ダイニーマロープの末端(切り口)を瞬間接着剤で固めて解れないようにする

こんばんは。からあげです。

 

昨日はバックパックの自作という大仕事を終えて幸せな気分に浸りながら眠った。
壁にぶら下げているバックパックをつい何度も見てしまう。
にやにや。
よくこんな物を作ったな!

ダイニーマロープの末端処理を行う

外は風が強く作業ができない。おっさんは物置の中に引き上げてきた。
ツエルトに付けるロープの加工でもしようか、急にそういう気分になってきた。

 

最近、私がテントの張り綱に使っているロープは中芯にダイニーマを使用した2mmのロープだ。
軽くて丈夫で凄く頼りになる。
しかし、2点だけ気に入らないことがある。
それはハサミで切りにくいことと、先が解れやすいこと。
ハサミで切りにくいほど丈夫で、なおかつ切った後の処理が面倒。
普通にライターで炙って焼くと団子になって使いづらくなる。
これが非常に鬱陶しい。

超高分子量ポリエチレン(ちょうこうぶんしりょうぽりえちれん、Ultra High Molecular Weight Polyethylene-UHPEまたはUHMWPE)は、通常2~30万の分子量を100~700万まで高めたポリエチレン。熱可塑性樹脂に分類される合成樹脂であり、スーパーエンジニアリングプラスチックのひとつとみなされている。
ダイニーマ(Dyneema、蘭DSM社、東洋紡がライセンス生産)、スペクトラ(Spectra、米ハネウェル社)などの商品名でも呼ばれる。

 

特徴

非常に高い耐衝撃性を持ち、これはポリカーボネート (PC) を上回る。また、この特性は低温から高温までの幅広い温度領域においても低下しない。
耐摩耗性に優れ、自己潤滑性を持つ。砂を用いた摩擦試験でもフッ素樹脂やポリアセタール (POM) よりも良好。
・耐薬品性を持ち、食品安全衛生樹脂である。
・比重0.92 – 0.94と軽い
吸水率が低く、寸法安定性に優れる。
・特殊な成形方法が必要となる。溶融時の流動性は極めて低く射出成形には馴染まない。そのため粉体を圧縮成形し切削する、または中空成形などの手法が用いられる。

ウィキペティアより引用

 

末端をライターで炙って使っていたが、しばらくするとボソボソになってくる。
これさえなければ、ダイニーマは最高な素材なのだが。

こちらもハサミでカットしてライターで炙っただけ。
ポリエステルの被覆からツルッとダイニーマが飛び出てくる。

そこで以前からやろうやろうと思っていたダイニーマロープの末端処理をきちんと行うことにした。カッターナイフで切ってから末端を瞬間接着剤で固めるみる。瞬間接着剤は100均大手のダイソーのもの。
カッターナイフは切れ味を保てる替刃式で、安全なネジロック式のものをおすすめする。

 

加工の難しさの参考例として、切れ味の良い裁ちばさみでカットしたようすを掲載してみた。
このようによく切れる裁ちばさみでもボサボサになってしまう。

定番のライターで炙る方法はダメ。

末端が団子状になってしまう。この状態だとループに通しにくいし、ロープを引き抜く時に引っかかりやすい。

切れ味の良いカッターナイフで切った場合。
カッターの刃を下に押し付けるようにすると綺麗に切れる。
切る時に下敷きは必須だ。
切り口はハサミで切ったものとは大違い。

カッターナイフで切ってから瞬間接着剤で固めた。
先から1cm程度までたっぷりと塗っておいた。

ヨシ、いいぞ。次のロープいってみよう!

これはエスパースソロに装備されている中芯ダイニーマ2mmの張り綱4本。
使っているうちに末端がボソボソになってきたので、これも加工することにする。

ついでに使わない邪魔な自在を取り外す。
こいつがあるとロープワークの妨げになる。

張り綱をペグで固定する時は、自在は使わずにアイにロープを通して縛っている。
こうすると張り綱が外れにくいし、万が一ペグが抜けて飛ばされても紛失してしまうことがない。

結び目のアップ。
この結び方で解けたことは一度もない。
自在は風に煽られると次第に緩んでくる。
ロープで調整した方がやりやすいし簡単。

反対側のようす。

こちらが自在を使ったロープの固定例。
ペグの爪に引っ掛けているだけなので、風に煽られただけで簡単に外れてしまう。
地面が柔らかいと自在の調整をする時にペグが浮き上がってしまうこともある。

ペグの爪のアップ。

どう見ても頼りなさげ。
自在があると引っかかったりしてロープが扱いづらくなるので、いっそのことない方が良い。
ということで現在は自在は取り外している。

 
 

瞬間接着剤で固めたロープを干しているところ。
たっぷりと塗ると直ぐには乾いてくれない。

それでは瞬間接着剤ではないだろう!という身も蓋もないツッコミは控えておく。
少量付けた時のみ瞬時にくっつく。

ロープから自在を外してスッキリ。
もう使うことはないだろう。

長い能書きが終わって気が済んだところで、エスパースソロのロープも加工する。
中芯ダイニーマの2mmのロープで、反射材が入っているので夜間の視認性は高い。
画像はカッターナイフで切ったところ。
このロープは先程の青色に較べて良く切れる。

