字状に当ててから腰を入れて押し込む。石で叩くとペグの頭が傷むし、地中に石があった場合はペグが曲がってしまう。石が多くて入りにくい場所では、ペグを打たずに石で固定した方が良い。そのためにもロープを取り付けておく必要がある。

このように他のペグT字状に当てると、手が痛くならない。
最後の一本はどうするのか?そこら辺に転がっている石を当てるとよい。(叩いてはダメ)

ペグは穴に通して結んでおく。この結び方は船のビットに結ぶ方法だ。名前は知らない。簡単で絶対に解けない。そしてテンションの調整がしやすい。

ペグの穴に通しておけば、風に煽られてもロープが外れることはない。ペグが抜けた場合、どこかに飛んでいってしまうこともない。ペグは穴付がオススメだ。

私が普段から愛用しているのは、エアライズ用のジュラルミンペグで1本15g(実測値12g)。そこそこ軽量コンパクトでコストパフォーマンスに優れる一品だ。

ツエルトの張り綱は、半分に折って両端の金属製リングに通しておく。

張り綱は、ツエルト用ポールセット1の付属品で太さ3mmのナイロンロープ。

リングの通し方。このように通せば簡単で結ぶ必要がなく、外れることもない。

ポールの先端を通しやすくするために、この通し方が良い。

ツエルト用のポールは、オプションのツエルト用ポールセット1を使用する。

トレッキングポールでも設営可能だが、専用ポールの方が簡単に張れる。
トレッキングポールを携行する場合は装備が被るので、ツエルト用ポールは必要ない。

ポールは三つ折りで、折りたたんだ状態で長さは42cm、直径11mmで、ジュラルミン製だ。

ポール先端のようす

リングにジャストフィットするサイズとなっている。

ポールエンドのようす

中に土や石が入らないようにキャップが取り付けられている。

張り綱のペグは、四隅のペグの延長線上にあらかじめ打っておき、リングにポールの先端を挿して、片方のロープを靴で踏みながらもう片方のロープを張る。

写真は片方のポールを立ち上げたところ。ポールはロープを2本取らないと安定しない。立木に結ぶ場合は1本で良い。

リングにポールを通したところ。絶妙のフィット感で外れるようなことはない。
これがトレッキングポールでの設営ではないところだ。

ツエルトを張り終えたところ。なかなかパリッと張れたぞ。

ツエルト単体の場合は横風に弱いため、できるだけ出入り口側を風下に向けて設営する。出入り口側を風上に向けると開けた時に鯉のぼりのような状態となってしまう。

張り綱にはプラスチック自在が付いているのだが、自在は使い勝手が悪いし、ロープワークの妨げになるので取り外してある。

自在は風に吹かれると、少しずつズレてロープが弛んでくる。ロープの調整はペグ側で行った方が良い。

ファスナーは片方のみ。反対側はなし。

軽量化とコストカットのためにファスナーは片方のみとなっている。(私の推測)

出入り口の反対側のアップ

両側の天頂部付近にベンチレーターがある。セルフビレイ用のロープを通すことができる。

風雨が強い場合は、ベンチレーターを絞ってこのように縛っておくと良い。
ロープが緩んで開いてくることはない。

ただし、中でストーブを使用する時は、一酸化炭素中毒防止のためにベンチレーターを開けておく。

出入り口側のアップ。

黒色のシングルファスナーが取り付けられている。

下側がなくなっているのは、以前、太郎平小屋(薬師峠)キャンプ場で泊まった時に出入り口を開けた状態でガスストーブを使っていたところ、風に吹かれて生地がストーブに当たり溶けてしまったのだ!

生地とファスナーが溶けてしまっている。

隙間風が多少入って来る程度で使用上それほど問題なし。このままかなりの期間使っていた。

傷みがこれ以上酷くならないようにリペアシートと補修してある。

出入り口を開けたままにしたい時は安全ピンで固定している。

安全ピンのアップ。使用しない時は、天井のループに付けておくと良い。

袋にしまう時は、取り外して小物入れなどにいれておく。(紛失とケガ防止のため。)

ツエルトの底は割れるようになっている。これがテントと大きく違うところ。写真ではロープで縛って閉じている。

頭から被る場合や、靴を履いたまま(特にアイゼン着用している時)中に入る場合に底を割る。屋根が内側に垂れ下がっているため、かなり狭く感じる。

少し大きいスーパーライト・ツエルト2ロングの場合は、オプションのインナーフレームを入れて居住性を高めることができる。

出入り口のようす。

下側は閉められない構造となっている。穴から隙間風が入ってくる。私の小屋と変わらないようになってしまった。

出入り口の反対側。

こちらも下側を閉じることはできないが、持ち上げて開けて外にゴミを掃き出すことができる。
いつもタオルを使って掃除している。

ベンチレーターを内側からみる。

天頂部のようす

テープで補強してあって、3箇所にループが取り付けられている。

ループのアップ

リッジレストクラシックSを107cmにカットしたPCT仕様ものを中に入れた。

マットの上に寝袋を敷いた。

身長165cm痩せ型のおっさんが寝袋に入って寝たところ。

頭と足元に若干の余裕あり。

あぐらをかいて座ると、頭が天頂部に触れるほど低い。

そのため、ツエルト内でスープを最後の一滴まで飲む時は、寝転がらなければならない。

タープ(ツエルト用フライシート)を付ける

ツエルトを設営した状態で、さらにタープを取り付ける。袋から出してタープを広げたところ。張り綱は6本取り付けられている。

端と張り綱のようす

タープの全周と中央部に補強用のテープが取り付けられている。プラスチック自在は使用しないが、外すとどこかにいってしまうため、付けたままにしてある。(単に面倒くさいだけ。)

中央部分の補強のようす

テープと生地が取り付けられている。

中央部分のリング

ツエルトのリングの上からそのままポールの先端に挿す。

四隅のロープを張ってから、中央のロープを張った方がやりやすい。風が強い場合は、とりあえず数カ所仮止めしておく。タープを張ってから、もう一度ツエルトのロープのテンションも調整を行う。

ペグが足りなくなったため、石を使ってロープを張った。

石で固定する場合は、石を動かしてロープのテンションを調整できて簡単だが、石が小さいと風に吹かれると動いてしまう。

正面から見たようす

スーパーライトツエルト1の場合、両サイドにかなりの屋根付き空間ができる。
ここに汚れ物や登山靴を置いてよくといい。

真横から見たようす

ツエルト単体だと横風に弱いが、タープとセットで設営する場合は横風の方が強くなる。

スーパーライト・ツエルト1の場合はタープの下に小さな軒先ができる。

角度を変えてもう一枚。

前後から雨が吹き付けると、直にツエルトが濡れてしまい浸水する。できるだけ横から受けるようにする。

出入り口の反対側のようす

タープの中央のロープを強めに張るとよりテンションがかかってきれいに張れる。

ただし、引っ張りすぎると天井が低くなってしまうため注意。

低い天井がさらに低くなって居住性が悪化する。

上から見たようす。小屋の屋根の上から撮影した。三角屋根がかわいい。

ツエルトは非自立式で設営スペースをとるのに、タープを組み合わせるとさらにスペースをとる。テント場の邪魔者と化す。ロープ込みのスペースを計測したところ、だいたい2.3×4.1mだった。混雑する人気のテント場で到着が遅いと、張るスペースがなくなってしまうので注意する。

まとめ

ツエルトは軽量なところが一番の魅力だ。一度軽さの快適さを知ってしまうと、自立式の重たいテントには戻れなくなる。非自立式はペグ効きが命なので設営に頭を使うが、またそれが楽しかったりする。

アメリカのロングトレイルをツエルト(これではない。)で歩き通したため、ツエルトの理解がより深まった。工夫しだいでどうにでもなると分かった。それで私はもう自立式のテントは使わないことにした。より軽く快適に歩くために今後もツエルトなどの軽量シェルターを使い続けることだろう。

テントが快適すぎて物足りないと考えている人には、ツエルトはオススメのシェルターだ。

おわり

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