同じくたっぷりと瞬間接着剤を塗った。
しばらく干して乾かすとしよう。

ダイニーマのカットには切れ味の良いカッターナイフが必要。
先を折って切れるようにしよう。
瞬間接着剤はコストパフォーマンスを重視して100均のものを使用。
ホンマモンだと凄く高い。

ついでに奮発して購入したチタンペグを紹介。
ピンタイプのペグで重さはなんと6g。
これより軽いカーボン製のペグもあったが、値段が1000円もするので止めておいた。
そんな高価なペグを失くしたら悔しくて眠れなくなりそう。
なくさないように大事に使うとしよう。

 

さらにもう一つ。
トイレの穴掘り用のチタン製のスコップも購入した。
ミゾーのモグ。
ペグにもなる一品で、重さは24g。
通常のペグの倍の重さだが、効率よく穴掘りすることができる。
3種類のペグの長さはだいたい16cm。どれも似たような長さとなっている。

 

こちらが私が長年愛用しているアライテントのジュラルミン製のペグ。
重さは1本12g。何度も直して使ってきた。
無理にペグを打ち込もうとして先が潰れてしまった。
グラインダーで削って先を尖らせると短くなった。

 

石でペグの頭を打ち付けていると、頭が潰れてしまったり、曲がってしまったりする。
最近は学習してペグを石で打ち付けるようなことはしなくなった。

ペグ2本をT字にして上から体重を乗っけて押さえ込むと、石のない地面ならすんなりペグが入る。

このように持ってペグを打つ。
テント場でカンカン打ち付けている音を聞くと、昔の自分を思い出して思わず苦笑いをしてしまう。
こうしてペグを使うと余分にもう1本必要だが、たいていテント場には石が転がっているので、石に縛って張り綱を固定すればOK。

 

末端処理の仕上がり

今回、初めてカッターナイフで切って瞬間接着剤で固めてみた。
これまで散々鬱陶しい思いをしてきたのに、なぜヤラなかったのだろうか?
自分でも不思議に思う。
こんな簡単なことなのに。

接着剤が乾いたら隙間ができたので、何度も塗って先を固めるようにしようか。
できるだけ先が団子にならないように薄く何度も塗り重ねよう。

いい感じになって満足だ。

 

さて、この方法はいつどこで覚えたのかな?
どこかで見たかもしれないし、自分で気がついたのかもしれない。
以前からやろうやろうと思っていた事だけは確か。

 

瞬間接着剤による末端処理の方法を改良

カッターでカットして先端を瞬間接着剤で固めたダイニーマロープ。
その後、カットした断面を見てみた。

その断面を見て満足できなかった。
刃を新品に交換したばかりの切れ味抜群のカッターナイフでカットしたものなのに、ダイニーマが切りにくくてボサボサになってしまっている。
従来の方法のハサミでカットしてライターで炙る方法よりは良いが、まだ完全とは言えない。

角度を変えてもう一枚。
ペグや自在などの細い穴に通す時、引っ掛かりやすいだろう。

そこであらかじめ瞬間接着剤を塗っておいて硬くしたロープをカッターナイフで切って切り口を瞬間接着剤で固めた。
すると見違えるほど良くなった。
断面を斜めにカットすることも試みた。

先はカッチリ固まっていて非常に扱いやすい。
綺麗に処理している靴紐の末端のようになってくれた。

角度を変えてもう一枚。
おっさんも大満足の仕上がりとなった。

ダイニーマロープの切断、末端処理方法まとめ

瞬間接着剤で固めたロープを切れ味の良いカッターナイフでカットし、再度切り口を瞬間接着剤で固める。

 

瞬間接着剤で固めたロープを切れ味の良いカッターで切り、再度瞬間接着剤で固めれば綺麗な切り口に仕上げることができる。
ダイニーマは柔らかいので、瞬間接着剤を塗って固くしないと綺麗に切ることができない。
少しの手間をかけるだけで、見違えるほどの仕上がりとなる。

 

追記(2017年12月16日)

瞬間接着材で処理したロープ末端は、過酷なPCTでも抜群の使いやすさだった。末端は全くほつれてこなかった。手間と時間をかけて処理した甲斐があった。

今日、未処理のロープの処理を行った。

使いかけの100均瞬間接着材が硬化して使い物にならなくなっていたため、今回は一流メーカーのものを使用するにした。たまたま実家を漁っていたら出てきた。

100均の瞬間接着剤のクオリティーで全く問題なし。

 

フタを開けると中に小さなアロンアルファ4本が出てきた。使いかけはすぐにダメになるため、このように小分けしているのだろう。少しでも長持ちするように小さなキャップが付いている。100均にはない配慮が見られる。

アロンアルファ ミニ×4 EXTRA

瞬間接着剤はロープに染み込みやすい液状を使用する。ゼリー状は中に染み込まずに表面で硬化して切り口が太くなってしまう。(ゼリー状タイプは不適

写真はカット前の前処理。接着剤で固めておくと切り口がキレイに切れる。

処理前のダイニーマロープ。

処理後のロープ

この瞬間接着剤で処理する方法は普通のナイロンロープなどにも有効です。
多少の手間は掛かりますが、一度処理しておくと解れてくることはありません。
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